東京の☆150は世界一 ミシュラン 60%以上日本料理
2007年11月20日 SANKEI WEB
■食文化に高評価
「東京の空には、世界で最も多くの星が輝いている」。19日、東京都内で開かれた「ミシュランガイド東京版」の発表記者会見。発行元の仏タイヤメーカー「ミシュラン」の同ガイド総責任者、ジャンリュック・ナレ氏は「質の高い食材、卓越した技法、何世代も受け継がれてきた伝統があり、それを若いシェフが発展させている」とたたえた。
日本料理がどう評価されるのか-が注目された格付けだが、星付き150店の60%以上が日本料理だった。中身も懐石、ふぐ料理、すし、そば懐石、鉄板焼きなど幅広い。
料理評論家の山本益博さんは、今回の選定について「星の獲得店が多いのに驚いた。少し評価が甘いと感じないわけではない」としながらも、「快適性がそれほど高くはない店、小人数の店が三つ星に選ばれるなど、日本の食文化をよく理解している。高い評価は喜ばしい」と述べた。特に三つ星にすし店が2つ選ばれたことについて「世界的なスシブームの中、これがお手本という姿を世界に示すことができる」と語った。
三つ星に選ばれた「すきやばし次郎」の小野二郎さんは「実感が伴いません。これから体にしみてくると思う」と話した。同店は、ビルの地下にあり、クレジットカードは使えず、外国語のメニューもない。それでも、素材と味、サービスへのこだわりが高く評価された。清潔さを保つために40年以上の間、外出する際には必ず手袋をはめているという小野さんは、「(仏料理の)ロブションさんに負けない仕事を続けていきたい」と決意を語った。
この日の夜に都内で開かれた出版記念パーティーには、フランスのポール・ボキューズ氏やジョエル・ロブション氏をはじめ、世界の三つ星シェフ約30人が集結。今回、東京で“仲間入り”を果たした8店のシェフを祝福した。
「小十」の奥田透オーナーは「4年前、銀座に出店した当初はお客さんに恵まれず、従業員の給料も払えないという窮地もあった。こんな日が来るとは…」と感無量の様子。33歳の若さで三つ星を獲得した「カンテサンス」の岸田周三シェフは「すごく光栄ですし、責任も重い。いろんなことに挑戦していきたい」と意気込みを語った。
ミシュランガイドはアジアでは初めて、世界では22カ国目の刊行。ミシュランによると、日本人2人を含む匿名調査員5人が昨年5月から、都内の飲食店1500店に繰り返し足を運び審査に当たったという。東京版ではレベルの高さに敬意を表し、星付きレストラン以外は掲載しないという異例の編集となった。
国際的なレストランガイドとしては、一般客の投票で評価を決める米国発祥の「ザガットサーベイ」が8年前に東京版を出している。(MSN産経ニュースに全150店リスト)
◇
◎選ばれた三つ星店
銀座
小十(日本料理)
鮨 水谷(すし)
ロオジエ(仏料理)
すきやばし次郎(すし)
日本橋人形町
濱田家(日本料理)
元麻布
かんだ(日本料理)
白金台
カンテサンス(仏料理)
三田
ジョエル・ロブション(仏料理)
・・・・・・・・・・
ミシュラン東京版発売 星150店「納得」「疑問」の声
2007年11月22日 ASAHI.COM
仏タイヤ大手ミシュランがレストランを星の数で格付けする「ミシュランガイド」東京版が22日、発売される。格付け結果の発表が19日にあり、星が並んだ店には問い合わせや予約が殺到している。一方、調査を受けたが評価されることに疑問を感じ、協力を断った店もある。料理評論家やグルメ本の発行元の間では、ミシュラン流の評価をめぐって賛否の議論がわき起こっている。
●「文化違う」掲載拒否、「東京、質高い」
日本料理「麻布かどわき」(東京都港区)の門脇俊哉さん(47)は、ミシュランによる評価を拒んだ。ミシュランの訪問を受けたのは今春。店舗や料理の撮影と取材を申し込まれた。撮影用の料理の代金は「店の負担」と言われたという。
門脇さんは、画一的な基準で評価されることに抵抗を感じた。「接待で使う店、好きな女性と行く店など様々な料理があるはず。あらゆる目的に応えられる料理なんてつまらない」と考え、協力を断った。「根本的に文化も違うのに日本料理が本当に分かるのか」との思いもあった。
