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スチャラカランナーの日々

運動部経験なし、40代マラソンランナーの趣味日記。ランニングも趣味のひとつですから。

「陽気なギャングの日常と襲撃」伊坂幸太郎/著

2006年05月13日 | 
 「陽気なギャングの日常と襲撃」伊坂幸太郎/著読みました。

 明日5月13日はシリーズ第1作の「陽気なギャングが地球を回す」の映画の公開日です。

 もともとは別に書いた短編だったのものを大幅な加筆訂正で1つの章にするなどを行っているとの事ですが、映画の公開に合わせるためのものでしょうか?このキャラクターシリーズの短編集というものも読んでみたかった気もします。

 説教強盗団4名のキャラクターのシリーズな訳ですが、この4名のキャラクターがたっているので作品としては楽しめますが、ちょっといつもの伊坂作品に比べると前半でバラバラだったそれぞれのエピソードやキャラクターが後半に行くにしたがって交錯していく面白さが今一歩と言う気がします。
 短編として書いたものを大幅に手を入れたとはいえ、ちょっと構成上妙味がだしずらかったのかもしれません。

 多くのおかしなキャラクターが登場するものの、その姿が消えてからのフォローがないために、話の展開ごとにその都度キャラクターが登場してくるだけのような形になっているように見える。
 短編で完結しているものを繋いでいるわけだから無理もないけど。この続編を書いてそれぞれのキャラクターたちのそれなりの結末をつけたものを読んでみたいですね。

 この作品をより楽しむために、シリーズ第1作の「陽気なギャングが地球を回す」は必読といっていいでしょう。
 
 「陽気なギャングが地球を回す」
 「ラッシュライフ」
 「グラスホッパー」
 「オーデュボンの祈り」
 「死神の精度」

「噂」荻原 浩/著

2006年05月10日 | 
 「噂」荻原 浩/著読みました。

 足首から下を切り取っていく連続殺人鬼をキャリアの女性刑事と元キャリアの中年刑事が追うという作品です。

 解説はちょっとほめすぎのような気がしますが、かなり楽しめました。

 解説にもありましたが、確かにラストは微妙に分かりにくいと言うか、帯にあるラストの衝撃と言う文章がないとほとんど気付けないかもしれません。ただ、難しいのはどうしてもこういった推薦文があることで、ラストに大きく期待したり、犯人や一定のストーリーの終了後にページがある場合は残りのページ数で何かがあると裏読みされてしまうことでしょう。

 ゴルフ中継って実はほとんどの放送が録画になっていて、番組の終了時間までの残り時間でもう一波乱あるとか、何も起きないのか想像がついてしまうのと似ています。

 タイトルで勝手に想像してしまったのは私の問題に過ぎませんが、噂がもう少し話に影響を与えていくものとおもいましたが、実はそうでもなくてウンチクレベルになっているのは少々残念でした。私の勝手に過ぎませんが。

 話の脈略としては十分納得のいくものですが、ラストがそれ程衝撃的なものなのかどうかは、是非読んでください。

 ラストの衝撃云々はともかく、楽しめる作品です。


「メルニボネの皇子」マイクル・ムアコック/著

2006年05月07日 | 
 「メルニボネの皇子」マイクル・ムアコック/著読みました。

 表題作と「真珠の砦」の2作が収録されています。この本も長く絶版状態だったと思われますが、今回は以前2巻で発行されていたものを1冊にしたもののようです。

 エルリックシリーズは多分私が中高校生の頃に翻訳本が発行されていて、当時はヒロイックファンタジーものは結構ファンがいて、推薦文を書いている栗本薫さんの「グインサーガ」もこの頃スタートしたのではなかったか。

 シュワルツェネッガーが映画で演じたコナンシリーズなどと比べると主人公はかなり屈折して、複雑な人物(?)像が与えられている。
 また、魔法を使うところも少々違っているところ。

 当時読んでいなかったので、懐かしさ半分で読みましたが楽しめました。5月上旬にはシリーズの続きが出るようなのでそちらも読もうと思っています。

 当時SF大会などで、このキャラクターのコスプレをしている人がいたのを思い出します。

 しょうがないとは思いますが、ヒロイックファンタジーの代表作の一つであるこの作品もずっと絶版だったようで、こういった本が読めなくなっているのは残念なことです。ヒロイックファンタジーがそもそもグインサーガ以外読めるのか?という状態なんでしょうかね。

