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この世界のどこかに居る似た者達へ。

観客が居眠り。

2020-10-12 22:07:53 | お芝居・テレビ

三津谷亮さんが観劇したお芝居で、招待席に座っていた客が寝ていた事に対してtwitterで怒りをぶちまけた。

それがネットのニュースになった。

そしたら、そこのコメント欄がおかしな展開をみせた。

何故か観客のマナー違反に対して怒った三津谷さんを批判するコメントが多くなった。

 

観劇中の居眠りはマナー違反。

マナー違反、と言うのはデリカシーに欠ける事、無神経な事を言うんです。

それに怒って何が悪いの。

コメント欄を見ると、「こんな事言う方がおかしい。」と言う方向の意見が多い。

 

いや、これ違うでしょ。

とうてい観客が書き込むコメントじゃない。

中には「業界の人間です」なんて前置きして、招待され付き合いで仕方なく行く芝居がある、などとコメントしてる。

いやいや、業界人ならばそんな事絶対に書き込まない。

関係者、同業者ならばこそ、最後まで隅々まで観るもの。

だって、ライバルだから。いい加減に観るのは自分に全部返って来る。

 

三津谷さんはおかしい事一つも言ってないよ。

彼も観客の一人として、マナー違反の観客に頭が来た、と言ってるだけ。

間違ってない。

彼の態度は正しい。

 

と、言うコメントをすると、絶対に反映されない。

何度かトライしたけど絶対されない。

彼を非難する様なコメントはどんどん反映される。

三津谷さんと同意見だ、とするコメントもあるけど圧倒的に彼を批判するコメントが多い。

 

どこからか何か、見えない物が何かしている、としか思えない。

と言う事はこれらは世の中の本当の意見ではないから、三津谷さんのファンの方達は落ち込んだりショックを受ける必要はない。

気にしなくていい。

 

でも何がどうしているのかは、突き止めようとしない方がいい。

生きづらい世の中だね。

嫌な世の中だね。

哀しいね。

 

でも負けないで行こうよ。

ね。

分かってる人はいっぱいいる。

 

三津谷さんは正しいよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


舞台イコール 三津谷亮・鈴木勝大Ver.

2020-10-04 01:14:25 | お芝居・テレビ

舞台イコール。2015年に山口賢貴さん、牧田哲也さんの出演で拝見したお芝居です。

その時の記事はこちらから

 

二人芝居「Equal-イコール-」。 - leka

 

なんと、そのお芝居が朗読スタイルにて上演中です。

舞台・真田十勇士で再演の公演中にケガをしてしまった猿飛佐助役の柳下大さん。その日の観客への最期の挨拶では、筧十蔵役の三津谷亮さんが目に涙を一杯ためて立っていたそうです。彼らは演劇を主にした同じ俳優グループに属していて、仲も良かったと思います。

真田に出た若い役者さん達の事はずっと気になっていて、彼らの出演するお芝居は観たいと思っていたのだけど、何せチケット代と言うのは安くない。そんなにしょっちゅう観には行けない。

そんな風に思ってるうち、年月は過ぎてしまいました。

ついこの間の柳下大さんの引退発表。

共演していた三津谷さんはどうしているだろう、と思い彼のtwitterを見てみるとイコールに出演と言う情報が。

「イコールとは、あのイコール?」

半信半疑で公式をへ行ってみると、”あの”イコールでした。何だか色んな事が心の中で交差しました。

この朗読スタイルのイコールは16人の俳優たちが2人1組になって日替わりで演じるお芝居です。

三津谷さんは鈴木勝大さんと言う役者さんと組んで、初日は2日後にせまっていました。

柳下さんの事などもあり、何となく自分の中で行かねば、みたいな感情が湧いてきて痛い出費にはなるけれど三津谷さん、鈴木さんの初日のチケットを購入しました。

 

会場は青山にある劇場でした。

岡本太郎作・子どもの樹

子供の城のあった場所は青山円形劇場、「クロードと一緒に」の初演が行われた劇場跡地です。もう、今はありません。こどもの城のあった場所も白い囲いの様な物があって、新たに何か建築されている様子もありません。

懐かしい様な、切ない様な気持ちになりました。「イコール」の会場はここからそう遠く離れてはいませんでした。

会場に入る時はマスクを装着し、消毒液のしみこまされたマットの上を歩いて入りました。

チケットは電子チケットのみ。スマートフォンに提示したチケット画面にスタッフの方が機械をつけると、「thank you!」と書かれたマークが出現。驚きです。スタッフの方はフェイスシールドを着用されていました。

