「天狗の中国四方山話」

~中国に関する耳寄りな話~

No.528 ★ 三中全会閉幕、コミュニケ中身より気になる異例の周辺事態 習近平 礼讃原稿を新華社が取り下げ、病気説も?

2024年07月31日 | 日記

JBpress (福島 香織:ジャーナリスト)

2024年7月20日

中国共産党の第20期中央委員会第3回総会(三中全会)(写真:新華社/アフロ)

 中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議(三中全会)が北京で7月15日から4日の日程で行われ、「改革を全面的に深化させ、中国式現代化を推進する」というコミュニケを採択し18日に閉幕した。注目の三中全会コミュニケの中身は期待されたような具体的な経済刺激政策は皆無だった。

「中国式現代化」という習近平の造語を、鄧小平の「改革開放」の代わりに喧伝する、習近平の権威付けを狙った礼讃に終始する内容だった。本来昨年秋に行われるはずの三中全会が半年以上延期されたのは、共産党の直面する経済的困難を打開する政策方針をまとめるのに苦労したからだと思われていたが、結局、共産党中央は経済を放棄し、習近平の権威を強固にすることで、共産党体制維持を図る方向に舵を切った。

 ところで、そんな残念な三中全会の中身よりも興味がそそられたのは、会期中に起きた異様な周辺事態である。そのことについて考えてみたい。

 新華社が15日に配信した三中全会特別原稿「改革家習近平」が17日には取り下げられて「なかったこと」にされたのだ。指導者を賞賛する新華社記事が一旦配信されて取り消されることは非常に珍しい。

「改革家習近平」という記事の内容を簡単に紹介しよう。それは恥ずかしいまでの習近平礼賛記事、一種のごますり記事なのだが、ポイントは、改革家のイメージを鄧小平から習近平にすり替えることが目的のようなのだ。

 いわく、

「習近平は鄧小平後の卓越した改革家である。彼らはよく似た使命を背負っている。つまり中国の現代化を実現させることだ。だが、両人が直面する情勢はまったく異なったものだ」

「鄧小平が改革開放に着手した1978年、中国の1人当たり国民総生産(GDP)は200米ドルに満たなかった。改革はほとんどゼロから始まった。2012年に習近平が中国共産党中央総書記に就任する頃には、中国は世界第2位の経済大国となり、1人当たりGDPは6000米ドルを超えていた。その一方で、かつての安価な労働コストなど、発展の恩恵の多くが失われつつあった」

「『簡単な、みんなが大好きな改革(のうまみの部分)は完了した。おいしい肉は食べ尽くされ、残っているのは噛み砕くのが難しい硬い骨だ』と習近平はかつて言った。習近平は前任者たちの栄誉に安住することを拒み、突進し続けた。過去10年間、中国は2000以上の改革プログラムを導入し、経済生産高を倍増させ、世界トップの経済成長エンジンとしての地位を維持した」

「海外世論は中国新時代の改革を『習式改革』と呼んでいるが、これは単なる(鄧小平の改革開放のような)『経済の変革』ではなく、改革の出発点が人民であり、着地点も人民である、という習近平の信念に基づくものである」・・・

 鄧小平の改革は非常に簡単で、みんな大好きなうまみのある経済成長だった。習近平がこれから取り組むのは鄧小平のうまみのある改革の後に残った、困難な改革だ。だからこそ、本当に偉大な改革家は鄧小平ではなく、習近平なのだ、と言いたいわけだ。

 だがこの原稿はすでに、新華社のサイトから取り下げられ、国内のインターネットニュースサイトでは読むことができなくなっている。私の探した限りでは香港文匯報の転載が唯一、今読める「改革家習近平」原稿だ。

本来なら習近平が「大好物」の記事のはずが…

 新華社が一度配信した記事を取り下げて、存在しなかったことにするのは、かなり異例な事態だ。新華社は中国共産党・国務院直属の組織であり、三大中央メディアのトップ。新華社の配信記事は、中共ハイレベルの意見そのものなのだ。習近平が指示を出さなければ、このような記事は配信されない。

三中全会に出席した習近平氏(写真:新華社/アフロ)

 だとすると、習近平も気づかなかった「政治的問題」が配信後に発覚したのだろうか。だが「習近平は鄧小平よりすごい改革家だ、鄧小平より難しいことに取り組んでいるのだ」という内容自体は、習近平がてらいもせずに言いそうなものだ。

 この原稿が削除されたことについて、在米華人経済学者の程暁農がラジオフリーアジアに面白い見方を語っていた。記事が削除されたのは、この記事自体が「高級黒」(ハイレベルな皮肉)だからだ、というのだ。

「もし習近平がこうしたプロパガンダ調子の記事のマイナス効果を心配しないのであれば、自分で月桂樹の冠(勝者の証)をかぶって見せることも意に介さないもしれない。だが、現在問題なのは状況が全面的に混乱しており、それを習近平がどういじくりまわしても、解決はしないのだから、そういうタイミングで習近平をこんなふうにほめたたえるのは、習近平にしてみれば『高級黒』(皮肉、嫌み)だと感じただろう!」

