《あらすじ》
ユシンを上将軍に再任し、神国を救えと命令したトンマン。
苦しげに、それを見守るピダム。
復耶会は解体した。ユシンを縛るものは、何もない。
ウォルヤは、トンマンに復耶会の名簿を差し出し、ひざまずいた。
「犯した罪は忠誠をもって償います!」
トンマンは、司量部に捕らわれている復耶会を放免するよう命じた。
そして手にした名簿を、火にくべる。
驚きの表情でそれを見つめるピダム、ユシン、アルチョンたち。
「もはや、伽耶も伽耶の民も存在しない。
ただ神国の民が存在するのだ。
命がけで戦い、自らを救い、神国人として、そなたたちの子孫が暮らす神国を救え!」
ウォルヤはその命に、命がけで応えることを約束した。
「陛下はお前を救うために命をかけたのだ」
ピダムは、トンマンの型破りな行動に敬服していたが、
それだけはユシンに伝えずにはおれなかった。
「陛下が私のために命をかけた?
本気でそう考えているなら、お前は浅はかだ」
ユシンはピダムの言葉を言下に否定する。
すねたような、怒ったような表情のピダムだが、話は百済軍の機動力に移った。
本当にそんな速さで移動することができるのだろうか?
「羽根でもはえていない限り、不可能だよ」
「なぜそんな話を?お前は私に勝ってほしくはないだろう?」
ユシンはピダムに問う。
「もちろん、お前に手柄を立てさせたくはない。
だが、お前が負けるのはもっと嫌だ。
神国と陛下のために、勝て、ユシン」
ピダムは真剣にそう言うと、部屋を出て行った。
ユシン軍は、命がけで最前線へ向かった。
しかし、戦況はいまだ不利な状態が続く。
緊迫する状況の中、みなので、ピダムは命がけの進言をした。
「陛下、ソラボルから避難してください」
「避難?」
司量部は、あらゆる状況をかんがみて、最善の策を打ち出したのだという。
トンマンがソラボルを離れた後は、司量部が都を守る、と。
避難はあり得ない、と主張するトンマン派と、
陛下のお命が大事と避難をすすめるピダム派で、宮殿は揺れる。
戦場でのユシンは、百済軍の赤カブトを鬼神と呼ぶチュジン公を一喝する。
戦は人が行うもの、幻想に惑わされてはならない。
赤カブトの強さと速さを目の当たりにしたコドは、自分の目が信じられない。
信じがたい強さ、機動力、まさしく鬼神だ!
しかしユシンは冷静だった。
あり得ない速さの実態をつかまなければならない。
避難について、トンマンは考えている。
もちろん自分が避難するわけにはいかない。兵の士気にかかわる。
チュンチュを避難させ、自分が残り、ソラボルを掌握する。
ピダム派だとて、この機会を好機と捉えないでもない。
軍事権を掌握するチャンスでもあるし、勢力の拡大を望める。
が、しかし、今はそのようなことを言っている余裕は実際ないのだ。
「神国の危機なのですよ」
浮かれるハジョンをたしなめるミセンやポジョンの目も真剣だ。
ピダムも、本気でトンマンの無事を考えているのだ。
「私は避難する気はない。
かわりにチュンチュを行かせよ。私はソラボルに残る。
万が一の場合は、チュンチュに指揮をとらせる」
ピダムはトンマンを見つめて言う。
「陛下、私はユシンとは違います。
ユシンは神国のために割り切れますが、私にはできません。
私には、無理です」
「ピダム」
「司量部がたてた計画です。陛下は避難していただき、我々が都を守ります」
「私は行かぬ」
かたくなな態度のトンマン。
「私にソラボルを任せるのは不安ですか?私は信頼できないと?」
「そうではない」
「ではなぜ、私を見ないのですか。
ミシルを死に追いやったのは私です。私はっ……陛下のために……」
「それで私を恨んでいるのか」
トンマンの冷たい態度に、ピダムは言葉を失う。
「変わられましたね。
初めてお会いしたとき、私は陛下と引き替えに薬草を手に入れようとしました。
そんな私に、陛下は『ありがとう』……『ありがとう』とおっしゃってくださった。
どんな理由で言ったにせよ、私には初めての言葉でした。
私を責めぬ唯一のお方でした」
ピダムの言葉に、トンマンは思わず目を伏せる。
「世間が無礼だという振る舞いは自信の表れだとおっしゃり、
世間が残酷だという行為も、陛下は勇敢だと言ってくださった。
世間が卑怯だと私を責めても、知略だと言って褒めてくださった。
母を亡くしたときも、先ほどのように私を責めず!……ただ、抱きしめてくださいました」
「やめよ。もうやめよ」
「それなのに……なぜ、私の真心は計略であり、
陛下を守りたい私の心は!……ソラボルを得ようとする欲だと?
私の真心が、もう見えないのですか?」
ピダムは涙を流し、席を立つと、辛そうにトンマンを一瞥して立ち去った。
トンマンはピダムの言葉を噛みしめながら、出会った頃から、
ずっと自分を助けてくれたピダムを思い返していた。
トンマンが信じてくれることが、ピダムの喜びだった。
トンマンに見捨てられたら、どうすればいいのかわからない、
子どものような心の男だった。
そう思うと、知らず知らずに笑みが浮かび、ふと口元を引き締めた。
ユシンは、自分の仮説を確かめようとある計画をたてた。
そして、とうとう遊軍の赤カブトがひとりではないことを確信する。
遊軍は2つある!
