かかりつけのお坊さん 奮闘編

転勤も定年もリストラもない、失うものは何もない最強な坊主が日頃の“感謝”を言葉にこめて、日常を綴ります。

かかりつけのお坊さんは、いらっしゃいますか

2013-06-17 21:34:44 | 坊主・ビー・アンビシャス
皆さんには、「かかりつけのお医者さんが、いらっしゃいますか」


では、もう一つ、お聞きしますが、


「かかりつけのお坊さんは、いらっしゃいますか」


少し前、こんなことをブログに書かせていただきました。

で、今、自分は、

“かかりつけのお坊さん”でありたいと思っているんです。


先日、安芸教区の総講習会(お坊さんのための勉強会)が

ありました。

そこで、興味深く聞いたのが、早島理先生の講義でした。

テーマは、「先端医療と生老病死の思想」というものです。

生命科学でとらえる「生命」と仏教でとらえる「いのち」は

どう違うのか。

いわば、科学と宗教との違いを、命の上に見てみようという

テーマです。


ある、おばあちゃんが病院で亡くなられたんです。

そのとき、小学5年生の女の子が、こう両親に質問した

そうです。

「おばあちゃんは、病院に行ったのに、どうして死んじゃったの」

その女の子にとっては、病院は病気を治すところなのに、

なぜ?と思ったのでしょう。


そんな時、お医者さんは次のように答えます。

「悪性のガンだったから、もうどうしようもなかった」

「交通事故で、もう手遅れだった」


では、お釈迦さまだったら、どう答えられるのか。

いわば、仏教ではどう答えるのかということです。

「それはね、生まれてきたからだよ」


二つの答えは、まったく違う答えなのですが、

実はお医者さんの答えも、お釈迦さまの答えも、

どちらも正しいんです。


そんな糸口から、早島先生の話は始まりました。


“死んでいくいのち”とわかっていて、今、

生きている意味はなんですか。

どうして、老いて病んで、死んでいくのですか。

仏教が、私たちの“いのち”に向けるまなざしに、

私たちはどう応えていくのかという、永遠のテーマ

なんです。


今生命科学の先端は、「遺伝子研究」に進んでいます。

生命の構造を明らかにするということです。

ゲノムは、「生命の設計図」だと。

生(生きる力)
性(いのちをつなぐ力)
死(死に逝く力)

32億年前に、この地球上に生命が誕生してから、

いのちは脈々と、この遺伝子情報を受け継いできました。


今、ここに、生まれ、老いて、死に逝くこのいのちの設計図を、

では、誰が書いてくれたのか。

それは、私の先祖であり、多くの先人たちです。


そこに書き込まれた、設計図の通りのいのちを生き続けているのが、

私たちなのですが、引き受け方を間違えると、

どうにもならないことにもなる。

誰かが、この設計図を書いてくださったのであり、

この通りに行かないこともあると、受けとめることが、

仏教の真価であるというような、お話だったと思います。


そんなお話の中で、早島先生が、ぽつりと

お話になったのが、

「皆さんの、お坊さんとしての使命は、

 かかりつけのお坊さんになることでないでしょうか」と

いう一言でした。


この一言は、すとんと、見事に私の腹の底に落ちたんですね。


かかりつけのお坊さんになる。。。


もう、手遅れ状態かも知れませんが。(笑



で、長々と書いたのには、もう一つ理由があります。


このブログのタイトルを、

「かかりつけのお坊さん」に変えてみたいんです。



う~~ん、こんなんで、いいですか。



広島ブログ
 
きょうも来てくださって、ありがとうございます

このブログの“タイトル”「君はまだ、抱いていたのか!!」の意味は、

 こちらです! 
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 父の日となんでも鑑定団 | トップ | 5番ピッチャー大谷 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いいと思います。 (ドッグ宮内)
2013-06-18 07:26:39
かかりつけのお坊さん、
いいと思います。
人間関係が希薄な中で
信頼できる相談者がいらしてくださり
アドバイスを受けられるのは
落ち着きますし、
悩みを聞いていただけるだけで
半減する事も多いと感じます。
返信する
早速のコメントありがとうございます (かかりつけのお坊さん)
2013-06-18 08:36:17
>ドッグ宮内さま
早速のコメント、ありがとうございます。

正直なところ、半分は、ユーモアだと思っていただければと思っています。
私の方から、強引に「なってあげます」なんてのは、とても失礼なことです。

読者のみなさんに語りかける私のスタンスとして、
“かかりつけのお坊さん”みたいな語り口で、
記事がかければなと、思っています。

勇気をくださって、ありがとうございます。
返信する
待ってました (天音 )
2013-06-20 16:49:58
 かかりつけのお坊さん いいですね!
なんでも話せるお坊さん。
  生まれてきたから 死ぬんだよって当たり前のことに 気がつかなかったことを 話せるお坊さん。 
 自分が死んでいく身と知っていたけど 生まれてきたからなんですね!
 最近 どうして 宗教が必要なのかがわかりかけている私には 心強いことです。
 
返信する
コメントありがとうございます (かりつけのお坊さん)
2013-06-21 05:23:08
>天音さま
コメントありがとうございます。
自分では、なんとなくわかっていたつもりでも、言葉として、「生まれたから死ぬんだよ」といわれると、意外と腑に落ちることがあります。

>最近 どうして 宗教が必要なのかがわかりかけている私には
そのあたりのことも、これから聞かせてください。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

坊主・ビー・アンビシャス」カテゴリの最新記事