Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

ケルン大聖堂 2009.8.21

2019-04-05 18:20:12 | フランス
「私が見てきたステンドグラス」今回はドイツのケルン大聖堂です。



2009年8月21日、この日は朝ニュルンベルクを出てICEに乗り、ケルンへと向かいました。目的はただ1つ、ケルン大聖堂!



ケルン中央駅のすぐ前が大聖堂だったのですが、デカい!とにかくデカい!!とんでもなくデカい!!!事前にデカいよと散々聞いてはいたんですが、でもこれはかなり後ろまで下がっても全体像がなかなかカメラに収まらない!!&全体像の写真がなくてスミマセンちなみに高さは157m、奥行きは144m、幅は86mだそうです(しかし上には上がいるもので、新婚旅行の際に訪れたウルム大聖堂は高さが161mで世界一!)。人が写ってる写真を見ていただければ、このデカさがわかるはず…。聖堂の建設は1248年に始まり、途中3世紀もの間(!)工事が中断1842年に工事が再開し、1880年に完成したそうです。完成までに600年…想像もつかない



大聖堂入口。彫刻も細かい!

 

中も当然、天井が高くて広い!

ステンドグラスはとにかく豪華絢爛!&大量!!あまりに大量なので、印象に残ったものだけいくつか。



よく見ると上の方3分の2ほどが美しい花模様の装飾になっています。いつか模写してみたいです。



向かって右側のステンドグラスは「バイエルン窓」と呼ばれ、バイエルン王ルートヴィヒ1世が奉納したものです。東方三博士の礼拝。



十字架から降ろされるキリスト。



右下に何と土星!これを作った時にはきっと、土星に輪っかがあることもわかってたんだろうなぁ…。



世界最大の黄金細工の棺に、東方三博士の遺骨が収められています。ケルン大聖堂の中心的な聖遺物です。



こちらも東方三博士の礼拝を描いた祭壇画。



聖母マリア聖像。



こんな感じで古くて貴重な美術品がいっぱいあるケルン大聖堂ですが、実はこの時私が一番見たかったのはこれ!

2007年に入った斬新なモザイク模様のステンドグラス。ドイツの現代美術の第一人者、ゲルハルト・リヒターのデザインです。ステンドグラスを始めた年、これをテレビで見て衝撃を受けました入れた当初は賛否両論あったようですが、実際見た感じではそれほどコレだけが全体から浮いているという感じもせず、むしろこんなデザインを思いつく&こういう表現を歴史ある大聖堂が受け入れるってすごいなぁー…と思ったのを覚えています。

次回は再びフランス、ブールジュ大聖堂をご紹介したいと思います。
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ランス大聖堂 2009.8.7

2019-04-04 14:38:02 | フランス
「私が見てきたステンドグラス」今回はシャガールのステンドグラスで有名なランス大聖堂です。

2009年8月7日、ステンドグラスの課外授業で、先生の車でランスへ行きました。朝の7時半にアトリエを出発して3時間ほどでランスへ到着

 

まずはノートルダム大聖堂へ。この大聖堂は19世紀までフランス王の戴冠式が行われていたことで有名です。

 

一番左が、正面中央扉の彫刻の中でもとりわけ有名な「微笑む天使」。左半分が受胎告知、右半分がマリアのエリザベト訪問の場面になっています。

   



内陣中央の小祭室にはシャガールのステンドグラスがあります。美しいブルー!

 

ランス大聖堂は何故こんなに現代的なステンドグラスが多いのだろうと思ったら、当初のものがほとんど現存していないのだそうです。フランス革命以前の1740年代から既に、地階の窓がロウソクの節約などの目的で透明ガラスに置き換えられ、さらに第一次大戦でステンドグラスのほぼ半分が破壊。さらに、1914年9月19日には空爆…現在の大聖堂は戦後の市民の努力により完全に修復されたそうです。

ヨーロッパでいくつかの教会を見てきて驚いたのは、いくつもの時代にわたって建てられたこともあってか、様々な時代時代のステンドグラスが同じ場に置かれ、尊重されていること。ここにも古典的な絵付けの作品と共に、幾何学模様や現代的な感性の作品も同等にその良さを認められ、並べられているのが印象的でした。



これは何故か一部だけがカラフル。

先生のガイド付きで大聖堂を見学した後、シャペルフジタ(フジタ礼拝堂)が開くまでの間自由時間になりました。大聖堂からちょっと離れたところにあるサン・レミバジリカ聖堂を捜しつつ、途中でお昼ごはん



サン・レミバジリカ聖堂。サン・レミとはフランク王国の初代王クロヴィスに洗礼を授けた司教で、ここの聖堂には彼の遺体が安置されています。時間がなくて10分ほどしか見れなかったのが残念ですが、ここもステンドの宝庫でした。カテドラルより観光地化されてない感じがまた良かったです。

 

 

  





 

後から写真を見返してみると、丁度光の具合が絶妙な時間帯だったようです。我ながらいい写真が撮れたなと思います。その後車でシャペルフジタへと向かいました。

  

ここは1959年、ランスのノートルダム大聖堂で洗礼を受けた藤田嗣治が、シャンパンで有名なG.H.Mumm社の資金援助を受けて建てた礼拝堂です。内部は写真撮影禁止だったのでお見せすることができないのが残念ですが、壁一面に生き生きと描かれたフレスコ画と、大胆な筆致の絵付けステンドグラスが見事でした!入り口上部の「キリスト磔刑」の絵の中には、群集の中に混じって藤田自身も描かれています。彼は1968年に亡くなり、この礼拝堂に埋葬されました。

