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高音質RCAラインセレクターを作ってみた

2012年12月19日 | ヘッドホン、音響関連
AT-HA5000を購入した以来、RCA入力端子は1組しかないため、USB DAC(Musiland Monitor 02 US Dragon)を常時接続している。
当然、他のプレイヤー(ウォークマン、ポタブルCDプレイヤー、Kenwood G708等)もつなぎたいので、また、将来的にネットワークプレイヤーにも視野に入るし、RCA入力が1組だけでどうしても足りなかった。
頻繁的にプラグを挿し外すことで、プラグにもジャックにもかなりダメージを与えるようですし、よってRCAラインセレクターを買おうとしました

最初はアマゾンのレビューを見て、こんな物を買いました
audio-technica AT-SL31A

audio-technica オーディオセレクターAT-SL31A
安価のラインセレクターとしては悪くなかったが、ノイズも接続不良もなく、3.5mmイヤホンジャックもサポート(金メッキではないが)、でも手持ちのケーブル(AT-EA1000)をこいつと接続してみると

なんと、音は劣化してしまった
感覚として、AT-HA5000の音響性能をAT-HA26Dくらいに落ちていた!
じゃ俺何のためにAT-HA5000を買うかよ

一般人(普通の人、2万円ヘッドホンをあり得ないと思う人)から聴くと音質は僅かの差しかないかもしれないが。高級音響デバイスであるほど、値段を10倍上げてもぜいぜい5%しか音質の差がでないのはごく普通である
まさにその最後の5%の完璧さを求めて大金(覚悟)を払うだからこそ、これくらいの劣化も絶対許せないだろう
もし1万円くらいのシステム(安いミニコン)だと、AT-SL31Aも全然いけるはず

とりあえず俺にとってAT-SL31Aは駄目だ
RCAジャックも金メッキではないし、回路(内部配線)も決してOFCじゃないし、諦めて本格的なラインセレクターを探すしかない

とりあえず3入力2出力の物が欲しい
つまりINPUT1, INPUT2, INPUT3があって、出力にOUTPUT1、OUTPUT2を選択できるもの
将来的にSTAXシステムを購入するかもしれないから、DAC一つでどのアンプを使うのは必要かも
けど、こんなものは売っていない
あっても凄く高価、例えばこれ

Audiodesign HAS-33L
販売価格 58,000円なり!
高すぎてクソワロタwwwうまい商売だなこれは
こんな回路もクソもない物に6万円も払えるか!
仕方ない、自作しましょう!

RCAセレクターに必要な材料は少ない
1、ロータリーセレクターとつまみ
2、RCAジャック
3、内部配線
4、ケース
これだけ、回路PCB板など全然いらない
1,2,3を半田でつけて4に入れて完成
でも実際やってみたら地獄一丁目に遭った
素人だからこそ、注意しなければならないことも多く
この製作レポートを参考に、自信過ぎないことを覚えるほうが良い

RCASelector001.jpg
まず今回購入したパーツとツールです
ロータリースイッチはALPSの4回路3出力のSRRN134300(千石電商1号店2Fで購入、350円)
goot 温調はんだこて PX-201(千石電商1号店1Fで購入、4000円)
黒いステンレス製ケース(パネルはABS製、千石電商2号店1Fで購入、1280円)
AT-EA1000ケーブルのみ x 2m(ヨドバシカメラアキバ購入、1360円)
銀はんだ3m(オヤイデ電気秋葉原店購入、1300円)
OYAIDE 4N 0.5mm 純銀線 x 2m,(オヤイデ電気秋葉原店購入、1500円)
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以下秋月電子で購入
金メッキRCAジャックx8(150円/個)
RCAプラグ多数(150円/個)
つまみ(80円/個)

RCASelector002.jpg
電気ドリルも一応必要、穴を開けるため
RCASelector003.jpg
これはロータリースイッチ、4回路3出力というのはL信号、L-GND、R信号、R-GNDで4つの入力
3出力は実際3入力として使う(繋がっただけで方向性はない)
RCASelector007.jpg
ロータリースイッチの裏、18個のピンがある
RCASelector004.jpg
RCAジャック、24K金メッキとネジ止めのデザインで結構自作に人気らしい
RCASelector005.jpg
最初に買った音響用はんだ、この後もっと高級なものに変更した
RCASelector006.jpg
goot温調はんだこてPX-201、人生で買った一番高いはんだこて
RCASelector008.jpg
OYAIDE 4N 0.5mm 純銀線
RCASelector009.jpg
まずどれくらいの穴をあけるかを計る
RCASelector010.jpg
パネルの長さ、高さも一応
RCASelector011.jpg
最初のパネルデザイン、後で地獄に合う
金属パネルにしない理由はドリルで穴を開ける勇気がないから
RCASelector012.jpg
電気ドリルの出番だ!
RCASelector013.jpg
その結果、大失敗である、同じところを空けるのにこの有様
パワーの強さは制御し難くて、穴のサイズもそれぞれ微妙に違うしポジションもずれている
使えないはないが、見た目は流石に我慢できない
ここで手動で穴を開けることを諦める

