まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

人間が陥りやすい3つの障害

2010-01-08 22:29:03 | おすすめ書籍など
ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!
エリヤフ・ゴールドラット
ダイヤモンド社

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この本は、

「ものごとは、そもそもシンプルである」
「人はもともと善良である」

という二つの信念を基に、ホリスティックな物事の考え方の重要性を、ゴールドラット社の貴重なレポートを紹介しながら説いた作品です。

TOC(制約理論)の考え方を人の心理や行動に発展させたものと考えることができます。
ただし、具体的な事例を用いつつも、本作のみで著者の言わんとするところを十分に理解することは難しく、実践的な解決方法については、本書監修者の岸良裕司氏の著書『全体最適の問題解決入門』を併読することをお勧めします。

まちづくりの関係者において、本書で特に注目すべきは、
第5章「矛盾と対立」、第7章「調和」、第9章「ウィンウィン」です。
この3つの章を通じて、『人間が陥りやすい3つの障害』とその解決策が述べられています。


◆人間が陥りやすい3つの障害◆

1.現実は複雑だという思い込み
2.対立は当たり前だと考えてしまう傾向
3.人は問題を相手のせいにしたがること


著者は、3つの障害を真逆に考えることが、解決の早道であることを示しています。

「現実の世界には矛盾がない」のに「対立は数え切れないほどある」とし、
「対立」を「人間が矛盾を求めている状態」と、自然界の「矛盾」と人間界の「対立」を明解に区別しています。
その上で、

「対立に直面した場合、特に適切な妥協点をすぐに見つけることができない時は、(中略)根本的な前提が間違っていると考える。もし間違っている前提を見つけることができれば、対立の原因を取り除くことができる。原因を取り除くことで、対立はなくなる」

としています。

そして、「ものごとは、そもそもシンプルである」という考えは、人間関係においても全く同じで、対立の前提となっている問題を取り除けば、必ずや「調和」が存在する。他人を責めても対立が深まるだけで、解決の道は遠のいてしまうと言うのです。

そもそもなぜ対立が生まれているのか、その前提条件を解明し、取り除くことによって、新しい調和(矛盾のない安定した状態)が可能となるのです。

さらに重要なことには、
Win-Winの重要性を説いた本は数多く存在する中、この本のように、Win-Winを成立させるための「秘訣」まで踏み込んだものは希少です。

本書では、その秘訣について、自分と相手の双方に利がある調和(Win-Win)を生み出すためには、自分の利益(Win)ではなく、まず相手の利益(Win)を先に考えることがポイントだと指摘しています。

とかく人は自分の利益を先に考えてしまうもの。
後から付け足しのように考えた相手の利益は、相手にとってはあまり魅力的でないことも多く、また自己の利益が強ければ、相手に警戒心を抱かせてしまうことにもつながります。
相手の警戒心を解き、効果的にアプローチする手段として、相手の利益を先に考える。
遠回りのようでいて、実は最も効率的な方法なのかもしれません。
さらりと書いてあるので、うっかり読み流しそうになりますが、本書の中で最も重要な論点の一つだと思います。

全体最適の問題解決入門―「木を見て森も見る」思考プロセスを身につけよう!
岸良 裕司
ダイヤモンド社

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質問の力 (全体最適の問題解決入門―「木を見て森も見る」思考プロセスを身につけよう!(岸良裕司)) (OMOI-KOMI - 我流の作法 -)
 「ザ・ゴール」をはじめとした一連の著作でエリヤフ・ゴールドラット氏が提唱しているTOC(Theory of Constraints=制約理論)の入門書のひとつです。 「全体最適」を実現した課題解決法