泥道に誘い込んだ遊軍が、消えた直後に背後から現れたが、
彼らの馬はなんの汚れもなく、きれいなものだったのが、その証拠だ。
こちらが遊軍のからくりを見破ったとバレるまでは、
相手もひとつの遊軍しか動かすことができない。
それを利用して、遊軍本隊を叩く!
ユシン軍の意気はあがった。
ソラボルで、夜、トンマンは庭の水面を眺めていた。
「決心なさいましたか?避難を」
ピダムが現れて、トンマンに話しかける。
「ある日、すべてが変わった。
あるものは王女の私の命を狙い、あるものは私を守って目の前で死んだ。
他のものたちは私にひざまづき、頭を下げ、敬語を使い、大業を遂げよと迫った。
そんなある日、お前が現れた。お前は何も気にせずに、わたしにぞんざいな口を。
私はそれでいいと言った。お前だけは特別扱いをしなかった。
だから、お前といると心が安らいだ。
宮殿に入ってからも、お前は花をくれ、心配そうに見つめ、手を握ってくれた。
計算であってもかまわぬ。お前といると昔の私に戻ることができ、嬉しかった」
「ではなぜ、変わられたのです」
「私には、名がないからだ。
太子にも王女にも町のごろつきにも名があるのに、王には名がない。
私はただ、陛下と呼ばれる。
もう誰も、私の名を呼べない」
「私が、私がお呼びします」
「私の名を呼ぶのは、反逆行為だ。
お前が恋心から私の名を呼んでも、反逆者と見なされる。
なぜ変わったか?
名を失った時から、お前は、勢力を持つ臣下のひとりであるべきだから。
私はお前の考えを探り、疑う王であるべきだから。
お前がミシルのようにならぬかと常に警戒し、疑わなければならないから。
だがピダム、それがどれほどつらいか、わかるか?」
涙を流すトンマン。
「私がどれほどお前を信じたいか、頼りにしたいか、お前にわかるか?」
ピダムはそっと、彼女の手をとった。
ひとりたたずむトンマンを残し、立ち去るピダム。
彼はミシルの霊廟にいた。
霊前に座っていると、トンマンが入ってきた。
「陛下」
慌てて立ち上がるピダム。
「お前が必要だ」
驚いて、トンマンを見つめる。
「私をせきたてて孤独にさせる者たちでなく、
私を見つめ、花を差し出し、軽口を叩き、震える手を握る、ピダム、お前が必要だ。
ずっと抑えつけていた。こらえていた。
皆が王がこんな感情を持ってはならぬと言うから」
「陛下」
「お前だけが私を人として、女として扱う。それが嬉しい。
女として私を好いてくれる、お前が好きだ。
こんな気持ちを持っていいのか」
ピダムから目をそらしてしまったトンマンに、ピダムはそっと触れる。
そして彼女をそっと抱きしめるのだった。
「神国の危機を打開すべく、王命を出す」
臣下の前で、トンマンは力強く告げた。
「ヨンチュン公を罷免し、司量部ピダムを上大等に任命する」
ピダムは思わぬ人事に驚きの表情だ。
そして貴族の私兵を、ピダムの指揮下に置く。
「私は上大等ピダムとソラボルに残り、神国を守る」
トンマンの王命に驚いていたチュンチュも、
何かを察したように厳しい顔つきになった。
「ヨンチュン公には申し訳ありません」
トンマンは、この度の措置について、ヨンチュンに詫びた。
戦時下において兵力不足を補うには、貴族の私兵が必要だ。
ピダムになら、彼らも私兵を預けるだろう。
そのための、上大等への任命だ。
ヨンチュンは納得しているが、チュンチュは不安げだ。
「陛下は、ピダムを信じているのですか?」
「私はピダムを信じている。
ピダム、ユシン、そしてチュンチュ、皆の力を信じる。
私は、ピダムもユシン、そのどちらも手放すつもりはない。
人を得て捨てることは、国を得て捨てることと同じくらい重いと心得よ。
情勢を見極める前に味方にすることを考えよ」
トンマンの言葉に、不承不承黙るしかないチュンチュ。
この人事は、ミシル派にとっても驚きだ。
「陛下にとっても絶妙な策だ。
ピダムの不安を解消するため上大等にして私兵まで与えた」
「同時に貴族たちの勢力を牽制することもできます」
「そのとおり」
みなは一様に、トンマンの政治力に感嘆するのだ。
ピダムはひとり、ミシルの霊廟にいた。
(母上、国を得て人を得ようとしてはならぬ、愛は奪い取るものとおっしゃいましたね。
そんな生き方はやめます。奪い取るのではなく、与え、
得るのではなく、捨て、あの方とともに生きます。
王座も、歴史に千年名を残すことも、あの方の涙の前ではつまらぬものです)
戦場では、ユシンの替え玉作戦が功を奏し、
百済のケベク将軍率いる遊軍をおびき出すことに成功した。
(つづく)
ぐ、ぐふっ……
なんだか心が血を吐いております。
ピダムはただ、トンマンに信じてほしくて、彼女の愛が欲しくて、
そうした恋心がすべての行動原則になっているということをあらためて認識したトンマン。
そして本当は、心の奥底では、ピダムを頼りたい、自分をゆだねたい、
自分を女として恋してくれる男に、自分も恋したいと願うトンマン。
そして神国のために、伽耶のために、
トンマンのために、王のために、最前線で戦う男ユシン。
トンマンに、すべてをささげて生きていこうと決心したピダム。
最終的にはどちらも手放したくないトンマン~!