 習近平がやり遂げるように課せられた改革、鄧小平がやり残した「嚙みきれない硬い骨」の改革は、ひとことでいえば政治体制改革だ。だが、じつのところそれは習近平がやろうとしていることではない。習近平は政治体制的には毛沢東時代の個人独裁時代に回帰しようとしているのだ。

 なのに、新華社の原稿では、開明派政治家の父親の習仲勲のイメージを重ねたりして、最終的には習近平の本心とはずれた印象になっていることに、読み返してみて気付いた。それが、むしろ嫌みや批判であると受け止めた、というわけだ。

 あるいは新華社の配信したこの記事を受けた中国国内外の世論が、習近平を冷笑する形で広まったことで、習近平もようやく、こういう礼賛原稿が恥ずかしいと気付いたのかもしれない。あるいは、党内の鄧小平に心酔する主流中央委員、官僚たちが三中全会会議中に、鄧小平の改革をたやすいことだと言わんばかりのこの原稿に強い反発を示したのかもしれない。

 中国共産党常務委員たちの現在の分担に照らし合わせると、こうした官製メディアのプロパガンダ原稿の責任を負っているのは党内序列五位の蔡奇だ。習近平を改革家だというイメージで宣伝政策をうったのは、蔡奇のアイデアだと推測されている。蔡奇に対する党内の反発がこの記事をきっかけに三中全会で表面化し、取り下げられたという見方もある。

「習近平が会議中に脳卒中で倒れた!?」という噂

 もう一つの異例の周辺事態は、「習近平が三中全会の会議中、卒中で倒れた」という噂が駆け巡ったことだった。15日の夜あたりに、ネットで「筆頭株主のおじさん(叔二)が、株主総会中で卒中で倒れた」という謎のメッセージが中国のSNS上で散見された。それが18日になって、「習近平が三中全会中、卒中で倒れた」という具体的な噂になっていた。

 在米の元中国人記者の趙蘭健が某紅二代(共産党幹部の子弟子女)から、そう聞いた、と発言したことがSNSで広まったのだった。これが事実かどうかは、私には裏はとれない。

 18日にコミュニケが発表されたのだから、三中全会が無事終了したことは間違いない。だがCCTVの18日夕方のニュースで三中全会が閉会しコミュニケが採択されたことを伝えるニュースで使われた映像は、閉会式の映像ではなかった。確かに習近平が演説している様子の動画ではあるのだが、それはおそらく会議1日目の場面であり、なぜ閉会式の映像を流さないのか、と噂になった。

 それで新華社の「改革家習近平」記事の取り下げ事件と相まって、なにか三中全会中に異例の事態がおきたのではないか、という憶測が広がったのだ。

習近平の2つの健康不安説

 習近平が健康上の問題を抱えていることは本当らしい。2つの説があって、一つは文化大革命時代に下放されたときに事故で頭にけがをし、その後遺症で脳動脈瘤を抱えている、という説。もう一つが糖尿病を患っているという説。あるいは両方だ。

 習近平は西洋医学、西洋医薬が好きではなく、もっぱら中医に処方された煎じ薬を愛用しており、会議の場で習近平の前に置かれる2つの茶杯の1つは漢方薬の薬湯である、らしい。日本の医薬品が習近平の症状によく効くと聞き、部下たちが習近平に勧めたら、日本の薬は絶対飲まない、と言われたとか。

 脳動脈瘤も手術で治るのだが、手術を怖がって受けたがらないとか。そういう噂話も聞いたことがある。中国の権力者にとって健康アピール、壮健アピールは重要で毛沢東は長江で水泳をするパフォーマンスをよく行った。だが、習近平は健康に自信がないので、コロナ蔓延中は慎重にマスクをして、あまり人とも会おうとしなかった、という。

 党大会や全人代など長丁場の会議で、パワフルに演説したりするためにも体力、健康が重要だ。三中全会の目的が、習近平権威の確立であったとしたら、もしその会議で、健康上の理由で一時的でも退席したなら、それは習近平の権威付けの失敗、といえるかもしれない。

 事実かどうかは別として、こういう噂を中国人民がSNSで拡散していることの背景に、習近平権威に対するそこはかとない反発があるやもしれない。

 三中全会コミュニケの中身を改めてみると、欧米と異なる発展モデル「中国式現代化」を推進して建国80年目の2029年まで改革の任務を完遂させることを掲げている。これは習近平は2027年の第21回党大会後も最高指導者で居続けることが前提の新たな目標であり、さらに 2035年までに、ハイレベルの社会主義市場経済体制を全面的に完成させるとしている。

