TRiP EDiTOR (シカマアキ)
2024/03/23
世界中にある「スターバックスコーヒー」は、台湾では2024年1月現在、
550店舗ほどあり、しかも年々その数は増えています。日本人旅行客が最も訪れる台北市内にも、街を歩くといたるところでお店を見かけます。
せっかく台湾を旅行するなら、現地ならではのスターバックスの店舗を訪れてみるのもおすすめ。特に、台湾にある特別な店舗、コンセプトストアは「特色門市」と呼ばれています。台湾限定のグッズなども日本と異なり、比べてみると楽しいかもしれません。
今回、台湾をよく訪れる筆者が、台北やその郊外にあるおすすめのスターバックス店舗をご紹介します。
①華麗なバロック建築で夜も美しい「台北 保安店」
歴史あるバロック建築が見事な「台北 保安店」image by:シカマアキ
まず、旅行客に最も有名なスターバックスの1つが「台北 保安店」です。台北市内でバロック建築が今も多く残る、レトロな観光スポット「迪化街」近くにあります。
1926年建築。赤レンガの大きな建物は、遠くからでもよく目立ちます。元は日本統治時代にパイナップルの缶詰で大富豪となったパイナップル王(鳳梨王)、葉金塗氏の自宅兼会社として使われていた邸宅でした。
スタバ店内も当時の面影を活かしている image by:シカマアキ
華麗なバロック建築の外観は当時ほぼそのまま、内部はイノベーションされた現代的なデザインで、天井のシャンデリアも豪華です。店舗を利用すると、その古き良き台湾が感じられるでしょう。
特に夜、店舗外観がライトアップで美しいのも見どころの1つ。迪化街の観光ついでに利用するにも便利です。
台北 保安店
- 台北市大同區保安街11号
- 02-2557-8493
- 7:00~21:30
- ホームページ
②台湾レトロな雰囲気が味わえる「台北 艋舺店」
「台北 艋舺店」も文化財指定。1935年建築。image by:シカマアキ
台北MRT(地下鉄)龍山寺駅の近くにある「台北 艋舺店」は、遠くから見ても目立つレンガ造り、4階建てのやや変わった形の建物。「萬華地区市定古跡」認定の「萬華林宅」をリノベーションした店舗です。
イートインスペースでも台湾レトロさが体感できる image by:シカマアキ
店内には、見どころがたくさんあります。例えば、引き戸の扉が赤と格子状でデザインされ、床は古い建物に見られる「磨石子」(テラゾー)など。
台湾レトロな雰囲気が体感できる店舗としては、この店舗は一押しです。窓の外を見ると中庭があるのも、ぜひ見つけてみてください。
台北 艋舺店
- 台北市萬華區西園路一段306巷24号
- 02-23028643
- 7:00~21:30
- ホームページ
③西門の人気店、吹き抜けが開放感ある「台北 漢中門市店」
夜もにぎやかな西門にある「台北 漢中門市店」image by:シカマアキ
台北の原宿と呼ばれる、若者が多くてにぎやかな「西門」エリア。その中心部にある「台北 漢中門市店」は、外観が大きなレンガ造りの人気店舗です。
建物は1982年に建てられ、2000年からスターバックスとして営業をはじめ、2012年にリニューアル。台湾では「リノベーションしたスターバックス」の1つとして知られます。1階のセブンイレブンが目印です。
「台北 漢中門市店」の2階から4階は吹き抜け image by:シカマアキ
店内は、1階はレジカウンターがあるのみでやや狭いものの、2階に上がると4階まで吹き抜けのとても広い空間です。座席数も多く、椅子やテーブルなどのデザインもさまざま。4階はギャラリーとして開放されています。
特に、休日や夜間はいつも混雑気味。のんびり快適に利用するなら、平日午前などが良いでしょう。
台北 漢中門市店
- 台北市萬華區漢中街51号
- 02-2370-5893
- 月曜~金曜7:30~22:00/土日7:30~22:30
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④日本統治時代の建物をリノベーション「台北 重慶門市店」
「台北 重慶門市店」外観。アーケードなど日本統治時代の名残。image by:シカマアキ
台北駅にも近い「台北 重慶門市店」は、昔から書店街があった場所に位置しています。西門エリアからも徒歩圏内。
日本統治時代に建てられた、あの祇園辻利の前身にあたる「辻利茶舗」として営業していた建物が利用された、築100年以上のスターバックス。ここもリノベーション店舗で、台湾初のアート&カルチャーをコンセプトにデザインされたお店でもあります。
「台北 重慶門市店」2階。スペース広く、窮屈感もない。image by:シカマアキ
1階はアーチ形が特徴的なアーケード、2階の大きな窓などは、当時そのままで時代を感じさせます。2階と3階がイートインのスペースで、座席数が多めなのもうれしい点。日本にゆかりあるレトロかつクラシックなスターバックス、ぜひおすすめです。
⑧高級住宅地で一軒家スタイルの「台北 天玉門市店」
「台北 天玉門市店」は実はかつて台湾のスターバックス1号店 image by:シカマアキ
台北市の北部にある高級住宅地、天母エリアにある「台北 天玉門市店」は、実は台湾のスターバックス1号店。もともとスターバックス、その後ハーゲンダッツの店舗となり、2017年に台湾スターバックス20周年記念のコンセプトストアとしてオープンしました。
