愛煙家の多事総論

このブログは愛煙家こと私が、世の中の色々なニュースに対して、自分勝手な評論をする駄ブログでございます。

七夕とK君

2007-07-07 19:57:12 | 愛すべき部下達
今日は七月七日、七夕の日。この歳になったら別に何かをしようとは思わないのだが、定年も近い局長が意気揚々とロビーに笹を設置しているのを見て、何かむなしい気分になった。俺も瑞々しい心を失いたくないもんだ。

誰が音頭を取ったわけでもないけれど、局長がわざわざ笹を設置してくれたのを無にするのもキマリが悪いので、誰からともなく短冊がぶら下げられて行く笹。

夕方になることには、社内の人間全員が吊るしたんじゃないかと思うほど、短冊がぶら下がっていた。

試しに短冊のいくつかを見てみると、

「ローンを完済できるだけのお金が欲しい」

「有給が許されますように」

「良い出会いがありますように(女性の文字で)」

「良い出会いがありますように(男性の文字で)」

「課長がくたばりますように」


などなど・・・やってることは子供っぽいのだが、短冊に書かれている願い事は妙に現実的でせせこましく、軽く落ち込んだ。

そんなことを思いながら笹を眺めていると、頭を光らせながらK君がやってきて

「愛煙家さんも、何か書いたんですか?」

と聞いた。
まあ一応な、と答えるとK君はパッと笹全体を見渡し、そしてすぐに俺の短冊を見つけた。

「これですか、何々・・・」

俺が止める間もなく願い事を読むk君。

「髪がこれ以上減りませんように、ですか、ははぁ・・・」

うう、恥ずかしい上に、自分の小ささが再確認されるようで悲しすぎるぜ・・・orz

そんな俺の気も知らず、K君は続けた。

「減りませんように、っていうのは意味深ですね。増えますように、ではなく減りませんように、と書いてあるところに、愛煙家さんの諦観の気持ちがにじみ出ているようです。もう増えなくても良いから、減らないでくれ、と言った愛煙家さんの嘆きが聞こえてくるような、怨念の篭った短冊ですね」

相変わらず目を逸らしたくなるほど気持ちの良い笑顔でずけずけ言うK君。
いや、流石に怨念は篭めてねーよ。

が、前半部分は当たっていたので照れ隠しに

「K君、お前は何書いたんだ?」

と聞くと、k君は大したこと書いてませんよ、と言いながら、自分の短冊を俺に見せた。

「世界が平和になりますように」

・・・

・・・

・・・

はっ!?

コイツハナニヲイッテイルンダ?

火星人がタコ型ではなくイカ型だったと言われた人間みたいな顔でK君を見ていると、K君は少し恥ずかしそうに笑いながら

「やっぱり平和が一番ですから。誰だって痛い思いをするのは嫌でしょう?年に一回しか会えなくて、七夕時には忙しい織姫と彦星が願いを叶えてくれるとは思えないけれど、それでも願わずにはいられませんから」

超絶爽やか笑顔で軽く言ってのけるK君。

(ああ、)

こいつには、敵わないな。
左翼的志向とかそんな薄汚いものをぶっちぎって、心底世界が平和であって欲しいと願うK君。
世界がK君みたいな人間ばっかだったら、世界は平和になるのかもなぁ・・・と戦争根絶否定派の俺ですら思ってしまった。

ちょっと恥ずかしそうにしているk君が、やたらと眩しく見えた七夕の日だった。

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