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この世界のどこかに居る似た者達へ。

もっと、もっと!!DRUM TAO!!!2

2016-01-27 13:24:46 | showman
今回の公演でアタシが1番嬉しかったのは、ずっとずっと観たかったTAOメンバーによるガチバトルが観られたこと。


物語は、平和な村の男達と村を追われた男達の間で戦いが勃発します。

初めの戦いでは青年に太鼓を教えた村の男が他の男達を率いて、争いを吹きかけて来る男達と真っ向からぶつかります。

でも、殴りあう訳ではありません。
戦いに参加する男達は皆、胸のあたりで太鼓を横に紐でくくりつけています。左右にある打面を叩きながら、戦いを表現します。

真っ黒な衣装に身を包んだ追われた村の男達は言うならばヒール(悪役)で、空手や柔道の道着の様なデザインの青い衣装を着た平和な村の男達はベビーフェイス(悪役に対するイイ役。つまりヒーロー側)です。

ヒールを率いるのはTAOでは”ぐっさん”の愛称で親しまれている山口泰明さん。対してベビーフェイスを率いるのは江良拓哉さん。

江良さんは両親を失った少年に太鼓を教え、彼の成長の中でもとても重要な人物を演じました。
”愛情”があり、皆をまとめ率いて戦う”凄くかっこのいい男”でした。
顔の表情、動き。江良さんの表現力の高さには、本当に驚きました。


山口さんは、普段の”ぐっさん”のイメージとは180度違う男を演じました。
まず、笑いません。絶対に!!

このヒール軍団は、山本啓介さん、林祐矢さん、山口竜昇さん、水藤リーダー等のメンバーで構成されていましたが、皆一様に怖かった。うなり声の様な低い声をあげて、相手をにらみ付けながら戦いを挑んで来ます。
でも、何故か”悪役”の方がセクシー
なんでかなぁ~。
ぐっさんの存在感は凄かったです。胸を打つかっこ良さでした。


両軍のボスがぶつかり合おうとした時、そこへ割って入ったのは江良さん演ずる男に太鼓を教わった青年です。
結果、江良さん演ずる男はヒール軍団のボスに一発喰らって膝をついてしまいます。
「邪魔するな!」と言う様に、悔しげな視線を青年に向ける江良さん。

この青年を演じたのは麓大輔さんと言うメンバー。
いやぁ。いやいやいやいや。彼は「役者さん!!??」と思う程、素敵でした。
TAOは沢山メンバーが居るので、アタシは正直よく覚えていないメンバーも居るんです。
ライブでそんなにすぐ前へ出てこれるシステムではないだろうし、申し訳ないのですが麓さんの事もよく覚えていませんでした。

両親を失った青年の子供時代は人形が演じますが、江良さんの隣りで太鼓の練習をするうち、パッと麓さんへとシフトするのです。
人形を操作していた黒子の一人が麓さんであったのか、太鼓の後ろで待機していたのか、そのどちらかだと思いますが、麓さんは突然太鼓の後ろから登場します。

爽やかで美しい青年に成長した少年の出現に、びっくりでした(笑)。

俳優顔負けの表情を見せる麓さん。
両親を失った哀しみをうちに秘めながらも、太鼓を教えてくれた江良さん演ずる男を父親の背中を見る様に成長します。
戦いが激化する中、自分も参加しようと”槍”を手にします。武器として表現されたのは片手で持ち体全体で回す演技でおなじみの銀色の棒です。
しかし、江良さんや槍を手にした男達は彼に稽古をさせません。自分達に近寄らせません。
「何故なんだ?」と苦しみ悩む青年の元へ、彼を小さな頃から見守って来た西亜里沙さん演ずる”天女”が現れます。
複雑な表情を浮かべて、天女は青年の手から槍を奪いました。そして、その代わりに太鼓のバチを。

若さ故に暴走してしまいがちになり、その”未熟さ”を知る周囲の大人達が皆、彼を戦いから遠ざけようとします。
その真ん中に居る青年は、苦しみながらも正しい事は一体どう言う事なのかを探しながら必死に生きます。
麓さんのまっすぐな眼差しが物語の行く末を追えば追うほど、観客達も引き込まれてゆきました。



亜里沙さん演ずる天女がベビーフェイス側の守り神なら、ヒール側の守護神は山口竜昇さん演ずる”炎の神”。
かっこ良かったなぁ~~!彼はアクロバチックなダンスや、身体の柔軟さを駆使した演技でTAOの舞台を彩ってくれます。今回も舞台セットである階段を身体を縦に回転させながら降りてきます。ゆっくりとバク転しながら降りて来る感じでしょうか。
音も無く、背後からくるんくるん、と忍び寄る感じがなんとも怖い。しかし、やっている事のハンパない難易度の高さに観客席は「おぉ~~っ!」とどよめきます。山口さんていつも色っぽい。


真っ暗な舞台に林祐矢さんが一人舞台に現れ、太鼓を叩きます。
追われた村の男達の一人である彼の”始まりの音”です。
奪われ失い、苦しみ、飢えた瞳。静けさの中で、太鼓の音とうなり声の様に発せられる林さんの声が響きます。
暗闇を引き裂くようにヒールとベビーフェイスとの太鼓によるバトルの幕開けです。

林さんの演奏は、その火蓋を切るにふさわしい”始まりの音”でした。



つづく。
















































もっと、もっと!!DRUM TAO!!!

