leka

この世界のどこかに居る似た者達へ。

9日間女王様だった女の子 7。

2014-03-27 21:12:49 | お芝居・テレビ
ついに、ジェーンは女王の座につきました。

病床で弱っていたとしても、同い年のエドワードが自分を次期女王にするなどと言う遺言を遺すわけがないと思いながら・・・。



ここからメアリー1世の反攻が始まります。




メアリー1世=田畑智子さん。

いつどんな時も惑わされず行くべき道が見えているかの様に、田畑さん演ずるメアリー1世は冷静沈着な人でした。

気位が高くて、近づきがたい感じがする女性。

時折刺々しい言動が目立つのは、その生い立ちが影響しているのかも・・・。


彼女はエドワードが生きている頃から、ジョンやそばに居るトマスの事をいぶかしんでいました。

ジェーンが即位したと知り、陰謀があったと気付きます。

そして、自分が即位すると宣言したのです。

誰がどう考えても、ジェーンが即位するなど不自然な事です。農民達も、メアリー女王を強く支持します。


そして軍が動き始めました。

一気に世は騒乱の渦と化して行きます。


ジョン・ダドリーとジェーンの父も戦いに出て行きます。

おろおろとし「私はどうしたら・・・」と言うジェーンに、父もジョンもここに居て動かぬようにと答えます。

ここでもまたジョンとギルフォードの親子喧嘩が始まります。

「出兵の準備をしろ!」と言うジョンに、ギルフォードはここに残ると言い張ります。

ジェーンを独りでここに置いてゆくわけには行かない、女王を守る事が自分の仕事だ、と今回ばかりはガンとして譲りません。


「腑抜けめ・・・好きにしろ。」

と息子に言い残してジョンは去ってゆきます。

しかし、これは間違いです。ギルフォードは腑抜けなどではありません。

この瞬間にギルフォード・ダドリーは本当の”男”になり、”夫”になり得たのです。



ギルフォード・ダドリー= 成河さん。

ギルフォードもまた、大人達の欲の犠牲になった若者です。最初こそ仲良くは出来ませんでしたが、時が経つにつれ同じ境遇のジェーンをどうにかして守りたいと強く思う様になります。


不安げに玉座へ腰掛けるジェーンの肩を抱き、もう片方の手でしっかりと彼女の手を握る姿がいつも暗がりの中に見えました。

愛おしそうに体を寄せるギルフォードに、少し頭を預けるようにして居るジェーンも見えました。いつの間にか、二人はちゃんとカップルになれていたんですね。


でも、メアリーが即位すると宣言した以上、ジェーンは一度は王位を狙った者とされて罪に問われるのです。



ここでロジャーが動きます。

メアリーの下へ走りました。



ロジャーは、ジェーンが罪に問われるのはおかしい、どうか助けて欲しいとメアリーに懇願します。

しかしメアリーの軍とジェーンの軍がぶつかり、農民達も戦いに加わってゆきます。

事態は大きくなるばかりです。反乱が起き、その中にジェーンの父・ヘンリーが居た事が報告されます。

メアリーは事の収拾をつけるためにもジェーンの首が必要だ、とロジャーに言い放ちます。


それでもロジャーは引き下がりません。

「あなたの神にお願いしたい。どうか、お慈悲を。」と頭を下げます。


”あなたの神”と言う言葉に反応したメアリー。

ジェーンが助かるひとつの条件をロジャーに告げるのでした。





つづく。








































































セクシーなふたり。

2014-03-26 15:49:05 | お芝居・テレビ
ジェーン・グレイの運命が苛烈を極める前に少し休憩を。






名前に”セクシーミントソース”とついたデザートを食べた岡村さん。どんな味か聞かれて「Sweet」と。





同じ物をオーダーしたいいんちょも勿論聞かれ、「Sweet」。


バラエティ的な流れを完全にマスターしているいいんちょが頼もしいですね。






岡村さん始動。





てってれてれてれれ~~~~~~エロめな音楽。








しゅぽんっっ




いいんちょ(高速で。): 食べろやっ!!!!















楽しそう。てか、




嬉しそう。きれいに決まりましたからね


素晴らしいコンビネーションでございました。




しかし、この回は自腹でした。残念。

いいんちょの”パーマジンクス再び”との声がゴチファミリーよりあがります。

だがしかしっ




ん?何、いいんちょ・・・・?




そうして下さい!ええ、そうですよ、やめてはいけませんっ!!!!!




