Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

茨海小学校

2024-02-24 18:08:13 | アクセサリー
もう仕方ない、この辺でパンをたべてしまおうと立ちどまったとき、私はずうっと向うの方で、ベルの鳴る音を聞きました。(中略)それどころじゃない、こんどは私は、子供らのがやがや云う声を聞きました。それは少しの風のために、ふっとはっきりして来たり、又俄かに遠くなったりしました。けれどもいかにも無邪気な子供らしい声が、呼んだり答えたり、勝手にひとり叫んだり、わあと笑ったり、その間には太い底力のある大人の声もまじって聞えて来たのです。いかにも何か面白そうなのです。
                                                             (宮沢賢治「茨海小学校」)



「茨海小学校」、賢治童話の中ではあまり知られていない作品かもしれませんが、賢治さん自身を思わせるような農学校教師が、火山弾を探しに出かけて狐の小学校に迷い込んでしまうお話です。狐小学校ですから生徒も先生もみんな狐。左下でしょんぼりしているのは、悪さをして校長室へ連れていかれた狐の生徒です。今回は珍しくボーダーにも絵付けして(よく見ると野ばらの花や葉が浮かび上がってきます)、ヒゲや校長先生の眼鏡は銅線で後付けしました。1枚のパネルにこんな大人数と言うのは滅多にないなと思ったけど、よく考えたら馬小屋に人間3人ロバ牛羊、っていうのがあった(笑)

  

この作品を作るため、クリスマスが終わってから宮城蔵王キツネ村を訪れました。狐たちはみんな冬仕様のもふもふになっていてとても可愛かったのですが、うっかり撫でようものなら噛み付かれそうなので我慢我慢でした今や資料になりそうな写真はネットなどで簡単に見る事ができますが、今回実物を見に行ってみて色々な発見がありました。まず、狐はものすごい声で鳴きます(笑)あちこちで喧嘩も起きていました。エサやりも体験してみたのですが、人が食べようとしているエサを一瞬で横取りしたり…。狐小学校の喧騒感を肌で感じ取ることができたような気がしました。あと、エサを見せると狐たちはとびきり良い表情の写真を撮らせてくれます。ちゃんとお仕事してるんだね(笑)


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