「天狗の中国四方山話」

~中国に関する耳寄りな話~

No.238 ★ 中国に情報ダダ漏れ!?「LINEヤフーの暗部」週刊文春“巨大キャンペーン”を10倍楽しむポイントは…試されるYahoo!ニュースの対応

2024年04月04日 | 日記

MAG2NEWS (by kousei_saho)

2024年4月3日

23年の11月以降、51万9,000件もの情報を漏洩させていたことが発覚したLINEヤフー。今年3月5日には総務省が“怒りの行政指導”を行ったことが大きく報じられたが、そんな巨大IT企業に文春砲が照準を合わせた。『週刊文春 電子版』は3日、“「LINEヤフーの暗部巨大キャンペーン”を開始しその第一弾を掲載。

今回の記事で言及されているのは韓国リスク、そして中国リスク。特に大手企業や自治体が利用し、SlackやChatworkと競合するビジネス版LINELINEワークス)の“中国への情報筒抜けリスク”が指摘されており、国家安全保障上の重大な脅威としている。

【関連】LINEヤフーの暗部《日韓総力取材・巨弾キャンペーン第1弾》日本人9000万人の個人情報か゛中国、韓国に…

この内容について、40代の男性マスコミ関係者は以下のように話す。

台湾有事が迫っているという見方もある中で、アメリカを中心とした“TikTok禁止”の流れを連想してしまいました」

言うまでもなくTikTokは中国企業が運営するSNS。23年にはEUの欧州委員会が職員の端末でのTikTok利用禁止を決定し、今年3月14日には米下院が、180日以内にアメリカ国内での事業を売却しなければアプリの配信等を禁止する法案を超党派で可決している。

「各国が中国への情報流出を警戒していますから、今回の文春さんの記事も多くの読者の支持を集めるのではないでしょうか」(同前)

ヤフーにも牙を剥くと予告した『週刊文春』

今回はLINEヤフーの「LINE」の暗部を詳らかにした『週刊文春』だが、次号では<LINEヤフーのもう一方の巨人、ヤフーの内実に迫っていく>と予告している。「これは非常に興味深い対決です」と、大手週刊誌での執筆経験を持つ50代の男性ライターは語る。

「『週刊文春』は94年にJR東日本の労組関係に批判的なキャンペーンを展開したのですが、その際に10万部以上の売り上げたがあったキヨスクから撤去されるという報復を受けて“敗北”したことがあったんです」

この件についてはウィキペディアにも記載があり、<結局『週刊文春側』が謝罪広告を掲載することで決着した>とされている。

「当時はキヨスクやコンビニが週刊誌の“生殺与奪権”を握ってしましたが、スマホ全盛の現代にそれをガッチリ握っているのはネット上のニュースサイトです。『Yahoo!ニュース』がその代表格ですが、そこにも配信している『週刊文春』がヤフーに牙を剥くというのは相当の“勇気と覚悟”を持ってのことだと思います」(同前)

斜陽が叫ばれる既存メディアの多くがニュースサイトにトラフィックを依存している中で、『週刊文春』がヤフーに仕掛けたガチンコ対決。その行方に注目が集まるのも当然のことだろう。

LINEヤフー側が抱えている“弱み”

松本人志(60)の性加害疑惑を巡る報道に関しては、『週刊文春』に対する批判も多い。LINEヤフーの「文春記事記事不掲載」といった“兵糧攻め”に『週刊文春』が敗北を喫し、松本信者らが快哉を叫ぶという展開もありえないとは言えない。ただしLINEヤフー側も“弱み”を抱えているという指摘もある。

「ヤフーは21年に『ヤフーに都合の悪い記事であってもYahoo!ニュースに掲載します』と宣言したのですが、今年3月に運営方針を『ヤフー側の判断で、非表示または削除により契約期間内でも閲覧できなくなる場合がある』と改定しているんです。要は検閲するぞ、ということじゃないですか」(40代の男性ネットメディア編集デスク)

確かに21年に公表された「Yahoo!ニュース トピックスにおける自社(ヤフー)ニュースの取り扱いについて」には、

今後はヤフーが主語のニュースでも各社で報道される重要なものであれば、Yahoo!ニュース トピックスに掲載することにいたします。

社会的に大事なことなのに伝えないのか」などのご指摘を外部からいただき、そういった点を踏まえてメディアに知見の深い有識者の方々からご意見を聞かせていただいたうえで、今後は掲載することといたしました。