なんか、ピダムの純情に心が締め付けられたのよ。
そして、昔を思い出してピダムを信じ、素直な心を伝えたトンマンに、
実はちょっと えええええええ?ってなったのよ。
だって、だってユシンだって、トンマンに逃げようって言ったんじゃん!
チョンミョン王女だって、もう全部忘れて逃げていいって言ったんじゃん!
遺言までしたのに、逃げたくないっていったのはあなたでしょ!(怒)
ムンノだって、いい加減な人に王を目指してもらっちゃ困るから厳しかっただけでしょ!
トンマンのこと女性として好きだって言ってくれたユシンをふったのはあなたでしょ!
ユシンは、王として生きようとするあなたを支えるために、
すべてをささげているんじゃないの!
王女だってわかった途端、すべてが変わったっていったよね?
そうかもしれないけど、選んだのはあんたでしょ!
ユシンの愛と献身、忘れちゃったの?
ミシルの一族ヨンモさんと婚姻したのが、そんなに気に障ったのか!
仕方なかったじゃん、あの時は……。
ユシンのことを大事に思う気持ちが通じなかったの、まだ怒ってるの?
あれは通じてたって!通じてたけど、はいそうですか、と言えない状況でしょうが!
それなのに、自分を女として好いてくれるピダムが好きだって……。
ピダムを好きなのはわかるしそれは別にいいんだけどさ、私だってピダム好きだしさ。
でもユシンのことはないがしろにしてほしくないの~。
離れたって、厳しくたって、ユシンはトンマンのこと、深く愛しているのよ……。
と、まぁちょっとピダムを贔屓しすぎな気がしてズルい、と思ったのですが、
よく考えてみれば、彼女はユシンを救うためにほぼ単身復耶会に乗り込んだわけで……。
ユシンは否定していましたけど、命がけですよね。
ま、もちろん裏には、復耶会とチュンチュとか、いろいろな副産物と言うか、
どっちが本当の狙いだったのかわかんないくらい重要な戦略が隠されていたのですが。
そういうわけで、ユシンもすごく大事にされてるわけだし、
こないだまではピダムがかわいそうだったんだから、今回はだいぶ甘々だけどいいか、
と感じたのもつかの間。
ピダムが上大等になって貴族の私兵をもらっちゃって、
トンマンと一緒にソラボルを守ることになった!
ピダムとトンマンの間では、意味深な目線のやりとりがあり、
チュンチュもミセンもやきもき。
ミセンは、これはトンマンがピダムを安心させ、手なずけるための作戦なのだと考え、
チュンチュは、トンマンが本当にピダムを信じているのだろうか?と不安になる。
そこでトンマンは答えるわけですね。
自分は、ユシンも、ピダムも、チュンチュも、みなを信じている、と。
そしてピダムもユシンも手放すつもりはない!と。
ミセンの見方はうがちすぎだろ~。
だってあのふたり、ミシルの霊廟で抱き合ってたんだよ~。
ミシルが化けて出るかと思ったよ~。作戦なんかじゃないよ~。
と、つぶやいていた私は、椅子ごと後ろにひっくり返りそうになりましたよ。
えっ?なんかみんな同列に信じてるの?
あ、もしかして三韓統一を果たすためには必要な人材だから?
人材として手放すつもりはないってこと?
ミセンの言うように、ある程度ピダムを安心させるための作戦でもあるわけ?
トンマン!この欲張りさんめ。
お前さんはやっぱ骨の髄まで英雄気質の女だよ……。
ただ単純に、男を好きになるなんて、もうできないんじゃないのか。
王という立場がそうさせるのではなくて、お前さんがそういう人間だからなんじゃないのかな。
誰にも何にも邪魔されないで、ユシンに心惹かれていた郎徒時代、
それでも自分が何者なのか、知らずにはいられなかったように、
君はフツーには生きられない星のもとに生まれていたのだよ、やっぱり。
ふたりとも手放す気はないんだ……。
いや、それでこそトンマンだし、それでいいんだけど。
人を得たり人を捨てたりってのは、国を得たり捨てたりするくらい重たい意味を持つんだって
持論だから、ほんとにそれでいいんだけどさ。
ピダムの純愛に素直に応えただけ、かと思ってたから、びっくりしちゃった。
手放すつもりはない!ってなんか政治的な発言だよね。
彼女がトンマンという個人であると同時に、新羅の王でもあるわけで。
愛情と政治的意図が共存しての結果が、こういうことなんだろうか。
でもトンマンがこんなこと言ってたと知ったら、ピダムはショック受けそうな気がする。
俺のこと好きだってだけじゃないの?って思って。
あ、でもいいのか、すべてを奪う愛、みたいなのはやめたって言ってたし。
トンマンと一緒に歩いていくって言ってたもんね。
こんなトンマンを受け入れられ……る?
アホのハジョンあたりが、これも陛下の作戦さ、ばーかばーか、とか言い出したら逆上しかねなくない?
あの涙を見て、抱き合ったから、大丈夫かな~。
ピダムが、真心を信じてくれないといって涙した時は、思わず「泣くなよ~」って言っちゃった。
本気で子どもか、お前は!
泣きたいのはトンマンだって、言われなきゃわかんないのかよ。
「お変わりになりましたね」って、なぜそのわけがわかんないんだよ!
避難を拒否したのも、お前を信じてないから、ってわけじゃないだろ!
王である限り、ここで逃げちゃダメだろ!
トンマンは今、トンマンである前に、新羅の王なんだよ~!
泣き虫ピダム。ひげまで生やしてるくせに、泣き虫。
ユシンだったら絶対理解してくれることだと思うから余計に腹たってさ~。
彼は戦場で命がけでいま戦っている最中だってのに、いじいじ言ってんじゃねえよ!
