いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

雪の女王 16

2016年03月18日 | 雪の女王
ゆるやかに終焉に向かっていったという印象の最終回。
このテンポ感が、「雪の女王」真骨頂ですね。
どーなるかは、たいがいわかってる。
私たちは、それがいつおこるのか、
そんな形でおこるのか、をただ見守るだけです。
テウンもボラも、覚悟をしていたように……。

〈あらすじ〉

病室のボラを見舞い、テウンは静かに言う。
「もう、二度と俺から離れるな……」
涙をためて、ボラはそっとうなずいた。

これから、抗がん剤によるつらい治療が続く。
ボラは気丈に父を出張へ送り出し、父もテウンに後を託した。
自分が苦しむ姿を父には見せたくない。
もちろん、テウンにも。

薬の副作用はつらいものだったが、ボラは努めて明るく振る舞った。
つきっきりのテウンには、申し訳なく思う。
数学の難問を解決して、新聞の取材がくるような立派な人なのに。
わたしのせいで、テウンの人生が台無しになってしまう……。

「もうすぐ死ぬ人間のために、なぜ人生をあきらめるの?!」
「誰がもうすぐ死ぬって?君は俺が死なせない。そんなことを言うな」

テウンの思いもむなしく、ボラの容態は悪くなる一方だった。
彼女はふたたび、意識を失って倒れてしまう。
田舎の母は、テウンの成功をことのほか喜んでくれたが、
ボラをつれて遊びにおいで、という母の期待には応えられそうになかった。
そうできたら、どれだけ嬉しいか。いつか、いつかきっと……。
テウンの目には、またうっすらと涙が浮かんでしまうのだ。

ボラの父は、テウンに向かって寂しげに懺悔する。
「君を邪険にしてすまなかった。全部わたしが悪いんだよ」
「あなたのせいではありません。もう、苦しまないでください。
ボラは目覚めます。そしてきっと、笑ってくれるはずです」
テウンは、信じていた。信じたかった。

ボラは目覚めた。
「どこに行きたい?」
「ラップランド……」

ラップランドは遠すぎたが、ボラとテウンは小旅行へ出た。
ふたりの思い出はあまりに少なくて、
でも、ただふたりで一緒にいることが嬉しくて、
ボラもテウンもしあわせだった。
ブランコにのって、海を眺めて、食事を食べさせて、足を洗ってやる。
テウンはかいがいしくボラの世話を焼いた。

神様がいるなら、もし本当に神様がいるなら、
どうかつれていかないでください。
僕の愛する人、美しい人をつれていかないでください。
もしどうしても連れて行くというのなら、
お許し下さい。その時は僕もいきます……。

穏やかな日々が続いたが、別れの時は少しづつ近づいていた。
ボラは不吉な夢を見て夜中に目を覚ます。
雪山でひとりたたずむテウンが、真っ逆さまに落ちていく夢……。

ボラは不安になり、テウンと同じベッドに横になった。
「ねぇ、もし私が死んだら、どうする?
私が死んだからって、あなたも……」
「君は死なない。絶対に死なない。余計な事は考えるな。
明日はデートしよう」
ボラはにっこりうなずいた。
寄り添って、眠りにつくふたり。

翌日、ふたりは車ででかけた。
ボラは助手席に座る。
「ごめんね、思い出をたくさん作ってあげられなくて。
ごめんね、ずっと一緒にいてあげられなくて。
先にいくことになって……」
「ボラ、愛してるよ。
君のおかげでたくさん笑った。君のおかげでしあわせだった。
君に出会えて良かった。愛してる。愛してるよ、ボラ」
「私も」
ふたりは海辺で抱き合った。

