大学の恩師の訃報が届きました
ここ数年 癌で闘病されていたとのこと
そんなことも全く知らないほど ご無沙汰しておりました
大学では 本当に怖くて有名な先生で 怒鳴られてレッスンで泣いてしまう子や
譜面を破かれたり 物を投げられたりする子がいたり 勿論 私もよく怒られたものでしたが
それほど熱心に 真剣に生徒と向き合って下さる先生でした
いつも外国から取り寄せたタバコの葉を入れたパイプをくゆらせていて
先生が通った後の廊下に漂う 甘い香りを嗅ぐだけで
みんなが怖がって逃げていくほど
レッスンの後は 先回りしてドアを開けながら駐車場までお送りし
愛車のベンツが見えなくなるまで頭を下げてお見送りしたものでした
人生の中であれほど一生懸命に 夢中に取り組んだ4年間はないでしょう
入学の折、お菓子を持って母とご挨拶に伺ったとき
「 サークルや合コン、彼を作ったり色々したいと思うけれど、4年間 とにかく僕に言われたことだけをやって 」
と言われて とんでもないところに入ってしまったと思いました
年度の始まりには「風邪はひかないでよ」と釘を刺されて 凍りついたものです
その言葉通りにがむしゃらに走り抜けて 今の私がいるのです
一つの時代が終わったような そんな気持ちで 寂しくなりました
先生に恥じないよう 真摯に演奏と向き合ってゆきたいと思います