減価する通貨が導く近代超克への道

自然破壊、戦争、貧困、人心の荒廃・・・近代における様々な問題の根本に、私たちが使う「お金の非自然性」がある

『虚構と陰謀の世に「大和魂」を失うことなかれ』

2006-07-24 17:40:41 | Weblog
以前紹介した石橋湛山の「改革いじりに空費する勿れ」(昭和11年4月25日『東洋経済』社説)を真似て書いてみました。

筆者のみるところ、日本人の一つの欠点は、外からの影響を受けやすく、その度に左右にふれ過ぎる癖だと思う。この「浮遊病患者」には、大きく二つの弊害がともなう。第一は陰謀やプロパガンダに乗せられやすいということだ。主体的な解決が求められている時に、偏ったイデオロギーにのみ囚われ、思考停止に陥りやすい。第二に偏ったイデオロギーに重点を置くが故に、対抗勢力の打倒や社会の変革にこだわりすぎる点である。そこに危険があるのである。

これは右翼と左翼とに共通した傾向である。左翼の華やかなりし頃は、総ての社会悪を戦争責任や体制批判に持っていったものだ。この左翼の理論と戦術に対抗するうちに、現在の右翼は何時の間にか「反共・従米」や自由競争などのプロパガンダに染まっている。疲弊した戦後の社会体制は、改変されねばならないだろう。しかしながら忘れてはならないことは日本人の「心」や「伝統」、「風土」まで捨てずとも、充分に社会を改善する方法はあるということだ。大切なのは国民が、日本国民としての「誇り」と「使命感」を持って、社会繁栄と護国のための努力を続けることだ。


湛山のように先見の明があるかどうかはわかりませんが、以上の言葉を今の世に捧げます。


そして、今度こそしばらく筆を置きます(ふぅ)

陰謀論の一時保留と整理

2006-07-24 11:42:57 | Weblog
昨晩書いたエントリー「確信」ですが、取り下げます。
別に某所から圧力がかかったわけではありません(笑)

ただ、一連の事実関係をもう少し時間かけて冷静に調査、整理、観察したいと思います。
一言でいうと「できれば妄想であって欲しい」で述べたような洋の東西の「カルト」による陰謀論は、もともと自分が調べてきたテーマ(「近代の超克・愛国心・環境論」)から逸脱し、持てる情報に限界がでてきたということです。

今わかっているのは「岸信介・児玉誉士夫一派」「勝共連合・統一教会」「北朝鮮」「安倍氏」のつながりについてであり、これは「千思万考」さんの一連のエントリーで優れた考察がなされています。私のような素人よりも具体的な情報に基づいておりますので、上記の関係についてかなり確信できると思います。

また、洋の東西で似非左翼の全体主義者とウヨクカルトが一見マッチポンプをしているように見えることについても、それは「解釈」の一つであり、本当にどこまで連携してやっているのか、むしろ単に都合のいいときだけお互い利用しているだけ、というのが妥当ではないか、と思えてきました。
そもそもアメリカと中国・北朝鮮では、日本に対する利害関係がまったく違いますから。

つまり日本経済が混乱に陥って一番困るのは、中国や韓国そして北朝鮮ということです。彼らにとっては日本からどれだけ多く搾取できるかは気にするでしょうが(そのための工作は色々やるでしょうが)、逆に直接戦争を起こすメリットは少ないと思います。日本にとって大切なのは、彼らの工作をストップさせることと、あくまでも毅然とした態度と実行力のある圧力でもって国際問題の処理(とくに拉致問題等の犯罪行為解決)にあたるということです。

そういう目で見るとむしろ今後危険なのはアメリカ親日派の「ネオコン」のような存在です。東アジアにおける軍事的脅威を煽って、一番得するのは彼らでしょうし、「バック・パッシング」を仕掛けてきているのは確かだと思います。またその点で、「小泉・安倍政権」が非常に親米ポチである、というのも疑いないでしょう。小泉政権に対する私の評価は、前半は功罪「4:6」程度でしたが、現在「0:10」に限りなく近づいています。そして「安倍政権」になるともっと悪くなると予想しています。

「富田メモ」が以上のような彼ら側の利益(東京裁判史観の受け入れと日本のアメリカ属国化)に基づく陰謀である可能性については「非国際人養成講座」さんの「昭和天皇ご発言メモ報道に隠された悪意」が一番納得できました。また、「大和ごころ。ときどきその他」さんのエントリーやそのリンク先のご意見にも納得です。

これでいよいよ既存メディアが「朝日」「日経」はもちろん「産経」も信用できなくなったのは言うまでもありません。

「靖国神社」に対する私のスタンスは、天皇陛下がご親拝いただくための「靖国改革」(解決オプションは複数)または新たな国設慰霊施設(仏教系)との共存です。「靖国」を廃止し、その代替として「無宗教」の新施設を設置することには反対です。戦没者追悼における文化・伝統としての宗教、そして「皇室」の権威の維持は日本国・国民の尊厳にとって重要と思います。もちろん政治利用などのない英霊の鎮魂が大切なことは言うまでもありません。

また、ネット上における「小泉・安倍」マンセーサイト、「反中韓」「北朝鮮脅威論」サイトに統一教会やアメリカ側のバックアップを感じさせるものがあり、これらに要注意と思いました。ただ、冷静に見ると確信犯と単に影響されている人の区別は難しいとも感じます。少なくともすでに多くの人が指摘している「チャンネル桜」はかなり黒だと思います(統一教会・勝共連合関係のテーマは完全にスルーですので)。加えて皇室や日本の伝統に対するスタンスがあいまいな人達、政治力や憲法(改正)を無視した軍拡を唱える人達も確信犯かどうかはともかく、彼らに利用されやすいという意味で危険かと思います。


いずれにしても、私の関心は「反中韓」から、「従米」派の人々の動きに移ってきました。これは今後も注意深く観察を続けたいと思います。
「利米」的視点(アメリカの誰と付き合い、日本とアメリカでWin-Win関係をつくるか)が重要というのは今も変わりません。ただ「利米」にどうしても無理がある場合はだけでなく、「利中」「利露」「利韓」的視点も同時に持っておいた方が良いという認識もでてきました(アメリカと一対一でWin-Winな関係が構築できない場合の取引材料として)。

国際的に毅然とした態度が要求されることと、破滅的な戦争を回避するための選択(軍事力の行使も肯定した上で)というのは、別個に考えることが必要だと思います。

「国体明徴運動」や「国家社会主義改革運動」「革新官僚」およびそれらが日本社会に及ぼした影響については今後も地道に調査を続けたいと思います。

そしてしばらく筆をおきたいと思います(仕事も忙しくなってきましたので)。

この一週間、多くの方々のおかげでとても勉強になりました。ここでお礼を申し上げます。

-----------------------------------------------------
訂正1:特定アジア国際関係の処理等について、加筆・修正。
訂正2:「利中」を取り消し、「利露」「利韓」を加え、多極による「対中戦略」に修正。