座席は一つ置きです。舞台には小さな椅子とテーブルが左右にあり、真ん中に椅子が一つ。そのどれもが古い調度品の様なおもむき。床には多くの厚くて古い感じの本が無造作に置かれていました。

観客は皆マスクをして、静かに開演を待ちました。

開演時間になり、三津谷さんと鈴木さんが手にファイルの様な物を持って舞台に現れました。

左右に置かれた椅子にそれぞれ座ります。片方の椅子には、白衣がかかっていました。

白衣がかかっている椅子に座る方が医師の青年テオ。かかっていない椅子には肺を患う青年二コラ。

こうして彼らは向き合い、朗読劇が始まりました。

このお芝居では七日間が描かれます。そして日が替わるとテオを演じていた方が今度は二コラを、二コラを演じていた方がテオを演じます。日が替わる度に、これが繰り返されます。迷路に迷い込むような物語なのです。

何故、二人が入れ替わるのかは観客共に迷路へ迷い込みながら段々と判明していきます。

演じる二人はただ読むのではなく、少し動きを交えて演じていました。

ストーリーが独特で最初は訳が分からないので、観客は二人の会話に集中して耳を傾けます。

そんな時に、三津谷さんが台詞を噛んでしまいました。

それからなぜか何度も噛んでしまい、それは日が替わって演ずる役が交代しても続きました。

あまりにも噛むので、アタシは「稽古を観ているようだ。」と思ってしまいました。

そう思った瞬間、アタシの集中が切れてしまい、演者と共に物語を追う事をやめてしまいました。

気持ちが冷めてしまった。

 

危うく不安定な感覚がぬぐえないままお芝居は終わり、カーテンコールがありました。

三津谷さんの口が何度も「ごめんなさい」と動きました。

彼が一番悔しいのは分かっています。

直前まで違う舞台に立っていたようだし、準備期間が短かったのかもしれないし、もしかしたら何か心の動揺があったのかもしれません。

でも、アタシの様にその日、その時間しか来場出来ない観客がいるのです。

次、取り戻します、は通用しません。

「カーテンコールを貰える程の演技は出来なかった」と本人が分かっているからこそ「ごめんなさい」と繰り返す三津谷さんの姿を、やるせない気持ちで見ていました。

「三津谷亮はこんなもんじゃない。」

そんな強い気持ちがアタシにはあったからです。

 

三津谷さんのお芝居をずっと観て来た訳ではありません。でも、彼のしなやかさと神秘性と、ここぞと言う時は芯の強いお芝居が出来る所が好きなんです。

このお芝居では二コラ役を演じる方が、ある告白をテオにする時があります。

それは恐ろしくて、到底想像も出来ない事実です。

三津谷さんはその時に涙を流してその告白をしました。

ハラハラと流れる涙はテオから顔を背け、観客の方に顔が向いてる時も溢れ続けて、哀しみと恐怖と狂気の入り混じった感情の表現であるのに、あくまでどこまでも美しかったのです。

そんな風に観ているこちらがハッとする様なお芝居が出来る俳優さんはそう居ないし、宝物なんです。

 

このお芝居の帰り道すっかり涼しくなった夜風にふかれながら思った事はやはり「三津谷亮はこんなもんじゃない。」と言う事。

この人の本気はきっと計り知れない。

だからあたしは少し残念で悔しい思いで帰りました。

でも、こんな夜もあっていいかなと思うのです。

こんな夜があってこそ、心も体もうち震える程の素晴らしい瞬間がやって来るんです。

きっと。必ず。

 

相手役の鈴木勝大さんが包容力のある俳優さんで、どうしてだか不安定に揺れがちなこの日の三津谷さんを頼りがいのあるお芝居で包んでくれていました。

しっかりと。とても素敵だなと思いました。

なのでこの二人のコンビは相当いいと思います。

この舞台においてアタシに次の回は無いけれど、後の公演は凄くいい感じになると予感します。

 

「もう一度はじめから。」

そう思ってくれていたらと祈っています。

 

 

イコール公式

https://stagegate-vr.jp/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


初演・再演 上川隆也版真田十勇士

2020-10-01 18:21:30 | お芝居・テレビ

リンク貼るのを忘れてたのでやっておきます。

こちらのブログに書いた記事です。

それぞれからどうぞ。

て言うか、柳下さんtwitterはじめたのね。”元俳優”って(笑)。まぁ、そうなんだけどさ(笑)。

あ、それから山口賢貴さんもいつの間にか戻っているみたい。

なんだ、皆寂しくないじゃない(笑)。

上川隆也版・真田十勇士 ネタバレあり。 - leka

再演!!真田十勇士!!! - leka


柳下大さん、引退。

2020-10-01 01:07:51 | お芝居・テレビ

突然のお知らせでした。

ビックリしました。

 

