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雨露を”花の父母”とはよくいったもので、雨が上がり、気温も上がってくると、一斉の下萌えです。
お彼岸も近いので、草取りをしていて、憶えある強い香りがあたりに漂うのに気がつきました。
沈丁花です。我が家のは白丁花です。この花は、お茶席では禁花として用いないと聞いていますが、さもありなんと思う主張のある芳香で、茶室に焚かれる用意のお香が台無しになるからでしょう。
原産地の中国からは比較的遅く渡来し、室町時代に「尺素往来」1490年に“沈丁華“として記載されたのが最初だそうで、道理で古今集にも新古今集にも登場しないはずです。
漢名は「瑞香」。輪丁花とも呼ばれるそうです。瑞というからには、めでたい香、春の訪れを告げる香と捉えたのでしょう。(一説には沈香と丁子の香を併せ持つところからの命名ともいわれています。)
宋の時代の画家たちに、「名花十二客」や、「名花十友」にそれぞれ取り上げられて、南画に、そして日本画でもよく描かれる画題です。
これらはそれぞれの客や、友を当時の人に持てはやされていた美しい花になぞらえたもので、重なっている花が多いのも、特に愛されていた花々であることが分かります。
(沈丁花は十二客では「佳客」良い客という意味。十友では、「殊友」とされて特別に愛されています)
沈丁の葉ごもる花も濡れし雨 秋櫻子
庭石に花こぼしをり沈丁花 風生
学名のDaphne odoraのほうは、ギリシャ神話に登場する森の妖精、ダフネのお話です。
太陽神アポロンがダフネに恋をして追っかけまわすので、逃げ惑うダフネをゼウスが沈丁花に変身させたということになっています。
こちらのほうがロマンがありますか。
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こういうものは家庭内教育でしょうか?
他所のお家に伺う時は、お昼過ぎの2時頃がベストで3時がベターでそれ以外は全てワースト・・と。
滞在時間もお茶の2杯程度まで、max1時間半。としておりましたが、
ご隠居さんの場合は、昼食後、お昼寝を楽しんでおられる方もおられるし、理想的時間帯の判断が難しくなりました。
祝いのスピーチも短い方がベストらしいが、これも短い方が・・。
短くても腕時計は見ないように注意。携帯電話は持っていないのでご迷惑かけないが。
知人のお宅への訪問は、戦後、電話の普及で、第一次の減少化へ、更に21世紀のIT時代でのパソコン普及で
第二次の減少へ。手土産向けの和菓子屋さんの商売も影響を受けています。
そう言えば、客間なる言葉が廃れリビング・ルームへ。
因みに、当方の変名=香HILLは香里ケ丘の略称です。
あまり薫り高い「ご高説」には、俗人の典型と自認する身はお付き合いし難くなりますので、よろしく。
薫り高い花といえば、この沈丁花と、金木犀が木に咲く花の双璧でしょうが、もう一つ梔子がありました。お互い”口無し”とは参りませんようで。
お説のように、このところすべて「短かつ速」がもてはやされますが、ブログも同様。くだらないことを長々と述べるなとのお諭しかと。
簡潔を心掛けるとしますが、癖は直り難いものでして。お気に召さぬ向きは読み飛ばしてくださいますように。
お説の通り茶の湯の花には禁花が有りまして「沈丁花・大山シキミ・ケイトウノ花・女郎花・柘榴・こう骨・金銭花・せんれい花・も嫌うなり。
香りの強い花・不吉な花・奇異な花・語感の悪い花・華美な花・いつ咲いたか知られない花・
世俗の塵を残した我執の強い花などがそうです
沢山の約束事が嫌で、はやばやと遠のいたお茶の世界でしたが、今になって、約束事の真の意味するところが解りかけてくると、若気の生意気が悔やまれます。型の築き上げた洗練の美が懐かしくさえあります。