2016年7月2日(土) 曇/ 晴
2日は、先週行きたかった浅草岳をめざしました。先週はその山域は天気予報があまりよくなくて、三岩岳歩きに切り替えたのです。山開き1週後の浅草岳には、二度目の訪問になるので、今回は未踏の鬼ケ面山を経由です。自転車を使える浅草、鬼の順での周回も考えましたが、初めて鬼ケ面山に登るなら、下から行きたかった。そうすると自転車利用だと、走行が登り連続になるのでこれは無理。結局六十里越トンネル西から登って、鬼、浅草の順に登って、ピストンすることにしました。はなゴンさんの数年前の記録を読んでいたので、その往復はかなりロングとは知っていました。地形図で診ても往復と考えると、行程はやはりロング。でも、なな”のもっている古いエアリア地図の越後三山の裏にある浅草岳のコースタイムでは、この往復コースは合計7時間ちょっと。ならば、自分で歩けば6時間半くらいで帰ってこられるか、たいした事ないぞ、本当か? と、ちょっとちぐはぐな疑問を持っての入山です。今回はさすがにヒメサユリの花期には遅すぎだろうと、ほとんど期待なしです。
六十里越トンネルを超えて、西の駐車場に着きます。今市から約2時間40分。遠くに来たなって感じのスラブ斜面が見える山中です。駐車場には車、一台もなし。登山口こちらへというような板もないので、本当にここでよいのかと、一瞬疑問が湧いてエアリアを見直し。すぐ新潟よりに少しだけ歩けばある登山口を見つけて。疑問解決。出発準備中に新潟、福島両方面から1台づつ登山者到着。後着の単独男性と少しお話ししました。かなり山歩いていそうなかたでしたが、ブログは見させてもらったことのあるこのかたでした。
(六十里越トンネル西のパーキング、今日はガラガラ。6:25 ここをスタート。)
コース; 六十里越トンネル西P 6:25 --- 南岳 8:08 --- 鬼ケ面山頂 8:41 --- 狢沢カッチ 9:44 ---浅草岳山頂 10:45-10:58 --- 鬼ケ面山頂 12:41 --- スタート地へ 14:31
一般ルートとなめていたら、最初に道標のない分岐でそこは左折。直進は木の枝で通せんぼのような感じにしてあります。なので、ここは正解を選択。峠越えのようなトラバース道を水平に歩いて、鉄塔巡視路のような踏み跡を登ってしまい、2,3分ロスります。その後すぐ正規ルートに復帰、すぐ六十里越峠の分岐でそこからひたすら北進スタート。樹林帯の急斜面を夢中に登ってすぐ汗ダク。今日の暑さも体に纏わりつくような暑さで、湿気もたっぷり。前後一人なので、三岩の時のような無理な飛ばしかたはしません。
(樹林も開けてきて見えた大スラブの山です。方向を確認しませんでしたが、隣の裸山かと思います。)
ショウキランっていうのは、自分は滅多に見ない花ですが、運よく見られました。
45分以上急に登って、マイクロアンテナのある平原を通過。そこから林道のような水平歩行をしばらく歩きます。その周辺からは前方にこれから向かう鬼ケ面山の稜線が見えてきますが、予想外に平穏でたおやかな山容です。
水平歩道を歩いて、また急に登って、1時間30分経過で目の前に鬼ケ面の正体がわかる稜線を一望できる場所に出ます。たぶん目先の岩峰が南岳だったような気がします。この辺からは、田子倉湖や、毛猛山の稜線も見渡せますが、天気がいま一つで、爽快な景観とまではいきません。
振り返ります。歩いてきた尾根と、その向こうに前毛猛、毛猛の稜線と、もっと遠くに越後駒とかの稜線も見えてきました。あれ、天気予報は雨も覚悟の予報だったような・・・、これだけ見られればこの日は満足。
(田子倉湖方面 )
8:08 南岳ピークへ到達。この辺りからこの稜線のスリルを感じる歩きが始まります。この南岳から降りる第一歩が意外に危うくて、気を付けていればどうということもないのですが、万一危うい方に滑落したら、ちょっと普通には戻れない崖が右サイドに切れ落ちていました。この先、よくよく注意が必要なことを感じた一瞬です。
(南岳ピークからの鬼ケ面山)
この日もコース脇には可憐な花がたくさん。ゴゼンタチバナは数知れずです。
途中に追い越された単独女性がもう引き返してきて、さよならしてすぐ鬼ケ面山頂に到着です。鬼ピークの手前あたりからヒメサユリの花も出てきますが、さすがに枯れているものや、花が終わっているものもあります。ただ、これからもっと標高を上げるので、期待が出てきました。
鬼ピークについて、今日の目的の一つは達成です。この時点で雨だったら、滑落の危険も考えて戻ることも想定していましたが、天気は持ちそう。浅草岳まで行ってみましょう。鬼ピークから観る浅草岳はまだ遥か遠くな感じです。
