Nosferatu Bloodには無 敵 の 楯 、指弾 、斬 刃 等いくつかの中二秒満開の魔術が登場してますね。
実はこれら、ほかの小説(現在公開してません)からの使い回し輸入品です。
というわけで、これらについてちょっと解説など。
これらの魔術は精霊魔術と呼ばれるもので、精霊、つまり地脈の『点』から地上に噴出した無属性の魔力を利用することで発生します。
儀典魔術は純粋に自分の魔力、およびなんらかの形で地脈から魔力を吸い上げるポンプの様な装置が汲み上げた魔力だけを使い、魔術通信網の様な感染魔術は魔力はほとんど使いません。
儀典魔術その他に関しては後日にあらためるとして、とりあえず登場してるしていないにかかわらず種々の魔術の簡単な解説などを。というか俺ももう忘れかけてる
精霊魔術はファイヤースパウンのグリーンウッド家が千三百年以上前に実用化したもので、自身の体内に取り込んで属性を変化させた精霊と大気中の精霊を反応させることで行使します。
自身の魔力と大気中の精霊だけでも行使は可能ですが、それをするには莫大な魔力容量が必要になるため、生半可な術者にとっては自殺行為です。
その性質上大気中の精霊の密度によって出力が変動する傾向があり、精霊の密度がゼロの場所ではそよ風ひとつ起こせません。環境の影響を受けやすいのが、致命的な欠点ですね。
精霊魔術において能力を推し量る基準は全部でみっつあり、これらが大きな術者が優れた術者であるとされています。
・魔力容量……
その術者が大気中から一度に取り込んで体内に蓄積しておける魔力の総量。
・処理容量……
術者が魔力容量全体の中から、一度に汲み出せる魔力の量。これが大きければ大きいほどひとつひとつの魔術の出力が大きく、また複数の魔法の並列起動も可能になります。
・処理速度……
汲み出した魔力を『式』に流し込んだり、あるいは魔術の起動で動揺した魔力を安定させる能力。時間的に早ければ早いほど、次の魔術の起動までの間隔が短くなります。
『魔術教導書 』も含めたエミュレーターは使用者の魔力を汲み出して術式に流し込み、各種設定を行い、発動までをアシストするもので、処理容量と処理速度が作成者の力量によって大きく変動します。
また、これらの精霊魔術はグリーンウッド家が使う最も高度なもので、複数の魔術を組み合わせることで任意の効果を導き出すものです。したがって、初歩的な魔術師がどんなに頑張っても同等の効果を得ることは出来ません。
教会の魔術師たちが使う精霊魔術は『魔術教導書』に記された術式を解析して自分たちにも使える様にしたもので、効果は同じですが出力や効果範囲は非常に小さく、本家の足元にも及びません。それでもそこらの魔術師よりは、はるかにましなレベルなのですが。
以下、登場しているいないにかかわらず俺が考えた魔術の中で覚えてるものを。
・獄焔尖鎗 ……
氷柱状などの先端の尖った力場の内側に数千度もの高温・高圧加えられた重金属を封入し、目標に向かって投射する。
設定値以上の硬度を持つ外殻に接触すると力場の先端部から内部の炎を集中して放射し、これがバーナーの様に一点のみを融かして強烈な金属噴流 を形成する。
高圧で噴出する炎は外殻を貫通したあと、その内側を灼熱の空間に変えて内部を焼き尽くしてしまう。
物理的には対戦車用の成形炸薬弾頭を魔術で再現したもので、その保有熱量は出力設定によって変化する。
形状としては前部と後部の二パートに別れており、後部に重金属と高温高圧のガスが封入されている。形成された『槍』の後端部分は加熱された重金属によって輝いて見えるが、この発光は炎色反応によるもので、術式構築時に周囲から取り込んだ重金属の組成によって発色が変化する特徴がある。
目標に突き刺さると前部と後部のパーティションが解除され、全部の漏斗状の力場の内側を流れながら高圧ガスが目標に向かって噴出し金属噴流を形成する。
投射した時点で制御を離れるため、最初になんらかの設定を組み込んでおかないかぎり投射したあとに軌道を変化させたり、空中爆発させたりといった使い方は出来ない。
照準精度や複数同時発動の際の個数は、術者の技量に依存する。
・獄焔細弾 ……
内部にプラズマを封入した力場を形成し、着弾地点で数千度の高温を発する球電を作り出す魔術です。
発生数は術者の技量により変化し、大きさは同一の構成術式によって作り出されてもばらばらだが、その平均温度は六千度に達します。
この魔法の発生熱量は出力設定による影響を受けません。設定により影響を受けるのは、球電の発生個数です。
また、内部のプラズマを一部噴出させることである程度の誘導が可能ですが、その場合操作数が増えるほど精度は低下します。写真の親父「そこだ……点火しろ!」
着弾前に任意の地点で起爆させることも可能で、その場合あらかじめ設定を行わなければなりません。
誘導を行わない場合は投射型、誘導をする場合は常駐起動型に分類され、誘導精度や一度に誘導可能な個数は術者の技量に依存します。
・雷霆招来 ……
