鳥が大好き!

秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

セッカにはセッカの生き方がある

2024年06月21日 | 宮城県_鳥の海
 セッカのオスは,裁縫をする。
 
 葉っぱに穴を開けて,クモの糸を通し,葉っぱを縫い上げて,巣の外側を作る,という。
 
 
 上の写真で口にくわえているのは,クモの糸の塊(かたまり)。
 
 糸は,クモの巣から取るのではなく,中に卵が入っているクモの糸の塊(卵嚢)から取る。
 
 
 ここにクモの卵嚢があったようだ。
 
 
 テリトリー内に立ち寄って,その巣が気に入ったメスは,巣を作ったオスとペアになる。
 
 ペアになったメスは,内側を作って巣を仕上げ,そこに卵を産み,抱卵して孵化させ,その後も,基本,ひとりで子育てをする。
 
 
 この日も,餌をくわえていたのは,すべてメスと思われる個体だった。
 
 
 一見すると,オスもメスも同じ姿だが,くちばしの付け根から目にかけて黒い部分があるのが,オス,ないのが,メス。
 
 オスは,嘴と目が,黒い帯で繋がっているように見える。
 
 
 このオスたちは,抱卵や子育てなどに,一切関わらない。
 
 テリトリー内を,鳴きながら飛び回り,新たなメスを呼ぶための巣を縫うのみ。
 
 
 そして,縫い上げた複数の巣に,別のメスが付けば,それぞれのメスと,さらに交尾し,卵を産ませる。
 
 繰り返して書くが,その後の抱卵や子育てには関わらない。
 
 
 誰も来なければ,単身のままだが,複数のメスが来れば,複数の妻を持つことになる。
 
 
 人間だったら,クズ男そのもの。
 
 一方のメスも,同じようなもの。
 
 
 年に3回,繁殖できるので,一旦,子育てが終わったら,別の場所に行き,別のオスと交わり,父違いの子を産み,育てる。
 
 また,子どもは,子どもで,早期に生まれて成熟した子どもたちは,生まれたその年から,こうした繁殖行動に加わる,という。
 
 
 繁殖率が低いがゆえ,というのだが...。
 
 
 セッカには,セッカなりの必然がある。
 
 人間の倫理観に当てはめ,引き比べること自体,間違い。
 
(2024/06/02  セッカ)