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チョウ・トンボ・野鳥に親しむ

北陸地方の自然とチョウ、トンボ、野鳥の写真を投稿します。

能美の里山―スミナガシ

2024-05-31 05:37:23 | 日記
 自宅近くの里山を訪ねると、アザミの花が新鮮な花をつけていた。

             新鮮なアザミの花

 道端の湿った場所や花にはアオスジアゲハが集まり、吸水したり蜜を吸ったり忙しく行動していた。

            吸水するアオスジアゲハ


           花の蜜を吸うアオスジアゲハ

 山道を車で走っていると、路上に黒い虫影が見えた。急いで車を止め近づいてみると、スミナガシが一心不乱に虫かミミズの死骸で吸汁している。


          虫の死骸で吸汁するスミナガシ

 よく見るとスミナガシの下にもう一匹チョウがいた。

       スミナガシの下から現れたコチャバネセセリ

 コチャバネセセリのようである。だんだん全身を現し、どこかへ飛んで行った。



        満足して飛び去ったコチャバネセセリ

 残ったスミナガシはしばらく吸汁していたが、杉の枯葉の所に場所を変えた。


     日の当たる杉の枯葉に覆われた場所に移動したスミナガシ

     移動したスミナガシ、此処にもコチャバネセセリがいた

 

 日の光を浴びて翅の模様、色合いに加え赤い口吻がはっきりと見えた。

 これを見て小学生時代を思い出した。昆虫採集を始めたその夏、網をもって走り回っていた私は、偶然、このチョウと出会った。素早く飛び回るチョウを必死で追いかけ、やっとの思いで捕まえたチョウがスミナガシであった。そのチョウは、南国の夏の強い光を浴びて鮮やかに輝いていた。捕まえた時には、もちろん名前も分からない。家に帰って図鑑を見てスミナガシであることを知った。その新鮮な黒い色はいまだに忘れられない。以来ずっと心の片隅にあったが、長い間出会うことができなかった。50年ほどもたって石川で生活するようになって、子供の時のように自然の中を探索するようになって、スミナガシが石川にもいることを知った。

              石川のスミナガシ

 石川での食樹はミヤマハハソであり、スミナガシは、どちらかといえばやや薄暗い谷合にいることが多い。年2回発生し、1回目は5月上旬、2回目は7月終わりころであり蛹で越冬する。数年前になるが、孵化、羽化の様子を動画で撮影したことがあり、それなりに満足しているが、自然の中で出会うと一層胸が高鳴る。能美の里山にも夏が来た。

生への執念ーダビドサナエ

2024-05-28 06:09:26 | 日記
 小松市滝ケ原を訪ねるとムカシヤンマが羽化していた。


               ムカシヤンマ

 ムカシヤンマはヤンマとサナエの中間くらいのトンボで、ムカシヤンマ科に分類されており、能美では初夏を告げるトンボである。
 道路に止まったり、笹の葉で休んだり木の幹や電柱に止まったりする。


        休みながら獲物を待つムカシヤンマ

 ヤンマのように飛び回らず、どちらかといえば獲物が来るのを待つトンボである。
 水が湧き出るビオトープでは、シオヤトンボ、ハラビロトンボなどが羽化していた。


              シオヤトンボ



           ハラビロトンボ、下1枚がメス

 沢近くではニホンカワトンボが大量発生し、体や翅の色の異なる個体が多くみられた。




     翅、体の色、大きさなど、変異の多いニホンカワトンボ

 那谷寺裏の池にはクロスジギンヤンマが周回していたが動きが早く鮮明な写真は撮れなかった。

            クロスジギンヤンマ

 山道を歩いていると、突然頭上から羽ばたきの音が聞こえ、何かが地上に落ちた。一瞬何であるか判断できない異様な生き物に見えた。

            重なり合うダビドサナエ

 よく見ると3匹のトンボが重なり合っていた。肩の紋、雌らしい個体の腹部の模様などからダビドサナエらしいと分かった。それでも奇妙である。写真中央のオスが、すでに他のオスと結合しているペアのメスに襲いかかり、どうもオスとの結合を離させようとしているらしい。



         ペアの結合を解こうとする侵入オス

 3匹はそのままの体勢で暴れまわっていたが、そのうちペアのオスとメスの体勢が直線的になった。

            少し分離し始めたペア

 ペアの分離に成功したのかもしれない。次の瞬間、侵入オス、メス、ペアのオスの順に解れすべて飛び去った。私は何か異様なものを見たような、また、トンボの世界の生への執念を見た気がしてしばらく我を忘れていた。   
 さらにタケノコ山付近の池に寄ってみると、例年だと6月頃に見られるヨツボシトンボがもう羽化していて驚いた。