接触、もしくは空中放電によって相手に電撃を流す魔術です。通電時間は術者の技量によりますが一般の術者で一~二秒程度。
電撃のショックによる心臓麻痺や神経系の機能不全ではなく、ジュール熱による発熱が主な破壊効果です。
空中放電も可能ですが、直接接触して電気を流すほうが効果的であるといえます。
また、グリーンウッドの持つ皇龍砕塵雷への電力供給源としても機能し、皇龍砕塵雷の通電振動素子を振動させるための動力源として使われていて、これによって皇龍砕塵雷のバッテリーや外部電源を省略して携行可能なサイズに押さえています。
・電磁焼殺 ……
攻撃対象周囲で高周波数の電磁波を発生させ、発生したマイクロ波によって近接した攻撃対象の極性分子に干渉し、水分子の運動を促進することで敵体内の血液体液等を沸騰させ誘電加熱で殺傷します。
攻撃の射程範囲は術者から三十メートル前後と比較的狭いが、磁界の及ぶ内側の敵すべてに対して効果があり、かついかなる物理的手段(鉛などの電磁波遮蔽物質で周囲すべてを覆うなどすれば別)を用いても防御は不可能です。
グリーンウッドが使う場合タイムラグはほとんど無いのですが、一般的な魔術師が使う場合は発動までにタイムラグがあり、かつ電磁波の遮蔽が甘いために自身の体温も一緒に上昇してしまうため、連続使用は不可能です。
ちなみにこの手の兵器は大戦中に日本帝国軍が研究開発しており、実際に兎を五メートルの距離から焼き殺した記録が残っています。
・混沌の閃光
別な術式によって発生した炎を遠赤外線に直接変換、対象に照射する魔術です。レーザー・ビーム男の浪漫です。
焦点温度は数千度に達し、一秒の照射でコンクリート隔壁を貫通し自動車を炎上させるほどの威力を持ちます。
肉眼では感知出来ず、また到達までに時間差がほとんど無いので、暗殺用の魔法としては非常に強力な魔術であると言えますが、反面強力な赤外線が暗視装置や真祖の高度視覚などに簡単に発見されてしまうことや霧や水蒸気、陽炎の中では容易に拡散されてしまうことなどの欠点があります。
・重圧衝砲 ……
空間中の一点に莫大な擬似質量を作り出し、周囲の質量を取り込む擬似的な極小規模のブラックホールを発生させます。
このブラックホールが集めた質量がブラックホールの蒸発現象に伴い放出される際に発生する衝撃波を一方向に収束させたものが、グラヴィティスラッグの攻撃力の本体です。
破壊力は周囲の大気密度に影響を受けますが、平均的に攻撃ヘリの装甲をぶち抜いて機体を粉砕するほどの破壊力を持っています。
重力制御系の魔術は制御が難しいため、技量に劣る魔術師では連射は困難です。
アルカードがRagnarok Handsの重力制御機能を利用して、擬似的に再現している魔術のひとつがこれですね。
・重力拳撃 ……
術者の繰り出す打撃の荷重を増大させ、打撃の衝撃力を(十数倍に)増大させると同時に、打撃の際に発生する反動を反転させ、目標に対する衝撃力に転化して破壊力を増大させます。
衝撃力は通常よりもはるかに大きく、また、反動による自分の体の損傷の可能性を一切無視出来るなど、使い方次第で非常に強力な魔術です。
グリ子さんがヘリポートでの戦闘でアルカードにカマそうとしていたのがこれです。あと、万物砕く破壊の拳 の元ネタでもあります。
・重破斬刃 ……
セイルディア・グリーンウッドが開発した遠距離投射型攻撃魔術。
周囲の空気に高重力をかけて線接触様に集中させた衝撃波を投射します。その切断能力、射程距離は術者の技量によるが、セイルディア・グリーンウッドの場合最大出力においては射程三十キロ、最大射距離において重戦車の縦隊を一撃のもとに壊滅させうる破壊力を有しています。
セイルディア・グリーンウッドのみ常駐制御型で、複数同時に並行に投射する(スラッシャー・インライン)、放射状に投射する(スラッシャー・ラジアル)、一点に破壊力を集中して貫徹能力を高める(スラッシャー・ピアシング)などのバリエーションを有しています。
アルカードがRagnarok Handsの重力制御機能を利用してry
・重力指弾 ……
周囲の空気を集めて圧縮し、標的に向かって撃ち込む魔術です。圧縮空気は標的の体内に入り込んだ時点で炸裂し、主に拡張ダメージによって対象を加害します。
重力制御系の魔術としては比較的単純な術式です。
アルカードがRagnarok Handsの重力制ry
・重破衝壁 ……
主に攻城戦のために開発された、攻城戦術用攻撃魔術。前方に扇状に拡散しながら直進する衝撃波の壁を形成します。
この壁は接触した物体を重力波で引きつけて内部に取り込んだ後、粉砕して前進方向の上空に放出する性質を持ち、衝撃波に接触した瞬間に即粉砕されるわけではありません。
前方だけで無く地中にも喰い込みながら進むため、破壊の痕跡は極めて大規模なものとなります。破壊力は折り紙つきだが、半面攻撃範囲が広すぎて低強度戦には適していません。
ただし、巻き添えを恐れる必要が無い状況下において複数の敵を一度に仕留める目的で使うには最適の魔術です。
別名・環境クラッシャー。老人バーンのカラミティウォール、かっこいいよね?