とあるが、現在の「Yahoo!ニュース運営方針」は

コンテンツの掲載期間は、パートナー各社との契約によって異なります。ただし、パートナーやYahoo!ニュースの判断により、非表示または削除されて契約で定めた期間に満たなくても閲覧できなくなる場合があります。

となっている。ちなみにYahoo!ニュースは3日、『文春オンライン』が配信した『週刊文春 電子版』の今回の記事のダイジェスト版をサイトに掲載している。これについて前出のネットメディア編集デスクはどう見るのか。

「今回の『週刊文春』の記事はメインがLINEの話ですからセーフだったという見立ても成立しますよね。とは言え、次回の“ヤフーの内実に迫る”という記事もバッチリ掲載されることを期待しています」

Yahoo!ニュースが試されている。

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No.237 ★ 中国・上海の公園で「親の代理婚活」が名物化!収入、学歴…個人情報をチラシでばらまく深刻な事情

2024年04月04日 | 日記

DIAMOND online (王 青:日中福祉プランニング代表)

2024年4月2日

上海の人民公園 Photo:PIXTA

中国・上海の人民公園では週末になると自然発生する「親の代理見合い」が名物になっている。公園に親たちが集まって、子どもの代わりに結婚相手を探すのだ。親たちはなぜ公園に通い続けるのか。筆者は数年ぶりに週末の人民公園を訪れこの名物イベントが徐々に様変わりしているのを目の当たりにした。少子化や高齢化、世代間ギャップ……ここには中国社会のさまざまな社会課題が凝縮されている。(日中福祉プランニング代表 王 青)

「親の代理見合い」が行われる上海の人民公園 自発的に始まった「婚活」が、名物イベント化

 中国・上海の中心にある「人民広場」の北側に、「人民公園」という公園がある。面積14万平方メートルと大きく、緑豊かで、上海市民の憩いの場として親しまれている公園だ。一方、この公園は週末になると別の顔を見せる。通称「人民公園相親角」(お見合いコーナー)と呼ばれる、「親の代理見合い」が開催される場となるのだ。

 2005年頃から自発的に始まった、親たちによる「婚活」は、今やすっかり上海の名物となった。当初は地元の親たちだけが参加していたが、次第にはるばる地方からも参加者が集まるようになり、国内外の観光客からも「見てみたい」と注目を集めるほど知名度が上がっていった。インフルエンサーがカメラを手に持って実況中継をしたり、マイクを持って歌を披露する人がいたりして、賑やかに盛り上がっている。おかげで今や、土日の人民公園はいつも大変な賑わいである。

 先日、天気が良く暖かな日曜日の午後に、久しぶりに人民公園を訪れてみた。地下鉄2号線の「人民広場駅」から地上に上がり、少し歩いて人民公園の五号門に近付くと、人の声が聞こえてきた。

 大勢の人たちをかき分けて公園の中に入ると、小道の両サイドには、緑地を囲むコンクリートの段差に座った多くの親たちが見えた。彼らの足元にはA4サイズ程度の大きさの紙が置かれており、そこには自分の子どもの生年月日や身長、学歴、収入、経済力といった情報が詳細に書かれている。中には、チラシを首から下げたり手に持ったりして歩き回る親もいた。

 

上海・人民公園に集まる親たち(筆者撮影) 

 そんな親たちが、ざっと見て数百人はいる。一番目立つ見晴らしがいい場所は、地元・上海戸籍の親たちの領域になっている。奥に行くにつれて道が狭くなり、緑が茂ってうす暗くなっているあたりには地方出身の親たちが集まる。そこでは上海語の代わりに、各地の方言が聞こえてくるのだ。そして公園のもう一角、日当たりがよく広々としたスペースは「海外角」(海外コーナー)となっており、そこに置かれたチラシは全員海外在住者か、留学経験者のものだった。こんなところにも格差があるのだ。

チラシの書き方はほぼ統一 “傘に貼る”から“地面に直置き“に変わった理由

 チラシの内容は大抵似ている。例えば娘の場合は「女、上海戸籍、1989年9月生まれ、身長164cm、博士号取得、国営企業勤務、持ち家・車あり。希望する相手は身長175cm以上、学歴は修士かそれ以上、月収3万元(約60万円)以上。持ち家あり、心身ともに健康で、家庭に責任を持つ人」といった具合だ。息子の場合は「1991年生まれ、179cm、75kg。学歴は大卒、民間企業勤務。月収2万元(約40万円)、結婚用の110平方メートルのマンションを所有。希望相手は上海戸籍で5歳以上若く、身長160cm以上の容姿端麗な大卒女性」など、子どもの詳細と相手の希望条件が記載されていた。