ちなみにシャペルフジタは、冬期間は閉鎖されています。新婚旅行で再訪できなかったのが残念です

最後に、ランス近郊にある「エペルネー」というシャンパン作りの街を訪ねました。Moët et Chandonは日本でも有名ですが、そこは外から写真だけ撮ってそのお隣のシャンパン工場へ…。



↑こちらがモエ(笑)

まずは「シャンパンができるまで」みたいなビデオを日本語で見せられたんですが、このナレーションがいかにもカチカチの翻訳調って感じで、日本語にも関わらず難解極まりなかったシャンパン作りの過程をオペラに例えていた辺りまでは覚えているんですがあとはもう爆睡…

その後、地下のシャンパンセラーを見学。残念ながら撮影禁止だったのですが、貯蔵庫へ降りていく石造りの階段のあちこちに、シャンパンの瓶で作ったライトが置いてあるのがオシャレでしたセラー内は寒いと聞いてたんですが、外が結構暑かったので丁度いい位だったかな(まぁ、あんまり長時間いたら寒いだろうけど)。



最後に、ショップでシャンパンの試飲がありましたどれを買おうかちょっと迷いましたが、結局試飲したシャンパンを1本買い、後日日本のステンドグラスの恩師に送りました。フランスには郵便局にワインを送る専用の箱があって驚きでした

次回はドイツのケルン大聖堂をご紹介したいと思います
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シャルトル大聖堂 2009.7.3

2019-04-03 14:05:43 | フランス
「私が見てきたステンドグラス」2回目はシャルトル大聖堂です。2009年7月3日、ステンドグラスを学んでいたアトリエの課外授業で見学に行きました。

朝8時半に先生の車でアトリエを出てシャルトルへ(電車ならパリから1時間ほどだそうです)。途中「ピカシェットの家」というところに寄りました。ここはレイモン・イジドールという人が墓守をしながらお供えの花の花瓶や割れたお皿を集めて、20年もの歳月をかけて作った家です。中は撮影禁止だったので写真をお見せできないのが残念ですが、ガイドブックの写真なんかの何倍もキレイでした!よくこれだけ集めて20年もの間飽きずに作ったものだと感心しました。まさに塵も積もれば…



 

 

そしていよいよ大聖堂へ。パリ・ノートルダムと違って周辺が畑であまり高い建物などがないので余計にその大きさが際立っていました。



↑まずは先生のガイド付きで当時の模写課題であった「サンニコラ」のパネルを双眼鏡で見る。そして、各自内部を一周。



 



 



同時期のフランスの大聖堂の中で、当時の建築だけでなく、彫刻やステンドグラスがほとんど損傷を受けずに残っているのはシャルトルだけだそうです。シャルトルのステンドグラスは「シャルトル・ブルー」と呼ばれる美しい青色で有名です。この色は現在では再現できないとか…。↑世界史の教科書なんかによく出ている「美しき絵ガラスの聖母」。高校時代、授業の合間合間にこっそりカラー写真を眺めていました



↑また、フランスには「黒い聖母」信仰があり、シャルトル大聖堂にも2体の「黒い聖母」があります。ちょっと暗くて見づらいかもしれませんがもう一体は地下のクリプタにあったようなのですが、こちらは入り口がどこなのかわからなかったし時間がなくて見れませんでした。残念。



↑そして、個人的にシャルトルで楽しみにしていたものがもう1つ。それは…入ってすぐのところにあるラビリンス(迷路)。パンフレットによるとこれは、苦難に満ちた現世での生涯を歩み終えて神の国へ迎え入れられる喜びを表しているのだそうです。私は真ん中から歩き始めたのですが、ホントは外側から歩くのか中央から歩くのかどっちだったんだろう?まぁ、歩いてる人たち同士結構ぶつかり合ってたのでどっちでもいいのかな?「あ、もうゴール?」と思ったらうねうねとまた外側へ行ったり内側へ戻ったりで結構時間がかかりました。ちなみに帰って来てから知ったんですがこの迷路、全長294メートルあるそうです。そんな長かったんだ…

一人迷路の中でうねうねしてる間にいつの間にか仲間は外へ出てしまっていましたその後近くのステンドのお店などを見てお昼ごはん。



↑街中のカフェでウサギの肉を食べました。ちょっとクセはあるけどほとんど鶏肉と変わらない感じ。



↑国際ステンドグラス・センター。1980年に創立。ステンドグラスの保存、修復、教育、技法の普及、という使命のもと、展覧会や研修など、多岐にわたる活動を行っています。



↑センターで修復したステンドグラスだそうです。



↑ちょっと怖い天使

それから1時間ほど自由行動だったので、1人でもう一度聖堂内部をダダダダッと一周、売店でラビリンスのペーパーウェイトを買い(本当はマウスパッドが欲しかったんだけど70ユーロも!したので諦めた。ステンドグラスのポスターや洋書よりもこの時の私の関心は何故かラビリンスだったようです)、さらに駆け足で塔に登りました。エレベーターなどないので、ひたすら登る、登る!



シャルトル大聖堂は焼失と再建を繰り返し、ゴシックとロマネスクの様式が混在しています。階段を上って上へ上がるとそのロマネスクの塔を間近に見ることができます。





こんな高いところの装飾も、誰かがやったわけだ。ブルブル

 



大聖堂の屋根は上空から見ると十字架型になっています。時間がなかったので小走りで休みなく登り続けてかなり息切れ、へろへろでした~またいつか、今度はゆっくりマイペース訪れてみたいと願っています。


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