「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

柳井の金魚提灯

2005年07月27日 | 遊びと楽しみ
 墨彩画の仲間に、「柳井に出かけたので」と金魚の形をした提灯をいただきました。
 もう7,8年も前になるでしょうか、『白壁の町並』のキャッチフレーズに誘われて柳井に出かけたことがありました。
 室町時代からの瀬戸内有数の港町で栄えた名残は、漆喰塗りの大壁と連子窓、三角の破風をおいた入母屋の屋根の連なりで、国重要伝統的建造物群として保存地区に指定されて昔日の面影を留めています。

 その折、家々の軒先に吊るされていた金魚形の提灯が可愛らしかったことを話題にしていたのを忘れていましたが、「やはり一番印象深かったから」とお土産にしてくださったものです。
 今では、ただ一人の職人さんが手作業でこの民芸品の伝統を守っておられるそうです。
竹ひごに和紙を張り、赤と墨で彩色したものです。赤の染料は伝統織物、柳井縞の染料を使用するのだそうです。8月13日の金魚提灯祭りでこれに蝋燭の灯りがともされ、白壁に映える幻想的な情景を想像しながら、軒先で風に揺らぐ提灯を眺めています。