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ヴェルシリア司教 カラヴァリオ神父9 少女の帰天

2018-08-06 01:16:02 | ヴェルシリア司教 カラヴァリオ神父
『愛と潔白の殉教者 ヴェルシリア司教 カラヴァリオ神父』企画:デルコル神父 文:江藤きみえ 9

 やっと雨がやみました。あれからしばらくしてヴェルシリア神父は、ニャハンの教会に転任となりました。この教会は、マカオ港と向きあい、ボートで15分で行けるラッパ島にあります。マカオの司教は、以前ここにひとりの宣教師をおくり、二つの教会と60人の信者がありました。でも宣教師がいなくなると、香港、マカオ、シンガボールヘと散って行って、残った信者は、20名だけです。やがて、神父は、牧者を失った信者を集め、年が終わらないうちに新しい信者にも恵まれました。

 程なくして、内乱が起きました。伝染病が広がってきます。ペスト菌を散らさないよう患者はワンチャイの収容所に入れられ、逃げないように足を鎖でつながれます。今、12才の女の子の患者が、ヴェルシリア神父から洗礼を受けています。

「神父さま」と女の子、

「あたし天国に入りたいけど、この鎖がじゃまにならないかしら」

「心配しなぐていい、あなたは、きっと天国に行けますよ」と神父。少女は、ほおえみ、2-3分後に息たえました。

 同じ日に、さらに10名の人が洗礼をうけ、4日間で30名の霊魂が救われました。

 ワンチャイに癩病人の収容所もありました。戸をおし開けると、悪臭とともに、うめき声!近づくと40才ぐらいの農夫が、たたれた顔をゆがめ、熱に苦しんでいます。でも意識がありました。神父は、やさしく信仰を要約して説明しました。そしていいました、

「わたしのいったことを信じますか?」。「はい信じます」、夢中になって聞いていた病人が答えました。

「どうぞ、罪のゆるしの洗礼を・・・」、かぼそい声が願っています。かれも洗礼をうけると息たえ、天国の光栄に入っていきました。


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