まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

日本の互助の灯が消えつつあります【11/08(水)のお誘い】

2006-11-04 13:32:35 | イベント・セミナー
久方ぶりの投稿、お許し下さい。

 仕事を通じて、NPOやボランティア、市民活動の関連書籍を読むことが多くあります。そのたびに、いつもとても残念に思うのは、文献に登場する「市民活動」のほとんどが、欧米をベースにしており、まるで日本には市民活動が無かったかのように感じられることです。
 しかし、慶応の金子郁容先生が著書『コミュニティ・ソリューション』で言及されたように、日本にはかつて「結」「講」「座」といった優れたシステムがありました。これを深く調べようとすると社会学や民俗学の文献をあさることになるのですが、事例集のようなものはあっても、日本の互助の仕組みを体系化して説明したものを見つけ出すことはできませんでした。
 長いこと見つからぬまま、ある本屋で偶然見つけたのが恩田守雄先生の著書『互助社会論』でした。大規模な自然災害が増える昨今、「公助に頼らず自助・共助が大事」だとよく言われますが、日常の自助・共助の具体的な話についてはほとんど耳にしません。同書は支え合い文化が色濃く残る全国の島嶼地域を基に、日本の互助システムを体系的にまとめた画期的な作品でした。

 恩田先生の連絡先を調べ、口説き落として実現したのが今回ご案内するフォーラムです。
 現在、日本の互助システムは、市町村合併やコミュニティの崩壊と共に消えつつあります。日本の互助の仕組みを途絶えさせないためにも、是非皆さんにもご参加いただきたいと思います。

━━━━━ ComPus Forum ━━━━━━━━━━━━
 □■□【地域経営の実践と戦略を考える2】□■□
   『互助ネットワークを活かした地域づくり』
     2006年11月08日(水) 19:15~21:00
 @ちよだプラットフォームスクウェア会議室505
     http://compus.seesaa.net/
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■ フォーラム要旨
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 都市ではコミュニティの崩壊が加速し、地方では市町村合併によって、『地域のカタチ』が大きな転換期を迎えている。とりわけ、公助の期待できない大災害時には、地域のカタチが明暗を大きく分ける。地域の経営を支える基盤づくりにおいて、欧米とは異なる日本独自の互助システムから、私たちは一体何を学べるのか!?
 シリーズ第2回目は、日本の互助システムを体系的にまとめた画期的な書『互助社会論』の著者に、歩むべき日本の地域づくりについてお話しいただきます。

■ 開催概要
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【日 時】11月08日(水)19:15~21:00
    (フォーラム終了後、懇親会を予定しています)
【講 師】恩田 守雄氏(流通経済大学/社会学部教授)
【会 場】ちよだプラットフォームスクウェア5階会議室505
     東京都千代田区神田錦町3‐21
     http://yamori.jp/modules/tinyd2/index.php?id=10
    (竹橋駅(東西線)3b KKRホテル東京玄関前出口より徒歩2分)
【定 員】30名 (申し込み多数の場合は先着順となります)
【参加費】一般2,000円、学生1,000円(コンパス会員は無料)
【主 催】NPO法人 地域経営支援ネットワーク(通称ComPus)
     http://www.compus.ne.jp

■ 講師からのメッセージ
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 かつて日本の村落社会では、道普請や共有地(コモンズ)の維持管理などの「村仕事」が多くあった。
 それはもともとある自生的な互助ネットワークに基づいている。そこでは、ユイやモヤイ、テツダイという互助行為が人々の生活を支えていた。しかし現在ではこの種の行為は少なくなり、「公共」という名のもとに地域住民の「共」領域がしだいに喪失しつつある。地域づくりとはこの「共」領域を復活させることでもある。日本の地域社会がもつ先人の「生活の知恵」から学ぶべき点は少なくない。こうした点をセミナー参加の皆さんと考えていきたいと思う。

■ 講師プロフィール
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東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了 博士(社会学)
主な著書:『発展の経済社会学』(1997年、文眞堂)
     『開発社会学』(2001年、ミネルヴァ書房)
     『グローカル時代の地域づくり』(2002年、学文社)
     『互助社会論』(2006年、世界思想社)
主な社会活動:埼玉県広域行政圏計画策定支援アドバイザー(1999年)
     さいたま市総合振興計画市民懇話会委員(2001年~2002年)
     さいたま市総合振興計画審議会委員(2002年~2004年)
     さいたま市見沼区区民会議会長(2003年~2005年)
     (財)全国市町村振興協会市町村職員中央研修所講師(2002年)
所属学会:経済社会学会(理事)
     日本計画行政学会
     International Sociological Association(ISA)
     The Society for the Advancement of Socio-Economics(SASE)

現在の活動(研究テーマ)
 ・自生的な社会秩序を活かした地域づくり
 ・ユイ、モヤイ、テツダイという互助行為の復活運動

■ 申込みフォーム
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
下記に必要事項をご記入の上、forum@compus.ne.jpまでお送り下さい。
―――――――― ≪参加申込み≫ ―――――――
ComPusフォーラム(11月08日開催)に参加します。
・お名前 :
・ご所属 :
・連絡先(Tel、E-Mail等) :
・参加人数(複数名でお申し込みの場合)
・参加動機・テーマに関する質問等
(                      )
・懇親会参加:希望する or 希望しない
―――――――― ≪参加申込み≫ ―――――――
※記載していただいた個人情報は、本フォーラムのご案内および名簿作成等の目的以外使用致しません。
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2 コメント

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残念 (A 級幹事)
2006-11-05 17:19:36
私は神保街地区の活性化委員をしています。当日はその委員会と重なり、参加できず残念です。興味あるテーマですので、当日の模様をお聞きしたいです。
返信する
活性化委員会 (A級幹事)
2006-11-09 08:08:12
最初に前回コメントの誤植訂正。
誤:神保街地区 正:神保町地区
さて、貴講演会のあった昨日、神保町地区の活性化委員会がありました。町会から推薦された委員で構成されています。30代、40代の若い人(町会がらみの集まりですと、50代でも十分若手です)も多く、毎回、活発な発言があります。地域通貨の発行、三崎三座の復活、名店つまみ喰いラリーなど、面白いアイデアが出されます。しかし。いざ具体化となると、無難なところに落ち着いてしまいそうな気配・・・というのが昨日の段階です。でも、いいものにしようという意欲は、まだ十分残っています。他団体との連携も検討したいですねえ。
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