<a href="
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http://img.cliplife.goo.ne.jp/clip_image/17/23/0e/nzesu_hkzz_H/nzesu_hkzz_H_thumb0.jpg" alt="ウードでバディネリ(パート1)" /></a>
6月4日の記事で予告しました、ジョン・ビレジクジャンが演奏するバッハの「バディネリ」(管弦楽組曲第2番 ロ短調BWV.1067)をコピーして解析してみました。
ビデオが83年のもので、当時の流行なのか、演奏者の顔だけを大写しで延々そのショットが続く、または右手のみとか、なかなかストレートな演奏シーンが少なめ、というせっかくの動画での技法コピーにとっては不利なビデオで、この曲もかなりフラストレーションがたまります・・・。ですので音だけから判断するしかない部分も多かったのですが。
まずパート1です。この曲はご存知のようにパート1とパート2のモチーフが各々ほぼ同じに2度ずつ繰り返されます。
やってみてわかったのは、やはりジョン・ビレジクジャンという人はアルメニアの伝統ウードが根底にありつつも独自に演奏技法を開拓しただけあり、もともとあまりウード向けでない曲もやすやすと弾いてしまうということです。 彼は手も大きく指も太いので有利な側面も強いのですが、自分でやってみるととにかく弾きにくい! ということです。
出だしをご覧ください。1コースと2コースをネックとボディジョイント部上のポジションで(ギターと違い何フレットとは形容できませんね)人差し指で押さえる必要があります。そしてその指を固定したまま薬指も同時に次のノートを押さえます(そうしないと4番目のノート(2コース弦)に戻るのが間に合わないのです)。 これがきつい。2本の指の間隔が厳しいのとウードのハイポジションの弾きにくさから、かなり難儀します。おまけにギターのようにフレットに助けられるということがないので、この人差し指をネックに対して垂直に保つためにそうとう第1関節から上を目いっぱい指板に押し付けなければなりません(画像参照)。力も相当入れないと音がなまってしまいます。ビレジクジャン氏のビデオを見ても指板真横からのショットがあり、このフォームになっているのがわかります。彼の場合は長年の演奏で鍛えられた指なので、このくらいのフォームはものともしないのでしょうが。しばらくやっていたら人差し指の第1・2関節が痛くなってしまいました。気をつけないと、関節や腱を傷めてしまうかもしれません。ウードの普通の曲では、かならず指は可動方向に曲がるので、こんな無理はありえないのですが…
×のついているほうの画像が、指の関節には無理な力のかかり方です。どうしても薬指で次のノートを弾くためにこのような角度になってしまいがちです。私は関節を痛くしてから気がつきました・・・;
セーハならば指はあくまでまっすぐなので問題ないですが、このように弓なりに関節とは逆方向にしならせては人体に無理が生じます。
○印の画像のように関節に無理の無い角度ならばいくら力を入れても傷めることはありません。ただし、スムーズに音をつなげにくくなりますが。
もともとウード向きの曲ではないだけあります。みなさん、くれぐれも指の関節に無理をかけないように注意しましょう。
なお、チューニングは低いほうからE,A,B,e,a,d です。トルコウードを使用していますが、アラブウードならば一音低いD,G,A,d,g,c で演奏できます。