 中国式現代化という言葉が22回も繰り返され、改革開放は4回しか言及されなかった。習近平のスローガン「中国式現代化」という言葉を、鄧小平の改革開放に上書きするのが狙いだろう。改革と言えば今まで鄧小平の改革開放を意味したが、これからは改革と言えば習近平の「中国式現代化」だと言いたいのだ。

 だが多くの中国人は、習近平のいう中国式現代化の本質が「反改革」であることに気づいている。

失われた共産党への信頼回復を狙う

「改革家習近平」原稿に話を戻すと、習式改革という言葉が使われ、「マルクス主義が新しい時代と中国の現実に合わせてつくり直され、中国の優れた伝統文化と融合させたものだ」「だから改革は新たな哲学的意義を帯び、制度構築に高度に重点を置いているのが特徴だ。制度や仕組みの根深い問題をより重視しているため、規則やシステムを構築するために多くの作業が行われてきた」と解説されていた。つまり、習近平の改革とは、習近平のルールと規律による統制の強化であるということでもある。

 中国式現代化とは、経済のうまみは失われたなかで、習近平の厳しいルール規律で統制を強化し、中共・習近平の指導地位は堅持する、ということ。鄧小平時代に夢みた豊かな改革開放時代よ、さようなら、貧しく厳しい習近平専制時代に備えよう、と人民にはっきりと自覚させるのが今回の三中全会の最大の目標であったと言えるかもしれない。

 国際メディアの多くは三中全会のハイライトは、習近平3期目がどのような経済政策を打ち出すかということだと信じていたようだが、今回、それは見事に裏切られたのだ。

中国で流行している「ゴミの時間」

 最近中国で流行している言葉に「垃圾時間」(ゴミの時間)というのがある。黙って何も考えず、抵抗せず、やり過ごす無為な時間という意味だが、これから始まる新たな専制時代への心構えの含みがある。

 みんな理解していることは、この三中全会によって、習式改革、中国式現代化という名の専制強化の新たな段階がスタートするのだ。「改革家習近平」の異様な習近平礼賛記事と、それを翌日に削除する異例の措置や、習近平卒中の噂の背景には、習近平専制におびえる党内外の心理、習近平がある日突然、いなくなればいいのにという願望が反映されていると思う。

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト。大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。おもに中国の政治経済社会をテーマに取材。主な著書に『なぜ中国は台湾を併合できないのか』(PHP研究所、2023)、『習近平「独裁新時代」崩壊のカウントダウン』(かや書房、2023)など。

*左横の「ブックマーク」から他のブログへ移動

 


No.527 ★ 中国 2Qの日系求人数17%減、回復見られず

2024年07月31日 | 日記

NNA ASIA

2024年7月30日

リクルートグループの中国法人、上海艾杰飛人才管理諮詢によると、2024年第2四半期(4~6月)に同社が中国の日系企業から委託を受けた求人の数は前年同期比17%減少した。前年同期比の減少は10四半期連続。景気停滞に伴う企業の投資意欲落ち込みや日系自動車メーカーの苦戦などを背景に、採用意欲が回復していないと指摘した。

19年第2四半期の求人数を100とすると、24年第2四半期は55まで下がった。19年第2四半期以降で最低の水準。

地区別の求人数は、華東地区(上海市・江蘇省・浙江省)が前年同期比15%減、華南地区が10%減、華北地区は40%減だった。このうち華南地区は広東省広州市の求人数が微増となり、同省深セン市は求人数が少なかった。

求職者の動きも鈍化が継続。募集中の求人に対する総応募数は同期の過去5年で最も少なかった。

同社は、景気停滞と日系メーカーの苦戦という状況に当面変化がないとみられることなどを踏まえ、「第3四半期(7~9月)以降も求人数は伸び悩む」との見方を示した。

■日本人募集が改善

日本人を対象とする24年第2四半期の求人数は第1四半期(1~3月)から増えた。中国系企業による日本人募集の増加が背景にある。

市場競争が激化する中、製品品質の向上に向けて品質管理や設計開発の日本人エンジニアを採用しようとする中国メーカーが増加。日本・日本企業市場にアクセスすることを目的に、日本人のセールス人材やマーケティング人材を引き入れようとする動きもある。

*左横の「ブックマーク」から他のブログへ移動

 


No.526 ★ TikTok規制問題と米中デジタル化競争の本質

2024年07月30日 | 日記

日経ビジネス (By Toshihiko Okano)

2024729

写真=Ascannio/stock.adobe.com

この記事の3つのポイント

  1. 米連邦議会が「TikTok」の米国内配信を事実上禁止する法案可決
  2. その本質的な問題を米シンクタンクのリポートから読み解く
  3. TikTokのビジネスモデルの本質は「2つの好循環」を回すこと

 米国連邦議会は安全保障上の懸念があるとして「TikTok(ティックトック)」の米国内での配信を事実上禁止する法案を可決し、バイデン大統領は2024年4月24日同法案に署名した。この法律は、TikTok親会社である中国・字節跳動(バイトダンス)が6カ月以内にTikTokを売却しない限り、米アップルや米グーグルが運営するアプリストアがTikTokを提供することを禁止するというものである。