柳下大さん。

アタシが舞台のお芝居を初めて観に行って、その魅力に夢中になった舞台「真田十勇士」で猿飛佐助を演じた役者さん。

本日、芸能界を引退されました。

 

上川隆也さんが真田幸村を演じ、八百屋舞台と言う特殊な舞台で柳下さんは忍びの役として大活躍しました。

舞台の面白さ、その大きな魅力をアタシはこのお芝居に教えられました。

何度も足を運んで、幸村公と真田の忍び達「真田十勇士」の物語を心に刻みました。

柳下さんはとても重要な役でした。

このお芝居は史実とは違って、フィクションが入っており、それが最後に大きな衝撃と感動を呼ぶお話しでした。

何と言っても、上川幸村と率いる十勇士達がかっこよくてかっこよくて、お芝居は最後のちょっと前の場面からずっと拍手が鳴りやまず、役者が台詞を言っているのにも関わらず、観客は思いを伝えたくて拍手をやめられないんです。

その拍手で台詞が聞こえない程なのです。

2013年。もう、7年も前なんですね・・・。

今でもその会場の雰囲気をまざまざと思い出します。

役者と観客との震える程の空間でした。

観客が求める舞台であったので、再演はすぐに決まりました。2年後2015年。

初演と同じに大きな下り坂の様な傾斜のある八百屋舞台で、再び上川さん演じる幸村公と十勇士達の物語が繰り広げられました。

しかし、この再演で彼らと観客は大きな試練にぶつかってしまいます。

それは本番中の出来事でした。

猿飛佐助役の柳下さんが、この特殊な舞台から落ちてしまったのです。

中央に大きな波の様な形状で坂道の舞台が設置されていました。一番上はかなりの高さがありました。

その横に新たなセットがくっついて道となり、役者さん達はそこから中央の舞台に姿を現したり消えたりしていたのですが、どうやら大人数で戦う場面の途中その横のセットから転落してしまったようでした。

観客の目の前で起きた事故で、その日のtwitterは柳下さんを心配する声で溢れました。

再演が始まったばかりで公演はまだあるし、地方公演もありました。

どうなるんだろう、中止だろうか。

でも、公演は中止にはなりませんでした。

代役を立てる事もしませんでした。

柳下さんが怪我をした後の公演を観に行きましたが、彼は猿飛佐助として舞台に立っていました。

でも、構成はところどころ変更していて、アイデアを凝らしシンプルな中にもユーモアと忍びらしさを失わずにいられる形で佐助は忍びとして生きていました。

心配するのは仕方のない事なのですが、そういう客席の悲壮感みたいなものを吹き飛ばしてしまう様な明るい空気を幸村公を演ずる上川さんを始め、舞台の全員が全力で創り上げてくれていたんです。

不思議でした。

この真田十勇士と言うお話は、この「猿飛佐助」を全員が全力で守り通す物語なんです。

チームの結束力が物を言う物語です。

実際に起きたこととまるで同じ現象が物語とリンクして起きていました。

柳下さんは悔しかったと思います。

公演も始まったばかりでケガをしてしまった事を、悔やんでいたと思います。

でも、アタシは何も心配していませんでした。

それは初演を観ていたからです。

このチームならば、きっと乗り越えると言う強い気持ちがあったんです。

絶対に大丈夫と言う自信の様な気持ちがあったんです。

 

再演、真田十勇士は幸村公と十勇士にとって終焉の地、大阪で無事に大千秋楽を迎えました。

柳下さんも最後まで佐助として公演を演じ切り舞台を降りませんでしたし、物語と全く同じで十勇士達は彼を命をかけて守り抜きました。

結果、この舞台の「負けて、勝つ。」と言う大きなテーマを実際に全員でやってのけたのです。

この舞台の運命と宿命を思い出すと心が震えます。今でも鳥肌が立ちます。

 

でもその後、柳下さんが長い期間リハビリをしなくてはならなくて、とても苦しい時間を過ごしたと聞きました。

辛い時間であったと。

なので柳下さんが「ケガから復帰」と聞いた時にはとても嬉しかったです。

 