不思議なんだけど、ピダムがないがしろにされたらされたで可哀そうだし、
ユシンがないがしろにされたらされたで、腹が立つのよ。
どっちと結ばれてほしい?とか聞かれても、選べないのよね……。
たぶんどっちとも結ばれてはいけない運命の人なんだから、
愛する男をふたりとも、最後まで側に置かせてあげたい。
欲張ったっていいじゃん。
人としての、女としての人生は捨てたトンマンなんだもん……。
でも一応確認しておくけど、トンマン、ピダムを好きだっていったの、嘘じゃないよね?
一度ピダムを突き放したじゃん。
自分は名前のない人間なんだって。王なんだからって。
誰も私の名を呼べないって、一応一線引いたじゃない?
その直後の霊廟での告白だったから、ちょっと疑心暗鬼になっちゃっててさ。
しかも自分もピダムの背に手をまわしちゃってさ。
あれって全部演技ってことはないよね?
ミセンの言うとおり、ピダムを安心させて、自分の側に置いとく戦略である面も
あるかもしれないけれども、好きは好きで大丈夫だよね?
そうじゃなかったらピダムが不憫すぎるもんね。
それともあれかな、戦略なんてミセンたちが思ってるだけで、
トンマンにはみじんもそんな気はないのかなー。
う~ん。
そう考えた方がピダムとトンマンの恋物語を楽しむにはいいかもしれんね。
でも、私は複雑なんだよね。
トンマンは英雄に憧れて、幼い頃から王としての資質を持っていたわけじゃん。
そして姉さんの敵を討とうと王女として宮殿に行って、
最終的には、もっと大きな夢を果たすべく、王位を目指したわけじゃん。
ミシルまでも味方にして、三韓統一を果たそうと思ったわけだよね。
じゃ、最後までぶれないで!
これまで、いろんなものを犠牲にしてきたでしょ?
大変だってわかるし、思ったよりも過酷なことだったと思うけど、
私は最後までぶれないトンマンが観たい!
だから、すべてを恋心や寂しさや、女心だけで、まわしているなんて思いたくないし、
これまでのトンマンを観ていたら、そうだとも思えないんだよね。
人としての気持ち、王としての使命が絡み合って、今のトンマンの行動がある、と思う。
だから、あの会話の後すぐ霊廟のシーンってのが腑に落ちないのかも。
みなさま、いろいろ考えつつ観てらっしゃると思いますが、
私はこんな感じでもやもや、ゆらゆらしながら視聴しております。
ふふふ、でもピダムはかわいい。
抱きしめあえてよかったね、ピダマ。
でもさー、トンマンのかつらがとにかく邪魔でさー。
抱き合ってても、なんかぎこちないのよね。頭が。
衣装も王様仕様だからか、なんかゴワゴワしてるみたいに見えるし。
せっかくの抱擁シーンなのにぎこちない。
手をにぎにぎして、見つめ合ってた方がステキだったな。
頬に触れるとかでもよかったな。
ユシンとは、けっこうぎゅってできたのにね……。
郎徒の服は木綿で薄そうだからね……。
赤カブトの謎は、思った通りでした。
それを見破るユシンの作戦が、泥んこ作戦だったのは面白かったです。
コドが思った以上に、武将として活躍していたのが感無量です。
チュクパン兄貴がわたしてくれたお守りにも泣けた!
苦楽をともにした仲間なんだものね。
ウォルヤが不安そうに、俺の出番はまだか……って言ってるのがいとしかったです。
大丈夫よ、ユシンはあなたを信頼してないわけじゃないの。
大事な使いどころを待っているだけなのよ。
ウォルヤもなにげにユシンに対しては好き好き光線を発射していて健気なのよ。
彼のおかげで、ユシンは上将軍に復帰できて命をつなげて、
トンマンも危機を脱することができそうで、ウォルヤは大事な決断をよく下してくれたと思いますね。
そのウォルヤに応えるかのように、復耶会名簿も惜しげ無く燃やしちゃうトンマンはかっこいい!
最後の最後まで、これは降伏だととらえて悔しがっていたソルチも、さすがに嬉し泣き。
降伏じゃなかった。これこそ真の伽耶民の独立だし、未来に続く希望だったんだね。
差別をなくし、人々が平等に扱われるために本当に必要なことはなんだったのか?
これは考えさせられるテーマだったね~。
トンマンの物語にも、重要な要素であり、面白く描かれていたと思います。
次回、ユシンは百済軍をやっつけてくれるね?
ピダムはトンマンを信じて、ソラボルを守るよね?
チュンチュは賢い子だから、トンマンから多くを学んでくれるよね?
戦が収まらないことには不安だ~。
もしかして、戦の中でどんどん状況が変化していくの?
このまま最終回まで5回、行っちゃうってことはないよね?
ユシンを上将軍に再任し、神国を救えと命令したトンマン。
苦しげに、それを見守るピダム。
復耶会は解体した。ユシンを縛るものは、何もない。
ウォルヤは、トンマンに復耶会の名簿を差し出し、ひざまずいた。
「犯した罪は忠誠をもって償います!」
トンマンは、司量部に捕らわれている復耶会を放免するよう命じた。
そして手にした名簿を、火にくべる。
驚きの表情でそれを見つめるピダム、ユシン、アルチョンたち。
「もはや、伽耶も伽耶の民も存在しない。
ただ神国の民が存在するのだ。
命がけで戦い、自らを救い、神国人として、そなたたちの子孫が暮らす神国を救え!」
ウォルヤはその命に、命がけで応えることを約束した。
「陛下はお前を救うために命をかけたのだ」
ピダムは、トンマンの型破りな行動に敬服していたが、
それだけはユシンに伝えずにはおれなかった。
「陛下が私のために命をかけた?