わかったっつーのっ


俳優・上川隆也。日々、己の殻を破り続ける男。



でも、アタシは翌日9days観に行く事になってまして、



昨日の今日でこれは流石にやばいと思いましたよ。











これも。 in赤坂。








はい、休憩終わり。
































































































































9日間女王様だった女の子 6。

2014-03-25 17:00:52 | お芝居・テレビ
ヘンリー八世の最後の妻、キャサリン・パー。

メアリー、エリザベス、エドワードと言う夫の先妻達の子に教育を受けさせます。エリザベス、メアリーについては持っていなかった王位継承権をヘンリー八世に助言し認めさせたとか。

彼女はトマス・シーモアの子を妊娠しますが、トマスはエリザベスにちょっかいを出し・・・。

不幸な事に出産後キャサリンは亡くなってしまいました。

彼女は気にかかる沢山の事をこの世に残して逝ってしまったんだと思います。

産んだわが子の事、夫とエリザベスの事、可愛がっていたジェーンの事、エドワードの事。

この世の者ではなくなる寸前や、なってからも、彼女は実体を持って現れます。


キャサリンが破水しお産に苦しんでる時、一心に彼女の命の無事を祈るジェーンのそばにゆっくりふわふわと歩いて来ます。

また、エドワードが体が弱く長くは生きられない自分に、英国をどうして動かしてゆく事が出来ようかと悩み苦しんでいる時にも、ふわふわと現れます。

二人共キャサリンを見、その存在を認めます。

そして残念ながら二人共この世を去る運命なのですが、これは別にキャサリンが二人を迎えに来たわけではないとアタシは思いました。

ただただ、目をかけていたまだ10代の二人を残してそばを離れてしまった事が気がかりで現れたんじゃないかと・・・。


黙ったまま、それでいて何かを言いたげに自分の前に現れたキャサリンに、「僕を迎えに来たの?」と病床のエドワードは話しかけます。

ジェーンの時もエドワードの時も、キャサリンが姿を現す時は同じテーマをブラックバードが奏でます。儚くも優しいそのテーマの中で二人の視線は交差しますが、キャサリン・パーの霊魂はどこまでも心配そうな瞳を投げかけたまま去ってゆきます。

心身共に衰弱していたエドワード。英国の明日の事も自分の明日の事も、どうしたらいいのか見失いがちに・・・。

日本の昔もそうであった様に、長となる者が幼い子供であったりあまりにも拙いと、そばに仕える家臣的な役割の存在の人々がそのままブレインになってしまう事があります。

エドワードにしてもそれは同じ事でした。どうする事が最善なのか16歳の少年なりに頑張って考えますが、最後には大人にまかせてしまいます。「君の言う通りにするよ・・・。」と力なく言葉を吐いた相手は、事もあろうにジョン・ダドリーでした。

そして、エドワード6世はこの世を去ります。


エドワードがこの世を去ってから、物語はうなりをあげながら激しく波打つ嵐の海さながらの展開を見せてゆきます。


エドワード王の遺言書には次の王をジェーンにする、と書かれていたとしてジョンと共にジェーンの両親が若い夫婦の元に訪れます。

またしても大人達の横暴な言動を呑み込めずに居るジェーン。





自分で望んではいないと主張しても、ジェーン本人、もしくは夫婦の親達が罪に問われ処刑されるとジョンに一蹴されます。

16歳の少女は己の四方を屈強な鉄格子に囲まれ、王座へと無理やり上らされてしまったのです。


ジョンは後々ギルフォードに王位が移る事を見込んでジェーンを陥れたのでした。

しかし、ギルフォードは王位になど付きたいとは思っていません。「自分には不必要だ。」とつい口をすべらせ、ジョンの逆鱗に触れます。

父は息子の胸倉を掴み、思い切り壁に叩きつけます。「お前は甘い!何が不必要だ!!」と。

成河さんがもの凄い音を立ててセットの壁にぶつけられます。この時の田山さんは本当に怖かった・・・。

父は「こっちはお前のために大変な思いしてやってやってんのに、不必要なんてよく言えたもんだ!!」と言い、息子は「あなたはいつも与えるだけだ!僕の本当に欲しい物なんて知らないくせに!!」言い返します。

