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秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

重点対策外来種で特定外来生物

2024年07月28日 | 関東_東京

 葛西臨海公園に,アカボシゴマダラが,たくさん飛んでいた。

 きれいなチョウだなぁ,と無邪気に眺めていたのだが,宿に帰ってから調べてみると,日本にいてはいけないチョウだった。

 環境省が作成している「生態系被害防止外来種リスト」に本種が掲載されており,「総合的に対策が必要な外来種(総合対策外来種)」の中の『重点対策外来種』に指定されていた。

 また,外来生物法に基づく『特定外来生物』にも指定されており,今は,飼育することや,放つこと,譲渡することなどが,禁止されている。

 成虫はもちろん,幼虫を見つけても,家に持ち帰ったりしてはいけない,ってこと。

 自分だけで楽しむ場合であっても,許可なく飼養等をすれば,1年以下の懲役,又は,100万円以下の罰金。

 野外に放したら,3年以下の懲役,又は,300万円以下に罰金。

 元々は,中国,朝鮮半島,ベトナム原産で,かつて,愛好家が飼養していた実績があるらしい。

 意図的な放蝶の結果か,偶発的な逃げ出しの結果か不明だが,関東を中心に分布域が拡大しているようで,西日本にも飛び火しているらしい。

 いても害はないんじゃないの,とも思ったが,日本には,元々,奄美大島に固有の亜種が棲息しており,交雑可能というから,やっぱり,絶対に,いてはいけないチョウだった。

 奄美大島の亜種は,環境省レッドリストの準絶命危惧(NT)となっている。

 また,生態的に,同じ植樹(エノキ)を利用するゴマダラチョウと競合するのではないか,という懸念もあるようだ。

 今回は,すぐ近くでゴマダラチョウも観察できたが,競合した結果,在来種のゴマダラチョウが駆逐されてしまう,ということも,あるのだろうか。

 生態系を守るのは,すごく大変だが,壊すのは簡単。

 悪いのは,このチョウたちではなく,このチョウたちを持ち込み,放した,クソ人間たち。

(2024/07/19  アカボシゴマダラ)