 これに対しバイトダンスとTikTokの米国内の運営会社は5月7日、新法が表現の自由を保障した米国憲法修正第1条に違反していることの確認と司法長官による法の執行中止命令を求める訴訟をワシントンの米連邦巡回控訴裁判所に起こした。

 訴状によると、新法はTikTok の「脅威」について明確に示されておらず、1億7000万人のユーザーを「黙らせる」ものだと批判。訴訟の決着には数年を要するとの見方もある。米国内では若年層を中心にTikTokの支持者は多く、トランプ前大統領がTikTok規制に反対を表明するなど、24年秋の大統領選に向けて予断を許さない状況だ。

 TikTokに対する規制は政治的な思惑に左右される面もあるが、本稿では「米中デジタル化競争」という切り口で、本質的な問題は何なのか、米国内の議論を参照しながら考察したい。

米国のシンクタンクはTikTok問題についてどう論じているのか?

 TikTokのリスクや対策について米国のシンクタンク、大学などの研究者、メディアから多くの分析・論考が発表されている。TikTokによる経済的メリットや言論の自由など、TikTok規制に反対する論旨も少なくない。その中から、米国内での影響力が大きかったとされるシンクタンクのリポートを参照して、米国におけるTikTok問題の論点を見てみよう。

 まず、米戦略国際問題研究所(CSIS)の「TikTokを禁止しても、米国のオンライン偽情報問題は解決しない」 を取り上げる。

 CSISテクノロジー担当リサーチフェローを務めるケイトリン・チン氏は、TikTokと米中技術競争に関する一連のリポートで、TikTokをめぐる米国内の議論について次の認識を示している。

  • TikTok禁止案の支持者は2つの一般的な懸念を挙げている。TikTokの親会社バイトダンスが中国に拠点を置いているため、中国政府が米国の個人情報にアクセスする可能性がある。2.中国政府がTikTokのコンテンツ推薦アルゴリズムをコントロールし、米国ユーザーにプロパガンダや偽情報を流す。しかし、これらの懸念について事実であることを裏付ける直接的な証拠はまだない。
  • データ保護については、他の多数の米国モバイルアプリが個人情報(デバイスの識別子、地理的位置情報、顔や声紋など)を収集しており、それを海外に転送することへの法的制限がほとんどない状況において、TikTokのみを禁止する意味は乏しい。
  • 米国企業が運営するプラットフォーム上でも偽情報が拡散するインフラが整っているため、2つ目の懸念について、仮にTikTokを米国企業による所有としても、米国のネット上の偽情報問題は解決しない。米国にはソーシャルメディア企業がどのように個人情報を収集・共有し、無報酬のコンテンツや有料広告を促進するアルゴリズムを構築し、有害なコンテンツや偏向的なコンテンツにフラグを立てるかに関する法的規制がほとんど整備されていない。

 チン氏は、以上のような認識を述べた上で、データプライバシーや偽情報に対処するには、TikTokのような特定のプラットフォームをターゲットにするのではなく、TikTokを含むすべての企業に対して、アプリのプライバシー、セキュリティ、透明性ポリシーに関する説明責任メカニズムを強化する、また、有害なコンテンツの拡散を増幅させる可能性のある方法で個人情報を使用する方法を制限するデータエコシステム全体にわたる包括的なルールを確立するなど、より広範なアプローチが必要であることを提起している。

 次に取り上げるリポートは、米ブルッキングス研究所「ファーウェイとTikTokを越えて:中国ハイテク企業とデジタル・セキュリティに対する米国の懸念を解く」 。

 米イェール大学ロースクール法学上級研究員のポール・ツァイ中国センター事務局長はブルッキングス研究所への寄稿で、ファーウェイやTikTokといった個別企業に焦点を当てて国家安全保障上のリスクを論じることの危険性を指摘した上で、TikTokのケースから、人工知能(AI)など新興テクノロジーに内在するリスクと、中国の統治システムの性質に関連するリスクについて分析している。

 そして、(a)包括的な連邦データプライバシー法の制定、(b)米国の同盟国やパートナーとのデジタル貿易アジェンダの推進、(c)米国のサイバーセキュリティ責任体制の合理化、(d)悪意のあるハッカーに払わせるコストの増加、(e)国内及び国際的な次元での政府における政策調整メカニズムの改善、の5点を提言している。

人気アプリとして既に社会に浸透

 一方のTikTokは、中国色を消すことに努め、顧客データの管理に関する米国での疑念に対してはデータの保管場所を米オラクルに迅速に切り替えるなど、柔軟な対応により浸透を図っている。米国の非営利学術機関に所属する研究者がアクセスできるResearch API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を通じてコンテンツやアカウントに関する公開データを共有していることなど、米国内の懸念に対して透明性を高める措置を講じていることを訴求している。

