晴れときどき化学、ところにより雑想

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ピッチブレンド

2012年05月06日 22時03分41秒 | 化学のお話
ピッチブレンドは、ピッチ状の外観をもつ閃ウラン鉱の一変種です。

外観は塊状で非晶質であり、閃ウラン鉱よりも比重が小さくなります。

※閃ウラン鉱の比重が7.5~10.0に対して、ピッチブレンドの比重は6.5~8.5くらいとなります。

閃ウラン鉱と比べて不純物が多く、ウラン品位が低いのが特徴です。

※なお、最も多量に存在する不純物としては水(H2O)になります。


ピッチブレンドは、閃ウラン鉱と同様にウランやラジウムの重要な鉱石です。

また、クラプロートによるウランの発見、キュリー夫妻によるポロニウムおよびラジウムの発見、ドビエルヌによるアクチニウムの発見のもとになった原料としても有名です。

最も有名な産地はチェコのボヘミア地方やドイツのザクセン地方ですが、ノルウェー、カナダ、アメリカでも産出します。