「オーデュボンの祈り」伊坂幸太郎/著

2006年05月07日 | 
 「オーデュボンの祈り」伊坂幸太郎/著読みました。
 
 「陽気なギャングが地球を回す」の映画公開が迫った伊坂幸太郎さんのデビュー作で新潮ミステリ倶楽部賞の受賞作だそうです。

 日本の近海にありながら日本の統治下になく忘れ去られた島で案山子が殺されるという変わったと言うか、ミステリの賞に応募すると言うのが不思議な作品です。

 デビュー作とはいうものの、達者な書きっぷりで楽しめますが、ミステリの賞を受賞させるのには勇気がいる作品でもあります。

 CDショップの入り浸る死神も登場する伊坂作品ですが、著者は音楽に何かこだわりがあるようですが、そのこだわりはこの作品でも現れています。なぜか伊坂さんの作品を読んだ時に、村上春樹さんの作品と印象が似ているなと感じましたが、音楽へのこだわりもその一つかもしれません。

 ちらりと登場した人物たちが、ちょっとした接点を持っていく手法も、この作品ではラストに向かって人々が集まってくる感じがありますが、後の作品のようにそれぞれが少しずつ接点をもちリレーしていくような感じも多少あります。

 殺される案山子が人々の接点がリレーしていくような方法を登場人物に取らせていきますが、最近の作品の原点がここにあるように見えます。

 未来の様子が分かる案山子、それが小説の著者というもので、わずかな出来事が関連していくことで未来の出来事が決定されていくということが現実のありようと著者は捕らえているのかもしれません。

 デビュー作がベスト作品と言う作家は珍しくないと思いますが、この作品はその後の書き方のスタートになっている作品で、話もとても面白い作品ですが、既にベストの作品だとは思いません。まだまだ期待できそうです。

 それにしてもこの作品をミステリのコンテストに応募したその気持ちと言うのはどんなものだったのでしょうか?

  「陽気なギャングが地球を回す」
  「ラッシュライフ」
  「グラスホッパー」

「技術空洞」宮崎 琢磨/著

2006年05月02日 | 
 「技術空洞」宮崎 琢磨/著読みました。

 VAIOを担当してその全盛の時期と衰退を体験して、ソニーをやめた著者の目から見たソニーの現状を書いた本です。

 ソニーが象徴する日本の技術の空洞化を描いたものと思って購入しましたが、あくまでも著者の経験を通して見たソニーという会社の話でした。

 ある意味すごいのはソニーという会社だけの話でこういう本が出せてしますことです。

 VAIOに関しては実際この本が描くとおりで、ソフトがいろいろあってプログラムがぶつかって不安定になるということで私は購入は引き気味でした。いろいろな試みをすれば、多様な使い方をしていけば仕方のないことではある。

 ところで、著者はメモリースティックウォークマンから始まるシリコンプレーヤーの失敗の一つに音質の軽視というかモデルが進むごとに結果的には音質を落としているということを挙げていた。
 先日の「MDウォークマン MZ-RH1」の発売に関してどんな感想を持っただろうか。
 
 それにしても、経歴を見てみるとソニーでの勤務は約7年程度だった。在籍の期間やポストが全てではないが・・・。

「怪談の学校」

2006年05月01日 | 
「怪談の学校」読みました。

・怪談ホームルーム
・怪談合評会
・怪談の書き方 木原 浩勝
・怪談の語り方 中山 市朗
・怪談の作り方 京極 夏彦
・怪談の読み方 東 雅夫
             の6部構成でできています。

 怪談に関して、怪談とはどういうものなのかから、創作まで怪談に関して包括的に扱った本でとても面白い試みの本で、参考になることもすごく多い。

 ただ、怪談の書き方では「新耳袋」の木原浩勝さんが添削を担当していますが、これは疑問がある。

 添削によって視点を変えるとか、表現を直すなどは当然だと思いますが、まるで話やテーマが変わってしまっていると言うのはどうなのでしょうか?