本気でそう考えているなら、お前は浅はかだ」
ユシンはピダムの言葉を言下に否定する。
すねたような、怒ったような表情のピダムだが、話は百済軍の機動力に移った。
本当にそんな速さで移動することができるのだろうか?
「羽根でもはえていない限り、不可能だよ」
「なぜそんな話を?お前は私に勝ってほしくはないだろう?」
ユシンはピダムに問う。
「もちろん、お前に手柄を立てさせたくはない。
だが、お前が負けるのはもっと嫌だ。
神国と陛下のために、勝て、ユシン」
ピダムは真剣にそう言うと、部屋を出て行った。
ユシン軍は、命がけで最前線へ向かった。
しかし、戦況はいまだ不利な状態が続く。
緊迫する状況の中、みなので、ピダムは命がけの進言をした。
「陛下、ソラボルから避難してください」
「避難?」
司量部は、あらゆる状況をかんがみて、最善の策を打ち出したのだという。
トンマンがソラボルを離れた後は、司量部が都を守る、と。
避難はあり得ない、と主張するトンマン派と、
陛下のお命が大事と避難をすすめるピダム派で、宮殿は揺れる。
戦場でのユシンは、百済軍の赤カブトを鬼神と呼ぶチュジン公を一喝する。
戦は人が行うもの、幻想に惑わされてはならない。
赤カブトの強さと速さを目の当たりにしたコドは、自分の目が信じられない。
信じがたい強さ、機動力、まさしく鬼神だ!
しかしユシンは冷静だった。
あり得ない速さの実態をつかまなければならない。
避難について、トンマンは考えている。
もちろん自分が避難するわけにはいかない。兵の士気にかかわる。
チュンチュを避難させ、自分が残り、ソラボルを掌握する。
ピダム派だとて、この機会を好機と捉えないでもない。
軍事権を掌握するチャンスでもあるし、勢力の拡大を望める。
が、しかし、今はそのようなことを言っている余裕は実際ないのだ。
「神国の危機なのですよ」
浮かれるハジョンをたしなめるミセンやポジョンの目も真剣だ。
ピダムも、本気でトンマンの無事を考えているのだ。
「私は避難する気はない。
かわりにチュンチュを行かせよ。私はソラボルに残る。
万が一の場合は、チュンチュに指揮をとらせる」
ピダムはトンマンを見つめて言う。
「陛下、私はユシンとは違います。
ユシンは神国のために割り切れますが、私にはできません。
私には、無理です」
「ピダム」
「司量部がたてた計画です。陛下は避難していただき、我々が都を守ります」
「私は行かぬ」
かたくなな態度のトンマン。
「私にソラボルを任せるのは不安ですか?私は信頼できないと?」
「そうではない」
「ではなぜ、私を見ないのですか。
ミシルを死に追いやったのは私です。私はっ……陛下のために……」
「それで私を恨んでいるのか」
トンマンの冷たい態度に、ピダムは言葉を失う。
「変わられましたね。
初めてお会いしたとき、私は陛下と引き替えに薬草を手に入れようとしました。
そんな私に、陛下は『ありがとう』……『ありがとう』とおっしゃってくださった。
どんな理由で言ったにせよ、私には初めての言葉でした。
私を責めぬ唯一のお方でした」
ピダムの言葉に、トンマンは思わず目を伏せる。
「世間が無礼だという振る舞いは自信の表れだとおっしゃり、
世間が残酷だという行為も、陛下は勇敢だと言ってくださった。
世間が卑怯だと私を責めても、知略だと言って褒めてくださった。
母を亡くしたときも、先ほどのように私を責めず!……ただ、抱きしめてくださいました」
「やめよ。もうやめよ」
「それなのに……なぜ、私の真心は計略であり、
陛下を守りたい私の心は!……ソラボルを得ようとする欲だと?
私の真心が、もう見えないのですか?」
ピダムは涙を流し、席を立つと、辛そうにトンマンを一瞥して立ち去った。
トンマンはピダムの言葉を噛みしめながら、出会った頃から、
ずっと自分を助けてくれたピダムを思い返していた。
トンマンが信じてくれることが、ピダムの喜びだった。
トンマンに見捨てられたら、どうすればいいのかわからない、
子どものような心の男だった。
そう思うと、知らず知らずに笑みが浮かび、ふと口元を引き締めた。
ユシンは、自分の仮説を確かめようとある計画をたてた。
そして、とうとう遊軍の赤カブトがひとりではないことを確信する。
遊軍は2つある!
泥道に誘い込んだ遊軍が、消えた直後に背後から現れたが、
彼らの馬はなんの汚れもなく、きれいなものだったのが、その証拠だ。
こちらが遊軍のからくりを見破ったとバレるまでは、
相手もひとつの遊軍しか動かすことができない。
それを利用して、遊軍本隊を叩く!