鬼ピークを過ぎると、断続的にヒメさんの花の群落が出てきます。浅草岳周辺のこの花は色もより濃くて花も大きいような気がします。
で、観られると思っていなかったヒメサユリロードです。
花にうつつを抜かしてばかりはいられないのが、この稜線。歩いている踏み跡はしっかりしたコースですが、なんせ細い。右も左も草付きや灌木のコース・エッジのすぐ先は数百メートルの断崖の上なんて区間が長々続き、気が抜けません。基本、何かやらかさなければ、危険はないですが、万一危ういほうに滑ったり転倒しようものなら、確実に人生を終わらせられるレベルの危険度ってことです。
(あまり、長居したくない断崖のすぐ上のコース地点より撮影)
鬼ケ面のピークからはアップダウンの連続です、。観たことのない地形で歩き甲斐ありで、花も満喫。でも浅草まではまだまだ、なかなか浅草岳が近づいたように見えてきません。
(浅草岳の前の岩峰が貉沢カッチ、その返の斜面はあまりに垂直過ぎて、嘘っぽい画像です。)
ゴバギボウシでしょうか。これも途中たくさんありました。
後方の山々の眺望もだいぶ広がってきました。毛猛の稜線や遠くに越後駒の稜線でしょう。
9:14頃 稜線から西に少しはずれた北岳ピークに寄り道。その返からは浅草岳までの残りの稜線がくっきり見渡せます。まだかなり起伏があります。次のターゲットは貉沢カッチは大きくとらえれば二つ先のピーク。暑くて、コースはスリリングで、でも不思議とへばりはきません。きっと景色のおかげです。
((たぶん)貉沢カッチのピーク、だいぶ近づいてきました。)
9:44頃 貉沢カッチ到着。狭いピークですが、見晴らし抜群。休憩適地なので、軽食を食べます。後からくるnoyamaさんは、何度か確認できましたが、ここでも小さく姿が見えて、手を振ってみました。(後で、ブログを拝見しますと、なな”が手を振ったのを、確認されていたようです(笑)。)
(貉沢カッチ付近から、歩いてきた稜線を振りかえります。)
ピークの先の灌木帯に括りつけてあった名板。へー、こんな険しく高山っぽいのに、1452mなのって感じです。さすが、新潟・福島の山、奥が深いです。
とても1500m、1600m程度の山と思えないずっしりした山容で、浅草岳は名山ですね。だいぶ浅草岳に近づいてきました。
貉沢カッチ周辺からは、ニッコウキスゲの花の鮮やかなレモンイエローが目に突き出します。この山で観れると想定していなかったので、嬉しい。さらに進んでいくと、ニッコウキスゲ・ロードも出てきます。
で、もって、ヒメさんのほうもまだ出てきたりするので。2,3か所はキスゲとヒメとの混合お花ロードが楽しめました。
前岳、浅草の稜線にでる直下は花ロードは消えて、地味な樹林帯を急登して高度を上げます。歩き始めて4時間で、前岳分岐へ到着。木道が続く平原が広がっています。山頂まで雪渓を横切って進みます。
雪渓のすぐ上部。雪が解けたばかりの場所で咲いていたミツバノバイカオウレン
もう時期は遅いのか、早すぎるのかワタスゲはまばら。池塘とその向こうに守門岳が見えていました。
山頂周辺には、登山者が結構います。皆さん新潟県側の登山道からのかたが多いようです。山頂まで4時間20分で到着、意外とかかりました。
山頂の岩の上で一息ついて休憩。山頂は人も少なく静かです。来た方向を振り返ると鬼ケ面の稜線が見えていて、あんなに苦労して登った稜線も、この位置から望むと見下ろすような感じです。
北方面を見ますと栗ケ岳とか矢筈岳とかの稜線でしょうか。その周辺は全く未知の領域なので、山名をようく同定できません。
また来た道をアップダウンしながら戻らなければいけないのは、相当な時間を要するということ。歩き仕舞い時刻は、あまり夕方に迫りたくもないので、早々に下山を開始します。早々にって言っても帰りは帰りで、諸々のお花の撮影に時間を費やしてしまいます。前岳直下の樹林の中の急降下で、倒木の割れ目に足を突っ込んで、ひざ周辺にキズを作ります。樹林帯を抜ければ、あとは展望開ける爽快でスリルな稜線歩きです。下りで歩くと、この稜線、登りよりもっとスリルを感じます。足場の切れた地点で、遠方を撮影して、足元の花を撮影して、下りに歩きだそうとするその第一歩が少し怖い感じなのです。
(これから向かう、稜線。一番高いのが鬼ケ面山頂部、。)
狢沢カッチを過ぎて、越えていく北岳付近の稜線を見ます。ここの登り返しが、結構絞られました。(p ↓)