・疑似闇黒洞 ……
重力制御魔術をフル稼働させて繰り出す、セイルディア・グリーンウッドの最秘奥。
空間の一点にほぼ無限大の重力を放射する擬似的な巨大質量を発生させる魔術であり、疑似質量が重力によって周囲の空間をゆがめ、崩壊させることによって変化するブラックホールが攻撃力の本体です。
発生した疑似的なブラックホールが放射する重力は七千エクサトンにも及び、いかなる物質であろうとも重力波によって擂り潰しながら内部に取り込み圧縮します。
吸収の過程で摩擦と圧縮によって完全に破壊されてしまうため、いかなる存在であろうともこのブラックホールから抜け出すことはかないません。
ブラックホールは取り込んだ質量によって自らの引力を増大させてゆくため、創り出した疑似質量無しでも十分な引力を保てるレベルまで成長してしまうと制御は不可能になります。したがって、使用の際はいつでも消滅できる程度の質量に留めておかなければなりません。限界を超えそうになったら即座に消滅させる必要があります。
きわめて強力ながら、強力すぎて使いどころが限られる魔術です。
また、ブラックホール消滅の際にはそれまでに取り込んだ質量を放出するため、グラビティスラッグの材料として使うことも出来ます。
・重渦破砕 ……
局地的に高重力をかけて目標を周囲の地形もろとも自重で叩き潰す魔術です。
重力は最大で通常の七百倍に達し、あらゆる物体が完全に破壊されます。
狭い範囲に大被害を出したい場合には使い勝手がいい反面、あまり広範囲に高重力をかけることは出来ません。また、相手の息の根を止めつつ死体を残したい場合など、被害の微調整が難しいことも欠点のひとつですが、重力を調整して敵の動きを封じるだけにとどめることも可能です。
・空間圧搾 ……
任意の標的周囲の空間に高重力をかけて空間そのものに大規模な歪みを発生させて圧縮し、反発復元させる魔術です。
標的そのものを直接破壊するのではなく周囲の空間そのものを変形させるため、物理的な手段による防御は一切通用しません。
これはちょうど絵に描いた紙を丸めれば紙に描かれた絵も丸められてしまうのと似た様なもので、空間内部に存在するものには抵抗する能力はありません。最初の空間圧縮によって大抵の物体は変形させられ、可塑性の無い物体や弾性に劣る物体は最初の空間圧縮だけで破壊されてしまいます。
さらにこのあとに反発復元の際の空間歪曲とそれによって押し出された空気が発生させる衝撃波が続くため、攻撃圏内にいる対象はほぼ例外無く破壊されます。
最後の衝撃波の範囲は半径十キロに及ぶため、周辺被害を考慮した上で慎重に使わなければ凄まじい大被害を出すことになります。
・共鳴破砕 ……
周囲に震動波を放射し、攻撃対象の共鳴周波数をチューニング、共鳴現象によって目標を粉砕する魔術です。グリーンウッドの術式としては比較的単純です。
常に動いている物体をチューニングするのが難しく、また高周波数帯の振動波を用いるため障害物の向こう側にいる対象を攻撃することは出来ません。
ただし、直接対峙している相手の殻を剥がすのには非常に使い勝手のいい魔術です。
・伝播破砕 ……
手で直接触れた物の構成分子を強制的に高速で振動させ、共鳴周波数を超えるまで振動周波数を引き上げることで触れるものすべてを粉砕する、格闘戦用の魔術です。
いったん掴まれると数秒以内に粉砕されるため、きわめて危険な魔術ですね。実際に接触するまで音もなにも聞こえないので、不意打ちを仕掛ける際に非常に使い勝手がいい魔術です。
・神威雷鎚 ……
周囲の気温と気圧を低下させることによる電気抵抗の低下も含む複数の魔術の並列・連続起動によって構築する、グリーンウッドの最秘奥のひとつです。
あらかじめ正極側に大量の電荷を蓄積しておき、これを任意の瞬間に放出させることによって雷を起こします。
ライトニング・ドライブの極大化版であり、雷は最大で三十秒間維持されます(ただし、一度に複数の落雷を起こす場合は持続時間、照準精度ともに低下します)。同様に攻撃力の本体は電気抵抗による発熱であり、電流量に差があるためこの電流に一瞬でも曝されればたいていの物質は原形を留めること無く昇華し消滅します。
非常に強力な魔術のひとつで、いったん発生させると後に大嵐を起こすほどのエネルギーを持っています。
昇雷と落雷の二種類があるが、基本的には大気の電気抵抗による絶縁破壊の際に生じる電圧降下が少ない分昇雷のほうが破壊力は上です。ただし遠距離攻撃の際の精度が落ちるため、遠距離戦では落雷を使うことが多いです。
破壊力にはさほどの差が無いため(正確には差はあるのだが、破壊力の大小にかかわらず攻撃対象が絶対耐えられないので関係無い)見た目以上の意味はありません。あえて言えば作者の趣味です。
・無敵の楯 ……