 米国のTikTokユーザーは1億5000万人超とされ、特に10代から30代に人気が高い。米国の世論調査機関「ピュー・リサーチ・センター」が23年9月から10月にかけて行った調査によると、30歳未満の若い世代では米国政府がTikTokの利用を禁止することに賛成した人は29%にとどまり、41%が反対する考えを示した。また、米国のマーケティング企業のサイトでは、TikTokにコンテンツを公開するクリエイターや商品を販売する事業者向けにそのレコメンド・アルゴリズムを紹介して、いかにインプレッションを集めるかのガイダンスが盛んにおこなわれている。

 TikTok親会社のバイトダンスは、利用者ごとの関心を捉えコンテンツをレコメンドするAIアルゴリズムの開発に集中投資をし、その高い精度を生かせるコンテンツプラットフォームの展開により、時価総額世界第1位のユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)に成長している 。レコメンドとは、ユーザーの購入履歴などの行動、好みが似た他の利用者の情報を分析し、適切な商品やサービスを絞り込んで推薦することにより、売り上げを高める手法である。ネット上の様々なコンテンツを集約して整理し、ビッグデータと機械学習を活用して、個人の好みを分析して一人ひとりに合ったコンテンツを提供する。

 ポイントは、コンテンツが15秒程度と短いため、「次も見ようか」と視聴を続けやすく、次々と再生されるコンテンツへの反応によって、その人の興味・関心が分析されビビッドにレコメンドに反映される。ユーチューブと比較しても、「対話している」「私のことを知ろうとしてくれている」という感覚だ。

 コンテンツが多様で新陳代謝のスピードが速いため、クリエーターの投稿意欲も高く、視聴者はその吸引力にはまりやすい。筆者も自らの視聴がきっかけとなって、某政治家が遊説先で市民と気さくに触れ合う動画が繰り返し再生される現象を体験した。印象操作や世論誘導にも影響を持てるサービスだと思った。レコメンド技術がさらに進化していくなかで、運用者に個人の関心、嗜好や行動パターンがディープに把握されることの怖さも感じた。

TikTokのビジネスモデル、2つの好循環

 バイトダンスは創業した12年に、顧客の趣味嗜好に合わせたコンテンツを自動配信する「ニュースアグリゲーター」の役割を果たす「今日頭条」の提供を開始した。今日頭条は、「あなたの興味があるニュースが、今日のヘッドラインになる」という理念を表現している。AIを駆使して、利用者の閲覧記録から、興味のありそうなコンテンツを表示していく。ある記事をクリックしたか、最後まで読んだかなどの行動データによって、ユーザーの興味や好みを学習し、インターネットから最適なコンテンツをまとめるアルゴリズムを開発した。単にニュース記事を集めたサイトとは異なる、高度なレコメンド機能が読者の支持を集めたのだ。

 今日頭条で培ったレコメンド・アルゴリズムを武器として、16年にショート動画投稿アプリ「抖音(ドウイン)」をリリース。音楽に合わせて歌う、口パクをする、踊るなど、15秒の間に思い思いの表現を楽しむことができ、投稿者のアイデア次第で表現が広がる面白さが10代の若者を中心に受けて、急速に成長した。動画作成用のテンプレートが用意され、コンテンツ作成者は音楽やネタを用意する労力をかけずに気楽に投稿できることも、ブレイクの要因となった。そして、17年にTikTokの名前で海外への提供を開始。日本では17年10月からサービスを開始し、20年に経団連に入会している。

 マシュー・ブレナン著『なぜ、TikTokは世界一になれたのか?』(かんき出版、2022年)の分析を踏まえた上での筆者のヒアリングによると、TikTokのビジネスモデルの本質は「クリエーターの承認欲求を満たし、もうけさせる仕組みづくりによるコンテンツの充実」と「ユーザーごとの関心を捉えコンテンツをレコメンドするAIアルゴリズムの精度アップ」の、2つの好循環を回していくことだと考えられる。

 コンテンツ作成の敷居を低くして消費者をクリエーターとして呼び込む。そして、フォロワー数に限らずそのコンテンツに適切なユーザーに届けられ、優良なコンテンツであれば評価されやすい仕組みにより、クリエーターにインセンティブを持たせ、コンテンツを充実させる(上図左側の成長サイクル)。そして、ネット上の様々なコンテンツを集約して整理し、ビッグデータと機械学習を活用して、個人の好みを分析して一人ひとりに合ったコンテンツを提供する。(上図右側の成長サイクル)。さらに、オリジナルコンテンツと広告(プロが制作)がシームレスに溶け込み、消費者が自然に広告を視聴して購買につなげる仕組みをつくっている。

TikTok問題の本質 = 本連載で解明したい3つの「問い」

 米国におけるTikTok規制の議論には、プライバシー、国家安全保障、技術覇権競争、経済的利益が複雑に絡み合っている。TikTokなど米国で活動する中国のテクノロジー企業がもたらすリスクに対する関心の高まりは、技術的、経済的、地政学的に台頭する中国への対応において、米国の政策立案者が直面する課題の複雑さを体現していると言える。

