減価する通貨が導く近代超克への道

自然破壊、戦争、貧困、人心の荒廃・・・近代における様々な問題の根本に、私たちが使う「お金の非自然性」がある

新年の挨拶にかえて

2008-01-07 22:14:53 | Weblog
以下の絵本を贈ります。

平和の絵本「嵐と湖」
http://www.j15.org/Picturebook-Mind/index.html


嵐の中だからこそ、じっと目を開ける意味がある。

私はこれを読んで、目頭が熱くなり、そして癒されました。

本年も色々なことがあるかもしれませんが、ことしもなにとぞよろしくお願いします。


で、たまには肩の力を抜いたエントリーをあげてみようということで、最近気になったマンガを一冊紹介。


いがらしみきおの「かむろば村」です。
http://www.s-book.com/plsql/com2_detail?isbn=9784091818102

これはビッグコミックに連載中のマンガです。
簡単に言えば、お金アレルギーで銀行員を辞めた(ヘタレな)青年が、農村に引越しして全くお金を使わずに暮らそうとする物語。

文字で書くと単なる脱サラストーリーのように見えるけど、内容は相当に異色で湿度が高い不思議な展開が続く。それでいて、なぜか自然に納得してしまう話の数々。

例えば、青年が銀行を辞めた(辞めさせられた)理由を語る中に以下のようなセリフがある


  まるでお金が酸素のようで、
  それを止められて窒息死する人を
  ジッと見ているみたいな感じでした

  それからですね、オカネ怖くなったのは


このセリフ自体に強い説得力があると思う。

しかし、この作者がさらにすごいところは、この青年の話しを聞いた村人の態度を『ぜんぜん同情して』いないように描いているところだ(こちら)。

そしてそれにつづく女性の肉感的なお尻の描写。


うーん、自然主義経済の始まりを感じる(笑)

(このあたりは上手く言葉に出来ない部分なので、興味がある人は実際にマンガを読んでください)


シュールギャクをやっていた頃から、いがらしみきおは「常に時代を先取りしすぎる」マンガ家だ。彼のセンスは確かに「神がかっている」。
http://www.ztv.ne.jp/keiko/comic_lab/sakusha/a/i/igarashi_mikio.html


近年エロスを失ったアカデミズムに代わり、次世代を担う哲学というのは、まず感度の高い芸術家がキャッチし、サブカルチャーとして表現されている、と思う。

「かむろば村」も、おそらく宮崎駿の「千と千尋」同様、深い隠喩に富んだ名作になるだろう。
http://miruyomu.cocolog-nifty.com/blog/2004/09/post.html


そして両方ともそこに示された隠喩は、近い未来に相応の形で現実化するような気がする。

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