神崎川が淀川から分岐する地点から長柄橋の少し東側にある長柄水管橋(水道管専用)までの約8キロ間の淀川右岸の様子です。(撮影日:10/21)
◆ウォーターレタス(ボタンウキクサ)
科名:サトイモ科 学名:Pistia stratiotes Water Lettuceは英名
※2005年(H.18)に「特定外来生物」に指定。販売・栽培・譲渡が禁止された。

↑神崎川分岐地点辺りの淀川
橋は、手前の青色が鳥飼大橋。奥の白いアーチ型は大阪モノレール。山は生駒。
水面にウォーターレタスがかなり漂っています。
夏の間は、ウィンドサーフィンや水上バイクがよく見られるところです。

↑神崎川分岐地点辺りから500mほど下ったところ
川の岸辺はウォーターレタスで埋まっています。

↑豊里大橋近く
ここはもう川の三分の一ほど水のレタス畑になっている。

↑城東貨物線の赤川鉄橋の手前。ウォーターレタスの天橋立だ~。
一番最初にウォーターレタスを持ってきたのは、ここ数年の秋の淀川の風物詩とも言えるからです。こんな風物詩はお断りしたい。
今年は9月の半ばを過ぎてもこの水草を見なかったので、駆除の効果が出たんだと喜んでいましたが、とんでもない!2年前と比べものにならいほどの大量発生です。今年の猛暑で発生が遅れていただけのようでした。
(ウォーターレタスについての過去記事は「浮草が大量に発生」と「レタスが川で繁殖」です。特定外来生物に指定されたのはこの半年後でした)
淀川の水源である琵琶湖からどんどん流されてくるこのレタス。
このまま放っておけば淀川の広い本流が水のレタス畑になってしまう。
私はただ心配しているだけですが、つい先日この水レタスの除去作業をするボランティアの方々の存在を知りました。
過去記事の「毛馬の閘門」をリンクされた方が、新淀川と大川(旧淀川)を結ぶ毛馬閘門(けまこうもん)辺りのウォーターレタスを3日間かけて除去されるそうです。
感激しました。ただちに動くその行動力を尊敬します。
頑張ってくださいとエールを送るだけの私がちょっと恥ずかしい・・・。
【追記】10.31
ウォーターレタスの除去作業のボランティアの方は、私の過去記事を見て行動を起こされたのではなく、既に閘門での除去作業することが決まっていた方です。
琵琶湖のウォーターレタスの状況はよくご存知だったようですが、作業を予定している閘門の様子を知るためにWeb検索し、My Blogの過去記事がヒットしてリンクされたというのが事実です。上の文中で誤解されるような表現があったことをお詫びします。
その除去作業の様子はこちらをご覧ください。これはまだ第1日目です。
このあとまだ3日間も作業を続けられるのです。本当にありがとうございます。
【追記】11.05
除去作業をしてくださった方のお話では、今年の琵琶湖にはウォーターレタスはないそうです。ということは、淀川の上流で発生しているということになりますね。
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◆キンエノコロ(金狗尾)
科名:イネ科 学名:Setaria glauca

↑豊里大橋と菅原城北大橋の中間辺りに群生していたキンエノコロ

↑キンエノコロのアップ
子供の頃、毛虫~と言って遊んだエノコログサや、穂が曲がっておじぎをしているようなアキエノコロは、河原のどこでもよく見かけますが、このキンエノコロは、他では見られず、ここだけで群生していました。
アップは茶色っぽく見えますが、実際には金色にキラキラ輝いていました。
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◆アレチハナガサ(荒れ地花笠)
科名:クマツヅラ科 学名:Verbena brasiliensis
2m近くにも伸びているアレチハナガサ(菅原城北大橋付近)↑

↑2ミリ弱の小さ花は可愛い
茎丈20~30センチほどの短いアレチハナガサはよく見かけますが、2mほども茎を伸ばし群生しているアレチハナガサは、この辺りにしかありませんでした。
場所的に日当たりも土にも恵まれたのでしょうか。
離れて見ると小さな花は目立ちません。茎は無毛で四角い。
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◆イヌタデ(犬蓼)
科名:タデ科 学名:Persicaria longiseta(Polygonum longisetum)
↑イヌタデ(菅原城北大橋近く)右端の黄色い花はカタバミ