電撃魔術を連続起動することによって生じた強烈な電磁場を周囲に投射することで発生させる、高出力の電磁バリヤー。男の浪漫ですね。
皇龍砕塵雷への電力供給と同様、この魔法もまたライトニング・ドライブの変化形です。
強力な電磁場は理論上原子核反応の際に発生する数億度もの莫大な熱量をも遮断するとされています。
無敵の楯にはそこまでの電界強度はありませんが、数万度の熱を遮断し、ミサイルや銃弾といった運動エネルギー弾による攻撃をほぼ完全に遮断することが出来ます。
また、この電磁場に外部から直接触れると空間中を流れる電磁波が流れ込み接触した物体をジュール熱で焼き尽くすため、いかなる者の接近をも許しません。
無敵の楯の名はこれに由来する。
また、これで攻撃対象を覆って内部に高熱源体を放り込むと、放射される熱が外部に逃げないため内部が加熱し続けられることになります。
・審判の閃光 ……
ごく小規模の空間内部に発生させた超高出力の電磁フィールド内部にごく少量の粒子(大気中から取り出した陽電子、電子、重イオン)を加速する疑似的な粒子加速器をふたつ形成し、加速した粒子を混合し発射する疑似的な中性子ビーム砲。
一ギガワットに達する『超』高出力の粒子ビームです。
荷電粒子ビームは磁気による偏向を受けるため地磁気の影響する惑星上においては拡散しやすく、また宇宙空間においては太陽風などのほかの荷電粒子束の影響を受けるため、ビームを直進させることが難しい傾向があります。
このため、射出時に電子を附加して電気的に中性化した中性子ビームとして発射しています。
イミテーション・ブラックホール、サンダー・ブラストと並ぶグリーンウッドの奥義のひとつであり、彼の最大の切り札である――が、強力すぎて設定を考えたはいいが使い道が無い、役に立たない設定です。
・幾千幾万の剣 ……
高位神霊が周囲の物質の構成を素粒子レベルで組み換えて自身の肉体を構築し、また復元する能力を応用して無数の皇龍砕塵雷を構築し、これを重力制御魔術によって軌道制御しながら遠距離攻撃の手段として投射するグリーンウッドの最秘奥。純粋な魔術ではなく、復元能力の応用によって作り上げた皇龍砕塵雷内部のエミュレーターを操作して発電し、重力制御によって遠隔操作する部分が彼の魔術です。
魔術としての負荷がきわめて軽く、最大千三百もの皇龍砕塵雷を同時制御することが可能。グリーンウッドが人間の姿を維持しているときの魔術の遠隔起動の範囲は半径百二十メートルに及ぶため、この範囲内において彼は皇龍砕塵雷を自在に遠隔制御することが出来ます。
強力で制御も容易なため、非常に使い勝手のいい魔術であるといえます。
一撃一撃が凄まじい破壊力を持ち、また刀身の維持を考えずに振動周波数を引き上げることが出来るため、この攻撃は一撃一撃が文字通り致命傷となりえます。
・ 皇龍砕塵雷……
これだけは魔術ではないですが、Over Thousand Bladesの材料になるため、一応。
セイルディア・グリーンウッドが用立てた、特殊な長剣。
エッジ部分には刃の代わりに通電電圧によって無段階に振動する通電振動素子が圧着されており、これにライトニング・ドライブの魔術、もしくは内部に仕込まれたエミュレーターで発生させた電撃魔術で発生した大電流を流して高速で振動させることにより、理論上いかなる物体でも切断することが出来ます。
また、突き刺したまま維持することで攻撃対象に高周波振動を送り込み、対象の分子間結合を破砕して、対象を粉砕する機能を持っています。
複数の鋒と刺突のための背面の刃、柄頭に補助的な小型の刃を持っており、より殺傷能力の高い構造になっています。刃で切断してるわけではないので、あまり意味は無いですが。
また、共鳴周波数は長大な物体より短い物体の方がより高くなり、つまり共鳴や自壊を起こしにくい傾向があります。リヤドライブの自動車のプロペラシャフトは複数に分割されていますが、その理由がこれです。
小刃は本体の刃に比べて桁違いに許容振動数が高いため、本体の刃よりもより高速で振動して突き刺した物体をより短時間で粉砕することが出来ます。
構造的にはグリップ部分の三つの電極とアース電極、通電配線を強化チタンとカーボンファイバーの複合素材で作られた剣本体で包み込んだ構造になっており、材質を複合することでブレード本体の共鳴周波数を高め、異常振動による自壊を防いでいます。
通電振動素子を振動させるための主な電力供給源はライトニング・ドライブの魔法で、三系統の配線を設けることで刃の表・背面・小刃を別々に振動させることが出来ます。
非常時の魔術発生源として電撃魔術と重力制御魔術を焼き込まれたエミュレーターを埋め込まれており、使い方次第で遠距離操作も可能な武装として機能します。
直接接触すればいかなる物体でも切断することの出来る、非常に強力な武装であると言えますが、反面必要以上に振動数を高めると刃全体が共鳴による異常振動を起こして自壊してしまう危険も伴っています。
