Vanteyのアース線(もしくは枯れた資料帳)

怠け者のウィキメディアン・Vanteyの、脳内が帯電してきた時のはけ口。非百科事典的。過度な期待はしないでください。

No Books, No Intelligence

2009-11-13 01:32:55 | 書誌・図書館
NHK総合で2009年11月10日に放映された『爆笑問題のニッポンの教養』のFILE091:「No Books, No Life」は、国立国会図書館長長尾真氏の出演でした。
多少興味のある分野だったので見てみました。

国立国会図書館の書庫内のナリは、『R.O.D THE TV』第15話「仄暗き地の底で」(監督: 舛成孝二、制作: J.C.STAFF、2004年2月放映)の劇中で描かれていたものと大体同じでした。
リアルに取材して描かれたというアニメは、今更ながらによくできていたといえます。(まずそこからかよ


なんだか長尾氏をダシにもっぱら太田が語っているような感じで、インタビューというか話を引き出すふうになっていたかは怪しかったなというのが私の第一の感想です。
まあ太田って人はそういう人ですし、この番組はもしかするといつもそんな感じなのかもしれませんが。

でもそれをそういうものだと割り切って観れば、個人的に頷けるところも多く、楽しい話を聴くことができました。
太田がこのテーマ――本とか情報学とかに造詣が深いというか、すごくきちんとした問題意識を持っている故に、これだけ話がはずんだのでしょう。
太田のそんな側面はちょっと見直しました。

情報の電子化で、情報を記録した有体物との一期一会、装幀(装丁)などの周辺美術、現物の触感、書架における偶然の出会いなどの体験は零れ落ちるであろうという話。
書籍・音楽ソフト販売などのネットショップなんかは検索履歴から利用者の嗜好を分析してきて別の商品をサジェストしてくるが、購買行動をそれに合わせるようになったら、それを選択している者の主体性はいずこにありやという話。


ともあれ、長尾現館長が電子工学的な情報処理の専門家で、電子図書館化の強力な推進者であるというのは、これからの知の流通のためには頼もしい限りです。
麻生補正で電子図書館化の予算を大量に獲得し、鳩山見直しでの執行停止も免れている辺り、それなりの政治力もある人なのかもしれません(実際のところは知りません)。
NDLの眼前にはいろいろな現実問題もあるのですが。

書きっぱなしのエントリをたまに上梓するだけの小子ごときとはクオリティが違いすぎます。


FILE091:「No Books, No Life」は11月17日(火)深夜2:30(日付は18日水曜)にBS2で再放送予定です。

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爆笑問題のニッポンの教養
http://www.nhk.or.jp/bakumon/
過去放送記録 | FILE091:「No Books, No Life」 | 長尾真 | 2009年11月10日放送分
http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/20091110.html
国立国会図書館
http://www.ndl.go.jp/


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