台湾では珍しい、一軒家スタイルのスターバックス。石造りの店舗外観そのものがスタイリッシュで、異国情緒の雰囲気が漂っています。
店舗の特徴として、夕方以降の時間帯でお酒を提供していること。台湾でもお酒を提供するスターバックスはそう多くなく、クラフトビールなどを手に楽しめます。
「台北 天玉門市店」2階。大きな窓から見える緑がまたいい。image by:シカマアキ
外のテラス席も広く、天気が良い日などは野外の庭でのんびり過ごすのも良さげ。台北中心部から最寄りのバス停を通る路線バスの本数も多く、わざわざ足を運ぶ価値のあるお店です。
台北 天玉門市店
- 台北市士林區天玉街38巷18弄1号
- 02-28751361
- 6:30~21:30
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⑥完全予約制で台北ビューも堪能できる「台北101店」
台北のランドマーク101階の超高層ビル「台北101」image by:Jack Hong/Shutterstock.com
台北で旅行客に人気のスポット「台北101」にあって、35階にスターバックスの店舗があります。台北101の入場料が不要で、誰でも利用できます。
ここからの眺めは絶景。スターバックスの価格で、コーヒーやスイーツなどとともに台北市内を一望できる、知る人ぞ知るスポットです。
台北101からの眺め image by:Intothegreentravel/Shutterstock.com
注意したいのは、店舗の利用が「完全予約制」であること。事前に予約しておかないと、入場できません。しかも、予約方法が店舗へ直接、電話する方法のみ。台湾語や英語などが話せない人は、滞在先のホテルでスタッフなどに頼み、利用希望日の数日前に予約を試みてください。
台北101店
- 台北市信義區信義路5段7号35樓之1
- 02-8101-8511
- 月曜~木曜7:30~21:30/金曜7:30~22:00/土曜8:00~22:00/日曜8:00~21:30
- ホームページ
⑦台北から鉄道30分、陶器の街にある「新市 鶯歌門市店」
台湾きっての陶芸の街にあるスターバックス。外観もレトロ。image by:シカマアキ
台北駅から在来線で約30分の場所にある新市市の「鶯歌」は、陶磁器の街です。日本統治時代にこの地で陶器産業が広がり、第二次世界大戦後に海外輸出でさらに拡大。しかし、1990年以降は安価な陶磁器製品が流入して衰退の一途をたどりました。
その陶磁器の伝統文化を守るため、2000年に「鶯歌老街」が作られました。老街とは、古い街並みという意味。
スターバックスは鶯歌老街の一番端にあり、かつてこの地に最初に進出したという中国人の邸宅だった建物です。1階にレジカウンターなど、2階がイートインスペースとなっています。
地元の陶芸家が手掛けた作品が2階の壁に飾ってある image by:シカマアキ
特に、2階の壁に飾られている陶器は、地元の陶芸家による作品とのこと。レトロな階段やタイル、窓などもどこか懐かしい気分が味わえます。
周辺には、陶芸に関する博物館や、陶芸屋さんもたくさん。とても安く売られている陶器も多いので、掘り出し物が見つかるかもしれません。台北からの半日トリップついでに、このスターバックスを訪れるのもおすすめです。
新市 鶯歌門市店
- 新北市鶯歌區育英街67号
- 02-86773608
- 月曜~日曜7:00~21:00/水曜7:00~20:30
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台湾スタバは「グッズ」のラインアップも日本と違う
台湾のスターバックスはグッズのラインアップも豊富 image by:シカマアキ
日本と台北のスターバックスは、ドリンクやフード、グッズも違います。例えば、台湾限定のご当地「マグカップ」「タンブラー」などは定番で。時期によって、期間限定のグッズも数多く登場します。
お菓子では、国慶節の時期は「月餅」だったり、パイナップルケーキやクッキーがあったり、その時期ごとに種類はとても豊富。
ほかにも、エコバッグやピクニック用品、ワンちゃん用のグッズまであります。お茶の土地柄らしく、台湾茶もスターバックス店内で味わえます。
スタバらしい「チョークボード」を台湾でもぜひチェックを image by:シカマアキ
台北を含む台湾のスターバックスでは、日本語のメニューがあったり、英語が通じやすかったり、言葉も読むだけなら何となく意味がわかるなど、旅行者もとても利用しやすい場所です。
日本のスターバックスと異なる部分も多く見られ、スターバックス好きはもちろんのこと、街歩きの休憩やお土産探しなどで訪れてみてはいかがでしょうか。
- image by:シカマアキ
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ジャーナリスト・フォトグラファー。飛行機・空港、旅行、ホテル、グルメなどをメインに、国内外で取材、撮影などを行う。雑誌やWEB向けの記事、写真や旅行などのセミナー講師も務める。元全国紙記者。大阪在住。