チラシに書かれている内容は、子どもの詳細な情報と、結婚相手に求める条件(筆者撮影) 

 中には「両親は公務員で定年、健康」と親の状況を書いたり、「単親家庭出身は不可」など、相手の親に求める条件を細かく示したりするチラシも多くみられた。印象的だったのが、上海戸籍の人たちは男女問わず、相手にも上海戸籍であることを求めていた点である。これは、中国では地域間の貧富格差が大きいのに、都市部と農村部や、都市間の戸籍が固定されており、自由に移籍できないためだ。

 以前、筆者が2019年に訪れた際は、チラシを直に地面に置くのではなく、開いた傘に貼り付けていたのだが、今回はそうした傘を見かけない。気になって公園の警備員に聞いてみると「以前、親同士で喧嘩になったときに、傘を武器にして攻撃する人がいたので、危険だから禁止した」からだそうだ。

5年前に人民公園に来たときに撮影した写真。当時はチラシを地面に直に置かず、傘を開いて貼り付けていた。(2019年、筆者撮影) 

 一人なのに、何十枚ものチラシを並べている人もいた。話を聞いてみると、彼ら彼女らは「代理婚活業者」で、来られない親の代わりにチラシを扱い、興味がある人がいたら代わりに連絡先を教えるサービスを行っているのだという。料金は1枚150元(約3000円)/月で、20枚程度扱うと、月3000元(6万円)ほどの収入が得られるという。実質的にはただ公園で座っているだけなのだが、上海市の高齢者の平均年金4500元(9万円)からすると、かなりいい収入になる。

 こうした「親代理の婚活」は、上海だけでなく中国各地で行われている。親たちの多くは、子どもたちに内緒で公園に来ているのが実情だ。本人に許可を取るわけでもなく、娘や息子の学歴や収入、資産などの情報を公開しているようすは、婚活市場というよりは“物々交換市“に見える。

親世代は「子孫を残さないことは最も親不孝」と思い 子世代には「不婚不育」が拡大している

 なぜ親たちはこんな行動を取るのか、それは、「無後為大」(子孫を残さないことは最も親不孝)という中国の伝統的な家族観に起因する。しかも一人っ子政策のため、多くの家庭に子どもは一人しかいない。ここに来ている親の子どもは大抵一人っ子なのだ。

地面にチラシを並べ、座っている女性たち(筆者撮影) 

 2019年から、人民公園の「親代理見合い」現象を考察調査し続けている上海大学社会学院の計迎春教授は、「中国の家族の関係は、実は世代間関係に埋め込まれている。親子の関係は非常に密接で、結婚は本人同士の問題ではなく、家系継承と存続に関わる大きな問題だ」と説明する。

「公園にいる親はほとんどが中流家庭で、農村出身者や低所得家庭は登場しない。中流層が求める結婚の条件は、ある程度社会全体の変化や価値観を反映している。例えば、男性側は、社会的地位や収入が自分より上の女性を嫌がる。男性は経済力が大事、女性は子育ての“機械”という考え方が依然として根強いためだ」(計氏)

 中国全体で見れば結婚適齢の独身男性は女性より3000万人多いと言われているが、都市部の婚活市場においては、女性の方が圧倒的に人数が多い。

 こうした背景に加えて、相手の愛情よりも経済状況を重視する拝金主義が中国の若者の間には広がっている(https://diamond.jp/articles/-/269407)。近年、中国の政治環境の変化や経済低迷により、若者が“生きる”環境が厳しくなっている。中国国家統計局によれば、2月、若者(16~24歳)の失業率は15.3%と1月より悪化した。高い失業率や将来への不安によって、結婚や出産に対して若者が消極的に、悲観的になっているのだ(https://diamond.jp/articles/-/339036)。SNSでは「自分さえ養えないのに、どうやって家族を持てるのか」「結婚は一番コスパが悪い」といった書き込みがあふれている。若者世代では、結婚や出産を控える「不婚不育」が大きなトレンドになっている。

 実際、2022年の婚姻件数は683万組と、10年前の約半数に減った。出生数も23年には902万人と1949年の中国建国以来、過去最低を記録。7年連続で出生数が減少中で、少子化が深刻である。

