エマズ・ブログ

エマズ・マーケット(ウードやサズなどの販売・修理調整・レッスン)の店主による、音楽ネタのブログです。

ナシール・シャンマ設立「ウードの家」門下生のお客様

2008年10月28日 | Weblog
今日来られたお客様は、エジプトはカイロにナシール・シャンマが設立したウード学校「アラブ・ウードの家」に半年も在籍して学んで帰国された方です。いろいろと興味深いお話がお聞きできて良かったです。

「最初の半年は、長調と短調だけでずっと運指などの基本練習をみっちりやらされます。そのため、マカームの勉強はその後になります。僕はそこで帰国する時期になってしまったので、マカームは現在独学で勉強中なんです」
「楽譜でレッスンをしますし、かなり西欧音楽的な教え方ですね」
「最初は(低いほうから)F,A,D,G,Cのチューニングで5コースで学び始め、しばらくすると高音側にF弦を付加して6コースにするんです。最終的には低音側に弦を付加して7コースになるんですよ」
「今は時々常味裕司さんのところでワンショット的にマカームのレッスンを受けています。先日はムハンマド・アブドル・ワッハーブの曲の楽譜をいただいて、自分でなんとか弾けるようになりました」
とのことで、聞かせていただきましたが、さすがに運指は基礎をみっちりやった方のものでさすがで、音程も正確でした。さすがにウードの家での修業を感じさてくれます。

せっかくカイロで入手されたウードが、沖縄滞在中に高湿度のために傷み、そのためにだめになってしまった響板をご自分で手ごろなベニヤ板を使用して補修し、なんとか大事に使っておられます。「思い出のあるウードなので使い続けたい」とのこと、よくわかります。
ただ、ネックが相当反ってしまっていて、ネックジョイント付近の弦高は1cm近くにもなっており、かなりプレイアビリティが厳しいものになっていますが、そのあたりは今後ネックをご自分で修理されるとのことです。

6コース弦セットをどのタイプにしようかと迷われた末に、1コースのF弦は持ってらっしゃるとのことなので「C,F,A,D,G,C」にし、タルガンの教則本をお選びになりました。トルコの曲もぜひがんばってマスターしていただきたいです。

参考までに、「ウードの家」の様子がYouTubeにありましたのでご覧ください。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。