実はこれら、ほかの小説(現在公開してません)からの
というわけで、これらについてちょっと解説など。
これらの魔術は精霊魔術と呼ばれるもので、精霊、つまり地脈の『点』から地上に噴出した無属性の魔力を利用することで発生します。
儀典魔術は純粋に自分の魔力、およびなんらかの形で地脈から魔力を吸い上げるポンプの様な装置が汲み上げた魔力だけを使い、魔術通信網の様な感染魔術は魔力はほとんど使いません。
儀典魔術その他に関しては後日にあらためるとして、とりあえず登場してるしていないにかかわらず種々の魔術の簡単な解説などを。
精霊魔術はファイヤースパウンのグリーンウッド家が千三百年以上前に実用化したもので、自身の体内に取り込んで属性を変化させた精霊と大気中の精霊を反応させることで行使します。
自身の魔力と大気中の精霊だけでも行使は可能ですが、それをするには莫大な魔力容量が必要になるため、生半可な術者にとっては自殺行為です。
その性質上大気中の精霊の密度によって出力が変動する傾向があり、精霊の密度がゼロの場所ではそよ風ひとつ起こせません。環境の影響を受けやすいのが、致命的な欠点ですね。
精霊魔術において能力を推し量る基準は全部でみっつあり、これらが大きな術者が優れた術者であるとされています。
・魔力容量……
その術者が大気中から一度に取り込んで体内に蓄積しておける魔力の総量。
・処理容量……
術者が魔力容量全体の中から、一度に汲み出せる魔力の量。これが大きければ大きいほどひとつひとつの魔術の出力が大きく、また複数の魔法の並列起動も可能になります。
・処理速度……
汲み出した魔力を『式』に流し込んだり、あるいは魔術の起動で動揺した魔力を安定させる能力。時間的に早ければ早いほど、次の魔術の起動までの間隔が短くなります。
『
また、これらの精霊魔術はグリーンウッド家が使う最も高度なもので、複数の魔術を組み合わせることで任意の効果を導き出すものです。したがって、初歩的な魔術師がどんなに頑張っても同等の効果を得ることは出来ません。
教会の魔術師たちが使う精霊魔術は『魔術教導書』に記された術式を解析して自分たちにも使える様にしたもので、効果は同じですが出力や効果範囲は非常に小さく、本家の足元にも及びません。それでもそこらの魔術師よりは、はるかにましなレベルなのですが。
以下、登場しているいないにかかわらず俺が考えた魔術の中で覚えてるものを。
・
氷柱状などの先端の尖った力場の内側に数千度もの高温・高圧加えられた重金属を封入し、目標に向かって投射する。
設定値以上の硬度を持つ外殻に接触すると力場の先端部から内部の炎を集中して放射し、これがバーナーの様に一点のみを融かして強烈な
高圧で噴出する炎は外殻を貫通したあと、その内側を灼熱の空間に変えて内部を焼き尽くしてしまう。
物理的には対戦車用の成形炸薬弾頭を魔術で再現したもので、その保有熱量は出力設定によって変化する。
形状としては前部と後部の二パートに別れており、後部に重金属と高温高圧のガスが封入されている。形成された『槍』の後端部分は加熱された重金属によって輝いて見えるが、この発光は炎色反応によるもので、術式構築時に周囲から取り込んだ重金属の組成によって発色が変化する特徴がある。
目標に突き刺さると前部と後部のパーティションが解除され、全部の漏斗状の力場の内側を流れながら高圧ガスが目標に向かって噴出し金属噴流を形成する。
投射した時点で制御を離れるため、最初になんらかの設定を組み込んでおかないかぎり投射したあとに軌道を変化させたり、空中爆発させたりといった使い方は出来ない。
照準精度や複数同時発動の際の個数は、術者の技量に依存する。
・
内部にプラズマを封入した力場を形成し、着弾地点で数千度の高温を発する球電を作り出す魔術です。
発生数は術者の技量により変化し、大きさは同一の構成術式によって作り出されてもばらばらだが、その平均温度は六千度に達します。
この魔法の発生熱量は出力設定による影響を受けません。設定により影響を受けるのは、球電の発生個数です。
また、内部のプラズマを一部噴出させることである程度の誘導が可能ですが、その場合操作数が増えるほど精度は低下します。写真の親父「そこだ……点火しろ!」
着弾前に任意の地点で起爆させることも可能で、その場合あらかじめ設定を行わなければなりません。
誘導を行わない場合は投射型、誘導をする場合は常駐起動型に分類され、誘導精度や一度に誘導可能な個数は術者の技量に依存します。
・
接触、もしくは空中放電によって相手に電撃を流す魔術です。通電時間は術者の技量によりますが一般の術者で一~二秒程度。
電撃のショックによる心臓麻痺や神経系の機能不全ではなく、ジュール熱による発熱が主な破壊効果です。