思い通りにならない子供達を前に、ジョンは苛立ち、ジェーンにさえも強い口調で物を言います。

思わず、

「女王に対して、その口のきき方はなりません!」

と、ジェーンが叫びました。





息子を床に蹴倒してもなお怒りの収まらないジョンに、


「女王の前で暴力はなりません!」とも。


とうとうジェーンは自分が女王になる事を受け入れます。こうするしかもう、自分に道は残されていないと16歳の少女なりに結論したのです。







悩み苦しんだ上に、ジェーン・グレイは王位に付いたのでした。









つづく。





























































9日間女王様だった女の子 5。

2014-03-22 02:58:06 | お芝居・テレビ
結婚式の後ぼんやりと虚空を見つめ、何かを諦めた様にジェーンが舞台奥へ消えて一幕は終了しました。


このお芝居の舞台セットはコの字型をしていて、コの字の開いた方が客席を向いていました。

それが前後して(客席から遠のいたり近づいたりして)、場面転換の一部を担うんです。


場面転換には他に、農民達が投石する時に上から降りて来る壁や、やはり上から降りて来る王家の紋章の入った大きなタペストリー・・・と言うか幕。結婚式の時には美しい十字架も降りて来ました。

舞台の仕掛けは観ていて凄く面白いですね。そして全てに説得力があって美しい。


二幕の最初はコの字型セットの上手側端にベッドが置かれ、上から柔らかそうな生地のカーテンが下りて来ました。

片側だけ。

それはベッドと反対側の下手側に落ち着きました。上品な深い紺色で、確か金色のタッセルが結ばれていたんじゃないかと思います。

新婚夫婦の寝室。

ブラックバードの奏でるメロディが、移ろいゆく時間の中をゆらゆらと漂います。

空想の中を泳ぐ様なメロディと共に舞台のあちらこちらからメアリーやエドワード他、登場人物達が出て来てはゆっくり歩きまわり、またどこかへと消えて行きました。

それは多分、各々が各々の人生を生きている象徴なのかなと思いました。ひとりひとり同じ時間の中で、ひとりひとり違う自分の人生を生きている。


ジェーンがベッドに横になります。扉からギルフォードが入って来て、ジェーンの横へと。

彼女の頬へ手を伸ばし、体ごと顔を寄せた瞬間、ジェーンが悲鳴をあげてギルフォードを突き飛ばしてしまいます。

「やっぱり無理です!!」と言って、ベッドから飛び降り離れるジェーン。


そりゃぁそうだよねぇ・・・・。
16歳だもの。そんな、よく知りもしない男とさぁ・・・可哀想だよ。


なんて、思っているとベッドの上には怒り心頭のギルフォードが・・・。
あ、こっちの人の方が可哀想か・・・などと。


ベッドから降りて”俺ら政略結婚したんだろー、立場的にはおんなじなんだよ、自分だけ頑張ってますみたいな態度取ってんじゃねぇーよ!”

みたいな事でギルフォードがキレて、”ごめんなさい・・・”とジェーンが言っても”謝るな!悪いなんて思ってもいないくせに!!”と、プンスコ

「どぉーすんだよ!!!」とジェーンに詰め寄る。

「どぉーしちゃうのっ!?」と客席で思うアタシ。

ジェーンは「はぁっ。」と大きく息を吐くと一度ベッドの上に座り、ギルフォードの顔を睨むみたいに見てから横になります。

そしてひとこと。

「どうぞ。」



ここで客席から笑いが起きてましたね。

まるで棒切れみたいに横になってるジェーンのそばへ一度は行こうとしたギルフォードですが、「こっちだってお前様じゃ無理だっ!!」と部屋を出てゆこうとします。

女を買いに行って来るっ、と拗ねるギルフォードに「そんなっ・・・」とジェーンが言った瞬間、何者かが部屋に石を投げ込みました。


もうすぐそこまで農民達の武装集団は来ている。

どうしてそんな事になってしまうのか、自分達の親がどんな風に関わっているのか、また、農民達との戦いとはどんな物なのか。

若い夫婦は先ほどの喧嘩も忘れ、ベッドの上に座って話します。

二人の寝室の前では、兵士達と農民達の戦いが起きています。彼らはスローモーションでゆっくりと動き、白い寝巻きを着た二人はその戦場の中を迷子の様に歩きながら話します。それは二人の想像している戦場なのでしょうね。

