愛煙家の多事総論

このブログは愛煙家こと私が、世の中の色々なニュースに対して、自分勝手な評論をする駄ブログでございます。

安倍総理の投げっぱなしジャーマン劇場

2007-09-12 22:07:12 | 国内情勢
六本木のバーで、スイス敗戦を嘆きながら、そのまま職場へ直行。ああ、仮眠してえ、と思いながら仕事をこなしていると、政治部の友人が内線を入れてきた。「おい、安倍首相が辞任したぞ」。眠気が吹っ飛んだ。

安倍首相が辞任会見「国民の支持なく政策推進が困難」

首相辞意で拉致家族会「日本はどうなるのか」

安倍首相退陣、代表質問直前の「波乱」…野党は解散要求へ

<安倍首相辞任>緊急会見で話した内容の全文掲載

本日、総理の職を辞するべきと決意をいたしました。
 7月の29日、参議院の選挙が、結果が出たわけですが、大変厳しい結果でございました。しかし厳しい結果を受けて、この改革を止めてはならない、また戦後レジームからの脱却、その方向性を変えてはならないとの決意で続投を決意をしたわけであります。今日まで全力で取り組んできたところであります。
 そしてまた先般、シドニーにおきまして、テロとの戦い、国際社会から期待されているこの活動を、そして高い評価をされているこの活動を中断することがあってはならない、なんとしても継続をしていかなければならないと、このように申しあげました。国際社会への貢献、これは私が申し上げている、主張する外交の中核でございます。この政策は何としてもやり遂げていく責任が私にはある、この思いの中で、私は、中断しないために全力を尽くしていく、職を賭していく、というお話をいたしました。そして、私は、職に決してしがみつくものでもない、と申し上げたわけであります。そしてそのためには、あらゆる努力をしなければいけない。環境づくりについても、努力をしなければいけない、一身を投げ打つ覚悟で、全力で努力すべきだと考えてまいりました。
 本日、小沢党首に党首会談を申し入れ、私の率直な思いと考えを伝えようと。残念ながら、党首会談については実質的に断られてしまったわけであります。先般、小沢代表は民意を受けていないと、このような批判もしたわけでございますが、大変残念でございました。今後、このテロとの戦いを継続させる上において、私はどうすべきか、むしろこれは局面を転換しなければならない。新たな総理のもとで、テロとの戦いを継続をしていく、それを目指すべきではないだろうか。きたる国連総会にも、新しい総理が行くことが、むしろ局面を変えていくためにはいいのではないか。
 また、改革を進めていく、その決意で続投し、そして内閣改造を行ったわけでございますが、今の状況でなかなか、国民の支持、信頼の上において力強く政策を前に進めていくことは困難な状況であると。ここは自らがけじめをつけることによって、局面を打開をしなければいけない。そう判断するに至ったわけでございます。
 先ほど、党の五役に対しまして私の考え、決意をお伝えをいたしました。そしてこのうえは、政治の空白を生まないように、なるべく早く次の総裁を決めてもらいたい、本日からその作業に入ってもらいたいと指示をいたしました。私としましても、私自身の決断が先に伸びることによってですね、今国会において、困難が大きくなると。その判断から、決断はなるべく早く行わなければならないと、そう判断したところでございます。
 私からは以上であります。


霞が関「自爆テロのようなものだ」 首相辞意表明で

【中国】安倍首相辞意:中国ネット世論「日中関係にダメージ」

 安倍晋三首相が12日午後、辞意を表明した。新華社などの中国メディアは日本の報道を転載する形で速報した。また中国3大ポータルサイト「新浪網」は掲示板を開設した。

 掲示板には開設から約1時間が経過した12日午後3時の時点で126本の書き込みがみられる。「現在は乱世で英雄が出にくいが、安倍氏はよくやっていたと思う」「オーストラリアで胡錦涛国家主席と短時間会談したときには年内に訪中することが話し合われたのではないか。中日関係に改善の兆しがみられていたので安倍氏の辞任はダメージとなる」「惜しいことだ。安倍氏は有能な人物だから、再起して欲しい」「安倍氏は穏健な政策を打ち出していたように思う。なぜこんなに早く辞めるのか理解できない」など安倍氏の功績を評価する声が目立つ。

 一方で「安倍氏は政治的手腕にもろさがあった」「世襲議員なので政治的なプレッシャーに耐えられなかったのだろう」「安倍氏は若すぎた」との批判もみられる。写真右は2007年4月に訪日した温家宝首相と握手する安倍氏。中国では2006年9月の安倍首相の就任以来、日中友好を主張する報道が繰り返された。(編集担当:菅原大輔)


安倍首相の後任は?