細い稜線を歩いていて、ふと前方に小型犬くらいの大きさの丸っこい四足がピョンピョン逃げていくのが見えました。子くまか、何か他の動物??確認できませんでした。こんな痩せた稜線で前からクマが来たらどうやって避けるのか。その後しばらく、鈴音を連発でならして、発声しながら歩きました。
(基本、滑り落ちたらおしまいの区間の多い稜線を用心して歩いていきます。)
帰りもキスゲロードとサユリロードを楽しんで歩けます。でもその美しい花や可憐なイワカガミやゴゼンタチバナの草付きの尾根エッジの先は、奈落の底への崖の始まり。用心は常に欠かせないです。ピストンのつまらなさっていうのは、この稜線に関してはなかったと思います。
東方面、只見沢を挟んで、浅草岳の只見沢登山口方面を見ます。一番低いほうの尾根までスラブ地形が確認できます。下るにつれ日差しが出てきて、予想外に好天になってきて、暑いこと暑いこと。日焼け止めも塗っていないので、結構焼けてしまいそうです。
浅草岳山頂から約2時間50分で電波板の地点まで降りてきました。この周辺からみると、鬼の稜線もただのたおやかで優しい稜線の山です。ここで鬼ケ面の稜線は見納めです。またいつか来ることもあるでしょう。
鬼ケ面山頂からの下りでは、13時近いのに合計四人の登山者が登ってきて、すれ違います。たぶん皆さん鬼ケ面までで、ヒメサユリ見物なのでしょう。結構人気の山のようです。今日は、1週前に来たかった浅草岳の山開きでパスしてしまったその山に来られて、おまけに山開きでは歩かなかったであろう鬼ケ面山稜線を歩けたので、結果よかったと思います。駐車場に戻ってくると、鬼ケ面の稜線の続きの南側の尾根の山のスラブも見えていて、そちら方面の山にも興味が出てきますが、たぶん行くことはないでしょう。エアリアのコースタイムより、50分くらいオーバーして戻ってきて、あの7時間少々っていうコースタイムはちょっと厳しすぎないかと、思ってしまいます。それとも、今日はゆっくりし過ぎたか??,でもあのスリルのコースはなな”は飛ばせないです、自分は臆病なので。まあ、時間は気にせずとも、花をたくさん見られて、面白い稜線歩きをできました。ちゃんと浅草岳も歩いたので、先週たまたま残った山開きの記念バッジをしっかりいただいて、只見の観光案内は今日は優しそうな娘さんでした。あそこはいつ行っても気持のよい対応をしてくれます。諸々満足の山旅だったので、久しぶりに深沢温泉の赤茶のお湯にゆっくり浸かって、ソバ食べてシャキッとして帰りました。 ■■
(帰ってみると車はXVも含めて3,4台程度。静かな山歩きも楽しめました。)
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過日浅草岳登山口でお目にかかったnoyamaです
貴殿も、あの女性に抜かれましたか
体力の衰えは自覚しているつもりですが
おばさん(失礼)に抜かれるとは自信喪失です
nanakoobiさんも健脚で、山頂で会えるかと思っていましたがどこかですれ違ってしまった様です
山行記録と写真とても素敵です
また、寄らせていただきます
ヒメサユリだけ考えるなら、少し最盛期より遅い気もしましたが、キスゲも見られましたし、いい経験でした。
あのような危ういヤセ尾根の連続を歩くのも、自身あまり経験がないので、面白かったです。
あの急峻な景観は独特ですし、今回、鬼ケ面を含めて浅草岳がより好きになりました。
私もあの女性には花の撮影とかしていましたら、あっさり追い越されました。相当山慣れしたかただと思いました。
私は、年齢からすると健脚ではないと思います。どうやら、私たちは山頂付近の木道が二手に分かれているあたりでニアミスすれ違いをしたのでしょうね。
山頂付近で、もう一度お会いして、「お疲れさま」を言いあえればよかったです。
noyamaさんのブログとヤマレコ。参考になります。お花にも詳しいのですね、うらやましいです。これからも、よろしくお願いします。
ロッキーと申します。
ななころびさんのブログちょくちょく見させてもらってます。
僕も同じ栃木県の山好きです。
歩いている箇所もななころびさんととても似ています。
南会津いいですよね~
僕もあちらにはしょっちゅう行っていますよ!
どこかでお会いしているかも知れませんね。
失礼ながら今までロッキーさんのブログは、気がつかなかったと思います。
今日知ったので、過去記事を魅させていただいています。
飯豊の4日間の記事には引き込まれてしまいました。
南会津も只見もいいですねー、私は3年前まで、その山域をほとんど知らなかったのです。
ロッキーさんは雪の時期も高い山を攻めてして、いいですね。これからはブログ”山を旅して” に寄らせていただきます。
どこかの山中でお会いできるといいですね。