エマズ・ブログ

エマズ・マーケット(ウードやサズなどの販売・修理調整・レッスン)の店主による、音楽ネタのブログです。

ワンハンド奏法+右手の擬似パーカッション

2008年01月26日 | Weblog


左手のみを使うワンハンド奏法はナスィール・シャンマもやっていますが、
このモロッコのウード奏者ドリス・エルマルーミは、さらに右手でウード側面を叩いてまるでレクのようなリズムを刻んでいます。凄いテクニックです。単にギミックに終わらず、高い音楽性も感じさせます。

Morocco: The Dancing Soul
Driss el Maloumi
Buda Musique

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ジョシュクン・サバ

2008年01月23日 | Weblog

ワイルドな演奏をするトルコのウード奏者/歌手です。
ここではトルコの名作曲家マスード・ジェミル・ベイの有名曲「ニハヴェント・サズ・セマイ」を演奏しています。

②冒頭、指で弾いています。音程が不安定な箇所もありますが、まあワイルドなあまりのご愛嬌ということで。


③また、エレクトリック・ウードもよく弾く人ですが、生ウードを弾くときもときどきエレクトリックを弾くようなワイルドさになるのが面白いです。
↓こちらではエレクトリック・ウードを弾いています。



ちなみに、②で女性歌手とデュエットしている同曲をロックバンドが演奏しているもの

ムニール・バシールによる欧米ポピュラー曲集CD

2008年01月21日 | Weblog
Rhythms and Melodies
Munir Bashir
Le Chant Du Monde

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 ムニール・バシールがポピュラー曲を演奏しているCDが出たので買ってみました。
もともと、ウード界の巨匠でありその偉大さは承知しているものの、はっきり言って「心をわしづかみにされるような凄さ」を感じさせる奏者が百花繚乱なウード界にあって、いまひとつピンとこないというか、相性が良くないのでしょうか、好みのウードプレイヤーではないのです。録音物も多く持っているのですが、そんな具合なので愛聴盤もありません。むしろ弟のジャミール・バシールのほうがずっと好きなのです。

 とりあえずという感じでこの新盤も聴いてみました。
「イージーリスニング的」とレッテルを貼られがちなこの手の企画物ですが、例えばCTIレーベルのウェス・モンゴメリーとか、出来が良ければ決して嫌いではありません。垣根を越えた自由なチャレンジ自体は好きですし、実際に面白いものも生まれる楽しさもあります。
 大成功、とは正直言いがたい出来だとは思いますが、それでもさすがに御大、スリリングな瞬間もあります。まるでマール・トラヴィスのような2も面白いですが、時々ブルース的な響きもある5が個人的には一番気に入りました。
 「とにかく良く知っている曲を演奏しているウードを聴きたい」という方にはイチオシです。

ウード+フレットレス・ギター+ギター

2008年01月20日 | Weblog
弊店でも扱っておりますウード教則本『ウード大全』の著者のムトゥルー・トルンがウードを弾き、フレットレス・ギターで有名なエルカン・オーウルと競演した動画です。さらに普通のギターも加わり、この3つの楽器の音の違いがよくわかるものとなっています。


こちらは「サズ・セマイ」


ここではムトゥルー氏はギターを弾いています。



シェナーズ・ロンガ

2008年01月19日 | Weblog
有名曲ですが、トルコのウード奏者バイラム・ジョシュキュネルによる妙技をお楽しみください。トルコウードらしい軽やか・きらびやかな音色の特徴がよく出ていると思います。テクニック、この正確無比さはすごいです。完璧です。



http://jp.youtube.com/watch?v=UIks-olduNI&feature=related
↑なぜか全編は埋め込みがうまくいかないので、URLから直接リンクしてください。

同じウード奏者++カーヌーン+ヴァイオリンによる「クルディ・サズ・セマイ」も素晴らしいです。


もうひとつ。これは上と同じ構成による「ムハエルクルディ・サズ・セマイ」。これまた秀逸な演奏です。(やはり「ブログ埋め込み無効」です)
http://jp.youtube.com/watch?v=9ngXggvhaPA&feature=related

ウード教則DVD完成!

2008年01月17日 | Weblog
弊店制作のDVDが完成しました!
「ウードをやってみたいがとにかく難しそう」という声が多いので、思い切り初心者用としました。「マカームは扱わず、ダイアトニックのみで練習する」というジョン・ビレジクジャンの教則本と同じスタンスです。ただ、あちらは簡単な曲は「メリーさんの羊」といった曲を使用しているのに対し、こちらはせっかく日本なのだから日本の曲です。よ~く知られた曲たちですが、曲名は観てのお楽しみに。
また、10ページの解説書付!

27分という短めの収録時間ですが、結構わかりやすいものとなったと自負しています。
とりあえず販売はせずに、今後ウードお買い上げのお客様でご希望の場合にお付けするつもりです(もう初歩を過ぎた方には不必要な方もいらっしゃると思うので)。
よろしくお願いいたします。

イランのウード教則VCD

2008年01月11日 | Weblog
イランのウード(かの国ではバルバットと呼ばれます)教則VCDですが、女性のウード教師がうっとりするようなエレガントな演奏で丁寧に教えてくれます。

気が付いたのは、運指が、標準的なものとやや異なり、人差し指と中指を多く用い、場合によっては薬指が来るべき場合にも中指を使うことが多い、ということです。
標準的な運指というのは、ギターで言うと半音づつあるフレットの第1フレットの位置は人差し指、第2フレットは中指、第3フレットは薬指、第4フレットは小指、というポジションになり、これがポジションを高音側にずらしていっても同じ原則で指を用います。
でもこのVCDの先生の場合は、前述したような指使いを用いる場合もあるのです。
自分で試してみても、確かに場合によっては異なった指使いのほうが弾きやすい場合もあるようです。

思い出したのが、ジャズの名ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトです。ジプシー・スウィング(マヌーシュ・スウィング)でおなじみですね。
18歳の時に火事によって左手の薬指と小指が動かなくなってしまうというハンディを乗りこえて、まったく独自の音楽を編み出した素晴らしいミュージシャンですが、彼のビデオを見てもやはりほとんど人差し指と中指しか動かしていません。でも流麗なフレージングは素晴らしいです。マニアは同じようにわざとその2本指だけで演奏する足かせを課したりするようですね。


和音を多く使い、指使いも当然厳密にならざるを得ないリュートやクラシックギターに比べると、ウードは奏法がむしろジプシージャズ・ギターあたりのほうがよっぽど近しい感じもあるので、指使いはある程度幅があるような気がします。