私と彼の秘密 今思うこと

彼とのLINEは、いつか消した方がいい。
それは、残された人のために…



身に染みる雨

2022-12-06 09:06:00 | 日記

彼のトークルームは、

これからすぐに消されることとなった。

それは、私が決めたルール。

だから、その日その日、繋がった時の思いは、ここに残そうと思う。

これは、私の日記だから。

大切な時間を過ごした証を記そう。








仕事が終わって、外に出たら、冷たい雨が降っていた。

自転車を猛スピードで漕ぎながら、

どうしてそんなに必死に家に帰るんだろ?

って思った。

家に帰りたいんじゃない。

濡れたくないだけ。

そんな時に限って、目の前で遮断機が降り、私は、じっと雨に降られていた。





家に帰ったら、お嫁ちゃんがキッチンを使っていた。

私が散歩から帰るまでに、
どうか、終わらせていてほしい。

そう願いながら、LINEを開いたら、

数分前に、彼も散歩に出たとあった。




私もすぐに後を追った。

ジャンバーを交換して、濡れたネッグウォーマーは、

ただ冷たいだけで、機能を果たしてないので、外した。

早く彼と繋がりたかった。





でも、彼の姿はもう、どこにもなかった。

何度か、LINEを送ったけど、既読にならない。

きっと何かあったんだ。

そう思って、諦めた。

私は、スマホにイヤホンをつけて、

斎藤ひとりさんの公演を聴き始めた。


1時間近く、散歩に費やす時間を無駄にしたくない。


ちょうどその時、彼からLINEがあった。

あの後、土砂降りの雨が降ってきて、傘を持ってないから、慌てて引き返したのだそう。

びしょびしょなのに、とりあえず、連絡をくれたんだ。

さっきの私と同じ。

冷たいよね。私も、髪の毛が冷たいよ。

彼と私は同じだって思った。

LINEなんて、もうしなくていいから、はやく着替えて、温まってもらいたい。

私は、斎藤一人さんを聞いて歩くから、大丈夫だよ。


そしたら、彼はこう言った。

タイミングを合わせられなくてごめんね。って。

充分、タイミングを合わせてくれていたでしょ。

雨さえ降らなければ、きっと話せた。



何を謝ってるんだろうって、彼の優しさが、さっきの雨より身に染みていた。


幸せを感じるって、そんな些細なことでいいんだ。



帰ったら、キッチンは、ちゃんと片付けられていた。

私はすぐ、晩御飯の準備に取り掛かることができた。

良かったとホッとした。