 また、怪談と言うことで本来語りを主に考えているように読めたのですが、文章の語尾が単調になったり、音読した場合リズムがいいとはいえないような文章が結構あって、あくまで私の感想ですが、正直言って読者の文章の方がいい様に見えたものもある。

 面白いのは京極夏彦さんの担当の「怪談の作り方」でも文章表現のことにも多少触れているが、かなり慎重な姿勢で語っている。
 
 プロデューサー的なライターと小説家の違いがこのあたりに見えるようで、なかなか興味深い。
 新耳袋は好きなシリーズで1から完結まで購入していましたし、木原 浩勝さんのプロデューサー的な面は凄く評価しますが。

 「怪談の読み方」での東さんのホラー参考本を見て、久しぶりに読んでいなかった本を思い出したので、読み落としの本を読もうと思って本屋に行きましたが、残念ながら多くの本がほとんど本屋さんに並んでいませんでした。

 

「突然足が速くなる3」

2006年04月27日 | 
 「突然足が速くなる3」読みました。
 このシリーズも早くも3まで来ました。なんば走りや常足などいろいろな考え方がこのシリーズでも取り上げられてきました。

 いろいろな走りのフォームなど関連しているような本を読み漁ったものとしては、いくらか危惧することがあって、同じことを言っているようで実はその中身や捕らえ方などには実は微妙な違いがあったりする。

 私の読解力の問題も少々あると思えますが、例えば腕と足の同側運動という考え方や地面に体重が乗るタイミングで腕が落ちるようなイメージだったり、逆に肩があがるイメージのものもあったりする。

 こうしたものを読んでいると、ほぼ共通しているのは着地の時にかかと付近になることだが、それについても踵というものから土踏まずのイメージというものまである。概ねフラット着地といわれる理論の場合は土踏まずになるし、足がどちらかといえば車輪のように動くという考え方のときは踵よりになるようです。

 ただつま先というのが明らか違うことだけは正しいと思われます。
 それはつま先立ち(正しくは拇指球に体重が乗った状態)の状態で歩いてみれば分かるが、ほとんど人は体がふわふわと上下するのではないでしょうか?
 これはその状態では体重がかかった時に受け止めるだけの力がないことを意味します。走っている状態であれば歩行とは違い落下の力によって体重の3倍程度の力がかかるといわれているわけですから、当然そのエネルギーを受け止めることはほとんど不可能でしょう。
 つまりは着地時の沈み込みによってエネルギーが失われるとともに無駄なタイムラグが発生するだけでしょう。

 できれば、1から読んでみることをお薦めします。

 ところで、この本で取り上げられている「火の呼吸」の練習も自分なりにしてみたが、続きませんでした。
 同側歩行については、結構意識して歩いたりいろいろ日常生活で練習をしましたが、この呼吸は口を使わず、鼻からひたすら息を出すことになる。そんなことをしていると回りの人から見るとかなり変な、それも変質的な人に見えてしまうので。

 ただ、この速い鼻からの息の放出は複式呼吸で吐くことだけを意識していかないとなかなかうまくいきません。(うまくといっても長く持ちませんでしたが)
 基本的に呼吸は吐くことを意識することが大事なのでそんな習慣はつきますが。

 今回はちょっと雑多なつくりになって(ネタがきつくなってきたのかもしれません)ノウハウの部分が少なくなってきているのが残念です。

 1、2、3、とまとめて読むとより常足などの考え方が理解できるかもしれません。

 たた、骨盤の傾きに関しては後傾、前傾がどうだったかな?マイケルジョンソンの立ったように見える走る姿勢が云々というのも見たことがあったと思いますが、それは着地の足の置き方の問題だけだったのかな?

 いろんな本を読んで、最近は走りがばらばらになってきている気がします。実際はマラソンでは使う筋肉が違うかもということで、走りのイメージを時々変えて走ったりしています。
 ほんとに切り替わっているのか、それがいいのかどうか分かりませんが・・・。

 ところで小林教授の語るマシンは私のブログのリンクにあるハイテクスポーツというところで体験できます。

 速くなる遅くなるというよりもマラソンなどを走って、最初に感じることができるのは、腿の後ろを使って走ることができるようになることだと思います。
 かなりの人がマラソンを完走し終わると腿の前が痛くなるケースが多いと思われますが、このマシンである程度練習していると腿の後ろが痛くなるようになります。

 少なくともその点では走りには有効だと私は思っています。

「怪しいお仕事」北尾トロ/著

2006年04月25日 | 
「怪しいお仕事」北尾トロ/著読みました。

 表紙には大学合格からとありますが、実はこの部分はほとんどありません。しかし裏口入学など世間的に分かりやすく、しかもありそうなということで帯に使われているのでしょう。