空中放電も可能ですが、直接接触して電気を流すほうが効果的であるといえます。
また、グリーンウッドの持つ皇龍砕塵雷への電力供給源としても機能し、皇龍砕塵雷の通電振動素子を振動させるための動力源として使われていて、これによって皇龍砕塵雷のバッテリーや外部電源を省略して携行可能なサイズに押さえています。
・
攻撃対象周囲で高周波数の電磁波を発生させ、発生したマイクロ波によって近接した攻撃対象の極性分子に干渉し、水分子の運動を促進することで敵体内の血液体液等を沸騰させ誘電加熱で殺傷します。
攻撃の射程範囲は術者から三十メートル前後と比較的狭いが、磁界の及ぶ内側の敵すべてに対して効果があり、かついかなる物理的手段(鉛などの電磁波遮蔽物質で周囲すべてを覆うなどすれば別)を用いても防御は不可能です。
グリーンウッドが使う場合タイムラグはほとんど無いのですが、一般的な魔術師が使う場合は発動までにタイムラグがあり、かつ電磁波の遮蔽が甘いために自身の体温も一緒に上昇してしまうため、連続使用は不可能です。
ちなみにこの手の兵器は大戦中に日本帝国軍が研究開発しており、実際に兎を五メートルの距離から焼き殺した記録が残っています。
・
別な術式によって発生した炎を遠赤外線に直接変換、対象に照射する魔術です。
焦点温度は数千度に達し、一秒の照射でコンクリート隔壁を貫通し自動車を炎上させるほどの威力を持ちます。
肉眼では感知出来ず、また到達までに時間差がほとんど無いので、暗殺用の魔法としては非常に強力な魔術であると言えますが、反面強力な赤外線が暗視装置や真祖の高度視覚などに簡単に発見されてしまうことや霧や水蒸気、陽炎の中では容易に拡散されてしまうことなどの欠点があります。
・
空間中の一点に莫大な擬似質量を作り出し、周囲の質量を取り込む擬似的な極小規模のブラックホールを発生させます。
このブラックホールが集めた質量がブラックホールの蒸発現象に伴い放出される際に発生する衝撃波を一方向に収束させたものが、グラヴィティスラッグの攻撃力の本体です。
破壊力は周囲の大気密度に影響を受けますが、平均的に攻撃ヘリの装甲をぶち抜いて機体を粉砕するほどの破壊力を持っています。
重力制御系の魔術は制御が難しいため、技量に劣る魔術師では連射は困難です。
アルカードがRagnarok Handsの重力制御機能を利用して、擬似的に再現している魔術のひとつがこれですね。
・
術者の繰り出す打撃の荷重を増大させ、打撃の衝撃力を(十数倍に)増大させると同時に、打撃の際に発生する反動を反転させ、目標に対する衝撃力に転化して破壊力を増大させます。
衝撃力は通常よりもはるかに大きく、また、反動による自分の体の損傷の可能性を一切無視出来るなど、使い方次第で非常に強力な魔術です。
グリ子さんがヘリポートでの戦闘でアルカードにカマそうとしていたのがこれです。あと、
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セイルディア・グリーンウッドが開発した遠距離投射型攻撃魔術。
周囲の空気に高重力をかけて線接触様に集中させた衝撃波を投射します。その切断能力、射程距離は術者の技量によるが、セイルディア・グリーンウッドの場合最大出力においては射程三十キロ、最大射距離において重戦車の縦隊を一撃のもとに壊滅させうる破壊力を有しています。
セイルディア・グリーンウッドのみ常駐制御型で、複数同時に並行に投射する(スラッシャー・インライン)、放射状に投射する(スラッシャー・ラジアル)、一点に破壊力を集中して貫徹能力を高める(スラッシャー・ピアシング)などのバリエーションを有しています。
アルカードがRagnarok Handsの重力制御機能を利用してry
・
周囲の空気を集めて圧縮し、標的に向かって撃ち込む魔術です。圧縮空気は標的の体内に入り込んだ時点で炸裂し、主に拡張ダメージによって対象を加害します。
重力制御系の魔術としては比較的単純な術式です。
アルカードがRagnarok Handsの重力制ry
・
主に攻城戦のために開発された、攻城戦術用攻撃魔術。前方に扇状に拡散しながら直進する衝撃波の壁を形成します。
この壁は接触した物体を重力波で引きつけて内部に取り込んだ後、粉砕して前進方向の上空に放出する性質を持ち、衝撃波に接触した瞬間に即粉砕されるわけではありません。
前方だけで無く地中にも喰い込みながら進むため、破壊の痕跡は極めて大規模なものとなります。破壊力は折り紙つきだが、半面攻撃範囲が広すぎて低強度戦には適していません。
ただし、巻き添えを恐れる必要が無い状況下において複数の敵を一度に仕留める目的で使うには最適の魔術です。
別名・環境クラッシャー。老人バーンのカラミティウォール、かっこいいよね?