↑イヌタデの花。まだ蕾です。今頃は開いているかも
花の名前は各国で様々。でも学名は世界共通と、これは過日行った万博公園の森のソラードの学習看板に書いてあったことですが、このイヌタデには2種類の学名がありました。
「Polygonum longisetum」と「Persicaria longiseta」。
専門学的なことや言語学的なことの説明は私の知識ではムリ。
ただ、最初はタデ科タデ属として分類されていたので「Polygonum longisetum」。
あとから、タデ科イヌタデ属と分類が変わり「Persicaria longiseta」になったようです。
世界共通の学名なら、統一してほしいな。
検索かけて2種類もの学名が出てきたら素人には悩みのタネです。
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◆ヨシ(葦)またはアシ(芦)・・・(蘆、葭もあり)
科名:イネ科 学名:Phragmites australis(Phragmites communis)

↑ヨシ(神崎川分岐点近く)

↑ヨシの群生(後ろの橋は菅原城北大橋)
ヨシはアシとも言いますが、アシは「悪しき」にも通じるということで「良し」と言うようになったとか。
これは大阪の商人が猿は「去る」に通じると嫌って「ええとこ(良い所)」→「えてこ」と呼ぶようになったのと同じようなものでしょうか。
但し「エテコ」は「猿」のことと知っていても大阪では既に死語になっています。テレビのお笑いの中ではまだ現役のようですが。
【追記】(10.29 22:41)
エテコにはもう一つの説があります。
「得手公」から「えてこ」となった説です。
先にあげた「ええとこ」も「得手公」も数年前の新聞記事からの知識です。
淀川は古代よりヨシ原が多いところでも有名でした。
でした・・・河川敷を整備し公園化することでヨシが取り払われ少なくなってきています。
野鳥が子育てし、外敵からも守るこのヨシの保護に最近国交省も力を入れ始めたようですが、一度失われたものはなかなか元に戻せないのも事実。
河川敷にいくつもあるゴルフ場を撤去するのが先だ~。
このヨシも2種類の学名がありました。
最初は、オーストラリア産のものと北半球のものとわけていたそうです。
オーストラリア産を「Phragmites australis」。
北半球温帯以北ものを「Phragmites communis」。
しかし、どちらも違いがほとんど無いということで、「Phragmites australis」に統一されたとありました。でも検索サイトでは両方の学名が登場するので、悩む悩む。
もう学名など書かなくていいじゃないか・・・ですが、学名はやはり世界共通の名前であり、またこの学名を検索することによって、今まで知らなかったことも知ることができるので、やめられません。
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◆ススキ(薄)・・・(別名:尾花、萱)
科名:イネ科 学名:Miscanthus sinensis


↑ススキの群生(2つ共、菅原城北大橋付近)
幽霊の正体見たり枯れ尾花(川柳?)
でも群生しているススキを夜に見ても幽霊には見えませんね。
それに真夏のススキは葉っぱだけで、ススキが枯れるのは冬近く。
上の川柳(?)で詠まれたのは冬の幽霊?
・・・幽霊が出るのは夏だけとは限らないけど
私には、真夏の夜にポツンと立っている柳の木のほうが幽霊に見えます
茅葺きの屋根は日本の情緒ですが、この茅葺きにススキが使われていたなんで知りませんでした。茅葺きの材料は、ススキ、チガヤ、スゲといったイネ科の植物。この中でも主としてススキが使われることを今回初めて知りました。
ススキは秋の風物詩とお月見だけじゃなかったんですね。
はぁ~こんなことも知らなかった・・・・・・穴はどこ~。
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↑城東貨物線の赤川鉄橋の踏切にて
毎朝この踏切を通りますが貨物列車と遭遇することはありません。
今回は日曜の昼間だったのでラッキーでした。
以前、赤川鉄橋の電化複線化を紹介したことがありますが、城東貨物線の旅客化は着々と進んでいます。この赤川鉄橋は多分最後に複線化するのでしょう。この橋を渡る利用者は多いですから。
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↑淀川大堰と阪急北千里線の間にある長柄水管橋
長柄水管橋は市民の水道水を運ぶ水道管専用の橋です。
アーチ型の鉄橋の上になにやら沢山の黒い鳥が・・・

↑カワウ(川鵜)の群団でした(上の画像のトリミング)
最初、カラスにも見えたのですが、川の中に潜ったりもしている。
カラスは川には潜らない・・・はず。
そこで双眼鏡で覗いて確かめてみたらカワウでした。
(光学3倍ズームのデジカメではそのカワウの姿を写すのはムリ。残念)
これだけのカワウを見たのは初めてです。
(Web検索してわかりましたが、数年前からここに居付いているようです)
この中の何羽かが、神崎川にもやってきているのかなぁ。
今回はマウスオン無しですので、スクロールが大変だったと思います。
秋の淀川をご覧いただいてありがとうございました。
※今朝(10/29)、神崎川でヒドリガモの群を発見。冬鳥の第一陣です。お帰り~