[東京/ニューヨーク 22日 ロイター] 米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)<KKR.N>や伊藤忠商事<8001.T>などが、米エネルギーグループのサムソン・インベストメントを70億ドル(約5400億円)超で買収する方向で調整に入った。複数の関係筋が明らかにした。22日にも発表する。
資源エネルギー投資に前向きなPEファンドの案件に、日本の商社、伊藤忠が、円高を武器に海外資源のポートフォリオ拡充に向けて協業する、新たなM&Aの動きと言えそうだ。
サムソンの買収には、KKRが60%、伊藤忠が25%出資するほか、米投資ファンドのNPGエナジー・キャピタル・マネジメントとクレストビュー・パートナーズが残りを出資する。関係筋によると、サムソンの売却プロセスは数カ月前から始まったが、KKRが独占交渉権を獲得し、最終的な詰めの協議を行ってきた。
KKRのファイナンシャル・アドバイザー(FA)は、クレディスイス、伊藤忠はみずほ証券とエバコア・パートナーズ、サムソンのFAはジェフリーズ・グループ<JEF.N>。
サムソン買収の規模は、PEファンドが関わる今年のM&A(合併・買収)案件としては、米ブラックストーン<BX.N>による豪ショッピングモールのセントロ・プロパティーズ<CNP.AX>買収(94億ドル)に次ぐ規模の大型案件となる。
<伊藤忠、資源エネルギーのポートフォリオ拡充へ>
オクラホマ州タルサに本社を構えるサムソンは、4000の油田を運営。1万1100以上の油田に権益を持つ。伊藤忠はこうした投資に参画することで、資源エネルギー関連のポートフォリオを拡充する。
伊藤忠の原油・ガスの持分権益の生産量(見込み)は2012年3月期、日量にして3万4000バレル。伊藤忠は2013年3月期までの2年間で資源エネルギーに最大4500億円を投じ、生産量を拡大する計画で、今回のサムソンへの投資は、こうした戦略に沿ったものとなる。
日本の商社で、原油・ガスの持分権益生産量の最大手は三井物産<8031.T>で、12年3月期は日量21万6000バレル(見込み)。三菱商事<8058.T>は15万バレルちょうど(同)となっている。
トムソン・ロイターによると、2011年1月─9月期の日本企業のM&A(10.1兆円)のうち、海外企業のM&Aは前年同期比54%増の約4兆円と急増した。円高を追い風に、新興市場を中心に成長の見込める海外で、新たな商圏や販路を求める日本企業がM&Aを加速していることが裏付けられた。
ロープス&グレー外国法事務弁護士事務所の今井毅氏は、これまでも日本の商社はエネルギー関連の投資を行ってきたが、「日本企業がPEファンドと組んで買収するケースは珍しい」と指摘した。
また、中国など新興国の長期的な経済成長が見込まれるなか、ファンドは今後、「石油・ガス企業への投資や、プロジェクトファイナンスなどへの投資を増やすのではないか」と述べた。
今回の買収について、KKRはコメントを拒否。伊藤忠の広報担当者はコメントを差し控えるとしている。
サムソンからのコメントは現時点で得られていない。
(ロイターニュース 江本恵美、Greg Roumeliotis、Michael Erman、取材協力:藤田淳子、井上裕子;編集 宮崎亜巳)
引用元:yahoo ニュース
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