オータムリーフの部屋

残された人生で一番若い今日を生きる。

困窮する片親世帯

2013-12-11 | 社会

久しぶりにあさイチを視聴した。
今、女性の貧困が深刻化している。中でも厳しい状況なのが、シングルマザー。母子世帯の数は20年前と比べて倍近くの123万世帯に増え、貧困率(年間の可処分所得が112万円未満の世帯)は48パーセントに上る。シングルマザーのおよそ2人に1人が月10万円以下の収入での暮らしを強いられている。シングルマザーに対する公的なセーフティネットもぜい弱とされ、育児をしながら、ダブルワーク、トリプルワークでなんとか生活を支えている母親も数多くいる。番組では、貧困状態に陥り、追い詰められる母親たちの厳しい実態や、シングルマザーを支援しようと立ち上がった団体の取り組みを取材していた。

月収10万円ほどで3人の小さな子どもを育てるシングルマザーのAさん。家賃や食費のほか、生活費のために借りたローンの返済で毎月3万円の支出などがあり、ぎりぎりの生活を強いられている。Aさんは、離婚後これだけ苦しい生活となっても「心配を掛けたくない」という理由で親や兄弟にさえ相談していない。
「大阪子どもの貧困アクショングループ」の代表・徳丸ゆき子さんは、シングルマザーの貧困が深刻化する中、半年前に支援活動を始めた。きっかけとなったのは、大阪市のマンションで生活に困窮した母(28)と息子(3)が死亡し、発見まで死後3か月を要した事件だった。徳丸さんは同じシングルマザーの目線で、貧困の当事者への調査する中で、職場や行政、実家の親など、周囲の人たちの言葉や態度に何度も傷つき、本当に助けを求めたいときに「助けて」と言えなくなってしまうシングルマザーが数多くいると危機感を募らせている。

生活が困窮し誰にも助けを求めることが出来なくなった母親たちの中には性風俗の仕事を選ぶ人も少なくない。半年前から性風俗店で働くシングルマザーのAさん。Aさんは電気代をたびたび止められるほどの貧困生活を続ける中で、精神的に追い込まれ、うつ状態となり長時間の仕事も困難に。そうした中、やむをえず選んだのが風俗店の仕事だった。番組では、性風俗で働く女性の支援を行う団体・SWASHの協力を得て、性風俗で働く女性たち、およそ200人にアンケートを行った。その内、子どもを育てる母親は45人いることが判明。母親たちが生活のためにやむをえずこの世界で働き、さまざまな苦悩を抱えながら、仕事が辞められないという実態が浮かび上がってきた。

この番組を見ていて驚いたのは番組に寄せられたコメントだった。もちろん、行政のセーフティネットが受けられない状況を何とか打開する手立てがないものか?真剣にこの問題を受け止める視聴者が多かったのだろうが、自己責任、自業自得などそう言う立場に陥ったシングルマザーの考えの足りなさを非難するコメントも意外に多く、困窮したシングルマザーが親や親せきに相談できない状況が良く理解できた。仕事がなかったり、離婚したり、派遣社員にしかなれなかったり、これらのことはすべて自己責任、本人の努力が足りないせいだと言うのだ。酷薄な新自由主義の考え方は政治家や学者、ブラック企業の経営者の専売特許ではなく、広く庶民にまで浸透していると言うことである。そんな環境、母子家庭で育った子供が親を非難するコメントも寄せられていた。
 
フランスで少子化が解消したのはシングルマザーへの手厚い保護である。フランスの出産や育児に対する公的な助成は、日本よりはるかに多く、キメ細やかである。
     1.妊娠・出産手当(妊娠5ヶ月~出産)・・・すべての費用について保険適用
     2.乳幼児手当(妊娠5ヶ月~生後3歳)・・・子ども1人あたり約23,000円/月
     3.家族手当・・・子ども2人で約16,000円/月。1人増す毎に約20600円/月追加
       (20歳までの支給)
     4.家族手当補足・・・子ども3人以上の1人ごとに約15,000円/月
     5.新学期手当(小学生~)・・・約29,000円/年
     6.産後の母親の運動療法・・・保険全額支給
     7.双子もしくは子ども3人以上など・・・家事代行格安派遣(1~2度/週)
     8.片親手当・・・子ども1人で約76,000円、1人増えるごとに約19,000円/月
     9.不妊治療・・・人口生殖にも保険適用(4回まで)
 
世界一幸せな国コスタリカの放送も思い出される。離婚やシングルマザーは当たり前。貧困にあえぐどころか幸せを謳歌していたことに驚愕したものだ。
 
 
日本のおもてなし?思いやりの心は外国人だけに表現される礼儀でしかないようである。生活保護の窓口で「あなたは若い。100回面接を受けて断られてから来い。」と言われるシングルマザーが助けを求められる場所はどこにもない。
 
 
フランス人写真家Jordy Meow氏が撮影した日本の廃墟。繁栄した日本の都市部に過疎地に・・・・日本の廃墟が広がる。それは日本人の心の荒廃が作り出した光景なのかもしれない。つい数か月前まで小家族が団欒していたかのような部屋。陽だまりの中、主を失った家具だけが引き継ぐ人もなく、片づける人もなく、まだぬくもりが感じられる趣でひっそりと並ぶ。
廃墟とは通常「荒れ果てた場所」を指す。最近では、都会を探索して廃墟をたずね歩く都市探険を行なう人が増えているそうだ。不気味でありながら、なぜか熟れて朽ちる滅びの美しさを感じさせる写真である。
 

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