2016-01-20 18:07:39 | showman
ここ何年か、年初め1月にはDRUM TAOのオーチャード公演に行くのが恒例になっています。

今年も彼らのライブを観に行きました。

この公演は、ミュージカル等の演出で知られる宮本亜門さんが手がけた物。

アタシは去年の東京ロングランでこの公演の内容を知りましたが、とても感激したのを覚えています。

とにかくDRU TAOの新しい挑戦が前面に打ち出された内容であり、今までのライブとは全く違う魅力に満ちていました。


この公演での最大の魅力は、メンバー達の「演技」です。

一つのストーリーが和楽器の演奏と、メンバーの「台詞の無い芝居」で観客達に語られてゆきます。

TAOのライブでは曲の持つ性格上メンバー達の表情も変わってゆきますが、今回はほぼお芝居の「舞台」です。

舞台のお芝居を何回か観て来ましたが、TAOのメンバーは彼ら俳優達にも負けない位お芝居が上手でとても驚きました。

しかも台詞が無いのです。自分達の表情と動き、そして演奏で一つの物語を演じました。



一つの村があり村人達は平和に暮らしていましたが、ある日天災によって村の小さな男の子が両親を失います。

彼は寂しさに打ちひしがれますが、村人の打つ太鼓に魅せられ自分も叩いてみたいと思いました。

一人の男が彼の視線に気付き、バチを渡し太鼓を教えます。

毎日毎日練習し、彼は太鼓の上手な立派な青年に成長しますが、あの天災によって全てを失い怒りと憎しみに満ちた他の村の男達が登場します。

彼らは青年の居る平和な村を襲い、人々達から自分達が失った物を奪い去ろうとしているようです。

真っ黒な衣装に身を包み、髪を振り乱し、その表情はまるで非情な鬼の様。

平和な村の男達は彼らから村を守るため、闘う事を決意します。



物語の前半はこんな感じです。

楽しげな村の風景を表すのに、ライブの冒頭では獅子舞が客席から登場し、太鼓や笛の演奏に合わせて踊ります。

お面を被った男性もやって来て、客席の観客の女性の肩を抱いたりして、舞台上にいるこれもまたお面を被った女性が怒ります。二人は夫婦なのですね。

村人の演奏や獅子舞、夫婦喧嘩でてんやわんやになっていると、ひらひら飛ぶちょうちょを追って、小さな男の子が登場。

喧嘩している夫婦はこの男の子の両親です。



もう、この冒頭で度肝を抜かれました。

今までのTAOには無かった事が満載すぎです。

獅子舞ですよ。全然、普通に。

お面を被った男女は誰か分かりません。最後まで明かされません。

そして「小さな男の子」はなんと、人形です

黒子が3人程で操作しています。

この誰もが当然ですが楽器を手にしていません

今までも楽器を手にしないでパフォーマンスするメンバーは居ましたが、まるでパフォーマンスの内容が違います。

しかし、獅子舞、演技、人形操作、どれもクオリティが高くて素晴らしいのです。

「TAOって凄いなぁ・・・。何でも出来るんだなぁ・・・。」

と、アタシは口をあんぐり開けてステージを見ているしか出来ませんでした。


舞台の背面にはスクリーンが張られており、場面の内容に応じて様々な映像が映し出されます。

天災とは噴火です。スクリーンには火山が映し出され、地響きの様な音を立ててその火口から炎が噴出すと、舞台に居る村人達は逃げ惑いました。

舞台のお芝居でもそうですが、舞台上では物語が進行しているので、誰もがその状況下に置かれているわけです。

即ち、誰もが「芝居」をしていなければならない訳で、TAOのメンバーも皆していました。

いつもとは全然勝手の違うライブに観客も驚きましたが、きっとそれ以上にTAOのメンバー達の方がに沢山の驚き、戸惑い、あるいは一種の「反発」を乗り越えてのこの公演だったのではないかと強く感じます。


確かに、全然違いました。

演奏をしていないのに、ただそこに立ち尽くしているだけの長い時間もあったし、演技とは言えTAOのメンバーが今まで観客に一切見せた事のない不安気であったり、憎しみであったりするネガティヴな表情もありました。場面転換も全てメンバーがやっているのでいつも以上に、相当、かなり、大変だったと思います。

しかし、アタシはずっとこんなTAOが観たかったのです。

「こんなのTAOじゃない!!」と言われるのを恐れず、変わってみる、やってみる。

そう言う事が必要だと感じるからです。

変化し進化する事は、きっとどんな物にも必要なのではと思うんです。

それはずっと右利きで生きて来たのに、突然「左利きになりなさい、練習しなさい。」と言われる様な事かもしれません。

驚きと戸惑いと反発。至極、当然の事だと感じます。

だけどきっとその人がそう出来るから、「やってみて。」と言っているんだと思います。

結果、TAOは今までの倍、出来る事が広がったんじゃないかと思うんです。

右手も左手も使えるように。


でも、TAOのテレビの特番で宮本亜門さんが「自分も今までのTAOの世界が好きだし、自分が関わる事でTAOの世界が変な方向へ変わってしまったと思われたくない。」と仰っていた通り、元あるDRUM TAOの世界観は失わずに見事に融合していたとアタシは思いました。



つづく。


























































































寒中。

2016-01-12 20:09:10 | 日記
寒中お見舞い申し上げます。


とっくに年が明け、年始のご挨拶をしそこなった為に「寒中見舞い」などと言ってみる。

が、本当に昨日あたりからやっと本格的に寒くなり、くしくも実感のこもったご挨拶となってしまいました。


急に気温が下がったり上がったりすると何かしら支障をきたす最近、またひとつ歳をとるんだなぁと遠くを見つめる今日この頃でございます。

でも、大好きな音楽もありますし、まだまだ楽しい日々は続くわけであります。


どうか今年もよろしくお願いいたします。