部屋に戻ったボラは、少し眠いと言ってベッドに横たわった。
食事の支度をして、テウンが彼女を起こしに行くと、
彼女はすでに、帰らぬ人となっていた。

時が立ち、テウンは留学を決めた。
その前に、ラップランドへいくことにしている。
切符は片道だけ。
そんなテウンのもとに、ドゥンナムから小包が届いた。
生前ボラに頼まれた品だという。
中身は、あの赤いポケベルだった。
ボラが教えてくれた暗証番号で、残された伝言を聞いた。
「私よ。このメッセージ、いつ聞いてくれるんだろう。
その時わたしはどこにいるんだろう。
私は、そうね、ラップランドにいるわ」

「一緒に行こうといった約束守れなくてごめんね。
でももう謝るのはやめる。わたしたちはいつかきっとまた出会うから。
逃げたくなっても目を背けないで。
そして、生きて。
生きてた方がいい」

テウンはラップランドの雪の中に立った。
ボラの言葉を胸に。

そしてまた時はたつ。
テウンは、ラムゼー理論を確立し、名誉ある数学賞を受賞した。
授賞式には、そっとボラの父も来てくれていた。
ある高校生が、テウンに質問をした。
「なぜ数学が好きになったんですか?」
「かつて好きだった女性が、同じ質問をしました。
その時は、答えがあるからだと言ったけれど、
今思うと、答えは重要ではなかった。
数学を好きだったのは、しあわせだったからです。
答えを探す過程そのものがしあわせだったから」
「その質問をした女性はいまどうしていますか?」
高校生の質問に、会場には笑いがおこった。
テウンも微笑んで、あえて答えはしなかった。

教授は、テウンの成功を誰よりも喜んでくれた。
懐かしい図書館で、テウンはボラを思う。
会いたい。君に、とても会いたいよ。

転がっていたバスケットボールを手にとってみる。
ふと、ボラの声が聞こえて振り返ると、ベンチに座った彼女の姿が見える。
テウンは思う。
(僕は何を見たのだろう?
でも、この目を開けたときそこに君がいなくても、
ボラ、僕はもう逃げない)

雪の中、ボラの姿は消えていた。
テウンは微笑んで、一筋の涙を流した。


(完)


うわーーーん!

か、悲しいわ~。

うん、でも、悲しいけど、涙は出なかったな。

だって、わかっているからね。

こうなることは最初っからほぼわかっていたさ……。

第1話冒頭の雪山ゴロゴロは、ボラの夢だったことが判明しました。
いや、ボラが回避させてくれた未来予想図だったのかな。

「私はラップランドにいるわ」

そういうことだったんですね……。
テウンはボラに会いに、ラップランドへ行ったのね……。

正直、何度も倒れては持ち直すボラの姿に、
おいおい、どーなってんだよ!と思わないわけではないのですが、
ガンというのはね……。

最後は痛み止めなどを使い、病気を受け入れて穏やかに過ごすことが
目的になっていたと思われるふたりでした。
もうボラが死んでしまうことは、わかっていたのよね、
テウンも、ボラ自身も。

つらいわね、つらかったわね。

でも最後はしあわせだったわね。

ふたりが同じベッドに横たわって、静かな口調でおはなしするシーンが
一番好きだったなぁ。
テウンがささやくように「ウェヨ?」って言うところがすごくよかった~。

留学決まっていたのに、ラップランドへの切符は片道しか買わなかったテウン。
もしかして、迷っていたのかしら?
ボラの後を追ってしまおうと思っていたの?
留学決めたのに?
もしかしたら、そうなっていたかもしれませんけど、
ポケベルメッセージのおかげでテウンは帰ってくることができました。

このポケベル、最後まできちんと小道具として使われていて、
いい演出でしたね。

冒頭でも書きましたけれど、このゆーったりとしたテンポが、「雪の女王」の良さ。
最終話たっぷり使った死出の旅路は、
わたしたちが静かにボラの死を受け入れるための1時間だったのかも。

いや、それをいうなら第1話の段階からわかってはおりましたが…。

ボラパパも、きっといつか心の傷が癒える日がくるでしょう。
お子さんふたりも亡くして、妻にも捨てられて本当にお気の毒だけど。
いつかテウンとお墓参りに行けるといいですわね。

