アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ワビスケツバキ - 愛知県緑化センター

2020-03-02 17:31:45 | みんなの花図鑑

「侘助」と書いて 「ワビスケ」と読む名前のツバキがあります。
いいえ、それどころか
 「椿」と「侘助(わびすけ)」の違いは?
というタイトルの記事があるくらい、椿(ツバキ) と 侘助(ワビスケ)は別物みたいに扱われています。




学名で言うと ツバキの学名は 前回調べたように Camellia japonica でした。
で、 ワビスケ の学名は別にあって Camellia wabisuke といい、独立した存在なのです。
ワビスケ Camellia wabisuke は、わが国原産の「ツバキ(C. japonica)」と中国原産の「チャノキ(C. sinensis)」との交雑種だと考えられています。



侘助(ワビスケ)について少し調べるうちに、 以下のような定義に出会いました。
 A. 「有楽椿」(太郎冠者)の子孫であること。
 B. 「葯」という、おしべの先端の花粉を作る器官が退化して花粉を作らないこと。

上記の侘助(ワビスケ)の定義のうち
 A. 「有楽椿」(太郎冠者)の子孫であること。
は、 読み替えると
 A. ウラクツバキ、あるいはウラクツバキ(‘タロウカジャ’=‘ウラク’)から生まれたものであること
となります。
そうすると、「有楽椿(ウラクツバキ)」とは何ぞや? ということになります (´v_v`)
仕方がないので、少しだけ調べると、
 ウラクツバキ(有楽椿) は 普通はタロウカジャ(太郎冠者)又はウラク(有楽)と呼ばれます。
とか、
 太郎冠者(たろうかじゃ)は侘助椿の親で、織田信長の弟、有楽斎長益が茶の湯で好んで用いた事から「有楽椿」とも呼ばれています。現在でも茶花や生け花として大変人気の椿です。
というようなトートロジーの世界に紛れ込んでしまいます (´・ω・)




で、愛知県緑化センターにあった写真の花は '数寄屋' という品種のワビスケということです、樹名板に書いてありました。

数寄屋(すきや)は小さいながら鋸歯が特徴的な濃い緑の葉を持つ木に淡桃色の花をつけます。 1880年頃には栽培されていた記録が残る比較的古い、江戸椿の代表的な品種です。(写真の椿園「数寄屋の特徴」)




コメントを投稿