柳下さんのお知らせにはご結婚されたともありました。

おめでとう。

あなたならきっと明るくて素敵な家庭が築けると思います。

お芝居が上手くて、お芝居に真摯に向き合ってくれる宝物の様な役者さんが一人去ってしまうのは寂しいけれど、「他の事にもチャレンジしたい」と言うあなたの気持ちを一番大切にしたいです。

「この足元にある道だけがたった一つの道であるはずがない。違う道は必ずある。必ず。」

きっとそれは自分が自分らしくあるために、自分を守るためのもの。

今度はご家族を守るために、あなたはあなたでいて下さい。

 

演者として素敵な時間をくださってありがとう。

何よりも幸せになる事を祈っています。

 

でも、最後に言ってもいいかなぁ。

 

佐助、生きろ!!!!

 

 

 

 

 

 


色んなロス。

2020-02-21 00:56:35 | お芝居・テレビ

べビメタちゃん月間も終わり、衝撃的な感動にうちのめされた舞台「はじめの一歩」も終わり、お金も飛んで行き、押し寄せてる喪失感。

色んな物にロス。

おまけに花粉症、コロナウィルス、なのに週末主人の家族と旅行。

嫌なんですけどー。

BRING ME THE HORIZON聴くと泣きそうになるんですけどー

なんなのこの気持ち。全部終わっちゃったの?

弱虫。

 

何故か最近、「白い巨塔」再放送しているよね?

なのでこのブログにもアクセスがあります。

飛んで自分でも読んでみたけど、やはり財前教授の最期、里見先生とのシーンは涙目。

そんな事がきっかけで、このブログの過去記事を色々読んでみました。

 

色々観て色々書いて来たけれど、読み返して「これ凄かったなぁ。」と思い出したのは、初演の「クロードと一緒に」でした。

相馬圭祐さん、稲葉友さんが彼=イーブを演じた舞台。初演は2014年だったんですね。

ダブルキャストでどちらも1度しか観ていないのに、鮮明に覚えてる。

泣いてた。

なんで泣くのか分からないまま泣いてた。

お客さんが終演しても立ち上がれないと言うのを初めて見た。

再演からイーブ役を松田凌さんが演じて、それから去年の”クロードと一緒に”(朗読劇を含む)としては4度目の再演までずっと松田さんはイーブを演じています。

アタシはこの”クロード”がきっかけで松田さんのお芝居を観に行くようになりました。

去年の横浜赤レンガを会場にした公演では、相馬さんと初演でギィを演じた井上さんが観に来ていたみたい。

 

相馬さんのイーブと初めて出会った時の震える様な感覚を今でも覚えてる。

美しいのにとても怖かった。

ガラス細工のように脆く危うい。でも、そこらじゅうがとんがって触れる事は出来ない。

何かを胸に沢山抱えているけど、それをこちらは見たいけれど、近寄れない。

 

舞台のお芝居を観に行き初めて間もない頃で、”クロード”の会場の青山の円形劇場は閉館が決まっていました。

とても小さな劇場で、最後の列は6列目。

そんな濃密な空間で”彼=イーブ”は美しいまま、のたうち回り、苦しみ、吐き出して、落ちて行った。

ダブルキャストの稲葉友さんも忘れがたい。

稲葉さんは当時21歳で、演じ終えた後、観客に頭を下げながら泣いていた。

アタシも、他の観客も泣いていた。

そんなお芝居は生まれて初めて観たし、そんな経験は生まれて初めてだった。

役者さん達の熱量は凄いなと思いました。

戦いだな、と。

 

むき出しで暴力的な言葉の数々を吐き出す度に、それはまた、言い放った本人を切り刻みに戻って来る。

「クロードと一緒に」の記事の中でもいつも言っているけど、本当に役者さんが「壊れてしまうんじゃないか」と思う瞬間が何度もある。

”イーブ”と言う役は恐ろしい。取り込んだ役者の中で暴れ回る。

「言葉にすると陳腐になる、でも、伝えろ!僕は伝えたいんだ!!」

と体中を駆けまわっては、観客にも向かって来る。

 

心の準備の出来ていない者たちは皆、硬直し、涙を流し、そして終演しても立ち上がれない。

 

殺人は正気の沙汰ではない。

でも最終的には、これは殺人の話ではないんだ、愛の話なんだと観客達は受け取るんです。

 

ああ、そんな感じだった。そうだったなぁと思い出しました。

あれは凄いお芝居でした。

今思い出しても、鳥肌が立つ。

 

色んなロスが来て、過ぎ去った物を思い出したりなんかして精神的にはあまり良くないかもしれない。

ロスって怖い