leka

この世界のどこかに居る似た者達へ。

9日間女王様だった女の子 4。

2014-03-21 23:34:59 | お芝居・テレビ
キャサリンの死と言う悲しい出来事に衝撃を受けながらも、ジェーンはロジャーの存在に支えられて安定を取り戻しつつありました。

しかしながら、彼女にはまたもや衝撃的な出来事が起きてしまうのです。

ジェーンの両親、そして田山涼成さん演ずる”ジョン・ダドリー”がやって来て、息子の”ギルフォード・ダドリー”とジェーンとの結婚が決まったと言うのです。


大人達の身勝手な言動とショッキングな出来事を受け止めきれずに、ジェーンは困惑します。

今日は息子を連れて来る事が出来ずにすまない。我ながら息子はよく出来た男だ、などと言ってジョンは帰ってゆきました。

ジェーンは正直な女の子なので、帰ってゆくジョンに対しても少しも笑顔を見せられません。

そんなジェーンに父のヘンリーが激怒します。

ジェーンをもの凄い勢いで壁にたたき付け、「なんだ、今の態度はっ!」と怒鳴り散らします。

ジョン・ダドリーと言う男は一癖もふた癖もある男で、その真意を表にはなかなか出さない人でした。

どこか不気味なジョンをジェーンは怖いと訴え、ダドリー家に嫁ぐのは嫌だと言います。

声を震わせながらも、はっきりと自分の意思を口にするジェーン。

居合わせたロジャーは何も出来ず、見ているほかに術がありません。


ヘンリーは激高し、あろうことか自分の娘の首を掴みます。

そしてそのまま床に倒し、”ダンスを習わせたり、勉強をさせているのはお前のためなんかじゃない、いい家に嫁ぐためだ”と言う様な事をわめきます。それが出来ないなら出て行け、出て行ってこじきにでもなれ、と吐き捨てます。

それはそれは凄まじい迫力です。

華奢なジェーンは冷たく硬い床に叩きつけられ、涙を流し泣いてしまいます。

母のフランシーズがすぐに傍らへと行き、ヘンリーに謝りダドリー家にはきちんと挨拶に向かうと言いなさい、と彼女に言います。

ジェーンは泣く泣く背をむけたままの父に謝り、母の言った通りに約束するのでした。


父と母が出て行った部屋で、ジェーンは肩を震わせて泣き続けます。

そんなジェーンをロジャーは思わず抱きしめました。




そして、「すまない・・・。」と。

「何がですか?」と言うジェーンに、自分が何もしてあげられない事を謝るロジャー。





ジェーンはその腕を掴んで、ロジャーがこうしてそばに居てくれたから震えが止まった、と言います。





自分がとっさに取った行動に対して、事のほか冷静に、しかも嫌がるどころか素直に受け入れたジェーンを少し驚いた瞳でロジャーは見ていました。

そして恐る恐るもう片方の手で、彼女の肩に触れるのです。


ここではもはや貴族と家庭教師と言う境界線はありません。

ただ、心底思う事は二人がもっと違う形で出逢っていたならなぁ・・・と言う事です。

もうちょっと時間も立場も違っていたなら・・・。



ロジャーに支えられて立ち上がったジェーンは、結婚式へと向かいました。



ギルフォード・ダドリー(成河さん)と16歳の花嫁ジェーン。





どこまでもうつろな瞳の花嫁。

結婚式でお嫁さんにこんな顔をされては、旦那さんになる人は可哀想・・・。


でも、ギルフォードはジェーンよりも理解していたんです。

大人達の思惑を。





つづく。