だが、今は「複雑な思い」と明かす。「三つ星を獲得していれば、従業員には励みにもなる。『ミシュランに評価されなかった』と思われるのも悔しい」
日本ミシュランタイヤ広報部は「断った店があったかどうかは情報がない」としつつ、覆面調査の後に候補店を訪問し、撮影などへの協力を求めるのは事実だと言う。
今回、ミシュランでは計150店に星が付いた。一つ以上の星を得た店はニューヨークで39店、パリでも64店だ。
フランスの食文化に詳しいエッセイストの玉村豊男さん(62)は「東京の料理の質はパリよりも高い。パリの三つ星レストランを目指してきた日本が、それを追い抜きつつある。フランス人がそれに目を開いた。そう見るべきです」と話す。
対して、「こんなにたくさん星を出しちゃうのかと拍子抜けした」と疑問を示すのは放送作家の小山薫堂さん(43)だ。
三つ星の8店のうち6店に行った経験がある。その中のあるフランス料理店はなじみの店で、食材の選び方から調理の仕方まで細やかで本当に素晴らしいと思っている。「それでも星三つとは予想外だった。これは星のインフレだ」と話す。
辛口の料理評論で知られる友里征耶さんは「欧米人を接待するのにいい店を選んだという印象。味だけなら、選ばれた店以外にも上には上がある。星の数を信じて日本の読者がうまい店と思うのは間違いだ」と話す。
「東京最高のレストラン2008」(ぴあ)などに執筆している料理ライター森脇慶子さんは、ミシュランの店選びについて「おいしさなら、星がついた店よりもっとおいしい店がある。内装やサービスなども評価したと思わせるような店もあり、評価にばらつきが感じられる」と指摘する。
米国で79年創刊、日本でも99年以降出版されている「ザガットサーベイ」(チンタイ)は覆面調査員が選ぶミシュランと違い、一般の利用者が30点満点で料理、内装、サービスを評価する。
10月発売の最新版は4790人が参加。料理の最高位は江戸川区に本店がある焼き肉店だった。
「グルメの間でも焼き肉というジャンルは評価されている。なぜミシュランで外されたのか不思議だ」とチンタイの高田明彦ザガット事業室長。その上で「飲食業界が活性化するために、本の作り方は違うが共存共栄が理想的だ」と話した。
●載った店、予約殺到
「予想を上回るというか……すごい」。三つ星を獲得した銀座の「鮨・水谷」では発表の翌20日、午前9時から12時間にわたって1、2分に一度は電話が鳴り続けた。親方以下4人の店で、普段は調理も担当する林ノ内勇樹さん(26)は「おかみさんと交代で電話を取ったが、他の仕事がまったくできなかった」。
年内は予約で埋まり、1月の予約を希望する電話が相次ぐ。でも「常連さんが来られなくなる」ので、年明け以降の予約は受け付けないでいる。
同じく三つ星を得た日本橋人形町の料亭・濱田家は、もともと常連やなじみ客がほとんどだが、発表後は、ネットで探して電話してきたという予約客が急増した。
受話器を置いた途端に次の電話が鳴る。その対応に追われながら、おかみの三田啓子さんは「うれしさよりむしろ緊張している。よりよい料理を提供したい」と話した。
●記者が初体験 うまい…でも2人で5万円
三つ星を取った8店に記者と名乗らず電話してみた。どこも予約が取れなかったが、急に空席が出たフランス料理「ロオジエ」(東京都中央区)に夜、2人で出かけた。
玄関で女性スタッフが迎える。やや緊張しながら2階へ。案内されたのは12卓のこぢんまりした部屋。客は40~50代、スーツ姿が多い。外国語の会話も聞こえる。
最も安い「季節のディナー」(1万8000円)を恐るおそる注文した。
まずは、赤いほおずきのようなパプリカのゼリー。前菜はマダイのカルパッチョなど。魚料理はウナギ。メーンはよく見る薄切りと違って分厚く肉汁たっぷり長さ12センチのカモのローストだった。
初めての三つ星体験。値段はペリエとエビアン(計2200円)とワイン2杯ずつを含め、2人で計5万1744円。普段は社員食堂の定食や丼もの、コンビニ弁当など500~700円程度の食事が多い。一夜でその約35~50回分を食べた計算になる。夢見心地のひとときだったが、会社に戻る道すがら「でもこのおいしさは値段に釣り合っているのか」と話し合った。フランス料理の素人には答えは出なかった。