ユシン軍の意気はあがった。
ソラボルで、夜、トンマンは庭の水面を眺めていた。
「決心なさいましたか?避難を」
ピダムが現れて、トンマンに話しかける。
「ある日、すべてが変わった。
あるものは王女の私の命を狙い、あるものは私を守って目の前で死んだ。
他のものたちは私にひざまづき、頭を下げ、敬語を使い、大業を遂げよと迫った。
そんなある日、お前が現れた。お前は何も気にせずに、わたしにぞんざいな口を。
私はそれでいいと言った。お前だけは特別扱いをしなかった。
だから、お前といると心が安らいだ。
宮殿に入ってからも、お前は花をくれ、心配そうに見つめ、手を握ってくれた。
計算であってもかまわぬ。お前といると昔の私に戻ることができ、嬉しかった」
「ではなぜ、変わられたのです」
「私には、名がないからだ。
太子にも王女にも町のごろつきにも名があるのに、王には名がない。
私はただ、陛下と呼ばれる。
もう誰も、私の名を呼べない」
「私が、私がお呼びします」
「私の名を呼ぶのは、反逆行為だ。
お前が恋心から私の名を呼んでも、反逆者と見なされる。
なぜ変わったか?
名を失った時から、お前は、勢力を持つ臣下のひとりであるべきだから。
私はお前の考えを探り、疑う王であるべきだから。
お前がミシルのようにならぬかと常に警戒し、疑わなければならないから。
だがピダム、それがどれほどつらいか、わかるか?」
涙を流すトンマン。
「私がどれほどお前を信じたいか、頼りにしたいか、お前にわかるか?」
ピダムはそっと、彼女の手をとった。
ひとりたたずむトンマンを残し、立ち去るピダム。
彼はミシルの霊廟にいた。
霊前に座っていると、トンマンが入ってきた。
「陛下」
慌てて立ち上がるピダム。
「お前が必要だ」
驚いて、トンマンを見つめる。
「私をせきたてて孤独にさせる者たちでなく、
私を見つめ、花を差し出し、軽口を叩き、震える手を握る、ピダム、お前が必要だ。
ずっと抑えつけていた。こらえていた。
皆が王がこんな感情を持ってはならぬと言うから」
「陛下」
「お前だけが私を人として、女として扱う。それが嬉しい。
女として私を好いてくれる、お前が好きだ。
こんな気持ちを持っていいのか」
ピダムから目をそらしてしまったトンマンに、ピダムはそっと触れる。
そして彼女をそっと抱きしめるのだった。
「神国の危機を打開すべく、王命を出す」
臣下の前で、トンマンは力強く告げた。
「ヨンチュン公を罷免し、司量部ピダムを上大等に任命する」
ピダムは思わぬ人事に驚きの表情だ。
そして貴族の私兵を、ピダムの指揮下に置く。
「私は上大等ピダムとソラボルに残り、神国を守る」
トンマンの王命に驚いていたチュンチュも、
何かを察したように厳しい顔つきになった。
「ヨンチュン公には申し訳ありません」
トンマンは、この度の措置について、ヨンチュンに詫びた。
戦時下において兵力不足を補うには、貴族の私兵が必要だ。
ピダムになら、彼らも私兵を預けるだろう。
そのための、上大等への任命だ。
ヨンチュンは納得しているが、チュンチュは不安げだ。
「陛下は、ピダムを信じているのですか?」
「私はピダムを信じている。
ピダム、ユシン、そしてチュンチュ、皆の力を信じる。
私は、ピダムもユシン、そのどちらも手放すつもりはない。
人を得て捨てることは、国を得て捨てることと同じくらい重いと心得よ。
情勢を見極める前に味方にすることを考えよ」
トンマンの言葉に、不承不承黙るしかないチュンチュ。
この人事は、ミシル派にとっても驚きだ。
「陛下にとっても絶妙な策だ。
ピダムの不安を解消するため上大等にして私兵まで与えた」
「同時に貴族たちの勢力を牽制することもできます」
「そのとおり」
みなは一様に、トンマンの政治力に感嘆するのだ。
ピダムはひとり、ミシルの霊廟にいた。
(母上、国を得て人を得ようとしてはならぬ、愛は奪い取るものとおっしゃいましたね。
そんな生き方はやめます。奪い取るのではなく、与え、
得るのではなく、捨て、あの方とともに生きます。
王座も、歴史に千年名を残すことも、あの方の涙の前ではつまらぬものです)
戦場では、ユシンの替え玉作戦が功を奏し、
百済のケベク将軍率いる遊軍をおびき出すことに成功した。
(つづく)
ぐ、ぐふっ……
なんだか心が血を吐いております。
ピダムはただ、トンマンに信じてほしくて、彼女の愛が欲しくて、
そうした恋心がすべての行動原則になっているということをあらためて認識したトンマン。
そして本当は、心の奥底では、ピダムを頼りたい、自分をゆだねたい、
自分を女として恋してくれる男に、自分も恋したいと願うトンマン。
そして神国のために、伽耶のために、
トンマンのために、王のために、最前線で戦う男ユシン。
トンマンに、すべてをささげて生きていこうと決心したピダム。
最終的にはどちらも手放したくないトンマン~!
なんか、ピダムの純情に心が締め付けられたのよ。
そして、昔を思い出してピダムを信じ、素直な心を伝えたトンマンに、
実はちょっと えええええええ?ってなったのよ。
だって、だってユシンだって、トンマンに逃げようって言ったんじゃん!
チョンミョン王女だって、もう全部忘れて逃げていいって言ったんじゃん!
遺言までしたのに、逃げたくないっていったのはあなたでしょ!(怒)
ムンノだって、いい加減な人に王を目指してもらっちゃ困るから厳しかっただけでしょ!
トンマンのこと女性として好きだって言ってくれたユシンをふったのはあなたでしょ!
ユシンは、王として生きようとするあなたを支えるために、
すべてをささげているんじゃないの!
王女だってわかった途端、すべてが変わったっていったよね?
