晴れときどき化学、ところにより雑想

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分別結晶

2012年05月25日 02時22分59秒 | 化学のお話
分別結晶というのは、わずかな溶解度の差を利用して2成分以上の溶質を分離・精製する方法のことで、分別晶出とも呼ばれます。


この方法の手順としては、

まず蒸発や冷却などによって溶液をわずかに濃縮した後、析出した結晶を取り除きます。

取り出した結晶は純粋ではないため再度溶媒に溶かし、析出・溶解を何度も繰り返すことによって、最終的に純度の高い結晶を得ます。


例えば、希土類元素(※)は化学的性質が非常に似通っていることから試薬による分離は困難ですが、

硫酸カリウムとの複塩の溶解度にわずかな差があることから、この方法によって分離が行われていました。

※希土類元素:ランタノイドに分類される原子番号57~71までの15元素に、スカンジウム、イットリウムを含めた合計17元素の総称です。


古典的な方法でかなり手間がかかりますが、確実性の高い方法と言えます。