 本節では連載テーマ「米中デジタル化競争の行方」に関連して、TikTokをめぐる問題の何に着目するべきか、私見を述べたい。

 1つ目は、「国際競争力を持つ中国プラットフォーマーの登場:米中プラットフォーマーの最新戦略と地政学」である。

 中国の第1世代プラットフォーマーであるアリババ集団、騰訊控股(テンセント)、百度(バイドゥ)は、海外事業展開において進出先国の地元企業との間で必ずしも競争優位を築けていない。その中でバイトダンスが、米国、日本を含む世界の市場で競争力を持つプラットフォーマーとして登場したことは、デジタル中国の進化プロセスが新たな段階に進んだと位置付けて分析するべきである。

 バイトダンスは、中国市場の激しい競争で磨かれた技術、マネタイズ(収益化)のモデルを武器として、17年から海外市場でのTikTokの事業展開を進めている。「プロダクトはグローバルに、コンテンツはローカルに」というコンセプトを掲げ、進出先の国・地域に適したローカライズにも積極的に取り組んでいる。そして、コンテンツの力を生かして電子商取引(EC)機能を持つ「TikTokショップ」を展開し、ネット市場における売り手との個別のつながりを求める若年層のニーズに対応している。GAFAMに代表される米国を本拠とし世界的競争力を持つプラットフォーマーがしのぎを削っている中で、レコメンド技術というコアコンピタンス(中心的な競争力の源泉)を生かして、米国市民や事業者の満たされないニーズを埋めることで浸透していることに着目するべきだ。

 同様に、「SHEIN(シーイン)」や「Temu(テム)」など中国ECが、中国のサプライチェーン(供給網)を生かした圧倒的な価格競争力、消費者理解力と対応スピードで、ハイコストパフォーマンスを求める米国、日本などの消費者に急速に浸透していることも見逃せない。筆者が講師を務める大学で学生に質問すると、SHEINの低価格で豊富な品ぞろえに対する評価は高い。これに対して米国では、連邦議会「米中経済安全保障再考委員会(USCC)」が新疆ウイグル自治区での強制労働や知的財産権侵害の懸念を指摘してTemu とSHEINを名指しする報告書を発表した。米国の利益にとって様々な課題をもたらしているという主張の背景には、中国発ECが米国市民の支持を得て浸透していることへの警戒感があるだろう。

 TikTok、SHEIN、Temu など世界市場で戦えるプラットフォーム企業の台頭の要因には、AIアルゴリズム開発の実験環境及びサプライチェーン集積地としての中国の優位性、消費者接点をおさえてエコシステムとしてスケール化する実践ナレッジ、トップダウンによる経営スピード、政府の役割などが複合している。そのメカニズムを、米国プラットフォーマーとの比較で明らかにすることは、日本企業の経営戦略や日本国の安全保障政策にとって意義があると考え、本連載を通じて取り組みたい。

 2つ目は、「技術の『融合』を生かすイノベーションマネジメントと安全保障へのインパクト」だ。

 米国議会やシンクタンクなど研究者の論考を読むと、本連載第1回で「モザイク理論」として紹介した、多様なデータの組み合わせによるインサイトの、産業競争力及び安全保障へのインパクトを注視していることがうかがえる。『トラフィッキング・データ デジタル主権をめぐる米中の攻防』(アン・コカス著、岡野寿彦訳、日本経済新聞出版)の主張を見てみよう。

  • TikTokのコンテンツの大部分は、それ自体ではほとんど懸念されるものではない。しかし、そのデータ収集が個々のユーザーに何のリスクもないという主張は的外れである。このアプリは幅広いユーザー情報を収集し、収集したあらゆるデータを親会社である北京のバイトダンス(ByteDance)と共有する権利を留保している。カリフォルニア州で起きた集団訴訟は、TikTokがユーザーの同意なしに個人を特定できる情報を中国に送信し、ユーザーに損害を与えたと主張している。中国では、諜報(ちょうほう)専門家がTikTokのデータと中国政府によるハッキングで得たデータを統合し、詳細なプロフィルを作成することが可能である。(日本語翻訳書籍p38)
  • 大量のデータを統合することで、健康に関連しないデータも、センシティブな個人に関する情報に変換できるインサイトになる可能性がある。さらに、機密度の低いデータを大量に組み合わせて、個人や集団の高度なモデルを構築することもできる。このようなモデルは、健康促進、疾病予防にとどまらず、生物兵器開発を支援する可能性がある。(日本語翻訳書籍p291)

