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秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

つぶ貝になりたい!?

2024年03月19日 | 福島県_相馬/新地

 心配した。

 見つけたときは,港の奥で,ず~っと羽繕いをしていた。

 外洋性の鳥が港に入るときは,弱っているときが多く,そのかなりの割合で油曝(ゆばく)被害。

 しかし,今回は,そうではなさそう。

 羽繕いの後,どんどん近くに寄ってきた。

 潜った。

 どこに行った? と探したら,なんと,足元にいた。

 自分で寄ってきたくせして,警戒モードで,羽を寝かせて,ぺったり体に付けている。

 ハマると,こんなことがあるが,この後,目の前で,さまざまなパフォーマンスを見せてくれた。
 私しかいなかったので,この子,独り占め。

 まずは,羽ばたきパフォーマンス。

 地味な体色なだけに,羽ばたきすると,次列風切の真っ白にどっきり。

 美しい。

 翼のパターン。

 次列風切の初列側の1枚(s1)が黒と白のツートンカラーになっている。
 その隣りの羽も先っぽが黒いか。

 次,あんまり面白くない図鑑風の画像。

 左側面。

 右側面。

 私への警戒心が薄れたのか,最初よりふっくらしている。

 油曝(ゆばく)している様子はなかった。
 良かった,良かった。

 左顔を拡大。

 右顔を拡大。

 「どっち向きがかわいい?」

 上の画像を「決定版日本のカモ識別図鑑」(誠文堂新光社,氏原巨雄・氏原道昭著)の写真・解説と引き比べてみるが,アメリカ~でも,ニシ~でもなさそう。

 残念ながら,ふつうのビロードキンクロのメス。

 それも,お腹が淡色であり,全体も褐色がややまだらになっていること,また,顔の白っぽい部分が大きいことから,1年目冬の若鳥のようだ。

 それにしても,この図鑑,アメリカ~とか,ニシ~まで,解説や写真,丁寧なイラストまで掲載しているって,すごいと思う。

 私のように,識別や珍鳥にそれほど関心がない人間も,このように掲載されていると,読んで,確認してしまう。

 こういう図鑑がスタンダードになれば,これまで見逃されていた亜種や種も,今後,次々と発見されるのではないか。

 カモに限らず,もっと広い分野でこのような図鑑を出してほしいが,むずかしいのだろうなぁ。

 さて,話を戻そう。

 次は,潜水する様子を連続で。

 翼を小さく広げて潜る。

 翼の先っぽと広げた尾羽が見えて,水中に消える。

 この潜水の仕方から,水中でどのように動いて食べ物を探しているのか想像する。
 
 この子は,翼を小さく広げていることから,水中での推進力に,足ひれ以外に,翼も使っているのかもしれない。水中で飛んでいる感じで。

 ホントはどうなのかわからないが,いろいろ想像すると,それだけでも楽しい。

 で,戦利品。

 これは,中身が入っていなかった。
 すぐに,ポイ。

 こんなこともある。

 今度こそ。

 ん!?

 おお。

 拡大して見ると,店頭で「つぶ貝」として販売されている巻貝のようだ。

 今度は中身入り。

 うまそう。

 拡大画像にすると,くちばしと舌の奇妙な協調関係が見える。
 つぶ貝をくちばしで咥えている,と見せかけて,実は舌も使っていた。
 舌の根っこが,下くちばしの付け根に見えるのが面白い。

 貝を食べるときは,丸呑み。

 歯がないので,咀嚼することなく,丸ごと呑み込み,砂嚢(さのう)で貝殻を砕き,消化する。
 砂嚢とは,いわゆる砂肝のことで,呑み込んだ砂や小石なども使って,その筋肉で貝殻なども砕き,すりつぶす。筋胃とも言われる部分。

 呑み込まれた貝の立場からすると,恐ろしい器官。

 ピノキオを作ったゼペットじいさんは,クジラに呑み込まれ,おなかの中で生き延びていたが,このクジラに筋胃がなくって,ホント,良かった。

 もし筋胃があったら...。

 あぁ,想像するだに,恐ろしい。

 この子は,移動中,ちょこっとだけ,ここに立ち寄ったのだろう。
 この漁港では,私が初認で,私が終認かもしれない。
 あまり邪魔にならないよう,すぐに立ち去った。

(2024/03/16 ビロードキンクロ)



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