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重力制御魔術をフル稼働させて繰り出す、セイルディア・グリーンウッドの最秘奥。
空間の一点にほぼ無限大の重力を放射する擬似的な巨大質量を発生させる魔術であり、疑似質量が重力によって周囲の空間をゆがめ、崩壊させることによって変化するブラックホールが攻撃力の本体です。
発生した疑似的なブラックホールが放射する重力は七千エクサトンにも及び、いかなる物質であろうとも重力波によって擂り潰しながら内部に取り込み圧縮します。
吸収の過程で摩擦と圧縮によって完全に破壊されてしまうため、いかなる存在であろうともこのブラックホールから抜け出すことはかないません。
ブラックホールは取り込んだ質量によって自らの引力を増大させてゆくため、創り出した疑似質量無しでも十分な引力を保てるレベルまで成長してしまうと制御は不可能になります。したがって、使用の際はいつでも消滅できる程度の質量に留めておかなければなりません。限界を超えそうになったら即座に消滅させる必要があります。
きわめて強力ながら、強力すぎて使いどころが限られる魔術です。
また、ブラックホール消滅の際にはそれまでに取り込んだ質量を放出するため、グラビティスラッグの材料として使うことも出来ます。
・
局地的に高重力をかけて目標を周囲の地形もろとも自重で叩き潰す魔術です。
重力は最大で通常の七百倍に達し、あらゆる物体が完全に破壊されます。
狭い範囲に大被害を出したい場合には使い勝手がいい反面、あまり広範囲に高重力をかけることは出来ません。また、相手の息の根を止めつつ死体を残したい場合など、被害の微調整が難しいことも欠点のひとつですが、重力を調整して敵の動きを封じるだけにとどめることも可能です。
・
任意の標的周囲の空間に高重力をかけて空間そのものに大規模な歪みを発生させて圧縮し、反発復元させる魔術です。
標的そのものを直接破壊するのではなく周囲の空間そのものを変形させるため、物理的な手段による防御は一切通用しません。
これはちょうど絵に描いた紙を丸めれば紙に描かれた絵も丸められてしまうのと似た様なもので、空間内部に存在するものには抵抗する能力はありません。最初の空間圧縮によって大抵の物体は変形させられ、可塑性の無い物体や弾性に劣る物体は最初の空間圧縮だけで破壊されてしまいます。
さらにこのあとに反発復元の際の空間歪曲とそれによって押し出された空気が発生させる衝撃波が続くため、攻撃圏内にいる対象はほぼ例外無く破壊されます。
最後の衝撃波の範囲は半径十キロに及ぶため、周辺被害を考慮した上で慎重に使わなければ凄まじい大被害を出すことになります。
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周囲に震動波を放射し、攻撃対象の共鳴周波数をチューニング、共鳴現象によって目標を粉砕する魔術です。グリーンウッドの術式としては比較的単純です。
常に動いている物体をチューニングするのが難しく、また高周波数帯の振動波を用いるため障害物の向こう側にいる対象を攻撃することは出来ません。
ただし、直接対峙している相手の殻を剥がすのには非常に使い勝手のいい魔術です。
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手で直接触れた物の構成分子を強制的に高速で振動させ、共鳴周波数を超えるまで振動周波数を引き上げることで触れるものすべてを粉砕する、格闘戦用の魔術です。
いったん掴まれると数秒以内に粉砕されるため、きわめて危険な魔術ですね。実際に接触するまで音もなにも聞こえないので、不意打ちを仕掛ける際に非常に使い勝手がいい魔術です。
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周囲の気温と気圧を低下させることによる電気抵抗の低下も含む複数の魔術の並列・連続起動によって構築する、グリーンウッドの最秘奥のひとつです。
あらかじめ正極側に大量の電荷を蓄積しておき、これを任意の瞬間に放出させることによって雷を起こします。
ライトニング・ドライブの極大化版であり、雷は最大で三十秒間維持されます(ただし、一度に複数の落雷を起こす場合は持続時間、照準精度ともに低下します)。同様に攻撃力の本体は電気抵抗による発熱であり、電流量に差があるためこの電流に一瞬でも曝されればたいていの物質は原形を留めること無く昇華し消滅します。
非常に強力な魔術のひとつで、いったん発生させると後に大嵐を起こすほどのエネルギーを持っています。
昇雷と落雷の二種類があるが、基本的には大気の電気抵抗による絶縁破壊の際に生じる電圧降下が少ない分昇雷のほうが破壊力は上です。ただし遠距離攻撃の際の精度が落ちるため、遠距離戦では落雷を使うことが多いです。
破壊力にはさほどの差が無いため(正確には差はあるのだが、破壊力の大小にかかわらず攻撃対象が絶対耐えられないので関係無い)見た目以上の意味はありません。あえて言えば作者の趣味です。
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電撃魔術を連続起動することによって生じた強烈な電磁場を周囲に投射することで発生させる、高出力の電磁バリヤー。男の浪漫ですね。