 この本で取り上げられているのはもう少しいかがわしいものが多く、その分面白いともいえます。

 探偵業、幽霊ライター、ポーカーゲーム、競馬予想屋、野球賭博などいろいろな裏の仕事を体験的に取材してレポートしています。
 本書を見る限りでは身の危険を感じることはそれ程なかったように見えますが、それでも取材対象に迫っていくのはかなり大変だったと思います。

 この本の取材自体がかなり面白そうな仕事に見えます。その分怖そうな仕事であるわけですが。

 今回は文庫で発行されたわけですが、オリジナル版が出たのは2001年。
 作中ではこれからはパソコン通信だという言葉が語られているのが、現在どうなっているのか?。もちろんパソコン通信ではなくインターネットということになるのでしょうが、ビジネスがどうなったか見てみたいものです。

 今だとネットトレーダーなども取り上げられるのかも。

「金哲彦のランニング診断」金哲彦/著

2006年04月21日 | 
 「金哲彦のランニング診断」金哲彦/著読みました。

 実は金さんとは一度ホノルルマラソンの折に話をしたことがある。
 私は旅行代理店の企画でホノルルマラソンにペースメーカーとして参加、といっても4時間半のペースですが。
 ゴールの公園を散歩していると金さんがいて少々話をすることができた。多分その時は永井大さんのホノルルマラソン挑戦の企画がありコーチをしていたので、多分その関係だったのだと思います。
 とても感じのいい人でした。

 現在、市民ランナーのためのコーチを行う機関としては「日本ランナーズ」と「eアスリート」の2つが双璧と言う感じでしょうか?

 最近では国際大会での解説から、市民へのランニングのコーチまで幅広く活動してる金さんだが、ちょっとこの本はひねりすぎと言う感もあります。

 中身の構成は、有名トップランナーの走りの特徴といっても現役の選手としては藤田選手、野口選手、高橋選手、ラドクリフ選手、ヌデレバ選手くらい。とりあげているのは10名程度。

 続いて職業別の走りの特徴で、取り上げられている職業は、医者、弁護士、デスクワーク、公務員、トラック運転手、さらにキャバクラ嬢、タレントなど。

 続いて経験スポーツによる走り方の特徴。

 そして動物の走りの特徴というか動物になぞらえて特徴と注意ポイントなどを指摘している。

 超々ビギナー向けと言うことで、恐らく自分の走りの特徴と言うか、問題点を知ってもらう目安にしてもらうと言うことなのでしょうが、職業やスポーツの経験で一般化するのには無理が・・・。

 あまり職業やスポーツ経験を気にせず、思い当たる節があれば本を参考に修正を。

 また、動物の特徴にあわせ人間にわざわざ当てはめるのも、分かりやすさのためというか、なじみやすさのためでしょうが・・・。ま、読み物として読んだ方がいいかも。

 ひねりすぎと言うか、分かりやすくしようとし過ぎて、面白いものができてしまったという感じでしょうか。

「テレビの罠 コイズミ現象を読みとく」香山リカ/著

2006年04月20日 | 
 「テレビの罠 コイズミ現象を読みとく」香山リカ/著読みました。

 副題の「コイズミ現象を読みとく」の部分を見てなくて、ホリエモン現象とかいろいろ書いてあったので買いましたが、ほぼ副題どうりのものでした。読み解いているかどうかはともかく。

 この著者の本を読んだのは初めてですが、本作中に実際に診療をおこなっている事を聞くと驚く人がいる。実際に診療していなければ精神科医とはいえないのではないかと書いているが、確かにそうですが、私も実際に診療を行っていると氏って驚きました。

 結構テレビでは見るので、診療の時間や著作の時間があるとは思ってもみませんでした。

 主に前回の衆院選(郵政選挙)に関しての自民党の大勝に関連してコイズミ現象として、いろいろな分析・指摘を行っている。

 ただ、実際にそれが正しいのか、一つの見識に過ぎないのかは何とも言いようがない。なんか痒いところに手が届きそうで届かないような本でした。

「おかしな二人」井上夢人/著

2006年04月19日 | 
 「おかしな二人」井上夢人/著読みました。
 このおかしな二人は、著者の井上夢人さんが2人組みのミステリ作家「岡嶋 二人」さんになり、分かれて「井上 夢人」さんになるまでの話を書いている。

 他に、2人組みの小説家と言うと、同様にミステリ作家である「エラリー・クイーン」が有名。日本だと漫画家ですが「藤子不二夫」さんでしょうか。他に挙げろと言われてもあげることができません。

