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ヴェルシリア司教 カラヴァリオ神父21 残忍な匪賊

2018-08-22 14:16:20 | ヴェルシリア司教 カラヴァリオ神父
『愛と潔白の殉教者 ヴェルシリア司教 カラヴァリオ神父』企画:デルコル神父 文:江藤きみえ 21

 平気な匪賊は、「ふん、神なんか、そんなものに祈るより、このおれさまに祈れ」というと、かの女の兄に、顎をしゃくって、「おまえたちは帰れ」といいました。男の子といっしょにリンコンハウの町に逃げた兄は、すぐ父に手紙を書きました、「あの匪賊は、チャング・ハート・カイの命令で動いていると思います。そのことばで分りました」と。

 「さあ、岸にあがるんだ」と匪賊はどなりましたが、司教にはその力がありません。命じられて男の先生アントニオが船に戻って、司教を岸にあげました。匪賊たちは、うしろ手に縛りあげた宣教師を、竹の棒に結んで引きたててゆきます、「ざまあみろ、こうなっちゃ逃げられまい、観念して、さっさと歩け」

 銃の台尻が、宣教師たちをよろけさせます。

 近くの竹やぶに宣教師たちは引きすえられ、女性たちは、そこから3メートルほどの所に置かれました。ささやき合っている宣教師たちは、互いに最後の告白をしたと思われます。かれらは、そのあと、女性たちを眺めると、ひとみで空をあおいでみせました。天国の希望をはげますかのようです。ロザリオと十字架を握りしめて祈る女性たちに、荒々しい匪賊の腕がのびてきました、

 「なんだ、こんなもの」という声とともに、聖具は遠く投げとばされてしまいました。



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