皇龍砕塵雷への電力供給と同様、この魔法もまたライトニング・ドライブの変化形です。
強力な電磁場は理論上原子核反応の際に発生する数億度もの莫大な熱量をも遮断するとされています。
無敵の楯にはそこまでの電界強度はありませんが、数万度の熱を遮断し、ミサイルや銃弾といった運動エネルギー弾による攻撃をほぼ完全に遮断することが出来ます。
また、この電磁場に外部から直接触れると空間中を流れる電磁波が流れ込み接触した物体をジュール熱で焼き尽くすため、いかなる者の接近をも許しません。
無敵の楯の名はこれに由来する。
また、これで攻撃対象を覆って内部に高熱源体を放り込むと、放射される熱が外部に逃げないため内部が加熱し続けられることになります。
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ごく小規模の空間内部に発生させた超高出力の電磁フィールド内部にごく少量の粒子(大気中から取り出した陽電子、電子、重イオン)を加速する疑似的な粒子加速器をふたつ形成し、加速した粒子を混合し発射する疑似的な中性子ビーム砲。
一ギガワットに達する『超』高出力の粒子ビームです。
荷電粒子ビームは磁気による偏向を受けるため地磁気の影響する惑星上においては拡散しやすく、また宇宙空間においては太陽風などのほかの荷電粒子束の影響を受けるため、ビームを直進させることが難しい傾向があります。
このため、射出時に電子を附加して電気的に中性化した中性子ビームとして発射しています。
イミテーション・ブラックホール、サンダー・ブラストと並ぶグリーンウッドの奥義のひとつであり、彼の最大の切り札である――が、強力すぎて設定を考えたはいいが使い道が無い、役に立たない設定です。
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高位神霊が周囲の物質の構成を素粒子レベルで組み換えて自身の肉体を構築し、また復元する能力を応用して無数の皇龍砕塵雷を構築し、これを重力制御魔術によって軌道制御しながら遠距離攻撃の手段として投射するグリーンウッドの最秘奥。純粋な魔術ではなく、復元能力の応用によって作り上げた皇龍砕塵雷内部のエミュレーターを操作して発電し、重力制御によって遠隔操作する部分が彼の魔術です。
魔術としての負荷がきわめて軽く、最大千三百もの皇龍砕塵雷を同時制御することが可能。グリーンウッドが人間の姿を維持しているときの魔術の遠隔起動の範囲は半径百二十メートルに及ぶため、この範囲内において彼は皇龍砕塵雷を自在に遠隔制御することが出来ます。
強力で制御も容易なため、非常に使い勝手のいい魔術であるといえます。
一撃一撃が凄まじい破壊力を持ち、また刀身の維持を考えずに振動周波数を引き上げることが出来るため、この攻撃は一撃一撃が文字通り致命傷となりえます。
・ 皇龍砕塵雷……
これだけは魔術ではないですが、Over Thousand Bladesの材料になるため、一応。
セイルディア・グリーンウッドが用立てた、特殊な長剣。
エッジ部分には刃の代わりに通電電圧によって無段階に振動する通電振動素子が圧着されており、これにライトニング・ドライブの魔術、もしくは内部に仕込まれたエミュレーターで発生させた電撃魔術で発生した大電流を流して高速で振動させることにより、理論上いかなる物体でも切断することが出来ます。
また、突き刺したまま維持することで攻撃対象に高周波振動を送り込み、対象の分子間結合を破砕して、対象を粉砕する機能を持っています。
複数の鋒と刺突のための背面の刃、柄頭に補助的な小型の刃を持っており、より殺傷能力の高い構造になっています。刃で切断してるわけではないので、あまり意味は無いですが。
また、共鳴周波数は長大な物体より短い物体の方がより高くなり、つまり共鳴や自壊を起こしにくい傾向があります。リヤドライブの自動車のプロペラシャフトは複数に分割されていますが、その理由がこれです。
小刃は本体の刃に比べて桁違いに許容振動数が高いため、本体の刃よりもより高速で振動して突き刺した物体をより短時間で粉砕することが出来ます。
構造的にはグリップ部分の三つの電極とアース電極、通電配線を強化チタンとカーボンファイバーの複合素材で作られた剣本体で包み込んだ構造になっており、材質を複合することでブレード本体の共鳴周波数を高め、異常振動による自壊を防いでいます。
通電振動素子を振動させるための主な電力供給源はライトニング・ドライブの魔法で、三系統の配線を設けることで刃の表・背面・小刃を別々に振動させることが出来ます。
非常時の魔術発生源として電撃魔術と重力制御魔術を焼き込まれたエミュレーターを埋め込まれており、使い方次第で遠距離操作も可能な武装として機能します。
直接接触すればいかなる物体でも切断することの出来る、非常に強力な武装であると言えますが、反面必要以上に振動数を高めると刃全体が共鳴による異常振動を起こして自壊してしまう危険も伴っています。
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