・・・・・・・・・・・・
ミシュランも一つの基準に過ぎない。
グルナビなどと一緒。
ブログや一般メディアに書かれる評価と同じ。
興味があれば、行って食べてみれば良い。
しかし重要なのは
>フランス料理の素人
なんて考えは、そもそもおかしいと言うこと。
食べるのに素人も玄人も無い。
だから本当の名店ってのは、どんなお客も蔑ろにしないワケ。
誰だって食べることのプロだから。
お客様は。
まぁ、ホントに無作法な人間ってもいて、それはお客様じゃないんですけどね。
それ以外は全て恐ろしいお客様だ。
誰でも絶対的な基準を持ってる。
美味いか不味いか。
これは厳しい二者択一だ。
だからお客様は神なのだ。
“その料理”を当に召し上がる方だから。
真の一期一会。
だから礼儀正しく、堂々と食べれば良い。
大丈夫。優れた料理人はお客様をナメたりしないから。
優れた支配人は始めてのお客様こそ恐れるものだから。
まず電話して、ルールを聞いて、予約がとれるなら予約して、ついでに予算のことも聞いて行けば良い。
何も恐くない。
ダメなら二度と行かなければ良いだけ。
ただ、値段が自分に不相応だと思ったら、やめた方が良い。
美味しいものを食べるのに、値段のことを考えるほど、つまらない事は無いから。
高いと思ったら、それに相応しい日に食べるという手もある。
愛する人の誕生日に行ってみるのも良いし。
合格祝いや就職祝い、出産祝いなども良い。
もちろん結婚記念日も。
まぁ、その場合、事前にランチなどで味を偵察するのが常道ですけどね。
そうそう、電話を受けた時の応対でも店のレベルは分かる。
「何名さまでございますか?」
「男性は何名でしょうか?」
「失礼ですが、その日はお客様の特別な日でございましょうか?」
「結婚記念日でございますか。何か特別なプレゼントなどをご用意されておられますか?是非とも当店からも特別なサービスをご用意させて戴きたいのですが、宜しいでしょうか?」
こんな会話ができる店なら、間違いは無い。
2007年11月20日 SANKEI WEB
■食文化に高評価
「東京の空には、世界で最も多くの星が輝いている」。19日、東京都内で開かれた「ミシュランガイド東京版」の発表記者会見。発行元の仏タイヤメーカー「ミシュラン」の同ガイド総責任者、ジャンリュック・ナレ氏は「質の高い食材、卓越した技法、何世代も受け継がれてきた伝統があり、それを若いシェフが発展させている」とたたえた。
日本料理がどう評価されるのか-が注目された格付けだが、星付き150店の60%以上が日本料理だった。中身も懐石、ふぐ料理、すし、そば懐石、鉄板焼きなど幅広い。
料理評論家の山本益博さんは、今回の選定について「星の獲得店が多いのに驚いた。少し評価が甘いと感じないわけではない」としながらも、「快適性がそれほど高くはない店、小人数の店が三つ星に選ばれるなど、日本の食文化をよく理解している。高い評価は喜ばしい」と述べた。特に三つ星にすし店が2つ選ばれたことについて「世界的なスシブームの中、これがお手本という姿を世界に示すことができる」と語った。
三つ星に選ばれた「すきやばし次郎」の小野二郎さんは「実感が伴いません。これから体にしみてくると思う」と話した。同店は、ビルの地下にあり、クレジットカードは使えず、外国語のメニューもない。それでも、素材と味、サービスへのこだわりが高く評価された。清潔さを保つために40年以上の間、外出する際には必ず手袋をはめているという小野さんは、「(仏料理の)ロブションさんに負けない仕事を続けていきたい」と決意を語った。
この日の夜に都内で開かれた出版記念パーティーには、フランスのポール・ボキューズ氏やジョエル・ロブション氏をはじめ、世界の三つ星シェフ約30人が集結。今回、東京で“仲間入り”を果たした8店のシェフを祝福した。
「小十」の奥田透オーナーは「4年前、銀座に出店した当初はお客さんに恵まれず、従業員の給料も払えないという窮地もあった。こんな日が来るとは…」と感無量の様子。33歳の若さで三つ星を獲得した「カンテサンス」の岸田周三シェフは「すごく光栄ですし、責任も重い。いろんなことに挑戦していきたい」と意気込みを語った。
