自己と他者という関係においては、仏教は他者に原因を求めず、
自らの心の内を見つめるということを説いているのですね。
常に焦点を自分自身の心の内面に当てて行こうとする態度であります。
したがって、対立する自他においては、責めを、責任を他者に求めるという考え方はしていない。
そこには宗教としての仏教の立場があると言えます。
仏教には、キリスト教やイスラム、ユダヤ教など、
旧約聖書系の宗教に見られるような「唯一なる絶対他者」、
他のすべての神々を排除した神の観念は存在しないのであります。