ながさわたかひろのリトグラフ入門も、今回が最終回。《刷り》編です。
本日も元田久治先生にご教授いただきます。
な「先生、今日も宜しくお願いします」
元「はい、どうぞ宜しく」
元「早速ですが、最初にもう一度、生ゴムを引きましょうか」
な「またですか?第二製版のゴムを新しいゴムで洗うってこと?念のため、みたいなことかな?」
元「まぁ、そんなところです。新しいゴムでもう一度薄くゴムを引いておくといいみたいです」
元「次に、プリントクリーナーで描画部の製版インクを落としましょう」
な「ハイ」
元「次は、チンクターを…」
な「えッ!またチンクターを?これも念のためですか?」
元「黒で刷る場合のみです。やらなくても平気ですけどね。やめときますか?」
な「いや、やります、やります、やりますよ!」
な「フ~、こんなの経験値がないと覚えられませんよ」
元「何度か失敗しながらね」
な「そうそう。あ、いや、今回は失敗なしでお願いします…(汗)」
元「では、水洗いして製版液(ゴム)も落としましょう」
元「では、プレス機に移動しましょう」
な「いよいよ刷りですね。あの~ここからは先生にお任せしたいのですが…」
元「高くつきますよ」
な「まあまあ、そうおっしゃらずに。リトグラフの刷りは、まぐれ当たりがないんだから。見殺しにしないで下さいよ」
元「ハハ。じゃあ、今回は描画された絵なので製版インクで刷りましょうか」
な「ブラックじゃなく?」
元「製版インクの方が硬いので、線太りを防げます。エッジがしっかりしますよ」
な「ほらね。そんなの素人には分かりませんもん。やっぱり版画って技術の習得が絶対的に必要なんですよ。学生はそこを“おざなり”にしといて、表現云々といっちょまえな口叩きやがる。一度、いい刷りを見ておくべきです。基本をすっ飛ばして表現もクソもあるもんか!キ~ッ」
元「まあまあ。落ち着いて、落ち着いて。僕が刷りますから」
な「ワ~イ」
…というわけで、インクの盛りは元田先生にお任せし、僕は紙おきとプレス機を回す係に。共同作業がまた楽しい。
試刷りを数枚くり返し、インクのつきを確認し刷り上げました。
ジャ~ン!
元「解き墨の調子もしっかり出てますね。いい絵です」
な「へへへ、先生のおかげ様ですね。元田先生、ありがとうございました!」
作業後、充実のツーショット。
武蔵野美術大学6号館・リトグラフ工房にて
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