葡萄舎だより

海峡の街・下関の、葡萄舎の住人・洒人 (しゃじん) が身の周りの些事片々を書き綴ります。
本人は日記のつもりです。

五輪に咲いた華

2006年02月24日 11時25分08秒 | 日記 ・ 雑記録
私の起床は毎朝6時だ。 家業の朝の部が始まる。
この季節、朝の6時は未だ暗い。
隣のマンションの窓に、灯りはほとんど点っていない。
ところが、今朝はどうだ! 8割は灯りが点っている! みんなテレビを観ているんだ。

この2週間、トリノからの報道はがっかりすることばかり。
見る側の不完全燃焼が蓄積して、オリンピックの オ の字さえ話題にしたくなかった。
日本選手の情けなさをなじる気にさえなれない。
そんな背景で登場したのが荒川静香。
メディアの関心が安藤美姫に集中したから、自分の世界に没頭できたのかも知れないが、
メディアの蚊帳の外に置かれて、彼女には心中期するものがあったろう。
最後の最後にやってくれた。

国が 君が世を強制しなくたって、日の丸を強要しなくたって、
日本人がジ~ンとするのは君が代しかないじゃないか。
日本人が打ち振る旗は日の丸しかないじゃないか。
何も分かっちゃいない為政者の馬鹿さ加減だ。

トリノでの、日本勢の惨敗を見て、思う。
選手の個々は、こうなる結果を知っていたのじゃないだろうか。
彼我の力の差を知っていたのじゃないだろうか。
協会や、メディアが吹く笛に、一応、踊る素振りをしただけじゃないだろうか。
自分の過去を振り返ったとき、大学入試に臨んだ頃の自分を思い出した。
校内模試や、公開模試で、たまにいい成績を上げても、
それがコンスタントに出せる自分の力でないことは、
他ならぬ自分が一番よく知っていた。
志望した大学が、自分のレベルよりも上であること、
フロックで合格する確率が低いことも。
オリンピックも、大学入試も、最後に笑うのは、本当の力を持った強いヤツだ。

荒川静香。 間違っても、政治家の点数稼ぎの国民栄誉賞なんか、受けるなヨ!
そんなものはなくても、十分に美しくて、強い。
五輪に咲いた華、だ。