さぁ、長かった物語もこれでおしまいです。

実生活でも長い冬が終わり、これから桜の季節。
暖かい陽射しの中、テウンとともに歩いてゆきましょう。



諸事情によりまったく画像を貼らない記事になりましたが、
最後に超絶美しいと思うテウンさんを貼っておきますね。

みなさま長い間、おつきあいありがとうございました。




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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは(*´∇`*) (しーま)
2016-03-18 13:57:37
こちらにもお邪魔します( ´ ▽ ` )ノ

実は「雪の女王」は見ていません。(笑)


なぜって、ハッピーエンドが好きだから(笑)


でも、ビスコさんのブログは全部読みました!

見てないけど、見た気分(笑)

この先も見ないでしょう。

なぜって、悲しい終わりは苦手だから。(笑)



いまだに、持ってかれてますよ~(;^_^A


ファンモンの曲聴いてさえ、

ピダムはこんな気持ちだったんだよね

とか歌詞にウルっと来たりしてます。


ヤバいヤツです。

中2か!(笑)


すみません、ここにまで、こんなこと書いて…



「雪の女王」、ビスコさんのブログで堪能しました。

ありがとうございましたー\(^ω^)/
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ええっ?いいの? (ビスコ)
2016-03-18 21:07:46
しーまさん こんにちは~
って、いいの?わたしのブログ読むだけで本当にいいんですか?

まぁ確かに悲劇ですからねー。
わたしもヒョンビンにひかれてついつい観てしまいましたが、
伝説の「ごめん、愛してる」はさすがに観られないですよ。
「女の香り」とかね。悲しそうすぎますもん。

そうかと思うと、一見コメディの「美男ですね」も二番手のシヌさんにハマり、
多くのみなさんがハッピーエンドにほほえむ中、
自分だけ悲しみにひたりまくったりしました。

世の中、どこに悲しみが転がっているかわかりゃしませんよ。
しーまさんも気をつけて。

ピダム廃人状態ですね、今。
しばらく続くと思いますよ~。
新しいドラマにハマるまでは、ピダムのことを考えて暮らすことになるでしょう。
それもまた楽しですけどね。
返信する
女の香 は見ないと! (ましこ)
2016-03-19 11:57:22
こんにちは。
Welcome back to 韓ドラ!

ヒョンビン好きの友人から、雪の女王はヒョンビン好きであってもツライ、と聞き未視聴です。
テキパキした彼女にはストーリーがグズグズ過ぎたようです。楽しみポイントは1人それぞれだから自分が見てみないと分からないんですけどね。

さて、女の香。ストーリーが悲劇的になるのは必然と思いきや、このドラマ見てゲラゲラ笑ってて良いんだろうか?と思う場面は数知れず、最後まで決して悲観的になりすぎないトーンがとても感動的でした。

これもまた人それぞれですが、機会があったら敬遠せず是非見てください。
返信する
思い込みはダメね (ビスコ)
2016-03-20 18:29:26
ましこさんこんにちはー!
また韓ドラ視聴に戻ってきましたありがとう。

ストーリーグズグズというのは、あのテンポ感かな。
とにかく時間がゆっくりと流れるドラマでした。
ひとつひとつのシーンが、すごく間をとった作りなんですよね~。
わたしはヒョンビンを眺めてウルウルしてたので平気でした。
本当に好みは人それぞれ。

「女の香り」は意外!そんなトーンの作品なんですね。
イ・ドンウクさんは「ワイルドなロマンス」でのコメディ演技が好きだったし、
相手役のキム・ソナ姉さんはもちろん素敵なコメディエンヌだし、
確かにただの悲劇にはおさまらない予感が……。
思い込みで回避していたらもったいないですね。

最近、リアルでイ・ドンウク似の人と知り合ったので、
なんとなく彼のドラマを観るのが恥ずかしい感じです。
ほとぼりが冷めたら、観てみようと思います。
コメントありがとうございました!

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