キャンプは、天気の良い日の方が過ごし易いし、何かと楽しい。
それに比べ、雨に降られた日のキャンプはどうなのか?
これが以外に、強烈な思い出として記憶に残るものだ。
10年に1回行われる、阿蘇草千里でのバイクミーティングが、1999年の8月に行われた。
「そのミーティングに、僕等も参加しよう」という事になり、キャンプを絡めたツーリングを計画した。
土曜日の出発でしたので、僕は仕事を終わらしてから、友人が待つキャンプ場へ向かった。
その頃の僕は、まだまだ、道も良く分からない初心者ライダー。
キャンプ場へ辿り着いた時は、夕方になってしまいました。
しかし、先に来ていた友人が、2人用のテントを既に張っていてくれたので、後は今晩の食材を調達すれば良いだけになっていた。
僕が、バイクから荷物を降ろしてテントに近づくと…。
「北九州から、バイク乗りが2人来ていて、後で一緒に食事する事になったよ」と…。
“バイク乗り”と言うだけで、不思議な連帯感があり、こんな事はよくある話である。
荷物の片付けを終えたら、食材を調達に、近くのスーパーへ向かう。
スーパーでは、簡単に料理が出来る食材を、明日の朝飯の分まで調達。
タンクバックを大きく膨らませ、ハンドルにはレジ袋をぶら下げてキャンプ場に戻ってきた。
そして、薄暗くなったキャンプ場で、男のいい加減な調理が始まる。
しばらくすると、その北九州組みの2人もキャンプ場に戻って来て食事を始めたようだ。
もう既に、日も沈み、ランタンの明かりを必要としていた頃だった。
僕達は、昼間の約束通り、一緒に食事をする為に、彼らの所へ近づいていった。
ビックリしたのが、ランタンの明かりに照らし出された顔が…知り合いだった。
その時初めて、彼がバイク乗りだった事を知った。
ネクタイとスーツ姿しか知らない彼は、Gパンを履き、芝生に腰を下ろし、使い込んだフライパンで炒め物をしていた。
バイク乗り、それも実は知り合いだった。
こうなると、更に夜は盛り上がる。
この晩は、食材を食い尽くすまで、4人で盛り上がりました。
事件が起こったのは、深夜、寝ている時でした。
寝袋に入り寝ていると、上から冷たい物が顔に落ちてくる。
目が覚めると、外は強い雨。
そして、テントは雨漏りしだしていた。
顔に落ちてきた物は、まさしく冷たい雨。
寝袋も濡れている。
「このままでは、溺れてしまう。」
「浸水を止めるしかない。」
決断の時が来た。
僕は、持ってきたカッパを着て、外に飛び出し、ブルーシートをテントの上に被せる。
風も強いので、被せたシートがバタバタとなり飛んでしまいそうだ。
予備のペグを打ちつけ、それとシートをロープで結び付ける。
シートの隅4箇所を結びつけたら、テントの中に居る友人に…
「雨漏りは止まったやー」
「止まったみたいー」
テントの中に入ると、友人は雑巾を持って、濡れた荷物を拭いていた。
このキャンプ。
雨に降られ、テントが雨漏りし、大変なキャンプだった。
しかし、強烈に記憶に残るキャンプでもある。
キャンプは、思いもよらぬ事が起こった時の方が、記憶に残る。
このキャンプは、僕にとっては、思いもよらぬ人との出会いがあり、思いもよらぬ強い雨にあったキャンプ。
今でも、忘れられないキャンプの一つです。
翌朝、浸水して入ったテントの中の雨水を、バンダナでかき出していた“あの方”にとっても…?
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