 岡嶋二人さんは「焦茶色のパステル」で江戸川乱歩賞を受賞してデビューを飾ったミステリ作家です。「焦茶色のパステル」は私が高校生の頃ラジオドラマになっていたのが、印象に残っている。つまりデビューは25年位前ということになる。

 二人が出会い、乱歩賞という賞を受賞することを目的に合作を始めていくのは、例えば一人の小説家を目指しているものが乱歩賞を目指して小説を書き出すこととは似ているようで大きく違うような気がする。
 この二人はもともと小説家を目指しているものとして出会ったわけでもなく、また小説を書くという行為をわざわざ2人でやることには困難の大きさの割りにメリットが少ないように思える。しかも意外に二人で小説を書き始めてからデビューまで時間がかかっている。

 デビューにいたるまで、それから多くの小説を発表していく過程を書いていますが、小説を作っている過程は、これまでに発表されたどんな小説の書き方の本よりも具体的にその手法を見せている。

 この本そのものもなかなか面白い本ですが、ミステリ作家を目指す人がマニュアル本として読むには最適な一冊です。

 2人で小説を書いていくため、一人で頭の中で考えているプロセスがより明確になっている。もちろん全ての人にその手法が当てはまるとは言えないが、マニュアルと言う一般性を持たせるものとしては、これまで読んだものの中で最も参考になると思える本でした。

 私はこの本こそが「岡嶋二人」(井上夢人)さんの最高傑作だと思います。

「世界の日本人ジョーク集」早坂隆/著

2006年04月17日 | 
 「世界の日本人ジョーク集」早坂隆/著読みました。世界各国で言われる日本に関連しているジョーク集、とまあタイトルどおりの本です。

 それにしてもザビエルが来た頃から、日本の作る鉄砲は品質がいいなどという(当時の日本にはヨーロッパ全土よりも鉄砲があったという話しは聞いたことがありましたが)報告があったなど、ジョークもさることながらいろいろ興味深い話もある。

 バカにされている面もあるとは思われますが、こういったものを見ていると全般的には好意的な形で捉えられていることが多いように見える。もちろんそれは先人たちの努力によるもので、今後も続いていくのかどうかは何ともいえない。
 そういう特徴が評価を受けられるのももしかするとそれ程長くはないかもしれない。勤勉や正確などの評価が、世界的に得られなくなった後、日本はどうジョークにされるのだろうか?

 ともあれ面白い本です、パターンでいろいろなものを考えたり、応用ができそう。

「ダ・ヴィンチ・コード」ダン・ブラウン/著

2006年04月16日 | 
 「ダ・ヴィンチ・コード」ダン・ブラウン/著読みました。文庫版です。

 ダン・ブラウンは「天使と悪魔」が帯の煽りの割りにイマイチだったので、ハードカバーでは手を出す気になれず文庫版になって購入しました。

 作品は世界的にも有名な作品をメッセージに使っているということで、作品になじみやすくなっています。

 舞台はパリのルーブル美術館をスタートして、パリ・ロンドンを主な舞台にしています。

 先般盗作騒動がおきていたように、いろいろな説を使い、それらをうまく組み合わせて物語にしている。
 パリに行く前に読んでいけば良かったですね。舞台になった教会の近くにも行きながら、名所が多すぎて立ち寄っていなかった。

 ハードカバーは2巻構成、文庫版は3巻ですが、驚くほど読みやすい。いわゆる超訳のようです。
 読み始めたのはパリマラソンから帰国した後からですから、約4日間で読了したことになります。食事や通勤、営業の移動中に読んでいましたので、その読みやすさが分かると言うもの。

 話の面白さや読みやすさなど、日頃小説を読まない人にも、薦められる作品ですね。かなりウンチクが詰まっているので、映画を見ようとしている方も読んでおくとより映画も楽しめそうな気がします。ウンチクを並べていると映画中では説明が多くなり過ぎると思われますので、ある程度端折らざるを得ないと思われます。

 延々と謎を解き続けた結果からすると少しカタルシスが薄いというか、反対の反対の反対の反対の反対を続けた挙句どっちだか分からなくなってしまったような感じがしないでもないですが、この作品は傑作と言ってもいい作品だとおもいます。


 トップの写真は文庫版でも収録されていた、上下に組み合わされたピラミッド。メトロの駅とルーブル美術館はつながっていますが、地下からのルーブルへ入り口にあります。
 そこからは金属探知機などのチェックがあり、上着は脱いで手荷物は探知機を通します。そこを通るとチケット売り場やインフォメーションです。