待って、諦めると言ってじゃパネルはどうする気?
突然気付いたですが、俺はたまたま3Dプリンタを所持していたこと

other14.jpg
よっしゃ舐めるなよ、3Dで書いてプリントすればいいじゃない!?俺天才じゃね?
other15.jpg
STLファイルに出力して、出力パスを計算
other16.jpg
出力予想図
other17.jpg
3Dプリンターの操作インタフェース

RCASelector018.jpg
プリントが始まった!
RCASelector019.jpg
大丈夫、俺の設計通りにプリントしてる
RCASelector020.jpg
出力できたが、しかし
RCASelector021.jpg
設計に欠陥があって、この辺はかなり弱くて精度も落ちている
RCASelector022.jpg
それに穴が小さいすぎてRCAジャックはが入れなかった
仕方なく作り直にする
RCASelector023.jpg
3Dモデルを修正してVER2、左は手作りのものかなり違います
RCASelector024.jpg
RCAジャックを全てパネルに固定した
RCASelector025.jpg
裏はこんな感じ
RCASelector026.jpg
ケースに仮組み

一日目はここれまで、パネルをつくることで大分時間をかかった
半田ごては全然使ってません
仮組したあと、塗装の問題も少し考えたが
今の考えはまず動けるようにしてから外観を考える


二日目

大きなミスを発見した!
なんと俺が買ったもう一個のロータリースイッチは3回路4入力になっている
3IN 2OUTのセレクターを作りたいですが
一応3回路4入力も使えなくはないが、GND同士を繋ぐことになります
しかしこうすることでL/RチャンネルのCross talkが発生しやすくなり、音の分離には不利である
まあイヤホンジャックもL/R独立GNDは持たないけどね

一応もしRCA入力がAT-HA5000に入ったら一つのGNDなるだったら3回路4入力のロータリースイッチでも使うと考えた
ネットでHA5000の内部写真と回路図を見ると何と最後の出力までちゃんとL/Rに分けて独立でやってるらしい
もし最初からL/RのGNDを一つにするとHA5000の内部処理は台無しになる

仕方なく、2出力を諦めてまず1出力をやろう
あと正しいロータリースイッチを追加購入するとまだ直せばいい
買い間違えたロータリースイッチはポータブル用のセレクタも作ろうかな

RCASelector027.jpg
銀線を食んだ付けてみた...2mも買ったけど何と足りなかった
RCASelector028.jpg
ロー足りスイッチの半田付け、もう力が尽きた
RCASelector029.jpg
内部配線、色違いの白いケーブルは普通のOFC(銀線は途中でつかれ切れちゃったから)
3番目の入力のGNDは犠牲(?)になった
RCASelector030.jpg
内部配線
RCASelector031.jpg
できました
RCASelector032.jpg
前パネル、まあ音響機器らしいかも(?)
RCASelector033.jpg
機能テスト、ここで問題を発見

今手持ちのやや高級RCAケーブルは二つある
AT-EA1000 x 1
PA-02 x 1
RCAラインセレクターを接続すると、この二本を全部使わないといけない
つまりDAC -> PA-02 -> RCAセレクター -> AT-EA1000 -> AT-HA5000(AMP)になる
元々AT-EA1000一本で繋いだ環境に対して元々存在しないPA-2が加えて
つまりケーブルの味付けでRCAセレクターでの音質改変を判断できなくなる

幸い、AT-EA1000のケーブルも買っておいたので短いAT-EA1000ケーブルも自作しよう
RCASelector034.jpg
完成した、長さ25mmの短い自作AT-EA1000、プラグは秋月電子で購入
RCASelector035.jpg
最終設定、スッキリになった、接続ケーブルは純正AT-EA1000と自作AT-EA1000になる

じゃ一番大事な音質は?
何度もテストした結果、音質の劣化は感じられなかった!
もしくは劣化があまりにも小さいので判別できないという言い方が正しいでしょう
基本的に、成功と言えるでしょう!

でも注意しなければならないところはいくつがあって
出来上がった時点ではちょっとノイズが載るようになり
しかもアンプの音量を最大にすると何と別の入力の音も少し聞こえる
慌ててケースを開けてショットになってるかをチェックしても発見しなかった
ただしケーブルとケーブルが近づいてることがあって
空けスペースを調整すると
ノイズとクロストークがなくなった
めでたしめでだし

ケーブル同士が近づいてるだけでここまで影響が出ることで本当に驚いた
だからこそRCAケーブルはあんなに太くてシールドも二重になってるよね
アンテナ効果は本当に恐ろしかった

という訳で完成sた
ちょっと材料費を計算しましょうか
ケース 1280円
ロータリースイッチx1 350円
銀線2m 1500円
RCAジャックx8 1200円
銀はんだ利用分50cmで 200円(3mで1300円)
つまみ 80円
総額 4600円

うん....
現状の3IN1OUTセレクターだと、ネットで売ってる同じパーツを使った同じものは7980円
俺って本当にバカだな、ここまで苦労してやっと3000円の節約か
しかも向こうは絶対俺より上手で綺麗に作ってるし
仕方なく、勉強ということで
追加のロータリースイッチと銀線が着たらまだ2出力に改造しましょう
それでは


goot 温調はんだこて PX-201


goot 音響部品用はんだ SD-65


ラックスマン ラインセレクター (1台 シルバーグレー W:160xD:95xH:65mm 530g) AS-4III



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