【創作設定】形骸とか筺体とか。

　よく形骸とか筺体とか出てきますね。

　形骸というのは霊体が物質世界に影響を及ぼすための依り代の一形態ですが、意志のある霊体＝神霊が形骸を作ることはまずありません。
　そのまま物質世界で活動するのはきわめて消耗が大きいからで、常時そのままで活動するのは無理があります。そのため、顕現した下級の霊体は泥人形や人骨、死体などの筺体や、あるいは動物などに取り憑いて活動するしかありません。
　高位の霊体であれば肉体を作ったほうが早いので、結果として神霊が形骸を作って現世で活動することはありません。
　したがって形骸を構築するのは主に魔具や霊体武装です。LDKを公開した当初、生肉のゴーレムたちを『形骸』と称していましたが、当時は設定が固まってなかったんですよ。

　筺体も霊体がこちら側に影響を及ぼすのに利用される一形態で、こちらは肉体の構成情報を転送出来ない状況やそれを触媒に召喚された場合、対象の能力を制限しつつ顕現させたい状況で利用されます。
　ガーゴイルとかゴーレムの体とかも筺体と呼びますが、それを触媒にして対象を召喚する場合は召喚対象に似せた筺体を用意することが多いです。そのほうが召喚に成功しやすいんですね。『自分の似姿』であれば、召喚対象が自分の依り代になるものを見つけやすいので。触媒になったものが召喚対象の霊体の本来の姿に近ければ近いほど、召喚対象は触媒を見つけやすく、また能力も高くなります。その一方で、召喚対象と触媒の形が似ても似つかない場合、たとえばヒト型の神霊を召喚するのに犬の筺体を用意したりすると、召喚対象が怒って拒絶したり、召喚には応じてくれても筺体を見つけられずに失敗したりします。
　たとえばお地蔵さんを触媒に、地蔵観音を召喚するとかが成功率高いですね。
　ただ筺体の素材がなんであれ、対象になった神霊を完全に封入するには到底容量が足りないので、セアラちゃんが言ってた様に手を入れて口パクさせる人形を動かしている様な感じになります。
　全力は到底出せないし、能力も制限されます。その一方で筺体そのものは魔力で補強されるので、直接破壊するのは難しいです。アスタロトの石像相手にアルカードの弟子三人がやった様に、破壊するよりも憑依するための回線を通してる『門』を塞いじゃったほうが手っ取り早いことが多いですね。

　ガーゴイルと神霊の筺体の違いは掃除機に喩えることが出来、ガーゴイルは内蔵バッテリーを使ったワイヤレス掃除機、神霊の筺体はちゃんとコンセントに線をつなぐ有線式の掃除機です。
　電池で動いてるガーゴイルと違って有線で電力供給されてる神霊の筺体は、魔力供給源があるためにガス欠を起こすことはまずありません。というのは、回線を通してる『門』から離れると魔力の供給量が減って能力が低下するし、筺体に魔力を通してるから消耗もするんですが、能力を十全に振るえない代わりに消耗も知れてるので。