今回のロンドン出張で泊まったのはクラリッジス。2月という季節のせいか他のホテルに比べてさほど値段は変らず、そのレベルの高さに大満足だった。
改装やメンテナンスはきっちりされていてカーペットも壁面も古さを感じない上にバスタブにお湯がたまるのも早く、通常ロンドンで感じるイライラ感がない。部屋はUpgradeされたので通常の広さではないのだろうけど、以前ウェストベリーで感じたような「歩くスペースがないだろうが!」という怒りも感じずにすむ。部屋に通されたとき「シャンパンとお茶とどちらを召し上がります?」と訊かれた私は、「え?自腹かしら?」とビビッて思わず「お茶を」と応えてしまったが、これはホテルからのサービスだった。まったく小心者はこれだから困るよね
。
朝食もルームサービスも心地よく、テーブルウェアもきれい。食器も新品?のようにきれいで、以前他のホテルでの「かなり使いこんでます」という色合いプンプンの食器に衝撃を受けた私としては、逆にきれいな食器に驚いた。さすが、その辺のホテルとは格が違いますのね。さらにビックリしたのは電話以外に直接担当を呼び出すためのボタンがついていて、「Valet」「Maid」「Waiter」など直接呼び出すシステムになっていること。そうなのよ、電話で要件を話すんじゃないのよ
。いちいち呼びつけて用事を話すわけだ。いかにも英国って感じ。
部屋もお食事もサービスも素晴らしいのに、残念なことはホテルマンに頼んだことは何一つ実行されなかったこと。「新聞はご入用ですか?日経新聞でしょうか?」とあちらから言ってきたにもかかわらず新聞が届いた日は1日もなかったし、チェックアウトの時に「お荷物が運ばれたらすぐタクシーで出かけれらるようドアマンに行き先も伝えておきました」と言われたが全~ったく伝わっていなかった。挙句の果てにスーツケースは壊されるしタメイキしか出てこないけど、イギリスってこんなもんだと知っているので呆れる気にもならない。こんな鷹揚に構えていられるのも、カードに自動付帯している海外旅行保険のおかげだけどね。
他にもこんなことがあった。
* 2日目に日本食の朝食を頼んだら20分ぐらい待たされた。あれは絶対ご飯を炊いていたんだと思う。その代わりと言ってはなんだが、焼き鮭の切り身の分厚さが半端じゃなかった。他の料理に使う奴なんだろうね、厚さが4cmぐらいあったもの。美味しく頂きましたわ。
* クリーニングに出すものをそれ用の袋に入れてベッドの上に置いて外出したら、夕方戻った時には綺麗にベッドメイクされたベッドのうえにチョコンと袋のまま置いてあった。おいおい、普通そのままValetに回すんじゃないの?しかたないから「Valet」のボタンを押して担当を呼ぶ。まあ、イギリスでは「いかに効率化を避けるか」が雇用を維持する技なんだろうから、ちょっとビックリはしたものの気にはならないね。そ、いちいち人を呼びつけるのがセレブなのに違いない。(セレブじゃないから分かんないけど、たぶんそうなのよ。)
って、いろいろ書いたけど、それでもクラリッジスは素晴らしい。お薦めであります。
やっぱり長い時間で培われたセンスってやつなのね。
「いかに効率化を避けるか」ホントイギリスってそうですよね~。
クラリッジス、昔同僚のウェディングで行ったことがあります。素敵ですよね~。