所詮は良家のおぼっちゃまだったか。人気がなくなり、それに対して耐えることの出来ないタフさがないのは、世襲議員の通弊だな。
まあ発足当初から期待は掛けてなかったが、ここまで酷くなるとは思ってなかったし、ここまで腰抜けだとも予想してなかった。

予想の遥か斜め下を突っ走った首相だった。間違いなく、日本の歴代首相の中でも評価は最低ランクに位置するだろう。

まず、辞任のタイミングが悪すぎる。

APECで首脳会議・非公式首脳会談をした後で、所信表明した後で、「職を賭す」と言った後で、何故辞意を表明しやがったのか。

国際的にも国内的にも日本政府不信を招くタイミングだ。

また、年金問題、政治と金の問題、福祉問題、格差問題などなどなど、様々な問題が山積していた中での辞意。しかも、それら全てに「職を賭して当たっていく」と言っておきながら、突然の辞意。
国会が始まり、重要懸案の質疑応答が、さあ今日から始まるぞ!といったタイミングでの辞任。
完全な責任放棄と取られても不思議ではないし、誰もがそう思ってしまうだろう。
体調が悪くなっていた~という話もあるが、死ぬまで頑張った小渕を見習えよ。

辞めるなら辞めるで、参院選惨敗時にさっさと辞めるべきだった。ずるずると引っ張り、自民党も一新できず、結局野党に付け込む隙だけを与える結果となった。

勿論、ここまで最悪の結果に落ち込んだのは安倍の責任だけではない。
任命権者としての責任は勿論あるだろうが、それを上回るレベルで閣僚がバカすぎた。そりゃ、そんなバカばっかを選んだ安倍が悪いッつーのもあるが、安倍だって閣僚になる人間の全ての金銭問題を把握できるはずもないし、失言暴言に関しては安倍がどうこう出来る問題でもない。

そういった意味では、安倍は非常にかわいそうな首相と言える。

また、閣僚経験がないのにいきなり首相に就いたのも痛かった。やはり政治経験が足りない部分は各所に露呈したし、やることなすこと抽象的過ぎて、具体案を示せなかった。

辞めるのは時間の問題だった。


とはいえ、このタイミングでの辞任は、自民党にも、公明党にも、野党にも、識者にも、マスコミにも、各国政府にも、勿論国民にとっても、まさに

「寝耳に水」

の形となったが。

特に手痛いのがアメリカだろう。テロとの戦いに関しては、頼りなくとも全面的に賛成してくれている安倍首相の存在は、それなりに頼もしいものだったに違いない。
それが、突然の辞任。ブッシュにとっては、足元の台座を外されたくらいにショックが大きかったのではないだろうか。
これにより、アメリカは対テロ戦争での大きな軌道修正迫られることになりかねない。
「日本」という平和国家ですら、「自由のために」戦っているというのは、ブッシュが良く演説で使う文言だが、その言葉も使えなくなるかもしれない。

次の自民党総裁によるが、麻生ならともかく、谷垣、福田といったハト派はまず特措法延長や代替案提出をしないだろう。麻生にしても、国内での情勢如何ではあっさり諦めるかもしれない。彼はアメリカサイドの人間だが、元々の商人気質のためか、切るべきときにはあっさり切る。

また、次の総裁が解散総選挙に打って出て、結果民主党政権になろうものなら、ブッシュからしたら眩暈を起こしてそのままぶっ倒れたいくらいのショックとなるかもしれない。


そして、意外にもアメリカ以上に「国民」が残念がっているのが、中国だ。
実際小泉時代に比べれば、日中関係は格段によくなった。安倍首相のおかげ・・・というよりも、小泉時代に悪化の極みを極めてしまったため、安倍首相としては経済問題からも少しでも改善しなければならなかったのを改善しただけの話なのだが、中国国民はそんなことは気にしない。
ただ純粋に

「小泉時代より良くなった」

と言って、安倍首相に対して概ね好意的だった。
その安倍首相がいなくなったことで、中国では早くも日中関係の悪化を懸念する声が出ている。まあ、麻生が総裁になったら悪くなりかねんが、谷垣、福田だったらそこまで心配することもないと思うが。


内心複雑なのは北朝鮮だろう。
強硬派の安倍がいなくなったのは望ましいが、その安倍は最近になって北朝鮮に譲歩する姿勢を見せてきていた。ここでまた強硬派の人間に総裁になられたら、元の木阿弥に戻るかも・・・。日本から是が非でも金が欲しい北朝鮮は、安倍がその意思を見せ始めていただけに、内心複雑な気持ちだろう。


また、今回の辞任で拉致問題が暗礁に乗り上げるのではないか・・・との見方も多い。アメリカは北核問題解決を急ぎ、拉致問題から離れ始め、今拉致問題に対して理解のある安倍首相が辞任・・・。
と、こうやって見れば既に暗礁に乗り上げたも同然だが、問題はアメリカの動向だ。
たとえば次期総裁が引き続き拉致問題解決を掲げ、かつ特措法延長に反対の意を表明した場合、困るのはアメリカだ。テロとの戦いでは協調せず、北核問題をややこしくする日本の態度を受け入れるはずがない。
かといってここで強硬に日本に押し付けられるほど、ブッシュの地盤もしっかりしていない。特措法延長を条件に、拉致問題での共同歩調を取る・・・といった駆け引きも出来るのではないか。
まあブッシュが対テロと対北朝鮮のどっちに重心を置いているかで決まる問題だが・・・。



何にしても、安倍首相、あんた投げっぱなしジャーマンはよくないよ。
政府も諸外国も国民も大混乱したじゃねーか。



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