 『トラフィッキング・データ』では、このような「組み合わせ」の対象となるデータの発生源として、TikTokなどソーシャルメディア(第5章)に加えて、インフラ、農場、宇宙(第4章)、ゲーム、(第6章)、マネー(第7章)、医療・健康(第8章)、ホーム(第9章)と幅広いフィールドをケース分析している。背景にはセンサーなど技術の進化により私たちの身の回りの様々な製品・サービスがデータ発生源となっていること、そして、通信、ビッグデータ技術や計算能力のレベルアップにより、データの「集約と融合」によるインサイトが競争優位の源泉になっているという著者の認識がある。

技術の「融合」を生かす

 イノベーションマネジメントと安全保障へのインパクト ――。TikTokへの対応も、このような技術進化による競争構造の変化に位置付けて理解・考察することで、私たちがより主体的に考え行動することができるだろう。

 そして最後の3つ目が「米国と中国の相互作用:グローバリゼーションとデカップリング(分断)」である。

 米国でTikTok規制問題を複雑にしているのは、米国と中国の相互依存関係の強さだ。

 バイトダンスの株主にはソフトバンクグループ、米ベンチャーキャピタルのセコイア・キャピタル、ゼネラル・アトランティック、米投資ファンドのKKRなどが名を連ね、これら国際的な投資家が株式の60%を保有しているとされる。安全保障上の懸念など中国企業として米国で非難されているバイトダンスに、米国の投資家が多額の出資をしている構図だ。

 また、『トラフィッキング・データ』は、TikTokなど米国に進出した中国IT(情報技術)企業が米国にもたらすデータ・トラフィッキング(ユーザーのデータが商業的に抽出・移転され、外国政府の国家戦略に不正に利用されること)は、中国の戦略的行動のみによって発生するのではなく、米国の国内事情と相互に作用しつつ発生すると指摘している。

  • ソーシャルメディア企業であるTikTokとWeChat(ウィーチャット)は、シリコンバレーのソーシャルプラットフォームがつくった成長プロセスをたどることで経済力を築き、同様に偽情報を広めたり、消費者データを水面下で大量に収集したりできる不透明なアルゴリズムで運営されている。(日本語翻訳書籍p37)

 日本企業の戦略、国家政策は米中関係に強く影響を受け、特に米国の向かう方向に対する分析が事実として欠かせない。そして、その米国について知るためには、「中国との相互作用」の理解は不可欠だと考える。

 米中間の対立が激化する中で、「グローバリゼーションからデカップリングへ」とシンプルに語られることが少なくない。しかし、米国、中国、日本を含む多くの国・地域の企業人が、グローバル化を機会としてビジネスにチャレンジしてきた歴史を踏まえると、国家の論理、政治力学はデカップリングの方向に向かうとしても、経済合理性を目的とする国家間の相互関係は並行して維持・拡大されていくのではないか。

 第2回で挙げた「集中型と分散型」と同様に、「グローバリゼーションとデカップリング」が最適解を求めて進展していく。このメカニズムを解き明かすことは容易ではないが、個別ケースの積み上げから知見を探る姿勢が重要だろう。

 ここで挙げた観点のうち「米中プラットフォーマーの最新戦略と地政学」「技術の『融合』を生かすイノベーションマネジメントと安全保障へのインパクト」は、本連載における「問い」でもある。連載を通じて、様々な角度から分析を行い、「米国と中国の相互作用」を絡めて解明していきたい。

トラフィッキング・データ

中国ビジネス、中国系企業の実情に通じた著者が、米国の中国系企業が提供するインフラ、TikTokなどのSNSやゲーム、決済アプリ、消費者向け製品、健康管理アプリなどを通じて、仕事や家庭生活、消費、投資、健康に関わる個人データが抽出され、中国に移転されている実態を明らかにします。併せて、個人データ保護や経済・国家の安全保障のあり方について警鐘を鳴らします。 アン・コカス著、中嶋聖雄監訳、岡野寿彦訳、四六判、512ページ、定価3850円(10%税込)、日本経済新聞出版。

*左横の「ブックマーク」から他のブログへ移動


No.525 ★ 中国発人型ロボット「Galbot」、香港政府系投資会社から資金調達  一体600万円台で年内に発売か

2024年07月30日 | 日記

36Kr Japan

2024729

香港政府系の投資会社「香港投資管理(HKIC)」は7月19日、北京市に拠点を置く人型ロボットメーカー「銀河通用機器人(Galbot)」に出資したと発表した。具体的な金額は非公開。

Galbotは今後、香港の強みである小売業や観光業の現場に人型ロボットの試験運用ポイントを複数設置し、身体性を持つ人工知能「エンボディドAI」による行政サービスの可能性を模索する。また、香港の高等教育機関と共同でエンボディドAIの設計や応用に関するコンテストなどを開催し、香港が世界中から専門家が集まるイノベーションの中心となるよう後押ししていく。

Galbotは2023年5月に設立され、現在は北京市、広東省深圳市、江蘇省蘇州市に研究開発センターを置く。24年6月にはエンジェルラウンドで7億元(約150億円)を調達。評価額は35億元(約740億円)となり、ユニコーン企業の仲間入りに近づいた。出資者には、生活関連サービス大手・美団(Meituan)の戦略投資部門や自動車大手・北汽集団(BAIC )傘下の投資会社のほか、啓明創投(Qiming Venture Partners)など十数社の大手投資機関が名を連ねた。

