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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

キキョウ ‐ おしべと花粉

2020-07-23 23:18:49 | みんなの花図鑑
見出し画像のような めしべの柱頭が開いた状態は 雌しべ活動期で、花の生涯の中では後半のことです。今回は 前半の 雄しべ活動期を少し詳しく見てみます。


これがキキョウの花が開花した最初の状態です。 白い袋状のおしべ(の葯)が めしべをぎゅっと囲んでいます。
花粉を入れた葯は内側に裂けめがあり、そこから花粉を出します。




おしべが少しバラけてきて 隙間から花粉粒が見えます。 なぜバラけてきたかというと、めしべが成長して上へ伸びてきたからです。 おしべは 雌しべを上から抑え込むように囲んでいましたから、雌しべが伸びてくれば 抑え込む力はありません。




めしべの先端が顔をのぞかせました。 雌しべの先端は 将来開いて柱頭として機能するのですが、今はまだ 柱頭としての働きはしていません。 めしべのこん棒の表面には毛が生えていて、こん棒が上に伸びるとき 雄しべの葯と擦れて 花粉をこん棒に付着させます。




先ほどと同じステージですが、おしべの根元に 蜜があります。 虫たちはこの蜜を求めてやってきます。 でも、 花粉はおしべに覆われて 内側のめしべのこん棒についているので、この時期 仮に虫がやってきても、授粉活動には関与できません。




めしべのこん棒がだいぶ大きくなってきました。




そして、とうとう おしべは めしべのこん棒から離れます。 おしべのすることはここまでです。 でも、通常の花の おしべ のように 花粉が虫たちにより運ばれるのは おしべの仕事が終わってからなのです。おしべ活動期は終わったけれど、花粉運搬はこれからが勝負なのです。




花粉は めしべのこん棒に擦り付けられています。 おしべの根元にある蜜を求めて虫が来ると めしべのこん棒の花粉が虫の体や足につきます。 この時期が 花粉運搬期です。




花粉運搬期のつぎは いよいよ めしべのこん棒(花粉棒)の先が割れ、柱頭が顔を出します。 めしべ期のはじまりです。




雌しべの柱頭は5裂し、虫が花粉を運んでくるのを待ちます。




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