ベッドの上に並んで座っている時も、戦場の中を歩いている時も、何だか二人が本当に幼く見えました。

ジェーンと結婚した時、ギルフォードも若くまだ10代であったとどこかで読んだ気がします。


若くして結婚した二人。待ち受ける運命を背負うには若すぎました。

農民達の反乱の事をロジャーが教えてくれた、と言うジェーンに「もう、その先生には会わない方がいいよ。」とギルフォードが言います。

待ち受ける物がどんな運命なのか正確には掴めていなくても、いい事があるわけもない、とギルフォードは思っているようでした。

それはあの父、ジョン・ダドリーが絶対に何かを目論んでいると分っていたからかもしれません。




ジョン・ダドリー役・田山涼成さん。

普段、テレビで拝見する様なイメージとは違う悪役の田山さんでした。ジョン・ダドリーはとても冷酷で怖い人物でしたが、戦う場面で西洋の鎧が凄く似合っていてかっこよかったです

殺陣もかっこ良かったです


開幕前にテレビ出演した際稽古場の事を聞かれて、「お芝居はチームでやる物。この舞台の役者達の雰囲気がとってもいいんです。」と言う様な事を仰ってた田山さん。

息子のギルフォードとの関係は大分屈折してしまっていますが、息子が嫌う程ジョンはギルフォードの愛し方を間違えてはいないと思えて、”田山さん演ずる”とはそう言う事なのかもなぁと勝手に思っていました。




つづく。


















































































9日間女王様だった女の子 4。

2014-03-21 23:34:59 | お芝居・テレビ
キャサリンの死と言う悲しい出来事に衝撃を受けながらも、ジェーンはロジャーの存在に支えられて安定を取り戻しつつありました。

しかしながら、彼女にはまたもや衝撃的な出来事が起きてしまうのです。

ジェーンの両親、そして田山涼成さん演ずる”ジョン・ダドリー”がやって来て、息子の”ギルフォード・ダドリー”とジェーンとの結婚が決まったと言うのです。


大人達の身勝手な言動とショッキングな出来事を受け止めきれずに、ジェーンは困惑します。

今日は息子を連れて来る事が出来ずにすまない。我ながら息子はよく出来た男だ、などと言ってジョンは帰ってゆきました。

ジェーンは正直な女の子なので、帰ってゆくジョンに対しても少しも笑顔を見せられません。

そんなジェーンに父のヘンリーが激怒します。

ジェーンをもの凄い勢いで壁にたたき付け、「なんだ、今の態度はっ!」と怒鳴り散らします。

ジョン・ダドリーと言う男は一癖もふた癖もある男で、その真意を表にはなかなか出さない人でした。

どこか不気味なジョンをジェーンは怖いと訴え、ダドリー家に嫁ぐのは嫌だと言います。

声を震わせながらも、はっきりと自分の意思を口にするジェーン。

居合わせたロジャーは何も出来ず、見ているほかに術がありません。


ヘンリーは激高し、あろうことか自分の娘の首を掴みます。

そしてそのまま床に倒し、”ダンスを習わせたり、勉強をさせているのはお前のためなんかじゃない、いい家に嫁ぐためだ”と言う様な事をわめきます。それが出来ないなら出て行け、出て行ってこじきにでもなれ、と吐き捨てます。

それはそれは凄まじい迫力です。

華奢なジェーンは冷たく硬い床に叩きつけられ、涙を流し泣いてしまいます。

母のフランシーズがすぐに傍らへと行き、ヘンリーに謝りダドリー家にはきちんと挨拶に向かうと言いなさい、と彼女に言います。

ジェーンは泣く泣く背をむけたままの父に謝り、母の言った通りに約束するのでした。


父と母が出て行った部屋で、ジェーンは肩を震わせて泣き続けます。

そんなジェーンをロジャーは思わず抱きしめました。




そして、「すまない・・・。」と。

「何がですか?」と言うジェーンに、自分が何もしてあげられない事を謝るロジャー。





ジェーンはその腕を掴んで、ロジャーがこうしてそばに居てくれたから震えが止まった、と言います。





自分がとっさに取った行動に対して、事のほか冷静に、しかも嫌がるどころか素直に受け入れたジェーンを少し驚いた瞳でロジャーは見ていました。

そして恐る恐るもう片方の手で、彼女の肩に触れるのです。


ここではもはや貴族と家庭教師と言う境界線はありません。

ただ、心底思う事は二人がもっと違う形で出逢っていたならなぁ・・・と言う事です。

もうちょっと時間も立場も違っていたなら・・・。



ロジャーに支えられて立ち上がったジェーンは、結婚式へと向かいました。



ギルフォード・ダドリー(成河さん)と16歳の花嫁ジェーン。





どこまでもうつろな瞳の花嫁。

結婚式でお嫁さんにこんな顔をされては、旦那さんになる人は可哀想・・・。


でも、ギルフォードはジェーンよりも理解していたんです。

大人達の思惑を。





つづく。