 親世代と子世代でこれほど価値観にギャップがあるのに、当事者不在の「親代理の婚活」に、効果はあるのだろうか。上述の公園警備員は「成功率は低いよ。数パーセントと聞いている」と話す。「でも、ここに来れば同じ境遇の人がいるから、精神的に救われるんじゃないかな」とも。

ほとんど成立しないことは分かっているのに 親たちはなぜ公園に通い続けるのか

 それでも親たちが公園に通い続ける理由は何なのだろうか。公園で出会ったある一人の母親が、「誰かに話を聞いてほしかった」と言わんばかりに詳しく話をしてくれた。

 彼女は54歳。公園に通うようになって3年経つ。一人娘は30歳になったところだ。「だんだん難しくなってきている感じです。上海では、独身の女性のほうが男性よりも多い。女性はどうしても自分より社会的な地位や収入が高い男性を求めるから」と彼女は嘆く。

「娘は私がここに来ていることは知っているけど、まったく無関心です。我々親がいくら焦っても意味がないですよね。もうそろそろやめようかなと思っています。最近、逆に娘に説教されることが多くなりました。結婚するメリットとデメリットを比較されてね。(略)以前は、子どもが結婚しなかったら、肩身の狭い思いをしたけれど、今はみんな結婚しないから。私のような親がすごく増えているので、だんだん子どもが結婚しない現実を受け入れられるようになった」と少しホッとしたような表情を見せた。

 上述の許教授は、「調査した親の約半数は、子が結婚しないことを受け入れている。特に女親は男親よりも寛容度が高い」と指摘している。

一方、同じ人民公園で、高齢者同士がお見合いをしている

 一方、人民公園の他の一角では、高齢者同士が見合いする光景が見られた。代理見合いのエリアに負けず劣らず賑やかだ。これは近年、中国各地で見られる光景である。

 経済発展とともに都市開発が進み、昔のコミュニティが崩壊した。急速に高齢化が進む中で一人暮らしの高齢者が増え、“孤独”も大きな問題になっている中で生まれた現象といえる。真剣に伴侶を探しているというよりは、同じ状況の高齢者が集まることで、心の安らぎや孤独の解消に役立っているのだろう。

 近年の中国は、経済成長が著しく、最先端の技術を誇り、人々は豊かになった。しかし今回、人民公園の一角で見たものは、“お金が第一”な社会風潮、昔と変わらぬ人々の意識、地域間の格差・差別など、急成長した社会のさまざまなひずみであり、なんとも複雑な気持ちとなった。少子化、高齢化、世代間の価値観ギャップ――上海の公園には、現代中国の多くの社会問題がギュッと凝縮されている。

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No.236 ★ 山東省青島市で「ジャパンフェスティバル」開催

2024年04月04日 | 日記

JETRO青島事務所

2024年04月02日

中国の山東省青島市で、日中両国の民間文化交流を主眼とする「Japan Festival(ジャパンフェスティバル)青島 2024」 が3月23~24日の2日間にわたって開催された。2022年に日中国交正常化50周年を契機に始まったもので、2021年の重慶市を皮切りに、海南省海口市、遼寧省瀋陽市、湖北省武漢市、雲南省昆明市(2023年2月16日記事参照)と、中国の各地で開催されている。

青島での開催は、青島日本人会会長を実行委員長とする「Japan Festival 青島実行委員会」が主催者となり、日本アジア共同体文化協力機構が全面支援して実現した。開催会場には、青島市書記(当時)の提唱で設立された投資・ビジネス交流を目的とする対日本専用施設「青島日本国際ビジネスハブ」(2020年6月1日記事参照)が選ばれた。

日系企業を中心に15ブースが出店し、お好み焼きや牛丼、泡盛といった日本らしい飲食の提供や、けん玉など日本の遊び文化の紹介、日本留学といった各種関連情報の発信が行われた。

併せて、施設が所在する西海岸新区政府と日系企業の間での経済交流会や、青島日本人会による日中平和友好条約締結45周年記念植樹式が開催された。ほかにも、日本語レッスン体験サロン、日本語カラオケ大会、日本アイドルによるオンライントークライブ、青島市西海岸新区サッカーチームの日本人監督による講演・体験会など、幅広いイベント、ステージ企画が同時に行われた。

期間中、日本語を学習する大学生や日系企業職員、サッカー好きの小学生、日本人駐在員とその家族・友人といった幅広い来場者でにぎわいを見せた。

屋外ブースが集まる会場の入り口(ジェトロ撮影)

(吉川明伸)