ミシュランガイドはアジアでは初めて、世界では22カ国目の刊行。ミシュランによると、日本人2人を含む匿名調査員5人が昨年5月から、都内の飲食店1500店に繰り返し足を運び審査に当たったという。東京版ではレベルの高さに敬意を表し、星付きレストラン以外は掲載しないという異例の編集となった。
国際的なレストランガイドとしては、一般客の投票で評価を決める米国発祥の「ザガットサーベイ」が8年前に東京版を出している。(MSN産経ニュースに全150店リスト)
◇
◎選ばれた三つ星店
銀座
小十(日本料理)
鮨 水谷(すし)
ロオジエ(仏料理)
すきやばし次郎(すし)
日本橋人形町
濱田家(日本料理)
元麻布
かんだ(日本料理)
白金台
カンテサンス(仏料理)
三田
ジョエル・ロブション(仏料理)
・・・・・・・・・・
ミシュラン東京版発売 星150店「納得」「疑問」の声
2007年11月22日 ASAHI.COM
仏タイヤ大手ミシュランがレストランを星の数で格付けする「ミシュランガイド」東京版が22日、発売される。格付け結果の発表が19日にあり、星が並んだ店には問い合わせや予約が殺到している。一方、調査を受けたが評価されることに疑問を感じ、協力を断った店もある。料理評論家やグルメ本の発行元の間では、ミシュラン流の評価をめぐって賛否の議論がわき起こっている。
●「文化違う」掲載拒否、「東京、質高い」
日本料理「麻布かどわき」(東京都港区)の門脇俊哉さん(47)は、ミシュランによる評価を拒んだ。ミシュランの訪問を受けたのは今春。店舗や料理の撮影と取材を申し込まれた。撮影用の料理の代金は「店の負担」と言われたという。
門脇さんは、画一的な基準で評価されることに抵抗を感じた。「接待で使う店、好きな女性と行く店など様々な料理があるはず。あらゆる目的に応えられる料理なんてつまらない」と考え、協力を断った。「根本的に文化も違うのに日本料理が本当に分かるのか」との思いもあった。
だが、今は「複雑な思い」と明かす。「三つ星を獲得していれば、従業員には励みにもなる。『ミシュランに評価されなかった』と思われるのも悔しい」
日本ミシュランタイヤ広報部は「断った店があったかどうかは情報がない」としつつ、覆面調査の後に候補店を訪問し、撮影などへの協力を求めるのは事実だと言う。
今回、ミシュランでは計150店に星が付いた。一つ以上の星を得た店はニューヨークで39店、パリでも64店だ。
フランスの食文化に詳しいエッセイストの玉村豊男さん(62)は「東京の料理の質はパリよりも高い。パリの三つ星レストランを目指してきた日本が、それを追い抜きつつある。フランス人がそれに目を開いた。そう見るべきです」と話す。
対して、「こんなにたくさん星を出しちゃうのかと拍子抜けした」と疑問を示すのは放送作家の小山薫堂さん(43)だ。
三つ星の8店のうち6店に行った経験がある。その中のあるフランス料理店はなじみの店で、食材の選び方から調理の仕方まで細やかで本当に素晴らしいと思っている。「それでも星三つとは予想外だった。これは星のインフレだ」と話す。
辛口の料理評論で知られる友里征耶さんは「欧米人を接待するのにいい店を選んだという印象。味だけなら、選ばれた店以外にも上には上がある。星の数を信じて日本の読者がうまい店と思うのは間違いだ」と話す。
「東京最高のレストラン2008」(ぴあ)などに執筆している料理ライター森脇慶子さんは、ミシュランの店選びについて「おいしさなら、星がついた店よりもっとおいしい店がある。内装やサービスなども評価したと思わせるような店もあり、評価にばらつきが感じられる」と指摘する。
米国で79年創刊、日本でも99年以降出版されている「ザガットサーベイ」(チンタイ)は覆面調査員が選ぶミシュランと違い、一般の利用者が30点満点で料理、内装、サービスを評価する。
10月発売の最新版は4790人が参加。料理の最高位は江戸川区に本店がある焼き肉店だった。