          5月半ばに羽化したヨツボシトンボ

 今年の晩春、初夏は異常に暖かい日が多いのも一因かもしれない。



河北潟干拓地-ケリ

2024-05-24 07:34:39 | 日記
 自宅ではバラが花盛りである。

              盛りを迎えたバラ

 鳥撮りなどに熱中するあまり、ほとんど世話もしていないのによく咲いてくれたと感謝している。散歩道ではヤマツツジが咲き、エゴは落花盛ん、カキは落果盛ん、元気なのはヒヨドリである。

               ヤマツツジ

               エゴの落花

              カキの落果


              元気なヒヨドリ

 未だウグイスの鳴き声も聞こえるが、ホトトギスの鳴き声も聞こえるようになった。森ではサンショウクイの姿も身近に見られるようになった。


           身近にみられるサンショウクイ

 河北潟の田周辺ではケリの子育ては一段落したようである。親鳥が1羽で餌を探しているのをよく見かけるようになった。


            1羽で田を見つめるケリ

 チュウシャクシギもそれぞれの個体が田の周辺で餌を探しているのを見かける。

            田のチュウシャクシギ

 干拓地の草地の上ではチュウヒが悠々と風に乗って飛び獲物を探している。




          干拓地、牧草地の上を飛ぶチュウヒ

 河北潟は1月の地震による液状化の被害が大きく未だ復興に手も付けられていないが、幸い潟から海につながる放水路の上に架かるサンセットブリッジは被害も無かったようで美しい姿を見せている。

         河北潟放水路のサンセットブリッジ

 海岸に出るとハマナスが咲いていた。

              海岸のハマナス

 本格的な夏が始まる。




初夏の海―トウネン

2024-05-21 06:58:41 | 日記
 石川の海岸ではハマシギたちが少なくなり、砂浜の主はミユビシギである。


               ミユビシギ



 よく見ていると、体が赤っぽく、やや小型の鳥が混ざるようになった。トウネンである。





             波打ち際のトウネン

 トウネンは比較的人を恐れないが、それでもちょこちょこと走り回って餌を探している。そんな砂浜をキアシシギの一群が旅していった。

              キアシシギ

 岩礁ではクロサギやウミウがのんびりと餌を探し、コチドリも近くにいて存在を主張していた。

                クロサギ

                ウミウ



                コチドリ

 海中にはウミネコが悠々と辺りを監視し、その強さを誇示していた。

                ウミネコ

 岩場には、キョウジョシギやチュウシャクシギもしばらくは逗留するようである。

              キョウジョシギ

             チュウシャクシギ

 いよいよ本格的な夏に向かう。


千里浜から志賀の海―キアシシギ・キョウジョシギ

2024-05-17 09:05:41 | 日記
 このところ初夏というより真夏のような天気もあり、白山の雪解けも目立つようになった。 

             山肌が見えだした白山

 少し古くなったが、足の状態の悪いのを押して、4日、5日と千里浜から志賀の海に行って見た。千里浜では10数羽のキアシシギが波打ち際で餌を探していた。





             千里浜のキアシシギ

 片隅にはトウネンらしい姿も写っており、やっとシギの季節になったかと安堵した。

          キアシシギに混ざるトウネン

           海面すれすれに飛ぶキアシシギ
 
 海面すれすれに飛ぶ姿も撮影できて満足して志賀に向かった。志賀の海岸でも岩礁にキアシシギの姿が見えた。こちらでは群れというより個々が寛いでいる様子であった。




           思い思いに寛ぐキアシシギ

 岩礁付近で水しぶきが上がっているのに気づきよく見ると、キョウジョシギが浅瀬で水浴びをしていた。



         浅瀬で水浴びをするキョウジョシギ

 ひとしきり水浴びすると、思い思いに岸に上がり羽を乾かしゆったりとしていた。





        羽を乾かしのんびりするキョウジョシギ

 沖合ではキアシシギとキョウジョシギが同じ岩の上で寛いでいるのが見えた。

         一緒に寛ぐキアシシギとキョウジョシギ

 初夏ののんびりした1日であり、目当てのキョウジョシギもいて満足して帰宅した。