そうかもしれないけど、選んだのはあんたでしょ!
ユシンの愛と献身、忘れちゃったの?
ミシルの一族ヨンモさんと婚姻したのが、そんなに気に障ったのか!
仕方なかったじゃん、あの時は……。
ユシンのことを大事に思う気持ちが通じなかったの、まだ怒ってるの?
あれは通じてたって!通じてたけど、はいそうですか、と言えない状況でしょうが!
それなのに、自分を女として好いてくれるピダムが好きだって……。
ピダムを好きなのはわかるしそれは別にいいんだけどさ、私だってピダム好きだしさ。
でもユシンのことはないがしろにしてほしくないの~。
離れたって、厳しくたって、ユシンはトンマンのこと、深く愛しているのよ……。
と、まぁちょっとピダムを贔屓しすぎな気がしてズルい、と思ったのですが、
よく考えてみれば、彼女はユシンを救うためにほぼ単身復耶会に乗り込んだわけで……。
ユシンは否定していましたけど、命がけですよね。
ま、もちろん裏には、復耶会とチュンチュとか、いろいろな副産物と言うか、
どっちが本当の狙いだったのかわかんないくらい重要な戦略が隠されていたのですが。
そういうわけで、ユシンもすごく大事にされてるわけだし、
こないだまではピダムがかわいそうだったんだから、今回はだいぶ甘々だけどいいか、
と感じたのもつかの間。
ピダムが上大等になって貴族の私兵をもらっちゃって、
トンマンと一緒にソラボルを守ることになった!
ピダムとトンマンの間では、意味深な目線のやりとりがあり、
チュンチュもミセンもやきもき。
ミセンは、これはトンマンがピダムを安心させ、手なずけるための作戦なのだと考え、
チュンチュは、トンマンが本当にピダムを信じているのだろうか?と不安になる。
そこでトンマンは答えるわけですね。
自分は、ユシンも、ピダムも、チュンチュも、みなを信じている、と。
そしてピダムもユシンも手放すつもりはない!と。
ミセンの見方はうがちすぎだろ~。
だってあのふたり、ミシルの霊廟で抱き合ってたんだよ~。
ミシルが化けて出るかと思ったよ~。作戦なんかじゃないよ~。
と、つぶやいていた私は、椅子ごと後ろにひっくり返りそうになりましたよ。
えっ?なんかみんな同列に信じてるの?
あ、もしかして三韓統一を果たすためには必要な人材だから?
人材として手放すつもりはないってこと?
ミセンの言うように、ある程度ピダムを安心させるための作戦でもあるわけ?
トンマン!この欲張りさんめ。
お前さんはやっぱ骨の髄まで英雄気質の女だよ……。
ただ単純に、男を好きになるなんて、もうできないんじゃないのか。
王という立場がそうさせるのではなくて、お前さんがそういう人間だからなんじゃないのかな。
誰にも何にも邪魔されないで、ユシンに心惹かれていた郎徒時代、
それでも自分が何者なのか、知らずにはいられなかったように、
君はフツーには生きられない星のもとに生まれていたのだよ、やっぱり。
ふたりとも手放す気はないんだ……。
いや、それでこそトンマンだし、それでいいんだけど。
人を得たり人を捨てたりってのは、国を得たり捨てたりするくらい重たい意味を持つんだって
持論だから、ほんとにそれでいいんだけどさ。
ピダムの純愛に素直に応えただけ、かと思ってたから、びっくりしちゃった。
手放すつもりはない!ってなんか政治的な発言だよね。
彼女がトンマンという個人であると同時に、新羅の王でもあるわけで。
愛情と政治的意図が共存しての結果が、こういうことなんだろうか。
でもトンマンがこんなこと言ってたと知ったら、ピダムはショック受けそうな気がする。
俺のこと好きだってだけじゃないの?って思って。
あ、でもいいのか、すべてを奪う愛、みたいなのはやめたって言ってたし。
トンマンと一緒に歩いていくって言ってたもんね。
こんなトンマンを受け入れられ……る?
アホのハジョンあたりが、これも陛下の作戦さ、ばーかばーか、とか言い出したら逆上しかねなくない?
あの涙を見て、抱き合ったから、大丈夫かな~。
ピダムが、真心を信じてくれないといって涙した時は、思わず「泣くなよ~」って言っちゃった。
本気で子どもか、お前は!
泣きたいのはトンマンだって、言われなきゃわかんないのかよ。
「お変わりになりましたね」って、なぜそのわけがわかんないんだよ!
避難を拒否したのも、お前を信じてないから、ってわけじゃないだろ!
王である限り、ここで逃げちゃダメだろ!
トンマンは今、トンマンである前に、新羅の王なんだよ~!
泣き虫ピダム。ひげまで生やしてるくせに、泣き虫。
ユシンだったら絶対理解してくれることだと思うから余計に腹たってさ~。
彼は戦場で命がけでいま戦っている最中だってのに、いじいじ言ってんじゃねえよ!
不思議なんだけど、ピダムがないがしろにされたらされたで可哀そうだし、
ユシンがないがしろにされたらされたで、腹が立つのよ。
どっちと結ばれてほしい?とか聞かれても、選べないのよね……。
たぶんどっちとも結ばれてはいけない運命の人なんだから、
愛する男をふたりとも、最後まで側に置かせてあげたい。
欲張ったっていいじゃん。
人としての、女としての人生は捨てたトンマンなんだもん……。
でも一応確認しておくけど、トンマン、ピダムを好きだっていったの、嘘じゃないよね?