同社の初代人型ロボット「Galbot G1」は1体約30万元(約640万円)で、24年10〜12月期の発売が予定されている。主にスーパーマーケットや薬局などに導入される見込みだという。

*1元=約21円で計算しています。

*左横の「ブックマーク」から他のブログへ移動


No.524 ★ 開き直る中国 見た目はパクリでシリーズ名まで継承、“貫徹メーカー”新車でかすむ日本のホンダ新型EV

2024年07月29日 | 日記

MAG2NEWS (by 『CHINA CASE』)

2024年7月28日

 

ホンダと中国の国有自動車メーカー東風汽車との合弁外車「東風ホンダ」。2003年に設立された同社が中国で開発した現地向けEV「イエ」ですが、はたして中国市場に受け入れられるのでしょうか。

日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』は今回、7月に中国で登録された新車のラインナップを伝える記事概要を掲載。併せて東風ホンダ「イエ」の売れ行き予想も紹介しています。


※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:相変わらず盛りだくさんの中国新車登録でかすむホンダ新EVイエ

相変わらず盛りだくさんの中国新車登録でかすむホンダ新EVイエ

中国工業・情報化省が発表した2024年7月登録の新車において、各社様々趣向を凝らしている。

満を持して今期に登録されたホンダ「イエシリーズ」の初弾となる東風ホンダ「イエS7」がかすむほど。

実質的にはモデルチェンジだったり、新たなパワートレイン(BEVのみからPHEVも)設定だったりだが、その状況を見ていく。

BYDは最新PHEV

まずはBYD、王朝シリーズで、「漢」と「宋Pro」にDM-iを設定、先日発表した第五世代DM5.0を搭載した。

「漢」に至っては、レーザーレーダーを搭載、スマートドライブ版と位置付けた。

BYDがレーザーレーダーを採用すること珍しく、またスマートドライブは高級ブランド「騰勢(DENZA)」を中心としていたが、今後は王朝・海洋シリーズでも適応されていく可能性がある。

BYD軍艦への苦悩

海洋シリーズでは「アシカ(シーライオン)05」が登録された。

もうすでに完全な「宋Pro」の姉妹車で全く同一スペック。

しかも車名に合った生物フェースではなく、むしろすでに死に体の軍艦シリーズのフェイスを保持。

中国現地でも「去年発表されていれば護衛艦05と呼ばれていただろう」とし、軍艦シリーズ終焉を匂わせた。

Xpengはセンサー非搭載

小鵬(Xpeng)はフラグシップBEVセダン「P7」の「P7+」を登録。

BYDはレーザーレーダー重視だが、この「P7+」でXpengはレーザーレーダと決別。

高額ハードを削ることで価格引き下げを図った形だが、中国およびグローバルの流行からは外れる形。

ZEEKRとLUXEED

吉利(Geely)のハイエンドBEVブランド「ZEERK」と、ファーウェイ「鴻蒙智行(HIMA)」の「智界(LUXEED)」がそれぞれ既存セダンのSUV改良版を出しているのも特徴的。

ZEERKは初のセダン「007」のSUV版として「7X」を、LUXEEDは初弾モデルのセダン「S7」のSUV版として「R7」を、それぞれ登録している。

とにかく商品ラインナップ拡充を、という思いの強さがうかがえる。

パクリ貫徹Chery

奇瑞(Chery)のサブブランド「捷途(Jetour)」は、現在力を入れているSU PHEVシリーズ「山海」のLシリーズの新車「L7」を登録。

先日登録した「L9」は見た目、理想(Lixiang)初弾で終売の「理想ONE」そっくりとされたが、「L7」もLixiangのLシリーズに特徴的なヘッドライトの形を採用。

そもそもシリーズ名もそのままだし、パクリに開き直った形か。

ホンダ「イエ」、微妙

東風ホンダ「イエS7」は中国で研究開発され製造された中国向けEV。

外観は今までのホンダらしさはなく、現在の中国の風潮とも違う角ばった印象。

中型SUVに位置付けられるが全長は4.8mを切り、しかも価格は15-20万元が予想され、そこまで販売が伸びるような感じは受けない。

出典: https://auto.gasgoo.com/news/202407/16I70399028C107.shtml

CHINA CASEは株式会社NMSの商標です。

CHINA CASE 

急速に進む中国のCASE(Connected,Autonomous,Shared&Service,Electric)やMaaS、自動車産業についての最新情報「CHINA CASE」が有料メルマガに! 進撃の中国イノベーション chinacase.xyz 日本は、「XYZ(後がない)」? 1日1本のメールで中国自動車業界キャッチアップ!

*左横の「ブックマーク」から他のブログへ移動