「グルメの間でも焼き肉というジャンルは評価されている。なぜミシュランで外されたのか不思議だ」とチンタイの高田明彦ザガット事業室長。その上で「飲食業界が活性化するために、本の作り方は違うが共存共栄が理想的だ」と話した。
●載った店、予約殺到
「予想を上回るというか……すごい」。三つ星を獲得した銀座の「鮨・水谷」では発表の翌20日、午前9時から12時間にわたって1、2分に一度は電話が鳴り続けた。親方以下4人の店で、普段は調理も担当する林ノ内勇樹さん(26)は「おかみさんと交代で電話を取ったが、他の仕事がまったくできなかった」。
年内は予約で埋まり、1月の予約を希望する電話が相次ぐ。でも「常連さんが来られなくなる」ので、年明け以降の予約は受け付けないでいる。
同じく三つ星を得た日本橋人形町の料亭・濱田家は、もともと常連やなじみ客がほとんどだが、発表後は、ネットで探して電話してきたという予約客が急増した。
受話器を置いた途端に次の電話が鳴る。その対応に追われながら、おかみの三田啓子さんは「うれしさよりむしろ緊張している。よりよい料理を提供したい」と話した。
●記者が初体験 うまい…でも2人で5万円
三つ星を取った8店に記者と名乗らず電話してみた。どこも予約が取れなかったが、急に空席が出たフランス料理「ロオジエ」(東京都中央区)に夜、2人で出かけた。
玄関で女性スタッフが迎える。やや緊張しながら2階へ。案内されたのは12卓のこぢんまりした部屋。客は40~50代、スーツ姿が多い。外国語の会話も聞こえる。
最も安い「季節のディナー」(1万8000円)を恐るおそる注文した。
まずは、赤いほおずきのようなパプリカのゼリー。前菜はマダイのカルパッチョなど。魚料理はウナギ。メーンはよく見る薄切りと違って分厚く肉汁たっぷり長さ12センチのカモのローストだった。
初めての三つ星体験。値段はペリエとエビアン(計2200円)とワイン2杯ずつを含め、2人で計5万1744円。普段は社員食堂の定食や丼もの、コンビニ弁当など500~700円程度の食事が多い。一夜でその約35~50回分を食べた計算になる。夢見心地のひとときだったが、会社に戻る道すがら「でもこのおいしさは値段に釣り合っているのか」と話し合った。フランス料理の素人には答えは出なかった。
・・・・・・・・・・・・
ミシュランも一つの基準に過ぎない。
グルナビなどと一緒。
ブログや一般メディアに書かれる評価と同じ。
興味があれば、行って食べてみれば良い。
しかし重要なのは
>フランス料理の素人
なんて考えは、そもそもおかしいと言うこと。
食べるのに素人も玄人も無い。
だから本当の名店ってのは、どんなお客も蔑ろにしないワケ。
誰だって食べることのプロだから。
お客様は。
まぁ、ホントに無作法な人間ってもいて、それはお客様じゃないんですけどね。
それ以外は全て恐ろしいお客様だ。
誰でも絶対的な基準を持ってる。
美味いか不味いか。
これは厳しい二者択一だ。
だからお客様は神なのだ。
“その料理”を当に召し上がる方だから。
真の一期一会。
だから礼儀正しく、堂々と食べれば良い。
大丈夫。優れた料理人はお客様をナメたりしないから。
優れた支配人は始めてのお客様こそ恐れるものだから。
まず電話して、ルールを聞いて、予約がとれるなら予約して、ついでに予算のことも聞いて行けば良い。
何も恐くない。
ダメなら二度と行かなければ良いだけ。
ただ、値段が自分に不相応だと思ったら、やめた方が良い。
美味しいものを食べるのに、値段のことを考えるほど、つまらない事は無いから。
高いと思ったら、それに相応しい日に食べるという手もある。
愛する人の誕生日に行ってみるのも良いし。
合格祝いや就職祝い、出産祝いなども良い。
もちろん結婚記念日も。
まぁ、その場合、事前にランチなどで味を偵察するのが常道ですけどね。
そうそう、電話を受けた時の応対でも店のレベルは分かる。
「何名さまでございますか?」
「男性は何名でしょうか?」
「失礼ですが、その日はお客様の特別な日でございましょうか?」
「結婚記念日でございますか。何か特別なプレゼントなどをご用意されておられますか?是非とも当店からも特別なサービスをご用意させて戴きたいのですが、宜しいでしょうか?」
こんな会話ができる店なら、間違いは無い。