一度ピダムを突き放したじゃん。
自分は名前のない人間なんだって。王なんだからって。
誰も私の名を呼べないって、一応一線引いたじゃない?
その直後の霊廟での告白だったから、ちょっと疑心暗鬼になっちゃっててさ。
しかも自分もピダムの背に手をまわしちゃってさ。
あれって全部演技ってことはないよね?
ミセンの言うとおり、ピダムを安心させて、自分の側に置いとく戦略である面も
あるかもしれないけれども、好きは好きで大丈夫だよね?
そうじゃなかったらピダムが不憫すぎるもんね。
それともあれかな、戦略なんてミセンたちが思ってるだけで、
トンマンにはみじんもそんな気はないのかなー。
う~ん。
そう考えた方がピダムとトンマンの恋物語を楽しむにはいいかもしれんね。
でも、私は複雑なんだよね。
トンマンは英雄に憧れて、幼い頃から王としての資質を持っていたわけじゃん。
そして姉さんの敵を討とうと王女として宮殿に行って、
最終的には、もっと大きな夢を果たすべく、王位を目指したわけじゃん。
ミシルまでも味方にして、三韓統一を果たそうと思ったわけだよね。
じゃ、最後までぶれないで!
これまで、いろんなものを犠牲にしてきたでしょ?
大変だってわかるし、思ったよりも過酷なことだったと思うけど、
私は最後までぶれないトンマンが観たい!
だから、すべてを恋心や寂しさや、女心だけで、まわしているなんて思いたくないし、
これまでのトンマンを観ていたら、そうだとも思えないんだよね。
人としての気持ち、王としての使命が絡み合って、今のトンマンの行動がある、と思う。
だから、あの会話の後すぐ霊廟のシーンってのが腑に落ちないのかも。
みなさま、いろいろ考えつつ観てらっしゃると思いますが、
私はこんな感じでもやもや、ゆらゆらしながら視聴しております。
ふふふ、でもピダムはかわいい。
抱きしめあえてよかったね、ピダマ。
でもさー、トンマンのかつらがとにかく邪魔でさー。
抱き合ってても、なんかぎこちないのよね。頭が。
衣装も王様仕様だからか、なんかゴワゴワしてるみたいに見えるし。
せっかくの抱擁シーンなのにぎこちない。
手をにぎにぎして、見つめ合ってた方がステキだったな。
頬に触れるとかでもよかったな。
ユシンとは、けっこうぎゅってできたのにね……。
郎徒の服は木綿で薄そうだからね……。
赤カブトの謎は、思った通りでした。
それを見破るユシンの作戦が、泥んこ作戦だったのは面白かったです。
コドが思った以上に、武将として活躍していたのが感無量です。
チュクパン兄貴がわたしてくれたお守りにも泣けた!
苦楽をともにした仲間なんだものね。
ウォルヤが不安そうに、俺の出番はまだか……って言ってるのがいとしかったです。
大丈夫よ、ユシンはあなたを信頼してないわけじゃないの。
大事な使いどころを待っているだけなのよ。
ウォルヤもなにげにユシンに対しては好き好き光線を発射していて健気なのよ。
彼のおかげで、ユシンは上将軍に復帰できて命をつなげて、
トンマンも危機を脱することができそうで、ウォルヤは大事な決断をよく下してくれたと思いますね。
そのウォルヤに応えるかのように、復耶会名簿も惜しげ無く燃やしちゃうトンマンはかっこいい!
最後の最後まで、これは降伏だととらえて悔しがっていたソルチも、さすがに嬉し泣き。
降伏じゃなかった。これこそ真の伽耶民の独立だし、未来に続く希望だったんだね。
差別をなくし、人々が平等に扱われるために本当に必要なことはなんだったのか?
これは考えさせられるテーマだったね~。
トンマンの物語にも、重要な要素であり、面白く描かれていたと思います。
次回、ユシンは百済軍をやっつけてくれるね?
ピダムはトンマンを信じて、ソラボルを守るよね?
チュンチュは賢い子だから、トンマンから多くを学んでくれるよね?
戦が収まらないことには不安だ~。
もしかして、戦の中でどんどん状況が変化していくの?
このまま最終回まで5回、行っちゃうってことはないよね?
ピダムが可哀想すぎて( ; _ ; )
この後の展開がわかってるだけに、辛すぎます。
奪うのはやめて与えます、
なんて殊勝にママに報告したりして
泣けるわ~( ; _ ; )
トンマンは、ソルォン公の忠告に従ったんだと思います。
政治的な策略だけではないけれど、
純粋な恋心だけでもない。
今まで、歯をくいしばって我慢していた気持ちを
解き放ってあげた。
解き放った、ではなく
解き放ってあげた、というのがミソですね…(;^_^A
ピダムの心の平安のために
解き放ってあげた、のですね。
このまま2人が幸せになってほしいよ。
だけど、歴史は変えられない。
これだから歴史物は辛い( ; _ ; )
ハッピーエンド好きな私には
荷が重すぎるわ~( ; _ ; )
もうここから最終回までは、ピダム~(泣)としか言えない展開が続きますからね。
確かにトンマンは、ソルォン公のアドバイスに従ったんですねぇ。
ピダムに心の平安を与えてやれば、彼は忠実な臣下となる、という。
策略だけでもないし、恋心だけでもない。
なるほどなるほど、賢いトンマンならではのバランスの取り方だな、と思いました。
あえて「解き放ってあげた」ってことですね。
もう少し、もう少しで最終回ですよ。
重要な会話も今回ありましたし、楽しく?ご覧になってくださいね。