 地上のピラミッド。この下にチケット売り場やインフォメーションがあります。無料の館内案内は10ヶ国語くらいあり、もちろん日本語版もあり。ヨーロッパでは1階が0階になるので、日本での2階が1階にあたる。そのあたりも忠実に日本語化してあるので、館内の地図とすり合わせて現在位置を確認すると混乱する。


 こんな感じで出入り口になっています。ここでも同様に金属探知機があります。

 ところでパリのメトロにはピラミッドという駅もあります。ルーブル美術館とオペラ座の間くらいです。

 ルーブル美術館オフィシャルサイト(日本語はこちら

  「ルーブル美術館」パリ旅行日記① もよければどうぞ。

「ナイトウォッチ」セルゲイ・ルキヤネンコ/著

2006年04月04日 | 
 「ナイトウォッチ」セルゲイ・ルキヤネンコ/著読みました。

 映画の公開も決まっていたので、何とか映画の前には読み終わろうと思っていましたが、ほぼ同時期になりました。

 →映画はこちら

 ロシアの小説と言うとドストエフスキーくらいしかイメージになかったので、表紙を見て買いました。

 話は特殊な能力を持つ人間「異人」がそれぞれ光と闇の側に分かれて争っています。天使と悪魔の対決のようなものと言うことです。
 この小説中の闇側のボスは実際いわゆる悪魔のような姿として描かれています。

 この本では今回映画化されたエピソードを含めた3つのエピソードの中編集のような趣の作品で構成されています。

 基本的には人間として生まれて成長する中で特殊能力を持ったものが「異人」なので倫理的な意味では人間とほぼ同様な苦悩を持ちながら任務に向かっています。

 光と闇の違いは、ある時点でどちらにつくかを決めるとそれは変更ができず、人間の正の感情、不の感情それぞれがエネルギーになると言うことで、それぞれ側の世界に最終的にはすることが目的で戦いを続けていますが、現在は互いに協定を結び、結んだ協定に基づき暮らしています。
 協定を違反して相手を殺すことは犯罪的?行為とされ相手に権利が与えられます。作中ではヴァンパイアもコントロールされた形で存在を許され、コントロールに違反することで滅ぼされます。

 ナイトウォッチという名称は、闇を監視すると言うような意味合いで光の側の名称です。闇の側はデイウォッチと言う名称です。

 主人公は光の側の一異人に過ぎない立場(能力)で戦いに加わっています。主人公は作戦の全体の中の一部しか知らされず、一つの駒として作戦に参加し苦悩することになります。

 本作の中で計画は明らかにされますが・・・。

 ただ光と闇は互いに人間の感情をそのエネルギーにしているわけで、闇にとっても人間が滅亡することは目的にならないような気がします。そのあたりは宗教的なベースがあれば、もしかするともう少し理解できるものかもしれません。

 なかなか新鮮な感じの作品でした。続編も発表されているようですので、続編が発行されれば読みたいと思える作品でした。

怪奇ドラッグ

2006年03月29日 | 
 「怪奇ドラッグ」読みました。

 実話怪談の本です。怖がりのくせに、怖がりだからでしょうか、この手の恐怖体験の本は結構好きなもので。

 そんな訳で稲川淳二さんの怪談の語りも好きで今回有名な「生き人形」の話がついているというもあり買ってしまいました。

 ところが読んでみるとビデオで出ている「生き人形」の話の中身以上のものはなかった。対談形式で語っているのですが、そんな話があったんですかと言う感じの反応をしているのですが、私はビデオからしかこの話は知らないのですが、新たな部分がないので、どこを基準にそんな話があったんですかと言う反応になっているのかさっぱり分からない。 

 また、百物語と言う形で実話型の怪談が載っているのですが、こちらも稲川淳二さんの話と全く同じものがいくつか混じっています。

 盗作騒動が稲川淳二さんもあったと記憶しているが、稲川淳二さんが巻頭で出ているものでその人が語っているものと全く同じものがあるのもどうかと思う。

 それともいろりろな本からの傑作選のような感じで収録をしていることに単に気づかなかっただけなのか?

 ところで、「生き人形」の話をビデオで見返したら自分が知っていると思っていた野が錯覚で、知っていると思っていた部分がなかったら、それはそれで怖いが・・。